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消費期限と賞味期限の違いって?正しく知って、おいしく消費!

公開日: 更新日:2024.01.18
消費期限と賞味期限の違いって?正しく知って、おいしく消費!

食品は品質保持のため、さまざまな期限が設けられています。消費期限賞味期限といった表記を目にすることは日常的でしょう。

しかし、これらの期限が実際に何を示しているのか、またそれが法的にどのように規定されているのか、一体どれだけ理解していますか?さらに、期限を過ぎた食品の取扱い、食品廃棄問題について意識したことはありますか?

このブログでは、そんな食品期限についての知識を深め、適切な食品管理を通じて食品廃棄を減らす手助けをすることを目指します。法的根拠から家庭での具体的な対策まで、幅広くご紹介します。


消費期限と賞味期限の違い

安全な食材


期限の目的: 安全性と品質

消費期限と賞味期限の一番大きな違いは安全性と品質についてです。消費期限は安全に食べられる最終日を意味し、賞味期限は品質が保証される期間を指します。

消費期限は、食品の安全性が保証される期間を示しているため、これを過ぎると食中毒のリスクが高まる可能性があります。消費期限を過ぎたら、食べない方が安全です。

一方、賞味期限は、製造者が推奨する品質が維持される期間を示し、適切な保存状態であれば期限を過ぎても食べられることがあります。ただし、賞味期限を過ぎた食品は、味や食感が劣化している場合があるため、品質に注意が必要です。


記載の違い: 年月日と年月

消費期限と賞味期限は、表示方法にも違いがあります。消費期限は、食品の安全性が保証される具体的な期間を示すため、通常は「年月日」で表示されます。

一方、賞味期限は、品質が維持される期間が長いことが多く、具体的な日付までの表示は必要ない場合があります。そのため、賞味期限は「年月」で表示されることが一般的です。

設定方法

消費期限は、食品の安全性を保証するために食品における細菌の増殖速度を評価する微生物学的テストを中心に法規制とガイドラインに沿った形で保存方法の影響や化学的安定性を評価し、製造者によって設定されます。

賞味期限は様々な条件下で味、風味、栄養価、食感を評価し、賞味期限を設定するための規制やガイドラインに沿った微生物検査や化学的分析を行った上で設定されます。

開封後の取り扱いの違い

消費期限も賞味期限も未開封の製品について品質を保証する期限ですが、開封後の取り扱いにも、消費期限と賞味期限の違いが現れます。

消費期限が過ぎた食品は、食中毒のリスクがあるため、開封後はもちろん未開封でも使用しない方が安全です。

一方、賞味期限は期限が過ぎても品質が維持されている場合は、開封後も食べられることがあります。ただし、開封後は鮮度が落ちるため、早めに食べることが望ましいです。また、開封後の食品は冷蔵保存や密閉保存など、適切な方法で保存することが重要です。


食品表示基準: 消費期限と賞味期限の法的根拠

賞味期限が記載された缶

製造業者の表示義務

消費期限と賞味期限は、食品表示法に基づく製造業者の表示義務の一部です。法律では、消費者が食品の安全性や品質を判断できるよう、製造業者に対して期限の表示が義務付けられています。

消費期限は、食品衛生法に基づき、食品添加物や微生物の増殖による品質低下が懸念される食品に対して表示が求められています。
賞味期限は、品質保持期間を示すものであり、消費者が製品の品質を判断するための情報を提供する目的で表示されます。


容器・包装への記載要件

容器・包装への消費期限と賞味期限の表示は、食品表示法によって規定されています。表示は、消費者が容易に確認できるように、容器・包装の目立つ部分に記載される必要があります。

また、表示は消費者に誤解を与えないよう、明瞭かつ鮮明な文字で記載することが求められています。「消費期限」または「賞味期限」と明記し、年月日を含めた具体的な期限を表示することが求められます。


消費期限を過ぎた食品の安全性と取り扱い

缶詰やレトルト食品


消費期限を過ぎた食品の安全性は、経過した期間や食品の種類によって変化します。過ぎた期間が短い場合、食品の安全性はある程度保たれている可能性がありますが、経過した期間が長いほど食品の安全性が低下するリスクが高まります。

微生物の繁殖や酸化による劣化が進むため、食品によっては病原菌による食中毒のリスクが増加します。特に特に生肉や魚、卵製品、加熱調理されていない食品は、劣化が速いため消費期限を厳守することが重要です。


賞味期限を過ぎた食品の安全性と取り扱い

食品安全・フードセキュリティ


賞味期限は食品が製造者が保証する品質を保つ期間を示しており、必ずしも安全性の指標ではありません。

賞味期限後の食品の品質低下は、見た目や匂い、味に変化が現れることが一般的です。変色や異臭、カビなどがある場合は劣化が進んでいる兆候であり、食べるのは避けたほうが良いでしょう。

また、保存状態も重要です。たとえ賞味期限が過ぎていても、適切な温度と湿度で保存されていれば、食品は期限を少し超えても食べられることがあります。しかし、保存状態が不適切な場合、特に冷蔵品であれば賞味期限を超えると食品安全のリスクが高まります。

