こんにちは。サスティナブルライターの山下です。
厳しい寒さが予想される2021年の冬。
自宅で過ごす時間が長いと、電気代が気になりますよね。
あまり知られていませんが、夏の冷房よりも冬の暖房の方がたくさんの電気を使うんです。
とはいえ、暖房を使うのを我慢してしまっては健康によくありません。
快適さを保ちながら、省エネも両立するポイントを“家庭の省エネエキスパート” の立場からお伝えします。
冬にたくさん電気を使う家電は?
上手な省エネのコツは、電気を多く使う家電から省エネに取り組むこと。
電気をたくさん使う家電ほど、省エネによる節約の幅が残されています。
ダイエットと同じで省エネ効果が目に見えると継続しやすいですよね。
そこで、冬にたくさん電気を使う家電のランキングをみてみましょう。
第1位:エアコン
冬場はエアコンによる暖房がもっとも電気を使います。
エアコンの省エネのポイントは、窓の断熱です。
というのも、お部屋の暖かい空気の約6割が窓から外に逃げてしまっているからです。
窓やサッシが結露したり、窓辺がひんやりしたりしているのは窓から熱が逃げている証拠。
窓の断熱をしっかり行うことがエアコンの効率アップにつながります。
二重窓やペアガラスといった窓のリフォームも有効ですが、カーテンを使っても断熱することができます。
ポイントは、断熱性能のある、窓より少し大きめのカーテンを選ぶこと。
熱はカーテンレールのうえからも逃げてしまいますので、できればカーテンボックスを取り付けることもおすすめします。
第2位:照明
冬は日照時間が短いので、照明が第2位にランクインしています。
照明の省エネといえば、なんといってもLED電球への交換です。
LEDは蛍光灯のシーリングライトと比べて、使う電気が半分で済みます。
また、長持ちであることもLEDのもうひとつのメリット。
蛍光灯の寿命が2~4年であるのに対し、LEDは13~17年も使うことができます。
LED電球を選ぶときのポイントは、設置する場所に適したタイプを選ぶことです。
ダウンライトでは、天井が熱を吸収せず、電球に熱がこもって故障しやすくなります。
そのため、ダウンライトには「断熱材施工対応型」のLED電球を選ぶようにしましょう。
湿気の多い洗面所や浴室には「密閉器具対応型」のLED電球が適しています。
設置場所に合ったLEDを選ぶことで、手間をかけずに省エネを続けることができます。
第3位:冷蔵庫
冷蔵庫の省エネ性能は、この10年間で格段にアップしました。
2008年製と2018年製の冷蔵庫を比べると、年間の消費電力量は50%も減っています。
電気代でいうと、年間約5,100~7,800円も下がっていることになります。
この省エネ性能の上がり具合は、他の家電と比べてもピカイチ。
例えば、エアコンは7%、機種にもよりますがテレビは約30%の性能アップです。
10年以上前の冷蔵庫を使っている方や、そろそろ冷蔵庫の調子が……という方は、ぜひ気温の低い冬場のうちに冷蔵庫を買い替えてみてはいかがでしょうか。
すぐに始められる冷蔵庫の省エネのポイントは、まず、庫内の整理整頓です。
庫内がすっきりとしていると、冷やすためのエネルギーを余計に使わずにすみます。
開け閉めの時間も短くなるため、庫内の温度が上がることも防げて一石二鳥です。
また、冷蔵庫の周囲や側面、天井部にはものを置いたり張ったりしないようにしましょう。
年末の大掃除を機に、冷蔵庫の中や外のお片付けにチャレンジしてみてくださいね。
冬場の暖房器具の使い方のコツ
さて、冬場の暖房器具と一口に言っても、いろいろな種類があります。
みなさんのご自宅ではどんな暖房器具をお使いでしょうか?
まず、暖房器具には大きく分けて2つの種類があります。
ひとつは、部屋全体を温めるタイプ。
もうひとつは、部分的に温めるタイプです。
暖房器具を上手に使うには、この特徴を押さえることが大事です。
部屋全体を温める暖房には、エアコン、ガス・電気・石油ストーブなどがあります。
一方、部分的に温める暖房は、電気カーペットやこたつなどです。
これらの暖房器具が電気を使う量や電気代の目安は下の図の通りです。
部屋全体を温めたいのか、あるいは、自分がいる場所だけ温まればよいのかを判断して使い分けたいですね。
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センター)
エアコンによる暖房を省エネするには
それぞれの器具の性能にもよりますが、部屋全体を温めるのにはエアコンを使うのが省エネだといえます。
エアコンをさらに省エネに使うためのポイントは、サーキュレーターと一緒に使うことです。
エアコンによる温かい空気は、天井近くにたまりがちです。
そこで、サーキュレーターでお部屋全体の空気を循環させると暖房効率がアップします。
エアコンの設定温度を1℃上げると、年間の電気料金は約1,400円も上がってしまいます。
でも、サーキュレーターが使う電気はエアコンの10分の1。
暖房の温度を上げるよりもサーキュレーターと一緒に使う方がエコにつながりますよ。
テレビやレコーダーは省エネモードに
おうちで過ごす時間が長い年末年始は、テレビを観たり映画を楽しんだりすることも増えると思います。
また、最近のテレビは画質がよくなっている分、より多くの電気を使ってしまう傾向にあるようです。
そこで、テレビの省エネのポイントをお伝えします。
テレビの省エネでは、画面の設定を「省エネモード」や「エコモード」にすると自動で省エネすることができます。
お出かけのときやおやすみのときには、主電源からOFFにすることで、待機電力を減らす効果もあります。
テレビ画面は静電気を発生しやすいので、ホコリがつきやすい状況です。
ホコリがつくと画面が暗くなるため、余計に電気を使ってしまいがちです。
テレビ画面はこまめに拭くようにして、省エネを心がけてくださいね。
電力会社を切り替えて電気代をもっと安く
省エネとは違いますが、電気代を安くするには電力会社の切り替えも有効な方法です。
特に、オール電化のご家庭は、おうちで過ごす時間が増えると電気代が上がりやすいといえます。
というのも、オール電化電力プランは夜間の電気代は割安ですが、昼間の電気代は割高になっています。
日中に電気をたくさん使うようになると、電気代が上がりやすくなってしまうのです。
そんなときは、電力会社の切り替えが電気代の節約に役立ちます。
とはいえ「電力会社がたくさんあってどの会社にしたらよいかわからない」という方もたくさんおられると思います。
自治体の電力共同購入キャンペーンがおすすめ
そこでおすすめしたいのが、県や市など自治体が行っている電力の共同購入キャンペーンです。
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市、栃木県の10都市県では、家庭や商店の電気を共同することで、クリーンで安い電気への切り替えを促進しています。
キャンペーンの名前は
「みんなでいっしょに自然の電気(みい電)」です。
2022年1月31日までキャンペーンの参加者を募集していて、参加してもメリットが感じられなければ切り替えなくても問題ありません。
また、同様の「EE電」というキャンペーンが京都府と京都市、福岡市でも行われています。
こちらは2022年2月28日まで参加者を募集中。
対象のエリアにお住まいの方は、お切替えを検討してみてはいかがでしょうか。
最後に
おうちの省エネは“ちりつも”です。
ひとつひとつの削減効果は小さくても、積み重なっていくことで大きなものになります。
今回ご紹介したのは、どれも気軽に始められる省エネ方法ばかりでした。
ぜひ習慣にして長く続けることで、省エネをたくさん積み重ねていただけると嬉しいです。
上手に省エネを実現して、冬のおうち時間をエコで快適に過ごしてくださいね。