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農林水産省ってどんなことをしているの?

公開日: 更新日:2024.01.05
農林水産省ってどんなことをしているの?

私たちの食卓に並ぶ野菜や魚、そして美しい自然環境や地域の資源。これらは日常の一部として身近に感じられるものですが、その背後には国の大きな組織が支えています。その名も「農林水産省」。

日本の食や環境、地域の資源を守り、育てる役目を担っているこの省庁の活動は、我々の生活にどのように関わっているのでしょうか。


農林水産省の基本的情報

森林

農林水産省とは?

農林水産省は、日本の中央官庁の一つです。通称「農水省」とも呼ばれ、本省は、東京都千代田区霞が関にあります。
食料の安定供給、農林水産業の発展、森林保全、水産資源の管理等を通じて、国民の食生活の安定と向上、農林水産業の健全な発展、森林の保全、水産資源の持続的利用に寄与しています。

省庁の構成

農林水産省は、中央行政の一部として機能しており、多くの部署や課から成り立っています。主要な組織としては、外局(※1)である林野庁水産庁の他、農産局、畜産局、農村振興局などの大きな部門が存在します。それぞれの部門は、その名の通り、農業、林業、漁業に関連する政策や業務を担当しています。
また、これらの大きな部門の下には、さらに詳細な業務を担当する課や室が設置されています。総務部や企画部といった部署も存在し、省全体の運営や方針を決定する役割を果たしています。

※1 外局:中央省庁の長官の指揮監督を受けながら、特定の分野の行政事務を担当する機関


歴史と背景

農林水産省は、日本の近代化とともに成立し、国の食料供給や農漁業の発展を支えてきました。1871年には「農商務省」が設置され、その後、数回の組織改編を経て、1947年に現在の「農林水産省」に名称が変更されました。
日本は、自国での食料生産が難しい国であり、食料自給率が低く、食料の安定供給や生産者の生計保護、さらには農業の技術革新や持続可能な漁業の実現など、多岐にわたる課題に取り組む必要があります。これらの課題に対応するため、農林水産省は設置され、多くのプロジェクトや政策が実施されています。

農林水産省の役割

食糧安全

食料の安全・安定供給

農林水産省の役割の中でも、特に重要なのが日本国民への「食料の安全・安定供給」です。日本は食料自給率が低いため、国内生産に加えて輸入食料にも頼る現状があります。
農林水産省は、国内生産を増やす努力を続けながら、同時に輸入食料の安全確保にも取り組んでいます。食品の安全性を確保するための基準を設け、厳格な検査体制を整えることで、国民が安心して食品を摂取できるよう努めています。
また、災害や病気などによる食料供給の不安定化への対策も練り続けられているのです。

農漁業の振興

農業や漁業は、日本の歴史や文化、経済に深く関わる産業です。農林水産省は、これらの産業の振興を目指して様々な取り組みを行っています。
具体的には、新しい技術の導入や生産方法の改善、そして市場戦略の強化などが行われています。また、次世代の農漁業者を育成するための教育や研修も充実させているのです。
さらに、地域資源を生かした特産品開発やブランド化を支援することで、農漁業者の所得向上を図っています。

自然環境の保護

農林水産省の役割は、食料供給や産業振興だけではありません。自然環境の保護も大切な仕事の一つです。
例えば、森林は水源地の保護や二酸化炭素の吸収といった役割を果たしています。農林水産省は、これらの森林を適切に管理・保全するための政策を推進しています。また、持続可能な漁業を実現するため、資源保護を目的とした各種法規やガイドラインを制定・実施しています。
これらの取り組みを通じて、自然と人間が共存する持続可能な社会を目指しているのです。

農林水産省と地方の関係

協力

地方農林水産事務所の役割

地方農林水産事務所は、農林水産省が中央から地方に設置している地方組織です。これらの事務所の主な役割は、中央で決定された方針や政策を地域レベルで実施・推進することです。
具体的には、地域の農業、林業、漁業の振興策の実施、地域固有の問題や課題に対応するための支援、そして現場からの情報やニーズを中央にフィードバックする役割を持っています。これにより、地域の実情に合わせた柔軟な対応や効果的な政策実施が可能となります。

地方自治体との連携

農林水産省は、その政策や取り組みを成功させるために、地方自治体との連携を重視しています。
自治体は、それぞれの地域の特性やニーズを熟知しており、具体的な施策の実施において重要な役割を担っています。たとえば、新しい農業技術の導入や地域資源の活用に関するプロジェクトでは、農林水産省と自治体が協力して取り組むことで、より効果的な結果を生むことが期待されます。

地域資源の活用

日本には多様な地域資源が存在します。その特色や魅力を最大限に生かすことは、地域の振興や活性化に繋がります。
農林水産省は、これらの地域資源を活用した農産物や特産品の開発・販路拡大を支援しています。例えば、ある地域の伝統的な農産物や工芸品をブランド化し、全国や海外にPRする取り組みなどが行われています。
また、観光資源としての農業や漁業を活かした体験型ツーリズムの推進も、地域資源の有効活用として注目されています。

