ロスゼロブログ

カテゴリ一覧

【こどもの日】柏餅?ちまき?端午の節句を美味しく楽しみましょう!

公開日: 更新日:2024.05.08
柏餅とちまき

5月5日、春の訪れと共にやってくる「端午の節句」。

日本では、子どもたちの健やかな成長を願い、色とりどりの鯉のぼりが空を泳ぎます。そして、食卓には特別なお餅、柏餅やちまきが並びます。

柏の葉に包まれた柏餅、竹の葉でくるんだちまき、それぞれに込められた深い意味とは?

節句のお餅の魅力と、手軽に楽しめるレシピもご紹介します。


端午の節句とは

こいのぼり

5月5日はこどもの日

5月5日は端午の節句です。奈良時代から続く伝統行事で、家族や地域社会が子どもの長寿と幸福を願う特別な日です。
もともとは男の子の健やかな成長を願う日でしたが、今ではすべての子どもの幸福と成長を祝う日として広く親しまれています。

そんな端午の節句といえば、やはり五月人形鯉のぼり菖蒲湯が思い浮かびます。五月人形は、勇ましい武者人形が飾られ、子どもの将来の成功を願います。鯉のぼりは、力強く空を泳ぐ鯉のように、子どもが元気に成長することを願って飾られます。菖蒲湯は、菖蒲の邪気払いの力を借りて、無病息災を祈願するものです。

端午の節句は、日本の伝統文化を伝える貴重な機会でもあります。子どもたちと一緒に節句の風習や行事に参加することで、日本の文化や歴史への理解を深め、豊かな感性を育むことができるでしょう。

近年では、五月人形や鯉のぼりなどを飾って伝統行事を執り行うよりも、子どもたちにとってのイベントとしての側面も強くなっています。家族で一緒に柏餅を食べたり、菖蒲湯に入ったり、鯉のぼりを見上げたりしながら、子どもたちの成長を祝うひとときを過ごすのも良いのではないでしょうか。


端午の節句の歴史的背景

端午の節句は、中国の端午節から起源を持ち、屈原の伝説に由来します
屈原は古代中国の詩人で政治家であり、自らの理想とする政治が実現できず、国の腐敗に抗議して川に身を投げました。彼を悼む人々が川に粽(ちまき)を投げ入れたことが、端午節の起源とされています。この行事は、悪霊や災厄を払い、屈原の魂を慰める目的がありました。

この節句は朝鮮半島を経て奈良時代に日本に伝わり、日本独自の文化や風習を取り入れながら形を変えてきました。日本では、端午の節句が宮中での重要な行事となり、江戸時代には庶民にも広く普及しました。

さらに独自の形をとり、五月人形や鯉のぼりなどの飾りつけに発展し、子どもたちの未来への願いを込める日として定着しました。これらの風習は長い時間をかけて形を変えながらも、今日に至るまで多くの家庭で大切にされています


柏餅の由来と意味

柏餅

柏の葉の形状に込められた願い!柏餅の由来と縁起

柏餅は、端午の節句に食べられる伝統的な和菓子で、柏の葉で包んだあんこ餅が一般的です

その特徴的な包みに使用される柏の葉は、新しい芽を出しながら古い葉が落ちることが少ないため、子孫繁栄や長寿を象徴する縁起の良い植物とされています。また、柏の葉の色は、魔除けの効果があるとされ、柏餅自体のもち米と甘いあんこが、健康と幸福を願う意味合いを持っています。

このように、柏餅は単なる食べ物ではなく、祝祭の日に家族の幸せを願う強い願いが込められた存在です。


江戸時代から続く伝統の味!柏餅の歴史と変遷

柏餅の由来は、江戸時代初期にまで遡ります。当時、徳川将軍家では、家系繁栄を願って柏の葉で包んだ餅を食べる習慣がありました。その後庶民の間にも広まり、親しまれていた記録があります。
当時、端午の節句は男の子の健やかな成長を祈る日として特別視され、その祝いとして柏餅が選ばれました。

柏餅の形状や包装は時代と共に少しずつ変化してきましたが、その基本的な意味や使用される材料は今日まで引き継がれています。これは、食文化がどのようにして歴史を超えて受け継がれ、現代においても大切な役割を果たしているかの良い例です。


