この画像はフリー素材より引用
こんにちは、中澤です。
最近、食品ロスの問題がもっと身近に感じられるための活動として、アーティストがアート作品を通じて、食品ロスの問題を伝えているのを知りました。
そこで、今回は食品ロスに関するアート作品を
いくつか紹介したいと思います。
SDGs2番目の目標は「飢餓をゼロに」
飢餓をゼロにするためには、私たち自身がもっと食品ロスの問題を身近に感じ、行動をして行く必要があります。
アーティストたちの作品は、私たちと食品ロスを結びつけてくれるきっかけの1つとなることでしょう。
クラウスピヒラーの作品
クラウスピヒラーは、食料品の形が時間の経過とともに変化する様子を撮影するという
「'One Third' Project」をしたアーティストです。
ヨーロッパでは50%の食料品が廃棄されていた時期がありました。
写真では食料品の廃棄と世界の食料生産のつながりに言及したものとなっています。
「'One Third' Project」によるフードアート
クラウスピヒラーとはどんな人?
1977年生まれで、現在はオーストリアのウィーンで働いています。
2005年に大学を卒業し、
2005年以降はフリーランスの写真家として活動しています。
様々な賞を獲得したり、展覧会を開いたりしており、
主にヨーロッパで活躍している人物です。
クラウスピヒラーは生産された食品の 3分の1以上は廃棄されている ことを知ってショックを受け、現在はビーガンとなっています。
食べ物が腐っていくものに汚いイメージがあり、目を背けてしまいがちになってしまいますが、美しい写真をとることで、食べ物を腐らせている現実に人々を向けさせる目的もあるのではないかと感じました。
イタマールギルボアの作品
イタマールギルボアは1年の間に自分が飲み食いしたものを全て複製して展示会をしたアーティストです。
イタマールギルボアが365日で食べた8000点以上のものが飾られました。
この展示会は日常的に私たちがどのくらいの飲み食いをしているのかを実際にみることで、食料問題の議論が盛り上がることを目的としています。
イタマールギルボアとはどんな人?
イタマールギルボアはイスラエルで生まれ、
現在はオランダのアムステルダムに住んで仕事をしています。
イタマールギルボアの作品は
イスラエルやオランダの美術館などで展示されています。
イスラエルとオランダの両方の影響が作品にあり、彫刻や絵など様々な方法で表現をしています。
また舞台芸術なども学んだ経験もあります。
消費文化を可視化するという試みはとてもおもしろいですよね。
ものをどんどん捨ててしまうことで、どれだけ捨てたかが見えづらくなる現代においては、可視化することがとても大切 であると感じます。
アリザ・エリアザロフの作品
アリザ・エリアザロフはアメリカの写真家です。
この作品に写っている食べ物は一度スーパーや飲食店が廃棄してしまったものを、アリザ・エリアザロフが拾って撮影したものです。
実際にまだ食べられるものを捨ててしまうことへの抗議を表した写真です。
アリザ・エリアザロフとはどんな人?
アリザ・エリアザロフは写真家だけではなく作家としても活動しています。
主に動物や植物に焦点を当てた作品が多いです。
作品はパリ、ニューヨーク、中国などで展示されたことがあり、
様々な賞を受賞しています。
実際に捨てられている食品をアートに利用して評価を得るというのは、日常生活で食品ロスを意識しない人々に対して、食品ロスの存在を知ってもらうために、とても大きな意味があると思います。
ウィ・ウェストファルの作品
ウィ・ウェストファルは、形が悪く市場では売買されない農作物などの写真を撮ったりなどするアーティストです。
形が悪いというだけで売買がされず、廃棄されてしまう農作物が売られないということに抗議するだけではなく、植物の様々な形から感じられる多様性に着目した作品です。
ウィ・ウェストファルとはどんな人?
ウィ・ウェストファルはドイツ在住のアーティストです。
ウィ・ウェストファルは人間がどのように世界を認識しているかに着目しており、特に誤解や思想が人間の自然への見方にどう影響するのかに興味があるそうです。
最近では食品産業にも関心を持っています。
家庭菜園や学校の課外授業で、おかしな形の野菜や根菜が存在することを知っているはずです。
それなのに、スーパーやコンビニで変な形のものが販売されていないのはおかしいと感じるきっかけになるのではないかと個人的に感じています。
ディミトリ・ツィカロフの作品
ディミトリ・ツィカロフは
リンゴ、ナスなどを頭蓋骨の形になるように彫刻をしており、不要となった野菜の恨みを表しているようにも感じられます。
ディミトリ・ツィカロフはどんな人?
ディミトリ・ツィカロフはロシア出身で、現在はパリに住んでいます。
飢餓や食料廃棄に対するメッセージを送る手段としてアートを活用しています。
彼の他の有名な作品としては肉を素材にして銃や人の体の一部を作るなど刺激的な作品が多いです。
主にロシア、フランス、アメリカで展覧会を開催しています。
食べ物を無駄にすると現れる「もったいないおばけ」のリアルなバージョンという感じがします。
食べ物を粗末にしてはいけないという言葉ではなく、「表情」で訴えている というのは、新しい伝え方だと思いました。
スタジオリガリックの記事の作品
スタジオリガリックの作品を制作した目的は、食料廃棄についての議論がもっと盛んになることです。
また、身の周りにある捨てられている食品であったバケットを材料として使うことで身近な出来事であることを訴えています。
バゲットでできた机って見たことある? by STUDIO PYGALIK
スタジオリガリックの記事はどんな組織?
スタジオリガリックで家具や空間の設計・製造から公共スペースや商業スペースなどのインテロアデザオンなどの様々な活動をしています。
作品はヨーロッパを中心に展示されており、東京での展示したこともあるそうです。
スタジオ自体はワルシャワにあります。
食品ロスとして捨ててしまう食品を「日常的」に使う机という形で利用することで、食べきれなかったことを 良い意味で後悔する習慣 ができるのではないかと感じました。
また、日常的にバケットを食べる習慣のない日本人とは違った感じ方をバケットを主食としている地域の人が感じているのではないかと思いました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
食品ロスをなくすことも大切ですが、食品ロスの現状をより多くの人々に知ってもらうことも私は同じぐらい大切だと思います。
食品ロスの存在を大勢の人が知ることは、食品ロスの減少に繋がっていると考えているからです。
また、もし気に入った作品があれば、そのアーティストの他の作品も探してみてくださいね。
参考文献
Food Art From Food Waste: the 'One Third' ProjectThe Food Chain Project: Fighting Food Waste With Art
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