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レジ袋有料化でプラスチックの使用量は減少した?意識改善につなげる政策

公開日: 更新日:2024.01.31
レジ袋有料化でプラスチックの使用量は減少した?意識改善につなげる政策


私たちの日常生活に大きな変化をもたらしたレジ袋の有料化

この小さな変化が、どのようにしてプラスチック使用量の減少や環境意識の改善につながっているのか、その背景から成果、さらには今後の展望までを探っていきたいと思います。

毎日の買い物が私たちの地球に与える影響を一緒に考えてみましょう。


レジ袋有料化への道のり

レジ袋有料化

レジ袋有料化の背景と目的

プラスチックごみに関する世間の関心が高まってきたのは、2010年代後半から2020年代にかけてです。

2010年代後半には、海洋プラスチックごみによる環境汚染が世界的に問題視されるようになり、メディアやSNSで頻繁に取り上げられるようになりました。また、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」にも、海洋プラスチックごみの削減が盛り込まれました。

日本におけるレジ袋有料化は、プラスチック使用量の削減と環境保護を目的としています。この政策は、プラスチック廃棄物の増加とその環境への影響に対する世界的な関心の高まりを背景に導入されました。

レジ袋は日常生活で広く使われており、その大量消費が環境汚染の主な原因の一つと指摘されていたため、これらの袋の使用を減らすことが環境保護の重要なステップと見なされました。
この政策により、レジ袋の乱用を防ぎ、消費者の環境意識を高めることが期待されています。


有料化導入への具体的な流れ

レジ袋有料化への具体的な流れは、政府の環境政策と世論の変化によって推進されました。政府は、プラスチックごみ削減の一環としてレジ袋の有料化を検討し始め、関連法規の整備やパイロットプログラムを実施しました。
同時に、消費者や事業者への啓発活動が行われ、環境に優しい代替品の使用が奨励されました。

これらの取り組みは、社会全体での環境保護意識の高まりとともに進行し、2003年には、東京都が全国で初めてレジ袋の有料化を実施しました。その後、京都府や神奈川県など、全国各地で有料化が導入されるようになりました。

2020年には、全国でレジ袋の有料化が義務化されました。このプロセスを通じて、持続可能な社会に向けた重要な一歩が踏み出されたと言えます。


レジ袋有料化の成果は?

レジ袋有料化の効果

レジ袋使用量の削減効果

レジ袋有料化により、多くの店舗でプラスチック製レジ袋の提供が有料となりました。この政策の直接的な成果として、レジ袋の使用量が顕著に減少しました。

環境省の調査によると、2020年7月から2022年3月までのレジ袋の使用量は、有料化前と比べて約50%減少しました。これは、約10万トンのレジ袋が削減されたことになります。

レジ袋の使用量が大きく減少した背景には、消費者の意識変化が大きく影響しています。有料化によって、レジ袋を持ち帰る消費者が増え、レジ袋を受け取らない消費者も増えました。

また、事業者の対応もレジ袋使用量の削減に貢献しました。多くの事業者が、レジ袋を希望する消費者に対して、バイオマスプラスチック製や再生素材製のレジ袋を提供するなど、環境に配慮した取り組みを行っています。

この削減効果は、プラスチックごみの減少に直結し、環境保護に寄与しています。


プラスチック削減への貢献度

レジ袋の有料化は、プラスチック削減という大きな目標にどの程度貢献しているのでしょうか。
実際のところ、レジ袋の使用減少は、全体のプラスチック消費量にも影響を及ぼしています。

環境省の試算によると、レジ袋有料化によって、年間約25万トンのプラスチックが削減される見込みです。これは、ペットボトル約10億本分に相当する量です。

レジ袋は、海洋プラスチック汚染の原因の一つにもなっています。レジ袋の使用量が減少することで、海洋プラスチック汚染の抑制にもつながることが期待されます。
さらに、この政策は他のプラスチック製品に対する意識改革のきっかけともなっており、より広範な環境保護への意識向上に貢献しています。


消費者意識の変化

レジ袋有料化は、消費者の環境に対する意識を大きく変えました

かつては当たり前のように使われていた無料のプラスチック袋が有料化されることで、多くの人々がその使用を見直し始めました。有料化後、消費者の間でエコバッグの使用率が高まり、一回の買い物で複数のレジ袋を使用することが減少しました。

環境省の調査によると、レジ袋有料化をきっかけに、プラスチックごみへの関心が高まったと回答した人が約8割に上りました。また、環境問題への意識が高まったと回答した人も約7割に上りました。

このように、レジ袋有料化は、単にレジ袋の使用を減らすだけでなく、消費者の環境に対する意識を高める効果ももたらしています。


レジ袋有料化の課題は?

