青のり、海苔、あおさ・・・
あおさと青のりは、どちらも緑藻の一種ですが、形状と香りの違いがあります。あおさは葉っぱ状に広がる形状で、香りは青のりよりも弱めです。一方、青のりは糸状に細長く、香りが強く、高級品として扱われています。
海苔は、紅藻類(たとえばアサクサノリ)などの海藻を原料として、板状に加工したものです。あおさと青のりは、海藻そのものであるのに対し、海苔は加工食品であるという違いがあります。
これらの海藻は、一見地味な食材かもしれませんが、多くの栄養素を含み、さまざまな料理に応用できるという魅力があります。
さらに、持続可能な生産方法を探求し、食の安全性に配慮することで、食糧問題や環境問題の解決にも寄与できる優れた食材です。
青のり
青のりとは
青のりは、海中で育つ細菌の一種であり、主に冬から春にかけての季節に収穫されます。
一般的には、生産地の浅瀬で手作業で収穫された後、天日で乾燥させられます。鮮やかな緑色で、風味が強く、サクサクとした食感が特徴的です。見た目が均一であることも青のりを選ぶときの大切なポイントです。
通常、乾燥して粉末状に加工され、たこ焼きやお好み焼き、焼きそばのトッピングや、パスタ料理や炒飯などの風味付けに用いられます。また、天ぷらの衣に混ぜて磯辺揚げにしたり、おはぎやせんべいなどの和菓子にも用いられます。
青のりの賞味期限と保管方法
青のりは、湿気に弱い食品のため、保存には注意が必要です。
常温での保存においては、密閉された容器に入れ、直射日光を避けた冷暗所で保管することが重要です。
また、長期保存の場合、冷蔵庫での保管がおすすめです。
風味維持のためには、開封前に容器を振って粉末状の青のりを広げ、酸化を防ぐことが効果的です。
賞味期限が過ぎても見た目やにおいが異常なければ、使用しても問題はありません。
ただし風味が落ちるため、風味を活かした料理よりも、お味噌汁や炒め物などに用いると良いでしょう。
冷凍した青のりの賞味期限
冷凍した青のりの賞味期限は、一般的には採取・出荷日から6ヶ月程度とされています。
しかし、開封後は湿気やカビに注意し、なるべく早めに使い切ることがおすすめです。
解凍後は、常温で密封容器に入れて冷暗所で保存するのがベストです。
海苔
海苔とは
海苔は赤藻類の一種で、乾燥させて利用されます。良質な海苔は色が黒く、光沢があり、破れにくいです。
生海苔としてそのまま食されるほか、紙状にして乾燥させた板海苔(乾海苔)や、板海苔を焼き上げた焼海苔、板海苔に調味料で味付けをした味付海苔、海苔の佃煮などに加工されます。
おにぎりや寿司、ラーメンのトッピング、巻物など、幅広い料理に使用されます。
海苔の賞味期限と保管方法
開封前は常温で保管可能ですが、開封後は湿気を避け、密閉容器に入れて冷暗所で保存しましょう。
長期間保存したい場合は、冷凍保存も可能です。冷凍保存する場合は、ラップで包んでからフリーザーバッグに入れてください。
賞味期限は商品によりますが、開封後はなるべく早く(1週間以内に)食べ切ることをおすすめします。
賞味期限が過ぎても、見た目や香りが異常でなければ使用することができます。ただし、風味が落ちている可能性があるため、そのまま食べるよりは、炒め物やスープに入れるなどの利用が適しています。
あおさ
あおさとは
あおさは緑藻類の一種で、乾燥したものは黒緑色で、生のものは鮮やかな緑色をしています。日本では特にあおさスープとして親しまれています。
細長いひも状に加工された状態で販売されることがほとんどです。また粉末状に加工されたものや、フレーク状に加工されたものも販売されています。
乾燥されたものはスープやサラダ、お茶漬けなどに使用されます。
乾燥あおさの賞味期限
乾燥したものは湿度を避け、冷暗所で保管することが推奨されます。
賞味期限は商品によりますが、開封後は1-2週間以内に利用するのが良いでしょう。
賞味期限を過ぎても見た目や香りに異常がなければ、そのまま使用することができます。ただし、風味が落ちる可能性があるため、風味を活かすような料理よりも、スープや炒め物に使用するのが適しています。
生あおさの賞味期限
生あおさは日持ちしないので、なるべく早く食べる必要があります。
