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災害時、在宅避難はあり?なし? メリット・デメリットから考えよう

公開日: 更新日:2024.01.05
災害時、在宅避難はあり?なし? メリット・デメリットから考えよう

 

災害が発生したら避難所に避難しなければ」と考える人も多いかもしれません。

しかし、自治体が用意している避難所には、地域の住民全員を迎え入れるだけのキャパシティはないことがほとんどです。

そういった場合には「在宅避難」も選択肢として考える必要があるでしょう。

そこで今回は、在宅避難とは何か、どのような場合だと避難所より在宅避難の方がよいのか、在宅避難のメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。



在宅避難とは

在宅避難とは、災害発生時、自宅に倒壊や浸水などのリスクがなく、排水などに問題がなく生活できる場合に、避難所ではなく自宅で生活を続けることです。

自治体が設置する地域の避難所は、公民館や小学校の体育館など広い施設が使われますが、それでも地域の住民全員を受け入れるだけのキャパシティはありません。地域によっては、避難所で受け入れることができるのは地域住民の約5%ということもあるようです。

そこで、自宅に問題がない場合にはそのまま生活を続ける在宅避難が注目されています。在宅避難をするにあたっては、自宅への被害が少なく生活に支障がないことや、食品や生活用品などが数日分備蓄されている必要があります。


在宅避難のメリット・デメリット

在宅避難のメリットとデメリット

在宅避難と避難所への避難には、それぞれメリットとデメリットがあります。在宅避難を行うかどうかは、メリット・デメリットの両方を比べて検討することが大切です。


在宅避難のメリット

在宅避難のメリットは、まず、プライバシーがしっかり守られるということ。避難所では、1家族に与えられるスペースは4平方メートルなど、非常に限られています。そのため、話し声や生活音なども筒抜けになってしまうでしょう。

しかし、在宅避難ではそのまま自宅で暮らし続けることができるため、日常生活と同様にプライバシーを確保することができます。また、災害などの非常時とはいえ、住み慣れた我が家で生活ができるため、心理的な負担も軽くすることができるかもしれません。

特に、小さいお子さんや高齢者、ペットがいる場合には、生活環境の変化によって体調を崩してしまうことも懸念されます。非常時でもできるだけ普段と変わらない暮らしをしたい、精神的な負担を増やしたくないという場合には、在宅避難の方が適しているのではないでしょうか。


在宅避難のデメリット

在宅避難のデメリットは、自治体などからの支援物資や情報を得るためには、その都度外出しなければならないということです。在宅避難の場合でも支援物資を受け取ることはできますが、支援物資の多くは避難所に持ち込まれるため、在宅避難している場合には受け取りに行かなければなりません。また、支援などに関する情報も避難所に連絡されることがあるため、情報収集のためにも避難所に赴く必要があると考えるのがよいでしょう。

高層マンションなどで在宅避難する場合には、停電でエレベーターが停止してしまった際、こうした移動が可能かどうかも検討する必要があります。


在宅避難する場合に備えておくべき生活用品

在宅避難の備蓄品

在宅避難をする際には、停電や断水になっていることも十分考えられます。電気、ガス、水道といったライフラインが使えなくても生活できるような状況を事前に整えておくことが重要です。

食料については、最低限3日分の食品や生活用品を備えておくべきだと言われています。例えば、飲料水は一人1日3リットル必要ですので「3リットル × 家族の人数分 × 3日分」を用意しておく必要があります。

停電時でも調理ができるように、カセットコンロやガスボンベも準備しておきましょう。ガスボンベは3本セットをいくつか用意しておくことをお勧めします。食品は、家族の誰でも調理できるようなレトルト食品やインスタント食品を用意しておくのがベターです。食べ飽きることがないようにいくつかの種類を揃えたり、普段食べ慣れているものも用意しておくとよいでしょう。

また、水が出なくても衛生的に過ごせるように簡易トイレや完全防臭のゴミ袋なども準備しましょう。体を拭くためのシートや、赤ちゃんがいる場合にはガーゼなども余分に必要です。小さいお子さんがいる場合には、電気がなくても遊べるおもちゃにも日頃から親しんでおくようにしましょう。


在宅避難するかどうか迷ったら

悩む天秤

災害時、避難所へ避難するか、在宅避難を選ぶかは難しい選択かもしれません。

そこで、自治体が公表している避難場所を決める際のフローチャートをご紹介します。ここでご紹介するのは地震を想定した大阪市のフローチャートですが、お住まいの自治体もホームページなどで公表していることがあります。気になる方は、合わせてチェックしてみてください。(参考:https://www.city.osaka.lg.jp/tennoji/cmsfiles/contents/0000267/267790/handbook06.pdf


安全を最優先し避難後の暮らしも想像して決めよう

家族で避難場所を相談在宅避難にはプライバシーを確保できるメリットがある一方で、事前にしっかりと防災の備えをしておく必要があることもわかりました。安全を最優先することは大前提ですが、避難所での暮らしにはさまざまなストレスがかかる可能性もあることを認識しておくことが大切です。

特に、高齢者や小さいお子さんは環境の変化で体調を崩してしまう恐れもあるため、在宅避難の可能性もしっかり検討することをお勧めします。

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この記事を書いた人

サステナブルライター 山下

電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。