日本における柏餅の普及

柏餅は日本全国で知られる和菓子になり、地域によって微妙な違いが見られますが、その基本的な形と意味は変わりません。

特に端午の節句の時期になると、スーパーマーケットや和菓子店でさまざまな種類の柏餅が販売されます。この普及は、柏餅が日本の伝統や文化に深く根ざしている証拠であり、多くの人々に愛されている理由の一つです。

また、最近では健康志向の高まりとともに、素材や甘さを控えめにした新しいタイプの柏餅も登場しており、幅広い世代に受け入れられています。


ワールドワイドな食べ物「ちまき」

粽をつくっている

中国発祥の粽!ちまきとはどのような食べ物か

ちまきは、中国の端午の節句に由来する粽(ぞんぐ)という食品が原型です。この粽は、もち米や肉、豆などを竹の葉で包んで蒸し上げた料理で、もともとは邪気を祓うための食べ物と考えられていました。
端午の節句は、中国では詩人である屈原の死を悼む行事であり、人々は屈原の遺体を魚が食べないようにと粽を川に投げ入れました。

その後、ちまきは朝鮮半島を経て日本に伝来し、江戸時代には庶民の間にも広く普及しました。日本では、ちまきを端午の節句の食べ物として食べるだけでなく、縁起物としても重宝されています。

ちまきは、もち米やうるち米の他に、赤豆、棗、栗などの具材が入っていることもあります。また、地域によっては、笹や竹の葉の代わりに、とうもろこしやバナナの葉で包んだちまきも存在します。日本の端午の節句、多くのアジア地域での端午節にちまきが食べられています


ちまきの豊富過ぎるバリエーション

ちまきは、その起源が中国にあるものの、アジア各地などでさまざまな味や形で楽しまれています。

中国では、ちまきの起源地として、地域ごとに特有の具材と味付けがあります。例えば、広東地方では豚肉や塩卵、中国南部では甘い豆ペーストを使用したちまきがあり、一方で江蘇省では甘い赤豆や棗を使ったちまきが人気です。

台湾では、塩辛いちまきが一般的で、豚肉、干しエビ、ピーナッツが入ることが多いです。
ベトナムでは豚肉や干しエビ、緑豆などが具材として使われ、シンガポールでは鶏肉や干しシイタケ、ピーナッツなどが具材として使われます。
アジア以外でも、ハワイにはスパムやチーズなどが入ったちまきがあり、メキシコには、タマリンドと呼ばれる豚肉や鶏肉、野菜などが具材として使われるちまきがあります。

日本でも地域により異なり、西日本では白くて甘いちまきがよく食べられており、笹の葉で包まれています。東日本では、中華風のちまきである「おこわ」のようなものが食べられています。中には炒めたタケノコ、シイタケ、ニンジンなどが入っている三角形のちまきもあります。さらに九州南部では「灰汁巻き(あくまき)」と呼ばれる甘いちまきが食べられています。きなこや砂糖をまぶして食べることもあります。


三角形:特に日本の関東地方でよく見られる形です。竹の葉や笹の葉でもち米と具材を包んで、三角形に形作ることが多いです。この形状は手に取りやすく、食べやすいため、一般的に広く用いられています。
四角形または長方形:中国で一般的な形です。四角形や長方形に整えられたちまきは、しっかりと詰められており、中には豊富な具材が含まれていることが多いです。
円錐形:日本の関西地方でよく見られます。先が尖った円錐形は、見た目が美しく、竹の葉を使って巧みに包むことで形成されます。この形状は伝統的な手法であり、祭りや特別な機会に好まれるスタイルです。
その他の形状:地域によっては、独自の形状でちまきを作る文化もあります。例えば、台湾ではさまざまなサイズや形のちまきがあり、中には球形や楕円形をしたものも見られます。

このように地域ごとに多様なバリエーションが見られることから、ちまきは世界各地で独自の進化を遂げている食べ物と言えます


端午の節句に食べるちまき

ちまき

ちまきのバリエーションはたくさんありますが、端午の節句に食べるちまきは、もち米を主原料とした餅菓子のひとつで、とてもシンプルです。そのモチモチとした食感と笹の香りが特徴です。

一般的には、もち米やうるち米などで作ったお餅を、笹の葉などで巻いて、長円錐形または三角形に形作り、束ねたものです。端午の節句が近付くと、普段売っていないようなお店でも、このスタイルで販売されることが多いです。

端午の節句には、ちまきを食べることは、子どもたちの健康と成長を願う意味合いが強く、ちまきの笹や竹の葉が邪気を払う力を持つとされているため、これを食べることで災いから身を守るといわれています。また、もち米は古くから縁起が良い食材とされており、これを食べることで家族の健康と幸せを願っています。
また、形の象徴として、三角形のちまきは「立身出世」の願いを込める意味も持ち合わせています。

