こんにちは、サステナブルライターの山下です。
電気もガスも使わず、太陽の熱だけで調理する「ソーラークッキング」。
エネルギー価格の上昇が止まらない今、究極のエコな調理法として取り組んでみるのはいかがでしょうか。
また、お子さんの夏休みの自由研究の課題としてもおすすめです。
今回は、ソーラークッキングとは何か、ソーラークッキングにチャレンジしてみるにはどうしたらよいのか、わかりやすくご紹介します。
ソーラークッキングとは?
まず、ソーラークッキングとは、太陽の光を集め、その熱で調理することをいいます。
ソーラークッキングの熱源は、太陽の光だけ。
ガスや電気を使わずにケーキを焼いたり、ご飯を炊いたりといった調理が可能です。
エコな調理手段としてはもちろん、アウトドアや災害時の調理方法としても注目されています。
燃料が必要ないため、燃えかすや灰が発生しないのも、ソーラクッキングの利点のひとつ。
ですが、ソーラークッキングと聞いて「太陽の熱だけで料理ができるの?」と驚いた方もいるかもしれません。
実は、太陽の熱にはたくさんのエネルギーが含まれているのです。
太陽熱の活用手段としては、ソーラークッキングのほかにもさまざまなものがあります。
例えば、住宅の屋根に設置してお湯をつくる「太陽熱利用システム。」。
太陽熱利用システムは太陽光発電とは異なり、電気ではなくお湯をつくるシステムです。
太陽の熱で水を温め、その温まった水を貯湯タンクなどに蓄えて、お風呂や洗面所、台所などで使う仕組みになっています。
冬などでお湯の温度が十分に高くない場合には、補助的に加熱することもあります。
太陽熱利用システムによる光熱費削減効果
東京都環境局によれば、こうした太陽熱利用システムを導入することによって「年間で1世帯当たり年間2.5万円~2.9万円の光熱費(ガス代)削減効果」が期待できるとのこと。
自然の力をうまく利用した、エコな給湯の仕組みだと言えるでしょう。
また、太陽熱利用システムは住宅だけでなく、健康センターやスポーツ施設の温水プール、老健施設の床暖房などに活用されることもあります。
このように太陽の熱は、ソーラークッキングのほかにも、給湯や暖房などに活用されているのです。
(参考:東京都環境局:太陽熱で地球にやさしい暮らしを
資源エネルギー庁:太陽熱利用|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー)
ソーラークッカーにはさまざまなタイプがある
さて、前置きが長くなりましたが、ソーラークッキングに欠かせないのが、「ソーラークッカー」という調理器具です。
ソーラークッキングするための装置を「ソーラークッカー」と呼び、今はさまざまなソーラークッカーが市販されています。
試しに通販サイトで「ソーラークッカー」と検索してみると、パラボラアンテナのような形のものから、筒状のタイプまでたくさんの商品がラインナップされています。
特に、昨今のアウトドアブームのおかげもあってか、野外でバーベキューなどを楽しめるようなソーラークッカーも登場しているようです。
形状はさまざまですが、ソーラークッカーの基本的な仕組みは、太陽の熱をキャッチして集め、それを増強させて食材を加温していくというもの。
ソーラークッキングの国際的なWEBサイト「SCI(Solar Cookers International)」によると、ソーラークッカーには、箱のような形をした「ボックス調理器」や、より断熱性能の高い「真空管調理器」などもあるようです。
中でも、ボックス調理器というタイプのソーラークッカーは、90〜200℃の温度で調理でき、いろいろなタイプの鍋が使えることから、インドなどでは数十万人が使っているとされています。
(参考:SCI Introduction to solar cooking)
ソーラークッカーは手作りできる!
ここまで読んでいただいたみなさんの中には、「ソーラークッキングにトライしてみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか?
実は、ソーラークッカーを買わなくても、手作りのソーラークッカーで調理することができるのです。
まもなく始まるお子さんの夏休み、自由研究の課題としてもピッタリではないでしょうか。
さがみはら地球温暖化対策協議会のYouTube「さがぼーチャンネル」では、ソーラークッカーの作り方が紹介されています。
(参考:太陽の熱で#ソーラークッキング「簡単 ソーラークッカーを作ろう!」)
こちらのチャンネルでは、100円ショップで手に入るような材料だけで
ソーラークッキングができるとのこと。
ぜひ、お天気の良い日にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、滋賀県草津市のWEBサイトでも、ソーラークッカーの作り方や、
手作りのソーラクッカーで水の温まり方を実験するためのチェックシートなども公開されています。
気になる方は、こちらのWEBサイトもぜひチェックしてみてください。
(参考:草津市 みんなで体験しよう!草津で楽しく環境学習)
ソーラークッキングのデメリット
天候に左右される
太陽が出ていないときや雲が多いときは、十分な太陽光が集められず、調理ができません。
また、太陽の向きが変わると、ソーラークッカーの向きも調整する必要があります。天気予報をこまめにチェックする必要があります。
高火力が必要な料理には向かない
ソーラークッカーは徐々に熱を蓄える蓄熱型の調理器具なので、炒め物や揚げ物などの料理には不向きです。
野菜のシャキシャキ感や肉のカリッと感が損なわれる可能性があります。
調理器具や食材に制限がある
ソーラークッカーの形状や大きさによっては、使える調理器具や入れられる食材に制限があります。
例えば、真空管型のソーラークッカーは筒型のトレイに食材を入れるため、少人数での利用に向いています。
火傷のおそれがある
ソーラークッキングの際には、くれぐれも火傷やケガには注意するようにしましょう。
ソーラークッカーの最高温度は約200℃とされており、容器やソーラクッカーそのものも高温になります。
必ず軍手やサングラスを身につけるなど、熱や光から体を守るようにしてください。
太陽の光を上手に使ってエコを楽しもう
今回は、太陽の熱だけで調理するソーラークッキングをご紹介しました。
究極のエコな調理法ですが、ガスや電気で調理することに慣れた私たちにとって、自然の恵みに改めて感謝するきっかけになるのではないでしょうか。
また、ソーラークッキングは、災害時の調理手段としても注目されています。
しかし、非常時にいきなりソーラークッキングしようと思っても、日頃から慣れ親しんでいなければ、うまく使いこなすことは難しいかもしれません。
そうした観点からも、ご家族の皆さんでソーラークッキングにチャレンジしてみると、新たな発見があるかもしれません。
まだまだ始まったばかりの暑い夏、熱中症や火傷、ケガなどにはしっかりと注意を払いつつ、ソーラークッキングでお日様を味方につけてみてはいかがでしょうか。
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