なお、消費者庁は賞味期限切れの食品について「食べきる目安となる期限」を設定しており、災害用食品の賞味期限が3年の場合、食べきる目安は約2カ月、5年の場合は約3カ月とされています。


食品廃棄問題と消費期限・賞味期限の誤解

食品の宅配サービス


期限の誤解による廃棄増加

消費期限と賞味期限の違いを理解しないことで、無用な食品廃棄が増える現象が見られます。消費期限は食品の品質が保証される期限であり、期限を過ぎると食中毒のリスクが高まる可能性があります。一方、賞味期限は食品の最もおいしい状態が保たれる期限であり、期限を過ぎても安全に食べられることが多いのです。

しかし、これらの違いを誤解している人が多く、賞味期限を過ぎた食品を廃棄してしまうケースが多く見られます。これにより、年間で約640万トンもの食品が無駄になっているとされています。


食品廃棄問題への影響

食品廃棄の増加は、環境負荷や経済的損失に繋がります。食品の生産・流通にはエネルギーや資源が投入されており、それらが無駄になることでCO2排出量の増加や資源の枯渇が進んでしまいます。

また、食品廃棄は家庭や企業にとっても経済的損失となります。例えば、家庭で1年間に廃棄される食品のコストは約8万円にものぼると言われています。


正確な期限理解の普及方法

消費期限と賞味期限の誤解を解消し、食品廃棄を減らすためには、正確な期限理解の普及が重要です。
まず、食品業界や行政が一緒になって啓発活動を展開し、消費者に正確な情報を提供することが求められます。また、学校や企業の研修などで、消費期限と賞味期限の違いを教育することも効果的です。

さらに、SNSやテレビ番組などのメディアを活用して、身近な情報発信ができるように工夫することで、広く一般の人々に正しい理解が浸透することが期待されます。


冷凍食品や加工食品における消費期限と賞味期限の適用

飲み物の賞味期限を確認する人


冷凍食品の賞味期限表示の特徴

冷凍食品は、低温で長期保存が可能であるため、賞味期限の表示に独自の特徴があります。
冷凍食品は冷凍状態で保存されることを前提に期限が設定されており、解凍後の期限は別途考慮する必要があります。解凍後は、冷蔵保存の条件下で短期間で消費することが推奨されます。


加工食品の賞味期限と消費期限

加工食品には、保存方法や加工方法によって消費期限や賞味期限が異なります。例えば、缶詰やレトルト食品のように密封された状態で保存される加工食品は、一般的に賞味期限が設定されます。これは、製品が開封されるまでの品質が長期間保たれるためです。

一方、生鮮食品を加工した商品や、開封後に賞味期限が大幅に短くなる商品には、消費期限が設定されることがあります。


期限管理のポイント

消費期限や賞味期限を適切に管理するためには、以下のポイントに注意することが重要です。

まず、購入時に期限表示を確認し、短期間で消費する商品を優先的に選ぶことが望ましいです。

また、保存方法にも注意が必要で、特に冷蔵・冷凍食品は指定された温度で保存することが品質維持のために重要です。

さらに、開封後はできるだけ早く消費するよう心掛け、必要に応じて冷蔵庫などで適切に保管することが望ましいです。このような期限管理を行うことで、食品の品質を保ち、食品廃棄を減らすことができます。


海外の食品表示との違い

賞味期限を確認する女性


海外の食品表示には、日本と異なる期限表示が存在します

例えば、アメリカでは「Best by」や「Use by」が使われており、「Best by」は賞味期限に近い意味で、品質が最も良い状態の期間を示します。「Use by」は、品質が保証される期間を示す消費期限に近い意味です。

また、ヨーロッパでは賞味期限は「Best before」と表記されることが多く、消費期限は「Use by」で示されます。国により表記や理解が異なるため、海外で食品を購入する際にはその国の食品ラベルの読み方を理解することが重要です。

これらの違いを理解することで、海外製品の食品表示も正しく判断できます。


賞味期限管理アプリ「リミッター」


「リミッター」は食品の賞味期限を管理するための便利な無料アプリです。

商品のバーコードをスキャンすると商品名と賞味期限が登録され、賞味期限が近くなるとプッシュ通知で知らせてくれるため、食品ロスを防ぐことが可能です。

さらに、リミッターは人気レシピ検索サイトのクックパッドと提携しており、登録された食材でレシピを検索することもできます。

また、リミッターには買い物リスト機能もあり、在庫を切らす前に必要な食材をリスト化できます。リストから直接オンラインショッピングサイトで購入することも可能です。


【リミッターの詳細・アプリはこちら】

App Store Google Play


消費期限と賞味期限を理解して最後まで美味しく食べよう

フードシェアリング


私たちが毎日食べている食品とその期限についての理解は、とても大切なことです。

食品の品質と安全性を守りつつ、無駄を減らすための方法を知ることで、お財布にも地球にも優しい社会貢献になります。
毎日の食事を大切に、健康と環境を守りましょう。



【参考】

農林水産省「食品の安全性に関する情報

農林水産省「賞味期限と賞味期限の違い

厚生労働省「食品の安全性に関するQ&A

消費者庁「食品表示法

 



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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。