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フェアトレードのマークの種類と認証ラベルについて

公開日: 更新日:2023.12.26
フェアトレードのマークの種類と認証ラベルについて

 

さっき食べたお菓子、今使っているバッグ。もしかするとフェアトレード認証ラベルがついていたかも?

フェアトレード認証ラベルは、フェアトレード製品であることを証明するラベルです。
このブログでは各種フェアトレード認証とその基準についてご紹介します。

あなたの購買行動がどのように公正で持続可能な世界につながるか、ぜひ一緒に探りましょう。

 

フェアトレードマークの基本知識:定義とその歴史


手をつないでいる

フェアトレードとは:その定義と基準

フェアトレードは、生産者と消費者が直接つながることによって、生産者が公正な価格で製品を売ることができ、適切な生活水準を保つことができるというコンセプトに基づいています。

具体的には、これは、生産者が製品を作るために必要な最低限のコストを考慮した価格設定、長期的な貿易関係の構築、透明性の高い取引、生産者のキャパシティビルディングを奨励するといった基準を設けることで実現しています。

フェアトレードの歴史:世界の動きとその意義

フェアトレードの歴史は1940年代にまで遡ることができ、発展途上国の職人や農民が自分たちの製品を適切な価格で売ることができる市場を作り出す試みとして始まりました。

その後、1960年代から1970年代にかけて、フェアトレードの原則がより明確に定義され、1980年代には最初のフェアトレードラベル、マックス・ハーフェラールがオランダで設立されました。

その意義は、貧困の削減、経済的な自立の推進、そして環境に対する配慮を通じて、社会的公正を追求することにあります。

フェアトレードマークの誕生:その背景と社会的影響

フェアトレードマークは、フェアトレード認定を受けた製品を消費者に識別しやすくするために開発されました。このマークは、製品がフェアトレードの基準を満たしていることを示すため、消費者が製品を購入する際の判断材料となります。
フェアトレードマークは1997年に設立されたFairtrade Internationalにより管理されています。

フェアトレードマークの普及により、消費者は自分の購買行動が生産者の生活改善に直接寄与することを認識し、社会的・環境的価値を重視する消費の推進が可能となりました。

フェアトレード製品認証のプロセス:どのように証明されるのか

生産者

フェアトレード製品の認証プロセス:認定から証明まで

フェアトレード製品の認証プロセスは厳格なものであり、生産者がフェアトレードの基準を遵守していることを確認するために行われます。

まず、生産者は基準を理解し、それを遵守する意志があることを認証団体に申し出ます。次に、認証団体は生産者の事業所を訪問し、検査を行います。検査の結果、基準が遵守されていることが確認できた場合、生産者はフェアトレード認証を取得します。そして、取得後も定期的な監査が行われ、基準の遵守が継続していることが証明されます。

認証の基準と要件:公正な取引を保証するためのルール

フェアトレード認証の基準は、公正な取引を保証するための厳格なルールです。これには、公正な価格の保証、適切な労働条件の提供、児童労働と強制労働の禁止、環境に配慮した生産方法の採用などが含まれます。

これらの基準は生産者だけでなく、製品の輸入や販売を行う企業に対しても適用されます。また、これらの基準は持続可能な開発を促進し、地域社会の向上を支援するために設けられています。

認証団体とその役割:生産から販売までの流通を支える

"フェアトレードマーク"という言葉は一種類のマークを指すわけではなく、実際には複数の組織が独自の基準とマークを設定しています。それぞれの種類は、特定の環境や社会的要因に焦点を当て、異なる審査プロセスと基準に基づいています。

フェアトレード認証は、コーヒー、チョコレート、バナナなど、多くの農産物は、Fairtrade International が行います。

手工芸品や衣料品など、幅広い製品範囲に対して適用されるのは、 World Fair Trade Organization(WFTO)などの国際的な認証団体によって行われます。これらの団体は、製品の生産から販売までの流通過程全体を監視し、基準が遵守されていることを保証します。

また、フェアトレード認証を通じて、生産者の経済的な自立を支援し、持続可能な開発を促進する役割を果たしています。このような認証団体の活動により、消費者はフェアトレード製品を安心して購入することができます。

フェアトレード認証の効果

カカオを手に持っている

フェアトレード認証の生産者への効果:経済的安定と持続可能な生活

フェアトレード認証は生産者に対して大きな影響を及ぼします。製品価格の公正性が保証されることで、生産者は安定した収入を確保でき、教育や医療といった基本的な生活必需品へのアクセスが向上します。

また、フェアトレードプレミアムと呼ばれる追加料金を通じて、コミュニティのインフラ整備や教育プログラムの設立など、長期的な持続可能性を目指すプロジェクトの資金提供も可能となります。

認証取得の困難と課題:開発途上国の現状

フェアトレード認証を取得するには、一定の基準を満たす必要がありますが、これには一定の困難が伴います。例えば、開発途上国の農家や工場では、労働条件の改善や品質管理の体制構築に時間とコストが必要となります。

また、認証申請手続きの複雑さや、認証費用の高さも課題となっています。これらの問題を克服するためには、さまざまな支援策の強化や認証体制の改善が求められます。

社会的責任とフェアトレード:企業の取り組み

フェアトレードは、企業が社会的責任を果たす一つの手段です。

企業は、フェアトレード製品の取り扱いを増やすことで、サプライチェーンの透明性を高め、労働者の待遇改善に貢献できます。

 

