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ESG投資とは?SDGsを推進する企業を応援!

公開日: 更新日:2024.01.09
ESG投資とは?SDGsを推進する企業を応援!


最近、企業の社会的責任や持続可能性に対する注目が高まっています。金融市場おいても、"持続可能性"という言葉が一層重要になってきています。

多くの人々が環境保護や社会正義に貢献する企業を支持し、その結果、新たな投資スタイルであるESG投資が注目を集めています。しかし、ESGや持続可能性といった言葉は一体何を指し、それが私たち一般人にどう関わってくるのでしょうか?


ESG投資の基礎知識

ESG

ESG投資とは

SG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素に配慮した投資手法です。従来の投資では、財務情報のみが投資判断の基準とされていましたが、ESG投資では、財務情報に加えて、非財務情報も考慮されます。
ESG投資は、持続可能な社会の実現に貢献する企業に投資する方法と言えます。気候変動や社会格差などの課題は、企業にも大きなリスクをもたらす可能性があります。ESGに配慮した企業は、これらの課題に対処する能力が高いため、財務的にも安定した成長を遂げる可能性があります。
近年、ESG投資の市場規模は拡大しています。2022年には、世界のESG投資額は35兆ドルを超えると予想されています。
日本でも、ESG投資への関心が高まっており、2021年には、ESG投資を行うためのETF(上場投資信託)が10本以上新規上場しました。
ESG投資は、投資家にとって、収益性の向上と社会的責任の両立を実現する可能性を秘めています。今後、ESG投資はますます重要度を増していくと考えられます。

環境(Environment)

ESG投資における環境に関する評価項目としては、主に以下のようなものが挙げられます。

気候変動対策:再生可能エネルギーの利用、省エネ、二酸化炭素排出量の削減など
資源の循環利用:廃棄物削減、リサイクル、リユースなど
環境汚染対策:水質汚染、大気汚染、土壌汚染など

気候変動対策は、近年最も重要な環境課題のひとつです。気候変動によって、異常気象や海面上昇などの被害が世界中で発生しています。気候変動対策に積極的に取り組んでいる企業は、将来的に大きな利益を得ることができる可能性があります。
資源の循環利用は、環境と経済の両面で重要な取り組みです。資源の枯渇や環境汚染を防ぐために、廃棄物の削減やリサイクルの促進が求められています。資源の循環利用に取り組んでいる企業は、持続可能なビジネスモデルを構築していると言えます。
環境汚染対策は、企業の社会的責任として重要です。水質汚染や大気汚染などの環境汚染は、人々の健康や生活に悪影響を及ぼします。環境汚染対策に取り組んでいる企業は、社会に貢献していると言えます。

社会(Social)

ESG投資における社会に関する評価項目としては、主に以下のようなものが挙げられます。

労働環境:労働者の権利の保護、安全衛生、多様性の推進など
人権:人権の尊重、差別の禁止など
社会貢献:地域社会への貢献、公益活動など

労働環境は、企業の社会的責任の根幹となるものです。労働者の権利を保護し、安全衛生を整備することは、企業の持続的な成長のために不可欠です。また、多様性の推進も、企業の競争力を高める上で重要です。
人権は、すべての人間が平等に享受すべき権利です。人権の尊重を重視している企業は、社会的責任を果たす企業と言えます。差別や偏見をなくすことで、企業はより多くの人々から支持を得ることができるでしょう。
社会貢献は、企業の社会的責任の重要な側面です。地域社会や公益活動に貢献することで、企業は社会に恩返しをすることができます。また、社会貢献は、企業のブランドイメージの向上にもつながります。

ガバナンス(Governance)

ESG投資におけるガバナンスに関する評価項目としては、主に以下のようなものが挙げられます。

透明性:情報開示の充実、コンプライアンスの遵守など
説明責任:経営陣の責任の明確化、株主とのコミュニケーションなど

透明性とは、企業の意思決定や財務状況などの情報を、株主や投資家など、ステークホルダーに適切に開示することです。コンプライアンスとは、法律やルールを遵守することです。企業が透明性とコンプライアンスを重視していることは、投資家にとって安心感を与えます。
説明責任とは、経営陣が企業の経営方針や業績などを、株主や投資家など、ステークホルダーに説明する責任です。経営陣が説明責任を果たしていることは、企業の透明性と信頼性を高めます。

持続可能な開発目標(SDGs)とESG評価:企業が未来に投資する戦略

コインの中から木が生えている

SDGsと企業戦略:社会的説明責任からビジネスチャンスまで

持続可能な開発目標(SDGs)は17の目標と169のサブターゲットから成り立っており、これに対応することは企業にとって避けられない課題です。具体的には、環境の保全、貧困削減、教育の普及など、広範な目標が掲げられています。これらの目標をビジネスモデルに組み込むことで、新たな市場や顧客層にアプローチするチャンスが増えるだけでなく、既存顧客のロイヤルティも高まる可能性があります。
ハーバードビジネスレビューによる調査では、SDGsに基づく戦略を採用する企業は、平均で業績が12%向上したと報告されています。また、消費者調査によれば、81%の消費者が企業の社会的責任を購買判断において重視しているとされています。これは、SDGsへの取り組みが単なる社会貢献だけでなく、企業価値と密接に関連していることを示しています。

ESG評価の影響:投資運用からコンプライアンスまで

近年の投資トレンドとしてESG評価が注目されています。ESG評価が高い企業は、投資家からの資金調達が容易であり、その結果、資本コストが低下する傾向があります。これは企業の財務パフォーマンスに直接貢献します。
デロイトの調査では、コンプライアンス違反が明らかになった企業の株価は平均で10%以上下落すると報告されています。このように、ESG評価は企業リスクの低減やコンプライアンス遵守にも密接に関連しているため、投資選定だけでなく企業経営にも大きな影響を与えています。

