こんにちは、サステナブルライターの山下です。
今、大いに注目されている「節電ポイント」。
この8月には、2000円分相当の節電ポイントを付与する節電プログラムが始まるとされています。
今回は、この節電プログラムの仕組みや、電力会社が独自に行う節電キャンペーンについてもご紹介します。
また、なぜ今、節電が注目されているのかといった背景についても深掘りしていきます。
「節電ポイント」とは? いつ始まる?
「節電ポイント」とは、あらかじめ電力会社などが決めた時間帯に節電を行い、削減された電気の量などに応じて、電力会社からもらえるポイントのことを指します。
国は、この節電ポイントに対して支援を行う考えを示しており、電力会社による節電プログラムや節電キャンペーンに登録した家庭を対象に電力会社を通じて「2000円分相当のポイント付与」を行うとする方向性を示しています。
つまり、節電ポイントは現時点では、国から私たち需要家に直接贈られるのではなく、契約している電力会社から提供されることになりそうです。
国による節電ポイントは、第一弾としては家庭向けにスタートするとされ、この8月にも開始される見通しが明らかになっています。
電力会社の節電キャンペーン9選をご紹介
こうした節電プログラムについて「せっかく2000円分相当のポイントがもらえるなら取り組んでみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、節電ポイントの取得の手続きや方法、どの電力会社が対象になるのかなどについては、まだ明確になっていません。
具体的な取得方法などについては、おそらく7月中旬〜下旬ごろに発表されることになりそうです。
そこで今回は、国による節電ポイントではなく、電力会社がそれぞれ独自に行っている節電キャンペーンについてご紹介します。
※北海道電力「夏の節電キャンペーン」
北海道電力と契約中の需要家を対象に、節電に取り組んだ家庭の中から抽選で100名にQUOカードをプレゼントするキャンペーン。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
※東北電力「夏の省エネチャレンジキャンペーン」
2022年7~10月分の電気使用量について、前年同月より5%以上削減した需要家の中から、抽選で総勢2万名に最大3万ポイントの「よりそうeポイント」が当たるとのこと。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
「夏の省エネチャレンジキャンペーン」の実施について
~7月から10月にかけて省エネを達成されたお客さまに、
抽選で最大30,000ptのよりそうeポイントをプレゼント~
※東京電力エナジーパートナー「夏の節電チャレンジ2022」
あらかじめ設定された、節電の対象時間帯に節電できた量などに応じ、TポイントやPontaポイント、Amazonギフト券などに交換できる節電ポイントがプレゼントされるとのことです。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
東京電力エナジーパートナー:夏の節電チャレンジ 2022
※中部電力ミライズ【NACHARGE(ネイチャージ)】 みんなで「節電」してポイントゲット
2022年7〜8月の間に、NACHARGE(ネイチャージ)に登録・節電すると、アクション量1kWhあたり「カテエネポイント」10ポイントなどが進呈されるようです。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
中部電力ミライズ【NACHARGE(ネイチャージ)】
みんなで「節電」してポイントゲット
※北陸電力 【みんなde節電チャレンジキャンペーン 2022夏】キャンペーン
対象となる電気料金メニューを契約中の需要家に対して、2022年7〜9月の電気使用分において削減量のランキングに応じた「ほくリンクポイント」をもらえるとのことです。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
北陸電力【みんなde節電チャレンジキャンペーン 2022夏】
※関西電力「夏の節電プロジェクト2022」
対象となる電気料金メニューを契約中で「はぴ e みる電」に加入した需要家を対象に、節電や省エネ、スマートリモコンを活用した取り組みなどによる節電量に応じ「はぴ e ポイント」をプレゼントするとのことです。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください関西電力:ご家庭向け「夏の節電プロジェクト2022」の実施
※中国電力「夏の節電チャレンジキャンペーン」
対象となる需要家の2022年8〜9月分の電気使用量に対し、前年同月より3%以上節電した需要家の中から、達成度合いに応じて、抽選で合計11,110名に最大30,000ポイントの「エネルギアポイント」を提供するということです。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
中国電力「夏の節電チャレンジキャンペーン」を実施します!|プレスリリース
※四国電力「おうちの節電チャレンジ」キャンペーン
キャンペーンにエントリーした対象となる需要家の2022年8〜9月分の電気使用量に対し、前年同月より3%以上節電した需要家を各月ごとに抽選を行い、抽選結果に応じて「よんでんポイント」を進呈するとのこと。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
四国電力:おうちの節電キャンペーン
※九州電力「おトクに・楽しく節電キャンペーン2022」
自動で検針できるスマートメーターが設置されている家庭を対象に、九電ecoアプリを通した節電を行い、節電量に応じてポイントをプレゼントするキャンペーン。
詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
九州電力 「おトクに・楽しく節電キャンペーン2022」を実施します
なお、これらの電力会社のほかに、新電力と呼ばれる電力会社の中にも各社オリジナルの節電キャンペーンを展開している会社もあります。
ご契約中の電力会社が同様のキャンペーンを行っているかどうか調べるために、ぜひ一度、電力会社のWEBサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。
(※こちらに記載の情報は、いずれも2022年7月15日時点のものです。
変更される場合がありますので、最新の情報は各社WEBサイトでのご確認をお願いいたします)
「デマンドレスポンス」で電気を賢く使おう
こうした各社の節電キャンペーンが猛プッシュされる背景には、今夏の厳しい電力需給の現状があります。
すでにニュースなどでご存知の方も多いと思われますが、今年7〜9月、今年12月〜来年2月の夏季と冬季は、全国的に電気の供給に余裕のない状態になると予測されています。
そのため、節電や省エネを通して電気の需要をコントロールしようとする動きが盛んに行われています。
こうした節電や省エネで電気の使い方を変化させることを「デマンドレスポンス」と呼びます。
デマンドとは、英語で「需要」を指し、電気の供給に合わせて、需要を柔軟にコントロールするという意味が込められているのです。
一昔前までは、電気は、使う分に合わせて発電をどんどん増やせばいいという発想が中心でした。
経済が成長を続け、人口も増え続ける社会においては、電気の需要に対して供給(発電)を合わせていくという考え方が基本とされていたのです。
そのため、電気の使用のピークに合わせて発電設備が用意され、年に数回しか稼働しないような火力発電所に対する維持・管理コストも多く発生していました。
しかし、今後、人口の減少が予想され、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの拡大を目指す今、電気のつくり方や使い方も、よりスマートで環境にやさしいものにシフトしていくことが求められています。
そこで重要になるのが、デマンドレスポンスです。
これまでの発想を少し転換し、無理や我慢もすることなく、電気を効率よく賢く使っていく。
こうした電気の使い方を実現するのがデマンドレスポンスであり、私たちが目指す、柔軟で環境負荷の少ない、これからの社会に不可欠な電気との付き合い方だと言えるのです。