フェアトレードの製品を選ぶメリットとデメリット

公平

フェアトレード製品選択の利点:生産者と環境への配慮

フェアトレード製品を選択することは、生産者と環境に対する配慮となります。これらの製品は、適正な賃金が支払われ、労働条件が改善され、社会開発プロジェクトが行われることを保証します。

また、フェアトレードの基準は、持続可能な農法を奨励し、化学肥料や農薬の使用を制限することで、環境保護にも寄与します。消費者としては、これらの製品を選ぶことで、公正な取引を支え、より公平な世界の実現に貢献することができます。

フェアトレード製品のデメリットとその課題

フェアトレード製品のメリットが多い一方で、デメリットや課題も存在します。その一つが価格です。

公正な賃金の支払いや環境保全に向けた取り組みなどにより、フェアトレード製品は一般的な製品に比べて価格が高くなりがちです。また、フェアトレード認証を取得するためのプロセスが複雑であり、小規模生産者にとっては課題となることもあります。

販売価格と品質:フェアトレード製品の評価

フェアトレード製品は価格が高い傾向にありますが、それは生産者への公正な報酬と環境に配慮した製品作りの結果です。多くの消費者は、これらの価値を認識し、フェアトレード製品の品質に高い評価を与えています。

また、フェアトレード製品は、より良い生活条件を実現するための手段として、また、環境や社会に対する責任を果たす方法として、消費者にとっての重要な選択肢となっています。

フェアトレードマークを見つける:スーパーマーケットでの探し方

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フェアトレードマークの見つけ方:パッケージからマークを識別する

フェアトレードマークは、製品パッケージの目立つ場所に配置され、消費者がすぐに認識できるようになっています。一般的には、製品の裏側や側面に配置されます。このマークは、製品がフェアトレードの基準を満たして生産されたことを示す重要な証明です。

購入する前にマークをチェックし、認証団体のウェブサイトで詳細を確認することができます。

フェアトレード製品の流通:スーパーマーケットでの展開

フェアトレード製品は、今や一般のスーパーマーケットやオンラインショップでも見つけることができます。特に、コーヒー、チョコレート、紅茶、バナナ、砂糖など、日常的に消費される食品類にフェアトレードマークを見つけることができます。

有名なもので「Ben & Jerry's」のアイスクリーム、Starbucksの一部のコーヒー、Divine Chocolateのチョコレートなどがあります。

また、衣料品やコスメティック製品、手工芸品など、非食品製品にも広がっています。これらの製品を選ぶことで、消費者は生産者の公正な報酬や生活改善に貢献できます。

フェアトレード製品の選び方:コーヒーやチョコレート、コットンなど

フェアトレード製品の中でも、特に人気のある製品はコーヒー、チョコレート、綿製品です。これらの製品を選ぶ際には、フェアトレードマークを確認することが重要です。

また、製品パッケージには、具体的なフェアトレードの取り組みや生産者の声など、製品の背後にあるストーリーが記載されていることもあります。それらの情報を読むことで、消費者は自身の購買行動がどのように生産者や地域社会に影響を与えるのかをより深く理解することができます。

自分でもできるフェアトレード:ライフスタイルとしての取り組み方

子ども二人

フェアトレードのライフスタイル:私たちの生活に取り入れる方法

フェアトレードをライフスタイルに取り入れることは、個々の消費者が直接的に生産者を支援し、持続可能な社会を実現するための道筋となります。

日常の買い物でフェアトレード製品を選ぶだけでなく、地元のフェアトレード店舗を訪れたり、フェアトレードイベントに参加することで、生産者と消費者が直接つながり、理解を深めるきっかけを作ることができます。

フェアトレードと日常の選択:買い物から社会活動まで

フェアトレードは買い物の一部から始まりますが、それ以上の社会的な影響を生む可能性があります。

例えば、友人や家族へのギフト選びにフェアトレード製品を選ぶことで、周囲に対する意識改革のきっかけを作ることができます。

また、自分の地域でフェアトレードの啓発活動を行う、または地域のフェアトレードイベントに参加するなど、よりアクティブな社会貢献活動へとつながります。

フェアトレードの啓発と教育:次世代への遺産

フェアトレードは、次世代に対する教育の一部として重要な役割を果たすことができます。子供たちにフェアトレードの意味や重要性を教えることで、社会的な公正性や環境保護に対する意識を育てることができます。

また、学校や地域社会でのフェアトレード製品の利用を推進することで、持続可能な社会を実現するための行動を模範として示すことができます。これらの取り組みは、公正で持続可能な未来を創り出すための価値観を次世代に伝える重要な遺産となります。

 

参考資料:フェアトレード ジャパン

 

主なフェアトレードマークとその発行組織

Fairtrade International(フェアトレード・インターナショナル):最も広く認知されているマークで、青と緑のロゴが特徴
Rainforest Alliance(レインフォレスト・アライアンス):持続可能な農業と環境保全に焦点を当てた認証
UTZ Certified(ユーツィー・サーティファイド):コーヒー、カカオ、茶などに使用され、持続可能な農法と社会的側面に配慮
Equal Exchange:主に北米で見られる、小規模生産者との直接取引に焦点を当てたマーク
World Fair Trade Organization(WFTO):フェアトレード組織自体を認証するケースもあり、WFTOのロゴがそれを示す

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この記事を書いた人

村上

サステナブルライターとして、SDGsや生活の知恵を発信しています。育児をしながら、子どもと一緒に地球に優しい生活を目指し中。趣味は料理と美術館巡り。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。