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【江戸時代の生活の知恵】薬草で民間療養?伝統的な健康法って?

公開日: 更新日:2024.01.12
【江戸時代の生活の知恵】薬草で民間療養?伝統的な健康法って?

(このブログの一部画像はOpenAI社が開発する「DALLE3」を使用しています。)

江戸時代、技術や知識が今ほど進んでいない時代に、どのように人々は自身の健康を維持し、病気を乗り越えてきたのでしょうか。

多くの人が、現代の医療設備や情報に恵まれた私たちには想像もつかないような生活をしていました。
しかし、彼らの生活の中には、自然の恵みや伝統的な知恵がふんだんに詰まっています。薬草や民間療法、そして日常の健康法は、彼らの生活を支え、時には命を救ってきたのです


江戸時代の医療の全体像


画像:歌川広重『江戸名所 大伝馬町大丸呉服店の図』(1847~1852年頃) 山口県立萩美術館・浦上記念館 所蔵

江戸時代の医療の基本構造

江戸時代の医療は、現代とは大きく異なる体制で成り立っていました。

都市部では診療所や薬局が点在し、町医者が中心的な役割を果たしていました。一方、地方では、行商や旅回りの医者が多くの地域に医療サービスを提供していました。

この時代、西洋医学の知識が徐々に伝わり始め、和洋折衷の医学が形成されつつあった時期でもありました。


医療従事者と患者の関係

江戸時代の医療従事者は、主に町医者薬士民間療法師などが中心でした。特に町医者は、地域社会における信頼度が高く、多くの患者からの相談を受け付けていました。

一方、患者たちは病気や怪我に対する知識が限られており、医療従事者の指示や助言を頼りにしていました。

この時代、病気は「気」や「邪気」が原因とされることも多く、その治療法も多岐にわたっていました。

 

医療の費用

江戸時代の医療の費用は、現代とは大きく異なっていました。

まず、江戸時代には公的な医療保険制度は存在せず、治療費は主に患者やその家族が直接医師に支払っていました。

医師の中には、地域の富裕層からの寄進や庇護を受けることで生計を立てている者もいたため、一般的な治療費の基準は固定されていなかったと言われています。

 

治療の内容や医師の技量、名声によって治療費は異なり、また、患者の家計や社会的地位によっても調整されることが多かったようです。貧しい人々には、時に無料で治療を受けさせる慈善的な医師もいました。

現代に比べると一般的には低価格であったとされます。しかし、当時の一般庶民にとっては、それでも高価なものであり、治療を受けるためには費用の工面が必要でした。


薬草と薬

薬に関しては、多くの場合、薬草を基にした自然療法が中心で、薬士や薬屋がこれを提供していました。特に、中国から伝わった漢方薬が主流であり、その効能や知識は町医者や薬士によって世代を超えて伝えられていました。

また、江戸時代は「売薬」が盛んだった時代でもあります。売薬とは、薬商人が街頭で販売する薬のことです。売薬には、漢方薬だけでなく、さまざまな民間療法に基づく薬も含まれていました。

具体的には、以下のようなものが薬として販売されていました。

漢方薬:葛根湯、桂枝湯、五苓散など
民間療法に基づく薬:うがい薬、はちみつ、生姜、煎茶など
呪術的な薬:お守り、お札など

江戸時代は、薬の製造や販売が規制されていた時代でもあります。そのため、薬として販売されるものは、一定の基準を満たしたものに限られていました。


江戸時代の民間療法とその文化的背景

歌川国輝 東都本町弐丁目ノ景 弘化(1844~48)頃 国立歴史民俗博物館蔵

画像:歌川国輝 東都本町弐丁目ノ景 弘化(1844~48)頃 国立歴史民俗博物館蔵

民間療法の特色と日常への取り入れ方

江戸時代、特に地方や農村部では、医療施設や医師へのアクセスは非常に限られていました。そのため、民間療法は日常の中で非常に身近な存在となり、多くの人々に受け入れられていました。

