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「てまえどり」って?誰でもできる食品ロス削減アクション

公開日: 更新日:2024.01.05
「てまえどり」って?誰でもできる食品ロス削減アクション

「てまえどり」とは?

てまえどり

「てまえどり」の意味

てまえどり」とは、食品ロス削減の新たな手法で、消費者が自身の手前(手の届く範囲)から取る行動を奨励するものです。

消費者庁と環境省が推進するこの取り組みは、食品の期限が迫ったものを優先して買い、食べることで食品ロスを減らす狙いがあります。

これは、食品の価値を見直し、1つひとつを大切に扱う意識の醸成を目指しています。

スーパーやコンビニ発生する廃棄食品

スーパーやコンビニエンスストアでは、一定の期限が過ぎると食品が廃棄されます。

これは、食品衛生法の規定や消費者の期待に応えるための行動であり、業界としては避けられない現状となっています。

しかし、それらの食品の多くはまだ十分に食べられる状態です。

農林水産省の統計によると、食品ロスのうち約40%が小売業から発生していると言われています。

すぐにたべるなら!

「すぐに食べるなら!」という考え方は、「てまえどり」のキーポイントの1つです。

特に、パンや弁当、果物などの日持ちのしない食品を買う際は、賞味期限が迫っているものを選ぶことが重要です。

これにより、その食品が廃棄される可能性を減らし、食品ロスを削減することができます。

「てまえどり」は、自分たちの消費行動が直接食品ロス削減につながる、という意識を育てる活動です。

 

こんなところにも?「てまえどり」に関する呼びかけ

商品を選ぶ人

店舗での「てまえどり」実施事例

多くの食品販売店舗が「てまえどり」を推進しています。

例えば、一部のスーパーマーケットでは、賞味期限が迫った商品を集めてディスプレイし、消費者に選んでもらう取り組みを行っています。

これは、消費者が商品の賞味期限を気にしながら買い物をする意識を育てるとともに、店舗自身が食品ロスを削減する一助となっています。

「てまえどり」のポスターやPOP活用

「てまえどり」を効果的に推進するためには、視覚的な情報提供が有効です。

店頭に「てまえどり」のポスターやPOPを掲示することで、消費者に直接メッセージを伝えることが可能となります。

さらに、ポスターやPOPは消費者が商品を選ぶ際の参考情報ともなり、賞味期限の近い商品を選ぶ動機づけになります。

自治体の積極的な「てまえどり」啓発

自治体もまた、「てまえどり」を推進する一方で、食品ロス削減のための啓発活動を行っています。

具体的には、町内会や学校での講演、チラシやホームページを通じた情報提供など、地域の特性に合わせた取り組みを展開しています。

これらの活動は、地域全体で「てまえどり」を浸透させ、食品ロス削減の意識を高めるための重要な一環となっています。

「てまえどり」の成功事例

商品を手前から取る

食品ロス削減のための協力事業者

「てまえどり」推進の成功には、食品事業者と消費者の両者が協力することが不可欠です。

多くの事業者がこの取り組みを支えており、具体的には、商品の賞味期限が迫った食品のディスプレイ変更や、特設コーナーの設置などを行っています。

また、割引やサービスなど、消費者が賞味期限が迫った商品を選びやすくする工夫も行われています。

コンビニエンスストアでの連携事例

コンビニエンスストアもまた、「てまえどり」を取り入れて食品ロスを削減しています。

夕方以降に賞味期限が近い商品を割引販売する「夕市」の実施や、食品廃棄のタイミングを遅らせる工夫を行っています。

また、一部店舗では、賞味期限が迫った商品を食品銀行などに寄付する取り組みも行っており、地域社会への貢献とともに食品ロス削減に成功しています。

 

その他簡単に取り組める食品ロスゼロ

おいしく食べる

買い物リストを作る

買い物リストを作成することは、食品ロス削減に寄与する簡単な行動の一つです。

必要なものだけを購入することで、食品が余ることを防ぎます。

また、計画的に食材を使用することで、旬の食材を活用したり、栄養バランスを考えた食事をすることが可能になります。

食品ロス削減だけでなく、健康や経済的な観点からも推奨される行動です。

おいしく食べきる

「食べきる」ことも食品ロス削減の鍵となります。

特に、一度開封した調味料や飲み物、パンやお菓子などは保存状態によってはすぐに品質が落ちるため、早めに食べ切ることが重要です。

また、賞味期限が近いものから順に食べる「先食べ、先飲み」の習慣も大切です。

残さず食べることで、食品を無駄にしないだけでなく、おいしく食べることが可能になります。

正しい保存方法を知る

食品の保存方法を正しく理解することで、食品ロスを削減することが可能です。

例えば、野菜は冷蔵保存すれば長持ちしますが、種類によっては冷蔵庫の中でも保存場所が異なります。

また、調味料やパン類も開封後の保存方法に注意が必要です。

正しい保存方法を知ることで、食品の鮮度を保ち、美味しく安全に食べることができます。

これらの方法を活用することで、日々の生活の中で食品ロスを削減することができます。

 

もっと身近に「てまえどり」を

家族で買い物

暮らしにエシカルを

「エシカル」な暮らし、つまり倫理に基づく生活を送ることも、食品ロス削減に役立ちます。

「てまえどり」はその一部であり、無駄なく、公正に、そして持続可能な方法で物事を行うための一つの戦略です。

購入する商品を選ぶ際には、生産者の労働条件や環境への影響を考えることが重要です。

食品ロス削減だけでなく、全体的な持続可能性を追求することで、よりエシカルな生活を実現することができます。

「てまえどり」の持続可能な推進

「てまえどり」の推進は、個々の消費者だけでなく、企業や行政も含めた全社会的な取り組みが必要です。

特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売業者には、消費者に対する情報提供や賞味期限が近い商品の価格引き下げなどの取り組みが求められます。

また、消費者一人ひとりが、自身の行動が食品ロスの問題解決につながるという意識を持つことが重要です。

「てまえどり」は、そうした持続可能な社会を目指す一つの具体的な行動といえます。

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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。