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フードディストリビューションとは?食品物流の業務効率化

公開日: 更新日:2024.01.09
フードディストリビューションとは?食品物流の業務効率化


フードディストリビューション、一見難しそうな言葉ですが、私たちの生活と密接に関連しています。それは、食品が農場から私たちの食卓までどのように運ばれるかというプロセスを指します。

近年、この食品物流にはさまざまな課題が浮かび上がってきました。一方で、新しい技術や取り組みが生まれ、業界の変革が始まっています。

食べ物がどのような道のりを経て私たちの元に来るのか、一緒に探求してみましょう。


食品物流の課題

食品輸送

品質の維持と温度管理の課題

食品物流は、生鮮食品から加工品まで、多岐にわたる商品を安全に、かつ劣化させずに配送する役割を持っています。特に生鮮食品の場合、微生物の増殖を防ぐために適切な温度での輸送が不可欠です。
しかし、過去の物流システムでは、温度の一定性や途中での温度変化への対応が十分ではなかったことから、品質の劣化や食品の廃棄という問題が生じていました。また、長距離輸送時の環境変化による品質の変動も課題とされてきました。

高い物流コストと効率性の問題

食品産業は薄利多売が基本とされる業界であり、物流コストの削減は企業の競争力を高めるキーポイントとなっています。
しかし、燃料費の上昇や運転手不足、古い物流システムの非効率性など、多くの要因がコスト増を引き起こしています。特に地方や離島への輸送においては、コストがさらに増大することが一般的でした。

食品ロスの発生と環境問題

食品産業において、製造から消費までの過程で大量の食品が廃棄される「食品ロス」問題が深刻化しています。
物流の段階でも、適切な在庫管理が行われなかったり、予測と実際の消費量にギャップが生じることで、多くの食品が捨てられてきました。これは経済的損失だけでなく、環境問題としても取り組むべき重要なテーマとなっています。
従来の物流システムの中で、これらの課題への対応は十分でなく、改善の余地が求められてきました。

フードディストリビューションの基礎知識

輸送中の品質

フードディストリビューションの定義

フードディストリビューションとは、文字通り「食品の配布・配送」という意味で、食品が生産されてから消費者のもとに届くまでの一連の流れを指します。
これには、食品の生産者、卸売業者、小売業者など、多くの関係者が関わっており、食品の鮮度や品質を保ちながら迅速に届けるためのさまざまな戦略や技術が必要となります。

食品物流の重要性

食品はその性質上、保存方法や温度、湿度によってはすぐに劣化してしまうものが多いです。そのため、物流は食品の品質を維持するための非常に重要なステップとなります。
また、消費者のニーズに合わせて、必要な場所に必要な量の食品を適切なタイミングで届けることは、業者の収益性やサービス向上にも繋がります。

業務効率化の意義

近年、消費者の多様化するニーズに対応するため、物流の業務効率化が求められています。この効率化を実現するためには、最新の技術やシステムを取り入れることが欠かせません。
例えば、IT技術を駆使して在庫の管理を行うことで、余剰在庫の削減や必要な商品の確保が容易になります。このように、効率化は経営の安定化だけでなく、消費者へのサービス向上にも寄与します。

フードディストリビューション、それぞれの役割

協力する

生産者・農家の役割: 原材料の供給と品質維持

フードディストリビューションの第一のステージは、食品の原材料供給です。ここでの主役は生産者や農家です。彼らは食品物流の「始点」となる原材料や生鮮食品を提供する責任を持ちます。
このステージでは、収穫や生産のタイミング、保存方法、そして初期の輸送方法など、品質を最も高く維持するための様々な判断が求められます。品質の良い食品を生産することで、後のステージでのロスや品質低下のリスクを低減することができます。

卸売業者・ディストリビュータの役割: 効率的な流通と情報共有

次のステージに位置するのは、卸売業者やディストリビュータです。彼らの役割は、複数の生産者からの商品を集約し、必要に応じて加工やパッケージングを行い、小売業者や飲食店などの最終的な販売先へ効率的に配送することです。
このステージで重要なのは、物流の効率化や情報の共有。生産者からの最新の生産情報や在庫情報を正確に把握し、需給のバランスを取ることで、食品ロスの削減や消費者への迅速な供給を実現します。

小売業者の役割: 最終的な販売と消費者とのコミュニケーション

物流の最後のステージを担うのは小売業者です。スーパーマーケットやコンビニ、飲食店などが該当します。
彼らの主な役割は、消費者に食品を直接提供することですが、それだけでなく、消費者の反応や意見、購買データを元に、生産者や卸売業者とのコミュニケーションを取る役割も重要です。これにより、生産量の調整や新しい商品の開発など、市場のニーズに合わせた迅速な対応が可能となります。