その治療法は、主に自然療法の考え方をベースにしており、自然界から得られる薬草や食材を用いた方法が多かったのです。

季節ごとの体調管理や、生活習慣病の予防など、現代にも通じる健康観が、この時代から根付いていました。


民間療法師の存在とその文化的背景

民間療法師は、江戸時代の地域社会において非常に大切な役割を果たしていました。
都市部には医療施設が存在していたものの、農村部では彼らが中心的な存在として医療を提供していたのです。

彼らは地域の伝統や祭りと関連しながら、薬草の知識や治療方法を伝えていました。また、それぞれの地域の風土や生活習慣に合わせて、独自の治療法を持っており、これが地域ごとの伝統や風俗として受け継がれていました。


日常のセルフケアと民間療法師の教え

民間療法師が提供する知識や治療法は、多くの人々の日常の中でのセルフケアとして実践されていました。

季節ごとの体調管理の方法や、日常の小さな不調を整えるためのアドバイスなどが、身の回りの自然のものを活用して行われていました。
特に、冷え性や風邪の初期症状への対応として、生姜や山椒を用いた食事法が広く知られ、日常生活の中で取り入れられていたのです。

このような日常的なセルフケアの方法は、民間療法師から学ばれることで、家庭や地域で代々守られてきました。


江戸時代の薬草文化とその日常への活用

東都名所

画像:「東都名所」(喜鶴堂版)


日常に根ざした薬草の役割と利用

江戸時代の日常生活は、薬草と深く結びついていました。
都市から農村、山間部まで、その効能や利用法に関する知識は、貴重なものとして各家庭で代々受け継がれてきました。病気や怪我の初期対応として、すぐに手に取れる薬草が活用されていたのです。

都市部では、公的な医師や病院が存在していましたが、医療のアクセスがまだ限られていた江戸時代。地域によっては民間療法師や薬草商が主要な健康のサポートを担っていました。

このような背景から、薬草を活用する文化は日常の中で自然に浸透し、季節の変わり目や特定の症状に合わせた薬草の選び方、利用方法が家庭ごとに伝わっていったのです。


伝統的な薬草利用の背景と漢方医学

江戸時代の薬草利用は、その土地土地の伝統や風土に基づいて形成されていましたが、同時に中国から伝わった漢方医学とも深く結びついていました。
体調や季節、さらには体質に合わせて薬草を選ぶという考え方は、漢方医学の基本的な考え方とも重なっています

漢方医学は、複数の薬草を組み合わせて一つの処方とすることで、その効果や効能を最大限に引き出すという特徴を持っています。
例えば、ある症状に対して複数の薬草が組み合わせられることで、その効果が相乗し、より効率的な治療が期待されるのです。

このような背景から、江戸時代の人々は漢方の考え方を取り入れつつ、自らの生活や環境に適した薬草の利用方法を日常に取り入れていました。


薬草の取り扱い、保存、文化の継承

薬草の効果を最大限に引き出し、長期間保存するためには、適切な取り扱いと保存方法が不可欠でした。
江戸時代の人々は、薬草の特性や季節、気候などを考慮しながら、最適な方法で薬草を収穫し、保存していました。例えば、乾燥させる場合は、日陰で風通しの良い場所に吊るして自然乾燥させる方法が主流でした。

また、都市部には専門の薬草商が存在し、薬草の取り扱いや保存のノウハウを持っていました。これらの商人や薬草専門家は、地域の人々から信頼を得ていて、薬草に関する知識や文化を次世代に伝える役割も果たしていました。

このように、薬草の取り扱いや保存の知恵は、日常生活の中で実践され、代々受け継がれてきたのです。


江戸時代の健康法での予防方法

するかてふ | 錦絵でたのしむ江戸の名所

画像:歌川広重「名所江戸百景 する賀てふ」

運動とストレス解消の方法

江戸時代、都市の発展や人々の生活スタイルが現代とは異なっていたものの、健康を維持するための基本的な考え方や方法は私たちが考える以上に進んでいました。

日常生活の中での運動は、歩行や日常の仕事として自然に体を動かすことが多かったです。特に、農作業や手仕事など、体を大きく使う作業が多く、これが自然な運動として健康維持に寄与していました。

