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地熱発電って何?温泉大国日本が秘めた可能性!?

公開日: 更新日:2024.01.09
地熱発電って何?温泉大国日本が秘めた可能性!?


地熱発電がどのような役割を持つのか、その答えを求めてこのブログに辿り着いた方、ようこそ!

温泉大国として知られる日本が、このエネルギー形態でどれだけの可能性を秘めているのか、一緒に探ってみましょう。

地熱発電はただの「温泉の兄弟」ではありません。このエネルギーは、日本のエネルギー問題を解決する鍵ともなり得るのです。

地熱発電の基本原理

地熱発電


地熱発電の基本メカニズム

地熱発電は、地下の熱を使って電気を生成する手法として知られています。

このプロセスでは、地下深くから熱水や水蒸気を抽出し、そのエネルギーを利用してタービンを回します。このタービンは発電機と連動しており、機械エネルギーを電気エネルギーに変換します。
このエネルギー変換は非常に効率的であり、一般的には90%以上の効率が期待されます。

日本は温泉が非常に多く、このような地熱エネルギーが豊富に存在するため、地熱発電の潜在力は高いとされています。このため、今後さらに研究と開発が進めば、他の発電方法と比較しても高い効率と環境への優れた影響が期待されます。


熱水と水蒸気の役割

地熱発電において、熱水と水蒸気は不可欠な要素です。
この二つの成分が地下から引き上げられる際、高温高圧の状態で存在します。高温の熱水や水蒸気は、タービンを回すための力強いエネルギー源となります

具体的には、地下深くから引き上げた熱水や水蒸気は、その温度が通常100度以上、場合によっては300度にも達します。この熱エネルギーは、非常に高い効率で機械エネルギーに変換されます。

日本の温泉地はこの熱水や水蒸気を豊富に持っているため、地熱発電のポテンシャルが高いと言えます。これは、一般的な火力発電よりもCO2の排出が少ないため、環境にも優しいです。


タービンと発電機の連携

タービンと発電機の連携がうまくいくと、地熱発電は非常に効率的なエネルギー供給方法になります。

まず、地下から引き上げた熱水や水蒸気がタービンを高速で回します。この動きが発電機に伝わり、機械エネルギーが電気エネルギーに変換されるのです。
このプロセスにおいて、約90%以上の効率でエネルギー変換が可能とされています。

この高い効率性は、維持費や運用コストが比較的低く抑えられるため、経済的にも優れた発電方法とされています。特に、発電機やタービンの技術が進化している現在、更なる効率向上が期待されています。


マグマからのエネルギー供給

地熱発電においては、地下深くに存在するマグマからもエネルギーが供給されます。
火山活動が活発な地域では、マグマの熱が地表近くの水脈を加熱し、更に高温の水蒸気や熱水を生成します。この現象は、一般的な地熱発電よりも高いエネルギーを引き出す可能性があります。

 

実際に、火山活動の活発な地域では、地熱発電の潜在能力が一般的な地域よりも10倍以上高いとされています。ただし、火山や地震のリスクも伴いますので、その点を考慮した上での開発が不可欠です。
それでも、マグマからのエネルギー供給は、地熱発電がこれから更に進化するための大きな鍵となるでしょう。


バイナリー方式の特徴

バイナリー方式は、特に日本においてよく用いられる地熱発電の手法です。

この方式の最大の特長は、地下から抽出した熱水を直接タービンで回すのではなく、別の低沸点の流体(通常は有機化合物)を使って熱交換を行い、その流体でタービンを回す点です。この方法の利点は、比較的低温の地熱源からも効率よくエネルギーを抽出できることです。
従って、熱水が豊富だがそれほど高温でない地域でも地熱発電が可能になります。

日本の多くの温泉地がこのような特性を持つため、バイナリー方式は非常に有望な発電手法とされています。このバイナリー方式を用いることで、日本全体のエネルギー自給率の向上が期待されます。


日本の温泉資源と地熱発電

日本の温泉


日本における地熱発電の歴史と政策

日本政府は地熱発電の可能性を早くから認識しており、多くの支援策を打ち出しています。

特に目立つのが、2012年に導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)です。
この制度により、地熱発電にも投資が集まり、多くの企業が新たにこの分野に参入しました。助成金や調査研究の支援もあり、2010年から2020年までに日本の地熱発電量は約2倍に増加しました。

政府の積極的な方針と、それを受けて動き出した企業の努力が、日本の地熱発電を拡大させています。


温泉資源の熱エネルギー潜在能力

日本は世界有数の温泉大国であり、温泉は観光や健康、そして文化に貢献していますが、地熱発電においてもその潜在能力は非常に高く、その地熱資源は一般的な火力発電や水力発電に匹敵する規模があります。