特に西日本では、ちまきは端午の節句において欠かせない食べ物であり、日本の伝統文化を象徴する貴重な存在として、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。


こどもの日とお餅の関係

柏餅とちまき

子どもたちの健やかな成長を願って!お餅に込められた願い

日本では、特別な日に特定の食べ物を食べることには、それぞれに意味があります。端午の節句にお餅を食べる習慣も例外ではありません。
特にお餅は、精米されたもち米から作られ、白さと純粋さが神聖な力を持つとされています。

白さ:純潔、無病息災
粘り:生命力、長寿

これらの願いは、端午の節句に込められている子どもたちの健やかな成長と幸福への願いと重なります。また、お餅は食べると胃に長く留まるため、持続的な健康や力強い生命力を象徴するとも考えられています。

また、端午の節句に食べられる柏餅やちまきには、それぞれ特別な意味が込められています。柏餅の柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから、子孫繁栄や長寿を象徴しており、ちまきの竹の葉は悪霊を払う力があるとされ、無病息災を祈るシンボルとされています。

これらのお餅を食べることで、家族は子どもたちの未来に対する願いを形に表しているのです


柏餅派?ちまき派?地域別の違い

日本国内で見られる端午の節句のお餅には、地域によって異なる特色があります。

関東地方では柏餅が一般的で、柔らかく、甘いあんこが中に入っていることが多く、その緑の葉が鮮やかな季節の象徴として親しまれています。一方、関西地方ではちまきが好まれ、その独特の香りと形、しっかりとした食感と塩味が特徴的です。

このように、柏餅とちまきの選好は地域に根ざした歴史や文化、気候によって左右されています。柏餅は、柏の葉が子どもたちの健康を守るという縁起から選ばれることが多く、ちまきはその形状から立身出世を象徴するともされています。

地域ごとのこれらのお餅は、それぞれの地域の伝統や祝日の風習を色濃く反映しており、日本全国で子どもたちの成長を祝うこどもの日の重要な一部となっています。


柏餅とちまきの簡単レシピ

せいろ

手作り柏餅とちまきの簡単レシピ

自宅で簡単に作れる柏餅とちまきのレシピをご紹介します。

柏餅

家庭で作る柏餅は、もち米を使わず、上新粉を使って簡単に、ふわふわ食感に作ることが多くなりました。

【材料】
上新粉 150g
白玉粉 50g
砂糖 15g
水 180ml
こしあん 180g
柏の葉 6枚

【作り方】
1.上新粉、白玉粉、砂糖をボウルに混ぜ合わせます。
2.熱湯を少しずつ加えながら、菜箸で混ぜます。生地がまとまってきたら、手でこねてなめらかにします。
3.生地を6等分にして丸め、ラップで包んで休ませます。
4.柏の葉を水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。ラップを広げ、その上に柏の葉をのせます。
5.柏の葉の上に生地を丸く広げ、生地の中央にあんこをのせます。
6.生地を包み、柏の葉でしっかりと形を整えます。6個全て同じように作ります。
7.蒸し器に水を入れて沸騰させ、柏餅を10分ほど蒸します。竹串を刺してみて、何もついてこなければ蒸し上がりです。
8.蒸しあがった柏餅の粗熱が取れたら、完成です。

【ポイント】
生地をこねすぎると硬くなるので、なめらかになるまで軽くこねるようにしましょう。
あんこは、こしあんだけでなく、つぶあんや抹茶あんを使っても美味しく作れます。
柏の葉は、香りが強いので水で洗い、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取りましょう。
蒸し器がない場合は、電子レンジで蒸すこともできます。その場合は、耐熱容器に水を入れ、ラップをかけて600Wで3分ほど加熱します。その後、柏餅を入れてさらに3分ほど加熱します。

【その他】
柏餅は、冷蔵保存で3日ほど日持ちします。
柏餅を冷凍保存する場合は、粗熱を取ってからラップで包んで冷凍庫に入れます。解凍する場合は、冷蔵庫でゆっくりと解凍しましょう。