また、心の健康を維持するために、緑豊かな庭園や神社、仏閣での散策が日常的に行われていました。自然との触れ合いや静寂の中での瞑想は、心のストレス解消やリフレッシュに大いに役立っていたと考えられます。


体質改善と美容のアプローチ

江戸時代の美容観は「内面の美しさ」が重要とされていました。現代のような化粧品やスキンケア製品はもちろん存在しなかったため、美しさや健康を維持するための手段として食事や薬草の利用が中心でした。

特に、食材や薬草を使って体質を整えるという考え方が基本とされていました。例えば、黒豆や海藻類は肌の美しさを保つため、生姜や山椒は体を温める効果があるとして愛用されていました。

さらに、季節や体調に応じた食材の選び方、調理方法が知識として広まっており、これを実践することで自然な美容法としての効果を期待していたのです。


長寿の秘訣としての健康法

平均寿命は現代より短かった江戸時代ですが、100歳を超える長寿者も確かに存在していました。

彼らの日常には、何らかの長寿の秘訣とも言える健康法が取り入れられていたと考えられます。主に、バランスの良い食事、日常の適度な運動、そして精神的なストレスを溜め込まない生活が挙げられます。
特に、四季折々の旬の食材を取り入れ、食事のバランスを重視すること、さらには人々との良好な人間関係やコミュニケーションを大切にすることが、長寿の秘訣として伝えられています。

このような生活態度や日常の小さな工夫が、心身ともに健康を保ち、長寿に繋がっていたのかもしれません。


伝統と現代:健康法の叡智とその影響

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画像:日本橋魚市繁榮圖 歌川国安 江戸ガラス館蔵

伝統的健康法の現代への遺産

江戸時代の健康法は現代の予防医学や健康維持に深く影響を与えています。

江戸時代の人々は、病気の発症前に予防として、日常の生活習慣や食事を調整することの重要性を深く理解していました。特に、旬の食材を中心にしたバランスの良い食事は、身体の健康だけでなく美容や美肌にも寄与するとされていました。

この叡智は、現代の健康サプリメントの中にも反映されており、多くの製品が江戸時代から伝わる薬草や天然成分が使用されているものが少なくありません。
例えば、高麗人参や黒酢、生姜など、古くから健康効果が知られているものが現代のサプリメントに活かされています。これは、江戸時代の健康法が、科学的な根拠と結びつき、現代人の健康を支えている証と言えるでしょう。


現代医学と伝統の接点

現代医学の発展と並行して、伝統医学の価値も再評価されてきました。

特に、生活習慣病の増加や心の健康の重要性がクローズアップされる中で、江戸時代の健康法の重要性が再認識されています。江戸時代の人々は、現代よりも自然とのつながりが深く、その中で生きる力、すなわち「自然治癒力」を大切にしていました。心と体の健康を同時に考慮するホリスティックなアプローチは、現代医学の治療法としても注目されています。

また、伝統的な治療法である鍼灸やマッサージは、現代のリハビリテーションやセラピーとも共通点を持ち、現代医学と併用されることで、患者のQOL(生活の質)の向上に寄与しています。


健康の普遍的な要素

健康に関する考え方やアプローチは、時代を超えて多くの共通点を持っています。自然の中での生活や、食材の選び方、心の持ち方など、多くの健康法が現代にも受け継がれています。

これらの普遍的な要素は、現代の生活環境や文化に適応させることで、新しい形の健康法として生まれ変わることができます。例えば、現代のストレス社会においても、伝統的な瞑想や呼吸法がリラクゼーションやメンタルヘルスのケアとして取り入れられているのは、その一例と言えるでしょう。



江戸時代の人々は、現代医療の恩恵がない中でも、自然や伝統的知識を活用して健康を維持し続けました。
薬草や民間療法は日常の中心に位置し、それはただの治療手段ではなく、予防や体質改善、さらには美との関連も深いものでした。

民間療法師や薬草の知識は、世代を超えて受け継がれてきました。
現代においても、これらの伝統的な健康法は私たちの生活や健康観に影響を与えています。


時代を超えて続く普遍的な健康の知恵を学ぶことで、現代の生活にも新たな視点やアプローチがもたらされるかもしれません

 




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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。