持続可能なビジネスモデルと社会的課題への取り組み

持続可能なビジネスモデルとは、短期的な利益だけでなく、環境や社会、そして企業の持続可能性にも配慮した経営を指します。アクセンチュアの調査によれば、このようなビジネスモデルを採用した企業は5年間で平均19%の収益増加を記録しています。
また、教育や健康といった社会的課題への積極的な取り組みも重要です。特に新興国での教育プログラムや、従業員の健康促進プログラムは、社内外での企業評価を高める要素となっています。これらの取り組みは、中長期的には従業員のスキルとモチベーションを向上させ、企業パフォーマンスにも寄与するでしょう。

企業の実践:SDGsとESGの統合

多くの先進的な企業は、SDGsとESG評価を統合した経営戦略を採用しています。これは、両者が互いに補完的であり、企業の社会的価値と経済的価値の同時追求を可能にするからです。例えば、製品ライフサイクルの環境影響を低減する取り組みは、SDGsの「持続可能な消費と生産」の目標に寄与すると同時に、ESGの「環境」評価の向上にも繋がります。
このような統合的なアプローチは、企業が真に持続的なビジネスモデルを実現し、新たなビジネスチャンスを探るうえでの強力な武器となり得ます。

持続可能な投資:リスク、リターン、および個人投資家の選択

個人投資

リスクとリターン:サステナビリティと資金運用

持続可能性と資金運用は密接に関連しており、多くの研究が高いリターンと良好なリスク管理の関連性を示しています。
ハーバードビジネススクールの研究によれば、サステナビリティを考慮に入れた企業は5年以内に平均で約25%の高いリターンを出しています。これは、サステナビリティを重視する企業が、気候変動や資源の枯渇といった環境リスクに対して先手を打ち、未来にわたって安定した業績を上げる可能性が高いからです。投資運用においても、このような企業は安定したリターンが見込めます。

企業の社会的インパクトと収益

社会的インパクトも企業の収益に直接的な影響を与えています。ゴールドマン・サックスの報告によれば、社会的側面で優れている企業は5年で平均約20%の高い収益成長を達成しています。特に、従業員の福利厚生を高めることで生産性が向上し、それが収益に寄与しています。さらに、社会的課題に対応する商品やサービスを提供することで、消費者の支持も受けやすくなります。

個人投資家の選択:ESG基準と公正・平等の考慮

個人投資家にとっても、ESG(環境、社会、ガバナンス)基準は重要な指標です。PwCのレポートによれば、ESGに優れた企業への投資は10年以内に平均で20%以上のリターンが期待されます。公正・平等な経営が行われている企業も同様に高いリターンが見込めるとされており、モーニングスターの調査によれば、これらの企業は5年で約30%の収益成長を達成しています。
個人投資家は、SRI(Socially Responsible Investment)MSCI ESG Ratingsなどの国際的に認められた基準を参考に、持続可能で安全な投資選択が可能です。

ESG投資と持続可能性: 三つの焦点

エコ

グローバルな環境問題とESG

環境問題は、地球全体に影響を与える複雑な課題であり、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資はこれに対する解決策の一つです。気候変動、海洋汚染、生物多様性の喪失といった課題は、企業がその業績に反映させる重要な指標とも言えます。
国連環境計画(UNEP)によれば、2050年までに海のプラスチック量が魚の量を上回る可能性があり、このような予測を受け、企業が環境への取り組みを強化しているのは明らかです。企業の環境への取り組みは、ESG投資の「E」、すなわち「Environmental(環境)」の評価に直接影響し、投資家にとっても重要な考慮点となります。

多文化とダイバーシティの影響

多文化とダイバーシティは、今日のビジネスにおいて欠かせない要素です。マッキンゼーの調査によると、ジェンダー多様性が高い企業は25%高いパフォーマンスを示すとされています。これは、多様な人々がもたらす多角的な視点と経験が、イノベーションと問題解決能力を高めるからです。
ESG投資においても、「S」、すなわち「Social(社会)」の側面で、ダイバーシティとインクルージョンは重要な評価軸とされています。企業がこれに取り組むことで、より多くの投資家から評価され、投資を引きつける可能性が高まります。

再生可能エネルギーの採用

再生可能エネルギーの採用は、気候変動対策において極めて重要です。国際エネルギー機関(IEA)によれば、2030年までに再生可能エネルギーの割合を30%まで引き上げれば、CO2排出量は大幅に削減できるとされています。
ESG投資においては、再生可能エネルギーへの投資やその採用は、「E」の評価を大いに高めます。太陽光、風力、地熱などのエネルギー源は環境負荷が低く、持続可能な未来への道を開くものとされています。そのため、これらのエネルギーに注力する企業は、投資家からも高く評価される傾向にあります。

これらの三つの項目は、ESG投資が今後ますます重要になる中で、企業と投資家が注目すべきポイントを示しています。このような取り組みが広がることで、持続可能な未来が一層現実的なものとなるでしょう。


ESG投資とSDGsは、単なる流行や業界用語ではなく、未来に対する私たちのコミットメントを形にする手段です。これらの概念が提供するのは、利益だけでなく価値も創出する新しい経済の形です。

企業はもちろん、個々の投資家もこの流れに乗って、環境、社会、そしてガバナンスにポジティブな影響を与える選択ができます。皆さん一人一人が小さな一歩を踏み出すことで、大きな変化が起こる土壌が整うのです。




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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。