食品物流と食品ロス削減

需要と供給バランス

先進的な予測技術の導入

食品ロスを削減する最も効果的な方法の一つは、供給と需要を正確に予測することです。近年、AI技術やビッグデータ分析が進化し、これらの技術を用いて消費者の購買行動や季節の変動を正確に予測することが可能となってきました。
実際に、多くの小売業者や物流会社がこれらの技術を活用し、在庫を最適化し、不要な過剰在庫を削減しています。これにより、期限切れや余剰在庫による食品ロスが大幅に減少し、食品供給チェーン全体が効率的になっています。

JIT(Just-In-Time)配送の実現

JIT配送とは、「必要なものを必要な時に、必要なだけ」届けるというコンセプトのもとで行われる配送方法です。
この手法を食品物流に適用することで、生鮮食品や短期間で消費される食品の在庫期間を短縮し、鮮度を維持することが可能となります。これにより、食品の品質低下によるロスが削減され、消費者に新鮮な商品を提供することが可能となります。また、適切な量の食品のみが流通するため、全体的な食品ロスが減少します。

スマートパッケージング技術の活用

食品の包装技術も、ロス削減のキーポイントとなっています。最新のスマートパッケージング技術は、商品の鮮度を保持し、消費期限を延ばす役割を果たします。
例えば、酸素を遮断する特殊なフィルムや、食品の鮮度を示すセンサーを取り入れた包装が開発されています。これらの技術により、食品の保存期間が延び、消費者が安心して商品を購入することができ、食品ロスの削減に繋がっています。

食品物流の最新技術とトレンド

最先端技術

IoT技術の活用

食品物流の分野でのIoT(Internet of Things)技術の活用は、急速に進展しています。
センサーやデバイスを利用して、運送中の食品の温度や湿度をリアルタイムで監視できるシステムが開発されており、これによって食品の品質を一定に保つことが容易になっています。特に、冷蔵や冷凍商品の輸送においては、一定の環境を維持することが極めて重要です。IoT技術を利用することで、適切な温度管理が可能となり、食品の鮮度や安全性を保つことができます。

AIとデータ分析の導入

近年、食品物流に関するデータの収集と分析が注目されています。人工知能(AI)を活用することで、膨大なデータから有用な情報を抽出し、物流の最適化や効率向上に役立てることができます。
例えば、消費者の購買データを基に、将来の需要予測を行うことができる。これにより、適切な在庫量を確保したり、運搬ルートを効率的に計画することが可能となります。

サステナビリティの推進

持続可能性の観点から、食品物流のエコロジーへの配慮が進められています。
再生可能エネルギーを使用したトラックや、再利用可能な包装材の導入など、環境への影響を低減するための取り組みが増加しています。また、ローカルな食材の利用や、ショートサプライチェーンの推進など、地域との連携を深めることで、食品物流のコスト削減と環境保護を同時に進める動きも見られます。

サステナブル・フードディストリビューションを目指して

AIと農業

地域産地直送システムの活性化

サステナブルなフードディストリビューションを実現するためのアプローチの一つとして、地域産地直送システムの強化が挙げられます。
こうしたシステムを活性化することで、輸送に伴うCO2排出量を削減し、生鮮食品の鮮度を維持しながら迅速に消費者に届けることが可能となります。また、生産者と消費者の距離が縮まることで、食品の生産背景や物語を共有することが容易となり、消費者の購買意欲を高める要因ともなるでしょう。
このような取り組みは、食品物流の未来を持続可能で豊かなものにしていく鍵となっています。

デジタル技術を活用した効率的な需給調整

未来のサステナブルなフードディストリビューションには、AIやIoTをはじめとするデジタル技術の活用が不可欠です。特に、需要の予測や在庫管理の最適化には、これらの技術が大きく貢献すると期待されています。
具体的には、消費者の購買データをリアルタイムで収集し、生産者にフィードバックすることで、過剰生産を防ぎながら、品薄を避けるといった効率的な供給システムの構築が可能となります。

JIT配送とスマートパッケージングの融合

JIT配送のコンセプトと最新のスマートパッケージング技術を組み合わせることで、食品の鮮度と持続可能性の両方を実現しています。
新しい包装技術は、商品の鮮度を長期間保持し、消費期限を延ばす能力を有しています。一方、JIT配送により、必要な商品だけが必要な時に提供されるため、全体的な食品ロスが減少しています。

サーキュラーエコノミーを取り入れた循環型物流

サステナブル性の追求には、物流そのものの再設計も求められます。従来の「生産→消費→廃棄」という一方向の流れを見直し、リサイクルや再利用を前提とした循環型物流の構築が期待されています。
例えば、運搬時の空き容量を活用して、使用済みの容器や包装材を回収し、再利用やリサイクルに繋げる取り組みなど、循環を促進する施策が今後、更に重要となるでしょう。


食品物流とその効率化は、これからの時代にさらなる進化を遂げることでしょう。

私たちが学んだ知識は、ただの情報以上のものです。それは私たちが未来の持続可能な食の環境を築くための第一歩とも言えます。

これから先、技術の進化や持続可能な取り組みがどのように食品物流を変えていくのかを見つめ、消費者としてより良い選択をしていくための手助けとなることを期待しています




FOOD展2023:フードディストリビューション

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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。