農林水産省と法律

夕焼け

食品安全の法律

食品安全に関して、農林水産省は複数の法律や基準を定めています。
代表的なものとして「食品衛生法」があります。この法律は、食品の安全性を確保するための基本的なルールを設定し、食品の製造や流通過程における衛生管理を求めています。また、「農薬等の残留量基準」は、農産物における農薬の残留量の上限を定めるもので、これを超える農産物は出荷できないように制限しています。
これらの法律や基準を通じて、農林水産省は食品の安全性を確保し、消費者の安心を守っています。

農漁業振興の法律

農業や漁業の振興・安定を目的とした法律も多く制定されています。
代表的なものは「農地法」や「漁業法」です。農地法は、農地の有効活用や後継者問題に取り組むためのルールを定めており、農業の持続的な発展を支えています。一方、漁業法は、漁業権の取得や資源保護、持続可能な漁業の実現を目指しています。
これらの法律は、農業や漁業が国の基盤産業として継続的に発展するための土台となっています。

自然環境保護の法律

自然環境の保護に関して、農林水産省が関与する法律としては「森林法」や「漁業資源保護法」などがあります。
森林法は、森林の持続的な利用と保全を目指し、森林の健全な管理や再生を推進しています。特に、森林が持つ多様な役割(水源地の保護、二酸化炭素の吸収など)を重視しています。一方、漁業資源保護法は、海や河川の漁業資源の保護と再生を目的としており、資源の過剰な捕獲を防ぐ取り組みなどが盛り込まれています。
これらの法律を通じて、農林水産省は自然環境の保護と持続的な利用を推進しています。

農林水産省の活動

サポート

農産物の輸出促進

日本の農産物は、その高い品質や安全性から国外でも注目されています。農林水産省は、日本の農産物や食品の輸出を積極的に促進しています。
具体的には、「GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)」に基づく輸出促進イベントを開催し、海外のバイヤーや消費者に直接アピールする取り組みを行ったり、輸出先国との交渉を通じて、輸入制限の緩和や新たな市場の開拓を目指しています。
これにより、日本の農産物のブランド価値を高めるとともに、農業者の収入向上を目指しています。

研究・技術開発の支援

農林水産省は、農業や漁業、林業の発展のために、研究・技術開発の支援を行っています。研究所や大学と連携し、新しい栽培技術や品種改良、病害虫対策などの研究を進めています。
また、新しい技術や研究成果が現場で実際に役立つよう、技術移転や普及活動も行っています。これにより、生産性の向上や環境に配慮した農業の推進が図られています。

災害時の支援活動

農林水産省は、台風や豪雨、地震などの自然災害が発生した際に、被害を受けた農業者や漁業者に対する支援活動を行っています。
具体的には、被害状況の調査や復旧のための補助金の提供、専門家の派遣などが行われています。また、被災地の特産品の購入や消費を促進するキャンペーンなども実施し、地域の経済的な復興を支援しています。

農林水産省のプロジェクト

ドローン

農業体験学習プログラム

農林水産省は、都市部の子供たちに農業や漁業の大切さを理解してもらうための「農業体験学習プログラム」を推進しています。このプログラムでは、子供たちが実際に農場や漁村を訪れ、稲刈りや釣りなどの体験を通じて食の大切さや自然との関わりを学べます。
また、学校の授業と連動して、農業や漁業に関する教材の提供も行われています。
このような取り組みを通じて、食育の普及や新たな農業者の育成を目指しています。

次世代技術開発支援プロジェクト

農林水産省は、新しい農業技術や魚種の研究を行う専門家を支援する「次世代技術開発支援プロジェクト」を展開しています。
これには、ドローンを使った農作物の健康診断や、AIを活用した養殖魚の管理技術など、先端技術の研究開発が含まれます。プロジェクトの参加者には、研究費や専門家とのネットワーキングの機会が提供されることで、日本の農漁業の技術革新を後押ししています。

持続可能な農業推進プロジェクト

SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、農林水産省は「持続可能な農業推進プロジェクト」を実施しています。
このプロジェクトでは、化学肥料や農薬の使用を減少させるための技術や、水利用の効率化、多様な生態系の保全方法などが研究されています。また、消費者に持続可能な農産物の価値を伝え、その購入を促進するキャンペーンも展開されています。
これにより、環境との共生を目指す農業の普及を推進しています。


私たちが日々の生活で感じる安心や豊かさ、食の安全から美しい自然環境の保全、そして地域の資源を最大限に活かすプロジェクトまで、農林水産省の活動は日本の未来を明るく照らしています

明日を迎えるための種をまく今、未来に希望を持ち、子どもたちに豊かな環境を引き継ぐために、私たち一人ひとりも彼らの取り組みを支え、理解することが大切です。




農林水産省



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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。