環境省によると、日本の地熱発電の潜在能力は23,000メガワットと推定されています。これは日本全体の電力需要の約10%に相当する数字です。

もちろん、全ての温泉地が地熱発電に適しているわけではありませんが、特定の地域で高温の温泉が存在する場合、そのエネルギーを有効活用することで地域社会に貢献する可能性があります。

温泉の熱エネルギーを上手く活用すれば、持続可能なエネルギー源としての地熱発電の拡大が期待されます。


地震と火山の影響に対するリスク管理

日本は地震や火山活動が多い国であり、その影響を受けやすい地域も多いです。このような自然環境は、地熱発電においても無視できない要素です。
特に、火山活動が盛んな地域では地熱資源が豊富ですが、その反面、地震や火山の噴火といったリスクも考慮する必要があります。

これらの自然災害が発生した場合、地熱発電設備には大きなダメージが出る可能性があります。
そのため、地熱発電を行う場合は、そうしたリスクを総合的に評価し、対策を講じる必要があります。最先端のモニタリング技術を用いてリスクを管理し、緊急時に備えた対策が不可欠です。

こうしたリスクを最小限に抑える技術や対策が進化することで、地熱発電はより安全かつ効率的に運用されるでしょう。


地域社会と連携した地熱発電の拡充

政府だけでなく、企業や民間も地熱発電の発展に一役買っています

例えば、東京電力や中部電力などの大手電力会社は、地熱発電の研究開発に力を入れています。また、地域コミュニティが小規模な地熱発電を設置するケースも増えています。

特に温泉地は、その熱エネルギーを観光施設や地域全体の電力供給に用いる可能性が高く、新たなビジネスチャンスともなっています。このような取り組みは、地域の雇用創出や観光振興にも寄与する可能性があります。成功への鍵は、地域住民、事業者、地方自治体との緊密な連携です。各ステークホルダーのニーズと期待を把握し、それに基づいて地熱発電計画を進めることで、持続可能な地域社会づくりに貢献することが可能です。

地熱発電と他の再生可能エネルギー

エネルギーの比較


水力発電との比較メリット

水力発電は歴史的にも多くの国で採用されていますが、大規模ダムの建設という大きなハードルが存在します。

ダムの建設は、土地利用、生態系への影響、そして高い初期費用が必要です。特に日本のような狭い土地面積を有する国では、その規模とコストが問題となり得ます。

一方で、地熱発電比較的低い初期費用で始めることが可能です。
さらに、地熱発電は気象条件による影響が少なく、安定したエネルギー供給が期待できます。これは、特に災害が多い日本にとっては重要なメリットです。

水力発電は、最大出力が約50,000メガワットとされていますが、これは理論的な最大値であり、実際の発電能力はそれ以下です。
一方で、日本の地熱発電の潜在能力は約23,000メガワットとされており、この数値は全天候型であり、風や水の有無に依存しない安定したエネルギー源としての価値があります。


太陽光発電との優位性

太陽光発電は、日本でも非常に普及していますが、天候によって発電量が大きく変わるという大きな弱点があります。

雨や曇り、さらには夜間にはほとんど発電することができません。これが、エネルギー供給の安定性に影響を与え、エネルギーの蓄積システム(例:バッテリー)が必要になる場合があります。

これに対し、地熱発電は地下の熱エネルギーを利用するため、気象条件に影響されることなく、連続して24時間、一年中、安定した発電が可能です。特に災害が多い、または天候が不安定な地域でのエネルギー供給安定性に寄与することができます。

また、太陽光発電は大規模な設置面積(土地)を必要としますが、地熱発電はその点で優れています。地熱発電プラントは地下資源を利用するため、土地利用に関しては非常に効率的です。
日本のような土地が限られた国では、これが大きなメリットとなります。

また、太陽光発電の場合、エネルギー供給が不安定であるため、他のエネルギー源や蓄電システムとの組み合わせが必要になる場合が多いです。地熱発電の場合、そのような補完メカニズムが必要ない場合が多く、システム全体としてのコスト効率や運用効率が向上する可能性があります。


風力発電との技術開発

風力発電と地熱発電は、それぞれ独自の長所と短所を持つ再生可能エネルギー源です。

風力発電は、風の強さや方向に依存するため、エネルギー供給が不安定な場合があります。特に、風の弱い日や夜間には発電量が大幅に減少する可能性があります。これが、電力供給の安定性やコスト効率にネガティブな影響を与えることがあります。

一方で、地熱発電は地下の熱エネルギーを用いているため、昼夜や季節、天候に左右されず、一定量のエネルギーを安定して供給することが可能です。

この安定性が、風力発電と地熱発電のハイブリッドシステムの研究に繋がっています。
このハイブリッドシステムでは、風が弱い時や不安定な天候条件下でも、地熱発電が発電量の低下を補完します。

