こんにちは、代表の文美月です
今月より、
月刊AMJ(Agricultural Marketing Jornal)に、コラムを掲載させていただくことになりました。
こちらの雑誌は、農業関係者の方に広く読まれている業界誌です。
6月号、初回のコラムは、日本の食品ロスについてのお話です。
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月刊AMJ6月号寄稿 「ロスゼロチャレンジ」
日本はたくさん輸入してたくさん捨てる国
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今月からコラムを寄稿させていただく株式会社ビューティフルスマイルの文美月と申します。
「ロスゼロ」という食品ロスの削減を目指す事業を、主にインターネット通販を通じて行っています。
大阪府から「おおさか食品ロス削減推進パートナー」企業として認定を受けています。
具体的には、食品メーカー、卸小売業で発生する余剰品、3分の1ルールが原因で販路不足に陥り、その結果賞味期限が近付いてくる食品、また、最初から市場に出ることがないまま廃棄される規格外食品などを弊社が買い取り、ネット販売することで廃棄になってしまう食品ロス予備軍を減らしています。
ここで弊社が目指しているのは、
1、「廃棄コストを減らしたい食品提供企業」と、
2、「美味しくてお得な商品を食べることで社会に貢献したい消費者」を、
3、「ロスゼロが直接つなぐ」ことで、Win-Win-Winの関係になっていくことです。
では食品ロスの定義についてみてみましょう。
食品ロスとは、まだ食べられるのに関わらず廃棄されてしまう食品を指します。
農林水産省の推計(平成29年度)によると、日本では年間2,550万tの食品廃棄物等が出されており、このうち食品ロスは612万t。
これは国民一人当たり「お茶腕約1杯分(約132g)」の食品を毎日捨てていることになります。
ちなみに日本の食品ロスは、世界で飢餓に苦しむ人々への世界の食糧援助量
約390万t (平成30年度)の1.6倍に相当します。
さらに、日本の食料自給率はカロリーベースで37%(平成30年度)という大変低い数字ですが、これは「たくさん輸入しておきながらたくさん捨てている」国であることを示しています。
食品ロスは一体どこで生まれているのでしょうか。
612tのうち46%は、一般家庭で発生しています。
例えば食品の買い込みすぎ、皮の過剰除去、食べ残し、未利用のまま賞味期限がきて廃棄、などが挙げられます。
そして54%は食品関連事業者から出ています。
内訳は製造業が121万t、
卸小売業で80万t、
外食産業で130万tです。
外食産業の具体例は、来店者の食べ残し、過剰注文、来店キャンセル、店の食材の未利用などが挙げられます。
農家などの生産者を含めると、まさにすべてのステージで食品ロロスが生まれていることが分かります。
そんな中、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、食品業界にも大きな変化が生まれています。
日本各地で食べ物が未利用のまま滞留し、大量の食品ロスが発生したのです。
2月末に全国の学校が一斉に休校となったことにより、給食用の食材が突然宙に浮いてしまったことも皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。
次回は、新型コロナウイルスの影響で発生した食品ロスのケースを紹介します。
弊社ロスゼロにも、大変多くの食品関連事業者の方々からご相談をいただきました。
それらを紹介することで、日本の食事情も同時に垣間見えてくるのではと思います。
食べ物は本来、人を笑顔にするものです。
どんな発生原因であれ、
「せっかく心を込めて作ったものだから、最後まで食べてほしい」という作り手の思いは共通です。
「食品ロス」という言葉には、廃棄、損失という、どちらかというと後ろ向きなイメージがついて回りますが、決してネガティブなものではなく、元々日本人が持ち合わせている
「もったいないものを最後まで大切にする」
ことへの回帰であり、見直しでもあります。
「もったいないもの」にもう一度光をあて、作る人も食べる人もみんなが笑顔になれる、新しい消費スタイルを創造していくことが今、日本社会に求められています。
月刊AMJ コラム寄稿