食品を長持ちさせるために有効な真空パックによる保存。
最近は、真空パック機というものも販売されているため、利用しているという人もいるのではないでしょうか。
しかし、真空パックしたからといって、いつまでも食品を保存できるわけではありません。
真空パックした食品がどれくらい日持ちするのか、また、肉や魚などを真空パックする際に注意したいポイントについて、わかりやすくご紹介します。
真空パックとは?
真空パックで腐らないのはなぜ?
真空パックとは、空気を抜いた「真空」に近い状態にして食品などを保存することです。
食品は空気に触れると酸化して傷みやすくなるため、空気を抜くことで保存期間を伸ばすことができるのです。
すぐに食べない食品や、大量の頂き物などを保存する際に適しています。
しかし、真空パックしたからといっていつまでも保存できるかというと、そうではありません。
真空パックであっても、なるべく早めに美味しくいただくのが良いでしょう。
真空パックした食品の保存期間は、冷蔵・冷凍、食品の種類などによって異なります。
真空パックでの保存期間はどれぐらい?
ここでは、真空パックすることの多い肉と魚の保存期間をご紹介します。
真空パックした肉を冷蔵で保存する場合は約5日間、冷凍保存する場合は約1年間が目安です。
また、真空パックした魚であれば、冷蔵保存で約5日間、冷凍保存で約2年間を目安にすると良いでしょう。
真空パックの賞味期限は、真空パックしない通常の状態の約5倍を目安にしましょう。
真空パック後は常温でも大丈夫?
真空パックは、食品の酸化を防ぎ、細菌の成長を遅らせるために非常に効果的な方法です。
しかし、それだけで食品を安全に常温で保存できるわけではありません。
食品の保存における安全性と品質は、食品の種類、パッキング前の食品の状態、そして保存環境(特に温度)に大きく影響されます。
したがって、常温での保存は一部の非常に特定の食品(例えば、乾燥果物やナッツなど)に限定され、それでも開封後はすぐに消費することが推奨されます。
一般的には、真空パックされた乾燥果物やナッツの賞味期限は、開封状態の場合と比べて数ヶ月から1年程度延長されると言われています。
大半の真空パックされた食品は、未開封でも冷蔵または冷凍保存する必要があります。
真空パックした食品の保存で注意したいポイント
スーパーマーケットなどで真空パックされた状態で販売されている商品の場合、まず、真空の状態がきちんとキープされているものを選ぶようにしましょう。
もし、商品に空気が入ってしまって真空の状態が保たれていないときは、前述の保存期間に関わらず、早めに消費することをお勧めします。
同様に、家庭で保存する際にも真空パックを傷つけたり破ったりしないように注意しましょう。
また、市販の真空パック機などで自宅で真空パックする場合には、食品や手をできるだけ清潔に保ち、しっかりと空気を抜くように注意しましょう。
保存する間に真空パックの包装が傷つかないように気を付けるほか、長期にわたって保存する場合には、ときどき状態を確認して、空気が入っていないか、食品の状態が変わっていないかなどをチェックすると良いでしょう。
真空パックすることで食品の日持ちを伸ばすことができますが、過信は禁物です。
食品の状態を確認しながら、できるだけ早めにいただくように心がけましょう。
真空パックに向かない野菜は?
肉や魚の多くは真空パックして保存することができますが、野菜の中には、真空パックに不向きなものがあります。
真空パックに向かない野菜としては、ジャガイモや大根などの水分の多い根菜やキャベツやタケノコなど繊維質な野菜が挙げられます。
特に、ジャガイモを冷凍すると食感が落ちてしまうためお勧めできません。
キャベツを生のまま真空パックすると、開封した際に色が黒っぽくなってしまうケースがあります。
そのため、真空パックする前に一度軽く茹でると色落ちを防ぐことができますよ。
また、ブロッコリーやカリフラワーなども、真空パックすると嫌気性細菌が増殖する可能性があり、食材を腐らせるだけでなく、食中毒の原因にもなるため注意が必要です。
自宅で真空パックするときの注意点
自宅で真空パックする際には、まず、真空パック専用の袋や容器を使うことが大前提。
できるだけ清潔な状態をキープするようにしましょう。
また、食品の形がいびつだったりデコボコしたりしているとしっかりと空気を抜きにくい場合があります。
薄くスライスするなど、形や厚さを均一にするのも重要です。
食品の下処理が終わったら、キッチンペーパーなどでしっかりと水分を拭き取りましょう。
魚の場合、軽く塩をして10〜15分置いておくと余計な水分が出てきます。
これを綺麗に拭き取ると、生臭みも一緒に取り除くことができます。
下味をつけることもできるため、調理の際の手間を省くこともでき、一石二鳥です。
真空パック機などを使って真空パックにしたら、空気が入っていないかどうかをチェックして保存しましょう。
真空パックした食品を開封する際には、パックが膨らんでいないか、包装が傷ついていないかなどをしっかり確認することをお勧めします。
もしパックが膨らんで空気が入っているようなら、食品の匂いや見た目に異常がないかを念入りに確認したうえで、異常がないようであればしっかりと加熱してからいただくようにしてください。
よくある質問
ブリの真空パックの賞味期限は?
一般的に真空パックされた魚肉の場合、未開封で冷蔵保存(0~5℃)すると約1週間程度が目安とされています。
ベーコンの真空パックの賞味期限は?
一般的に、真空パックされたベーコンは未開封の状態で冷蔵保存すると、製造日から数週間から数ヶ月ほど持ちます。
これはあくまで一般的な目安であり、商品によっては異なる場合もありますので、購入時には必ずパッケージの賞味期限を確認し、なるべく早く食べきるようにしましょう。
真空パックで冷凍された肉の解凍方法は?
冷蔵庫での自然解凍:これは最も安全な解凍方法で、肉の品質を一番守ることができます。ただし、小さいパックなら1日、大きなものは2~3日かかることがあります。解凍したい肉を冷蔵庫の下の方に移し、完全に解凍するまで待ちます。
水に浸す方法 :急速に解凍したい場合には、真空パックの肉を密閉されたパッケージのまま冷水に浸します。冷水は30分ごとに新たなものに取り替え、肉が完全に解凍されるまで続けます。これにより数時間以内に肉を解凍することができます。
真空保存容器とは?
真空保存容器は、空気を完全に抜くことで食品の鮮度を長期間保つことができます。
空気と接触することで引き起こされる食品の劣化(酸化や微生物の増殖など)を防ぎ、食品の鮮度や風味を保つのに役立ちます。
真空保存容器の種類には、ポンプ式や手動式、電動式など様々あり、家庭用から業務用まで幅広いラインナップが存在します。一部の製品は特殊なバッグを使用し、食品をその中に封入して真空状態にするものもあります。
真空パックを上手に活用して食品ロスを減らそう
真空パックは、食品の保存期間を簡単に伸ばすことができる便利な方法です。
忙しくてなかなかお買い物に行けないときでも、真空パックの食品をストックしておけば、自宅で食事を楽しむことができます。
それに最近は、真空パックをそのまま湯煎して食べられるような煮魚などのお惣菜もよく見かけるようになりました。
その一方で、自宅で真空パックする際には注意したいポイントもあります。
また、真空パックしたからといって食品をいつまでも保存できるわけではありません。
大切なのは、真空パックした食品の日持ちがどれくらいなのか目安を知ること。
そして、美味しくいただける期間内に食べてしまうことです。
真空パックを上手に活用して、食品ロスを出さないように努めましょう。
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