近年、このようなハイブリッドシステムに対する研究が進展しており、風力発電と地熱発電を一つの統合システムで運用する技術が開発されています。このシステムでは、風力発電が高効率である場合は風力発電を主体に、逆に風が弱い場合は地熱発電が補完する形で運用されます。
これにより、一般的に風力発電よりもコストが高くなりがちな地熱発電でも、全体としてのエネルギー供給コストを下げることが可能になります。

この相互補完の関係は、エネルギー供給の安定性を高めるだけでなく、再生可能エネルギー全体の利用効率を向上させる大きなポテンシャルを秘めています。特に、気候変動対策とエネルギー安全保障が急募する現代において、このようなハイブリッドシステムは多くの注目を集めています。

風力発電と地熱発電のハイブリッドシステムは、各エネルギー源の長所と短所を巧妙に組み合わせることで、再生可能エネルギーの効率的な利用と持続可能なエネルギー供給に大いに寄与すると言えるでしょう。

地熱発電は他の再生可能エネルギーと比較しても多くのメリットがあり、特に日本のような地理・気象条件を有する国においては重要な選択肢となるでしょう。


地熱発電の未来展望と課題

地熱発電


地熱発電の経済的側面

地熱発電の経済性は一言で言えば「長期的に安定」ですが、その裏には多くの変数が存在します。

初期投資のコストは高く、これが多くのプロジェクトでの障壁となっています。特に地質調査や掘削技術には高額な資金が必要です。
ただし、一度発電設備が稼働を始めると、運用コストは格段に低くなります。燃料が不要であるため、その後の運用コストは非常に安定しています。

日本においては、補助金制度や税制優遇、総量規制の緩和などが逐次導入され、地熱発電の導入が促進されています。これにより、初期コストの負担が軽減され、多くの企業や地方自治体が参入しやすくなっています。

とはいえ、日本は温泉文化が根付いており、地熱採掘と温泉資源の保全との間で課題が多いです。地域住民や温泉施設との協議が必要で、その過程で多くの時間と労力が必要とされます。

それでも、地熱発電の長期的な経済性と環境への負荷の少なさを考慮すると、今後ますますその重要性が高まると言えるでしょう。


技術開発と進化の可能性

地熱発電の技術的進展は日々進んでいます。
特に注目されているのは、低温地熱リソースからでも効率よくエネルギーを抽出できる新しい技術です。

従来、高温の地熱源が主に利用されていましたが、低温の地熱も有効活用できるようになると、地熱発電が適用できる場所が大幅に増えるでしょう。これにより、地域社会での自給自足型のエネルギー供給が現実的になる可能性も出てきます。
さらに、AIやIoT技術の導入により、発電効率の最適化や維持管理コストの削減も期待されています。

これらの技術進展によって、地熱発電は今後さらにそのポテンシャルを広げ、多くの場面で活躍するエネルギー源となるでしょう。

これらの技術開発は、地熱発電が持つ経済的・環境的課題を克服し、より多くの地域でその導入が進むための鍵です。
日本は温泉大国として、その地熱ポテンシャルが非常に高いため、技術革新によってこの未利用資源が最大限活かされる日も遠くないでしょう。


持続可能性への道

地熱発電はCO2排出が少なく、再生可能エネルギーとして持続可能な社会に向けて大きな可能性を秘めています

日本は温泉大国として、地熱エネルギーの資源は豊富です。このエネルギーを活用すれば、環境への負荷を減らすだけでなく、エネルギーセキュリティも強化されるでしょう。

しかし、地熱発電の導入にはいくつかの課題があります。
特に地域コミュニティとの調整が必要です。地熱発電のプラント設置は地下水位の変動や温泉資源への影響が考えられるため、地域住民や関係者と十分な対話を持って、これらの問題を解決する必要があります。

また、政策的なサポートも不可欠です。補助金の提供や総量規制の緩和など、地熱発電がより導入しやすい環境を整えるためには、政府の積極的な支援が求められます。
さらに、研究開発への投資も重要です。地熱発電の更なる効率化や環境への影響を最小限に抑える技術の開発が進めば、より多くの地域で地熱発電が現実的なオプションとなるでしょう。



総じて、地熱発電は持続可能なエネルギー供給の一つの答えと言えますが、その実現には課題が多く残っています。これらを解決するためには、多角的なアプローチと持続的な努力が必要です。

日本はそのポテンシャルを最大限に活かすために、これからも継続的な研究とコミュニケーションが求められるでしょう。




資源エネルギー庁:地熱発電










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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。