一般的には、冷蔵庫で保存しても1~2日程度が賞味期限の目安です。冷凍すれば3ヶ月~1年程度は持ちますが、風味や食感が落ちる可能性があります。
生あおさを食べるときは、悪臭やねばつきがないか確認し、食中毒に注意しましょう。
青のり・海苔・あおさの持続可能な生産
持続可能な生産とは
持続可能な生産とは、自然環境や生態系への影響を最小限に抑えつつ、食料生産を続けることを指します。
具体的には、海藻の生育に必要な海水や光、栄養素の供給、収穫方法、育成環境などが考慮されます。
養殖
海藻の養殖については、既に比較的持続可能な手法が採用されています。
例えば、海苔の養殖では、自然の海水を利用し、特別な飼料を必要とせず、また自然界に生息する他の生物との共存が可能です。ただし、海水温の上昇などによる環境変動が養殖海藻の成長に影響を与えているとの指摘もあります。
そういった点を踏まえつつ、適切な育成場所や時期の選定、種の改良などに取り組むことが求められています。
食の安全性と食中毒の予防
海藻の安全性
海藻は海中のミネラルを豊富に含んでいる一方、海水汚染の影響を受けやすいという特性もあります。特に、重金属や放射性物質の濃度が問題となることがあります。
日本では、食品の放射性物質濃度は厳しく規制されており、一定以上の濃度が検出された場合、その食品は出荷できません(「食品の放射能検査の基準値について」、厚生労働省)。
食中毒の予防
食中毒の予防については、海藻製品は他の食品と同様に、適切な保存方法と調理方法を守ることが重要です。
特に、乾燥海藻を再加工する際や料理に使う際は、湿度の高い場所や高温の場所を避け、冷暗所で保管しましょう。さらに、開封後はなるべく早く使用し、食品衛生に気をつけることが大切です。
海藻を使ったアレンジ料理
海藻は、炒め物、サラダ、スープ、煮物など、様々な料理に使うことができます。
海藻は低カロリーで食物繊維が豊富なので、ダイエット中の人にもおすすめです。また、海藻にはビタミン、ミネラルも豊富に含まれているので、健康的な食生活に欠かせません。
おすすめ!おにぎり
ご飯と塩少々、海藻があれば健康的なおにぎりが完成します。
青のりを使ったおにぎりは、風味を存分に楽しむことができます。また、賞味期限切れ間近の海苔を焼いて細かく刻んで混ぜても良いでしょう。
さらに、あおさを水に戻してから炒め、おにぎりに混ぜるのもおすすめです。
具材を入れて握ったおにぎりを海苔で包むと、美味しいだけではなく食べやすさもアップします。
青のりの簡単アレンジレシピ
卵焼き:卵に青のりを混ぜて焼くだけ。簡単なのに、風味豊かな卵焼きになります。
パスタ、チャーハン:パスタやチャーハンに青のりと醤油、ごま油を和えるだけ。簡単なのに、風味豊かになります。
納豆:納豆に青のりと醤油、ごま油を和えるだけ。いつもの納豆が、風味豊かな納豆になります。
海苔の簡単アレンジレシピ
海苔のチップス:海苔を細かく刻んで、油で揚げます。おやつやおつまみにぴったりです。
海苔のふりかけ:海苔を細かく刻んで、ごま、昆布、いりゴマ、醤油などで和えます。ご飯にかけるだけで、簡単においしいふりかけが作れます。
豆腐サラダ:豆腐に青のりと醤油、ごま油、酢、塩、こしょうで和える。さっぱりと食べられる豆腐サラダになります。
あおさの簡単アレンジレシピ
天ぷら:あおさ、衣、卵を混ぜて揚げる。サクサクとした食感と磯の香りが楽しめる天ぷらになります。
炒め物:あおさ、野菜、肉、魚などを炒める。ささっと作れて、ボリュームのある炒め物になります。
これら3つの海藻は、日本の食文化に深く根ざしています。それぞれが持つ独特の風味と食感は、日本料理の幅広いレパートリーを支えています。
一方で、これらの海藻は自然の恵みであり、その生産と利用は環境との調和を必要とします。
海藻を適切に保存し、食品ロスを防ぐことで、持続可能な食生活を実現することが可能です。食材の特性を理解し、適切に利用することで、食事はより豊かで、持続可能なものになります。
【海苔のことなら】
全国海苔貝類漁業協同組合連合会:のりHOME
海苔JAPAN
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