電池は日常生活に欠かせないものですが、使い終わったらどうやって捨てるのでしょうか?
電池の種類や自治体の指示によって、正しい処理方法が異なります。
電池を適切に処分することは、環境保護や資源の有効利用にもつながります。
このブログでは、電池の種類別の捨て方やリサイクルの現状について紹介します。
電池の種類
電池は、化学反応によって電気を発生させる装置です。電池には、大きく分けて「一次電池」と「二次電池」の2種類があります。
一次電池
一次電池は、一度使用すると電気を再充電することができず、使い捨てとなります。比較的安価で入手しやすく、すぐに使用できるというメリットがあり、小型家電や携帯機器など、短時間の使用に適した機器に主に使われます。
主な種類としては、アルカリ乾電池、マンガン乾電池、リチウム乾電池などがあります。
アルカリ乾電池は、最も一般的な一次電池です。マンガン乾電池よりも電圧が高く、長持ちするのが特徴です。リチウム乾電池は、最も高性能な一次電池です。電圧が高く、長持ちし、自己放電が少ないのが特徴です。
【主な用途】
アルカリ乾電池:電卓、時計、ラジオ、カメラ、ゲーム機など
マンガン乾電池:懐中電灯、リモコン、おもちゃなど
リチウム乾電池:カメラ、デジタルカメラ、携帯電話など
二次電池
二次電池は、充電して繰り返し使用できるというメリットがあります。そのため、長時間の使用が必要な機器や、充電が面倒な機器に主に使われます。
主な種類としては、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などがあります。
ニッケル水素電池は、比較的安価で、長持ちするのが特徴です。リチウムイオン電池は、最も高性能な二次電池です。電圧が高く、長持ちし、充電時間が短いのが特徴です。
【主な用途】
ニッケル水素電池:スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど
リチウムイオン電池:スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デジタルカメラ、電動工具、電気自動車など
電池の捨て方
一次電池の捨て方
一次電池は、使い捨てのため、燃えるゴミとして捨てることができます。
また、自治体によっては、一次電池もリサイクルに回せる場合があります。
家電量販店やホームセンターなどでは、電池の回収ボックスが設置されていることが多いため、そちらを利用することもできます。
一次電池の捨て方は、以下のようになります。
- 電池の端子部分(プラス極とマイナス極)にテープ(セロハンテープやビニールテープなど)を貼り、電流が流れない状態(絶縁)にします。 これは、他の金属や電池と触れるとショートして発熱や発火などの事故を起こす恐れがあるためです。
- お住まいの市町村の指示に従って捨てます。 市町村によっては、一次電池を分別して回収する場合もあります。 分別された場合は、専門業者が処理やリサイクルを行います。
- 分別されない場合は、不燃ゴミとして安全に処分されます。 現在、国内で市販されている一次電池は、水銀を含んでいないため、環境に大きな影響を与えるものではありません。
ボタン形電池の捨て方
ボタン形電池は、時計や補聴器などに使われる小型の円形の電池です。
アルカリ乾電池、マンガン乾電池、リチウム乾電池など、さまざまな種類があります。
ボタン形電池の捨て方は、以下のようになります。
- 電池の端子部分(プラス極とマイナス極)にテープ(セロハンテープやビニールテープなど)を貼り、電流が流れない状態(絶縁)にします。 これは、他の金属や電池と触れるとショートして発熱や発火などの事故を起こす恐れがあるためです。
- 協力店などに設置されたボタン形電池回収缶に入れます。 ボタン形電池は不燃ゴミで廃棄してしまうと発火などの原因になります。 回収缶に入れることで、専門業者が処理やリサイクルを行います。
二次電池の捨て方
二次電池は、充電して繰り返し使用することができますが、繰り返し充電するたびに、電池の性能は徐々に低下していきます。そのため、充電しても十分な電力を蓄えられない状態になったときは、新しい電池と交換しましょう。
二次電池の寿命は、種類や使用状況によって異なりますが、一般的には、ニッケル水素電池で約500回、リチウムイオン電池で約1,000回程度です。
充電池の捨て方は、以下のようになります。
- 電池の端子部分(プラス極とマイナス極)にテープ(セロハンテープやビニールテープなど)を貼り、電流が流れない状態(絶縁)にします。 これは、他の金属や電池と触れるとショートして発熱や発火などの事故を起こす恐れがあるためです。
- 協力店などに設置された充電池式電池リサイクルBOXに入れます。リサイクルBOXに入れることで、専門業者が処理やリサイクルを行います。
二次電池は、主に金属やプラスチックなどの材料で構成されています。これらの材料は、リサイクルすることで、新たな製品に生まれ変わらせることができます。
また資源であるリチウムやニッケル、コバルトなどの貴重な金属を含んでおり、これらの金属をリサイクルすることで、資源の枯渇を防ぐことができます。
電池のリサイクルの現状と課題
電池のリサイクルは、環境保護や資源の有効利用に貢献するものですが、現在の日本では、年間約3万4000トン(2021年)と推定される使用済み電池のうち、約26%しか回収されていません。
一次電池の回収率は約30%、小形二次電池の回収率は約9%、ボタン電池の回収率は約0.1%となっています。
その理由としては、以下のような課題が挙げられます。
- 回収システムの不備:市町村や協力店による回収缶やリサイクルBOXの設置や運営にはコストがかかります。 また、回収した電池を専門業者に引き渡す際にも輸送費や処理費が必要です。 これらのコストを誰が負担するかという問題があります。
- 消費者の意識の低さ:電池は小さくて軽いものなので、捨てる際に分別することを忘れたり面倒だと感じたりする人も多いでしょう。 また、電池のリサイクルの意義や方法について十分に知らない人も多いかもしれません。
- リサイクル技術の限界:電池は多種多様な素材で構成されており、それぞれに適した分解や分離、精製などの工程が必要です。 しかし、現在の技術では、すべての素材を完全に回収することは困難です。 また、回収した素材を再利用するためには品質や安全性を確保する必要があります。
電池の正しい処理方法を守ろう
以上のように、電池は種類や自治体によって正しい処理方法が異なります。
電池を適切に処分することは、自分や他人の安全だけでなく、環境保護や資源の有効利用にもつながります。
電池の処分方法については、以下のようなポイントを覚えておくと良いでしょう。
- 電池の種類によって処分方法が異なるので、電池のラベルやパッケージを確認しましょう。
- 電池の端子部分にテープを貼ることで、発熱や発火などの事故を防ぐことができます。
- 回収缶やリサイクルBOXに入れることで、電池のリサイクルに協力することができます。
- 市町村や協力店の指示に従って、電池を正しく分別して捨てましょう。
電池は私たちの生活に欠かせないものですが、使い終わったら適切に処理することが大切です。 環境に優しい電池の使い方を心がけましょう。
【参考文献】
- 環境省. (2022). 『使用済み電池の適正処理について』.
- 日本電池工業会. (2020). 『電池リサイクル推進協議会 平成30年度事業報告書』. 環境省. (2021). 『使用済み乾電池・リチウム一次電池の分別回収について』.
- 環境省. (2021). 『ボタン形電池の分別回収について』.
- 環境省. (2021). 『充電池式電池リサイクルBOXについて』.
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