端午の節句ちまき

シンプルなちまきは、素材本来の味を楽しめる、端午の節句の定番です。

【材料】
もち米:2合(360g)
水:360~400ml(少なめでも大丈夫です)
笹の葉:適量
塩:少々
井草(なければ麻紐でも可能):適量

【道具】
蒸し器
ざる
ボウル
ゴムベラ
包丁

【作り方】
1.もち米と水はボウルに入れ、30分ほど浸水させます。
2.笹の葉は水で洗い、熱湯でさっと茹でておきます。井草は水に浸けておきます。
3.蒸し器に水を入れて沸騰させます。
4.浸水させたもち米をざるにあげ、水気を切ります。
5.ボウルにもち米、塩を入れて混ぜ、6等分にして、それぞれ円錐形に丸めます。
6.それぞれを笹の葉で包み、井草で結びます。
7.蒸し器に入れ、20分ほど蒸します。
8.蒸しあがったちまきの粗熱が取れたら、完成です。

【ポイント】
標準的なちまきは一つ30~50gです。2合だと7~12個のちまきができます。
もち米はしっかり浸水させることで、ふっくらと仕上がります。
笹の葉は熱湯でさっと茹でることで、香り and 風味が良くなります。
蒸し時間は、もち米の大きさによって調整してください。
塩は、お好みで量を調整してください。

【アレンジ】
ちまきに、きな粉や黒糖をまぶしても美味しくいただけます。
笹の葉がない場合は、クワイの葉やバナナの葉で包んでもOKです。
電子レンジで温めても美味しくいただけます。

【その他】
ちまきは、シンプルだからこそ、もち米の旨味を存分に味わえます。
端午の節句以外にも、おやつや軽食としてもおすすめです。


残った柏餅もおいしく

端午の節句が終わった後の残った柏餅は、少し硬くなっても大丈夫。美味しく頂くことができます。

美味しく復活させる方法

【電子レンジで柔らかく】
柏の葉っぱを外し、柏餅の表面を少し濡らします。
ラップでくるんで、電子レンジ(500W)で20秒程度加熱します。
加熱が足りなければ様子を見て、少しずつ加熱してください。

【シリコンスチーマーで柔らかく】
シリコンスチーマーに水を入れます。
葉っぱをとった柏餅を入れて、電子レンジ(500W)で20~30秒加熱します。
加熱が足りなければ様子を見て、少しずつ加熱してください。

【蒸し器で柔らかく】
蒸し器に水を沸騰させます。
柏餅を蒸し器に入れます。
5~10分蒸します。

【トースターでカリッと】
オーブントースターに葉っぱをとった柏餅を入れます。
表面にこんがり焼き色がつくまで温めます。(様子を見てくださいね)

【ポイント】
加熱しすぎるとあんこが固くなったり、破裂する場合があるので注意が必要です。
柏餅がまだ硬い場合は、様子を見ながら追加加熱してください。
加熱後はすぐに取り出して、粗熱を取ってください。



おいしくアレンジ

柏餅のトースト

【材料】
柏餅:1個
バター:適量
シナモン:少々(お好みで)

【作り方】
1.柏餅を半分に切ります。(そのままでもOKです)
2.フライパンにバターを熱し、柏餅をこんがりと焼きます。
3.焼きあがった柏餅にシナモンを振りかければ完成です。

【ポイント】
柏餅は焦げやすいので、弱火でじっくりと焼きましょう。
シナモンの代わりに、メープルシロップやチョコレートソース、きな粉と蜂蜜をかけても美味しくいただけます。
柏の葉は細かく刻んでトッピングすることもできます。


残った端午の節句ちまきのアレンジレシピ

端午の節句ちまきは、・・・シンプルなお餅です。
お餅のアレンジをまとめてあるので、ぜひ活用してください。


【お餅のアレンジレシピ集】年末年始に余ったお餅、おいしく食べきろう♪
余ったお餅を美味しく食べきれるアレンジレシピをご紹介します! 定番の調理法から、意外な組み合わせのおかずやデザートまで、幅広いレシピを揃えました。

端午の節句は、家族みんなで楽しめる素敵な伝統行事です。

柏餅とちまきは、古くからの伝統を受け継ぎ、子どもたちの健やかな成長を願う気持ちを表す大切な食べ物です。

端午の節句には、家族みんなで「柏餅」「ちまき」を楽しみましょう!





同じカテゴリの他の記事はこちら

ロスゼロブログ一覧へ

この記事を書いた人

村上

サステナブルライターとして、SDGsや生活の知恵を発信しています。育児をしながら、子どもと一緒に地球に優しい生活を目指し中。趣味は料理と美術館巡り。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。