ゴミ袋

増加するゴミ袋需要

レジ袋有料化政策の副作用として、家庭用ゴミ袋の需要が増加しています。無料のレジ袋がゴミ袋として広く使われていたため、その有料化により消費者は代わりに専用のゴミ袋を購入するようになりました。

環境省の調査によると、2020年から2021年にかけて、ゴミ袋の販売量は約10%増加しました。この需要の変化は、プラスチック使用量の全体的な削減に対して、逆効果を生んでいる可能性があり、政策の再検討を求める声も上がっています。

また、ゴミ袋の需要増加は、家庭ごみの分別やリサイクルに影響を与える可能性があります。ゴミ袋の使用量が増えると、家庭ごみの重量や体積が増加し、分別やリサイクルが難しくなる恐れがあります。
さらにゴミ袋の値段が上がることで、家庭ごみの処理コストが増加する可能性もあります。


家庭ごみ処理の変化

レジ袋の有料化は、家庭でのごみ処理方法にも影響を与えています。

環境省の調査によると、レジ袋有料化をきっかけに、レジ袋を受け取らずに、自宅で用意した袋に買い物を詰めて持ち帰る人が増えました。
レジ袋は、家庭ごみの代表的なプラスチックごみのひとつです。レジ袋の使用量が減ると、家庭ごみの中にレジ袋が含まれる量も減ります。そのため、家庭ごみの量を減らすことができるためと考えられます。

また、無料レジ袋の削減により、家庭内でのごみ分別や保管方法に変更が求められています。一部の家庭では、ゴミを捨てるための新たな方法を模索し、環境に優しい代替品の使用が増えています。

しかし、この変化はすべての家庭で一様に進んでいるわけではなく、特に高齢者や一人暮らしの世帯では、新しいごみ処理方法への適応に苦労しているケースもあります。


事業者の対応と行政の支援

レジ袋有料化は事業者にも大きな影響を及ぼしています。

スーパーやコンビニなどの小売店は、消費者のニーズに応えるためにバイオマスプラスチック製や再生素材製のレジ袋を提供したり、エコバッグの販売の強化、マイバッグやエコバッグの持参を促すキャンペーンを実施したりしています。

一方で、この政策変更による経済的負担は小規模な事業者にとっては大きな課題です。行政からのサポートや指導が必要とされており、政府は事業者への支援策を模索しています。

行政はレジ袋有料化の周知や啓発活動を実施したり、マイバッグやエコバッグの普及を支援したりしています。また行政の支援には、補助金の提供や、エコフレンドリーな代替品への移行を支援するための情報提供なども含まれます。

事業者や行政の取り組みは、レジ袋の使用量のさらなる削減や、消費者意識の向上につながることが期待されます。


世論の環境意識の変化

プラごみ

プラスチックごみへの関心の高まり

レジ袋有料化は、プラスチックごみ問題に対する世論の関心を高めるきっかけとなりました。

政策導入以降、メディアや教育機関でプラスチックの環境への影響に関する情報が広く共有されるようになり、一般市民の間でプラスチックごみ削減の重要性についての意識が高まっています。
実際のところ、レジ袋有料化によって、消費者は日常生活の中でプラスチックごみ問題に直面する機会が増えました。その結果、プラスチックごみの削減やリサイクルの重要性について考える人が増えたと考えられます。

この関心の高まりは、消費者は使い捨てプラスチック製品の影響についてより意識的になり、プラスチックの削減や代替品への移行に積極的になり、より持続可能な消費行動へと導いています。


環境問題への意識の向上

レジ袋有料化に伴い、環境問題全般に対する意識も向上しています。

この政策は、単にレジ袋の使用を減らすことに留まらず、環境保護の重要性に対する一般市民の認識を深める効果を持っています。

リサイクルと廃棄物管理:人々はリサイクルの重要性や適切な廃棄物管理の方法についても学び、これらの活動に積極的に参加するようになります。
持続可能な消費:環境に優しい製品へのシフトや、持続可能な消費様式に関する意識が高まります。これには、リサイクル可能な材料や生分解性の材料を使用した製品の選択などが含まれます。
気候変動:プラスチック汚染と廃棄物管理の問題は、広範な気候変動の議論と密接に関連しています。消費者は、日常生活の選択が地球温暖化に与える影響についても意識を高めます。
生物多様性の保護:海洋や陸地の生態系へのプラスチック汚染の影響を理解することで、生物多様性の保護に対する関心も高まります。

総じて、レジ袋有料化は環境問題への包括的なアプローチを促進し、より持続可能な生活様式への移行を奨励しています。
多くの消費者が環境に優しい製品の選択や、持続可能な生活様式に関心を持つようになり、環境保護活動への参加意欲も増加していることが示されています。


国際比較に見る影響

日本におけるレジ袋有料化の影響を国際的な視点で評価することは、世界各国でのプラスチック削減への取り組みを理解する上で重要です。

欧米諸国では、既に多くの国でレジ袋有料化が実施され、プラスチック使用の大幅な削減やリサイクル率の向上、さらには消費者の環境意識の高まりが報告されています。
アジアの国々でも、レジ袋有料化の導入が進んでおり、これによってプラスチックごみの削減や持続可能な消費慣行の促進が見られます。

これらの国々での取り組みを比較することで、日本におけるレジ袋有料化政策の成果をより深く理解することができます。
例えば、文化的背景や経済状況が異なる国々の中で、どのようなアプローチが特に効果的であったか、どのような課題があったかを考察することが可能です。

国際比較は、日本の今後の環境政策において新たなアイデアを得るための重要な手がかりを提供し、さらなる改善や効果的な戦略を考案するための基盤となります。また、グローバルな視野で環境問題に対処することの重要性を浮き彫りにし、国際協力や共同の取り組みを促進するきっかけともなり得ます。


レジ袋有料化の今後の展望

エコバッグ

レジ袋の代替品普及

レジ袋有料化により、レジ袋の代替品として、エコバッグや紙袋、マイバッグなどの普及が進んでいます。これらの代替品は、環境に優しい素材で作られ、何度も使用することができるため、プラスチックの使用量を減らす効果が期待されています。

環境省の調査によると、レジ袋有料化をきっかけに、エコバッグや紙袋、マイバッグを利用する人が増えました。市場調査によれば、エコバッグの使用率は有料化後急速に上昇しており、消費者の環境に対する意識の変化を示しています。

今後、これらの代替品がさらに普及し、プラスチック削減に大きく貢献することが期待されています。


環境負荷の低減

レジ袋有料化による環境負荷の低減は、具体的な成果を示しています。

環境省の試算によれば、この政策によって年間約25万トンのプラスチック削減が見込まれ、これはペットボトル約10億本分に相当する大量のプラスチック削減を意味しています。
このような削減は、プラスチック廃棄物の減少と直接的に関連し、自然環境への影響を顕著に軽減することに繋がります

レジ袋の使用減少は、海洋や河川などの自然環境へのプラスチック汚染の低減に寄与するだけでなく、エネルギー消費と二酸化炭素排出の削減にも影響を及ぼします
プラスチック製造プロセスはエネルギー集約的であり、使用減少はこれらの環境コストの削減にもつながるのです。

さらに、この政策はプラスチック製品の再利用やリサイクルへの意識向上にも寄与しています。
消費者や企業は代替品の探索やリサイクル可能な素材の使用により意欲的になり、これが持続可能な資源利用の推進に貢献しています。

結果として、レジ袋有料化は単なるプラスチック削減にとどまらず、広範な環境保全への取り組みへの意識改革を促進しています。
今後もこの傾向が持続すれば、地球環境保護において大きな一歩を踏み出すことが期待されます。


持続可能な社会の実現

レジ袋有料化は、持続可能な社会を実現するための重要な一歩です。

この政策を通じて、消費者は日常生活の中で環境に優しい選択をすることが増え、環境意識が高まっています
このような意識の変化は、持続可能な消費行動や資源利用への波及効果を持ち、社会全体の持続可能性に対する意識を高めています。環境への影響を考慮した選択が増えることで、資源の効率的な利用や環境への負荷低減が進み、持続可能な社会の構築へと繋がっています。

この政策は単にレジ袋の使用を減らすだけでなく、広範な環境保護活動への意識改革を促進しています。
これにより、消費者、企業、政府が協力し、環境保護に積極的に取り組むことが期待されます。

 

持続可能な社会では、環境、経済、社会のバランスを重視し、将来世代のために資源を保全することが重要です。
レジ袋有料化は、このような社会を実現するための一環として、大きな意味を持ちます。
消費者の行動変容を通じて、持続可能な生活様式の普及を促し、より良い未来に向けての重要なステップとなるでしょう。



【参考資料】
環境省:プラスチック資源循環







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この記事を書いた人

村上

サステナブルライターとして、SDGsや生活の知恵を発信しています。育児をしながら、子どもと一緒に地球に優しい生活を目指し中。趣味は料理と美術館巡り。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。