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日本の省エネ家電「こたつ」が促進する冬のSDGs

公開日: 更新日:2023.12.22
日本の省エネ家電「こたつ」が促進する冬のSDGs


冬の寒さが身にしみる季節、多くの人々が暖房器具に頼る中、日本の伝統的な「こたつ」が持つエコロジー的価値をご存知ですか?

SDGsの視点から見るこたつの魅力と、それが環境にどれほど貢献しているのか。
冷えた体と心を温めるだけでなく、地球を守る一助となるこたつの秘密を、一緒に見ていきましょう。


こたつのエコ機能と特徴

こたつを囲む家族

日本の伝統:こたつの歴史

こたつは、日本の冬の生活に欠かせないアイテムとして古くから愛されています
その理由は、単に暖かいだけでなく、家族や友人と囲むことで、心も体も温まる瞬間を生み出すからです。昔からこたつを中心に人々が集まり、食事を共にしたり、話をしたりする風景がありました。
このように、日本の伝統的な生活様式とこたつの快適さが融合し、冬の季節に幸せな時間を提供してくれます。

こたつの起源は、室町時代にまでさかのぼります。室町時代のこたつは、囲炉裏の火を落として灰をかぶせ、その上に簀の子に短い脚をつけた台を置き、衣服をかぶせたものでした。その後、床の一部を少し掘り下げて、低い位置に囲炉裏を設置する工夫もされたそうです。

一般家庭に掘りごたつが作られたのは、明治時代になってから。イギリス人陶芸家のバーナード・リーチが、正座が苦手なことから東京・上野の自宅に作ったと言われています。彼は、日本民藝館の設立にあたって尽力するなど、日本で活動していたが、どうしても正座が苦手だったので、腰掛けるタイプのこたつを提案したのだそうです。

このように、こたつは室町時代に誕生し、明治時代に現在の形に近づいたと考えられています。


こたつの仕組みと特徴

こたつは、床や畳の上に置いた枠組み(櫓)の中に熱源を入れ、外側を布団等で覆って局所的に暖かくする暖房器具です。熱源には、古くは炭火や豆炭、練炭などが使われていましたが、現在では電熱式が主流です。

【メリット】
省エネ:こたつは足元や下半身を中心に暖めるので、部屋全体を暖めるよりもエネルギー消費が少ない。
コスト:長時間の使用でも電気代が高額になりにくい。
家族団欒:こたつを中心に家族が集まることで、コミュニケーションが増える。
安全性:火を使わないため、火災のリスクが低い。
多機能:最近のこたつはテーブルとしての機能を兼ね備え、年間を通して使用可能。

【デメリット】
動けない:こたつに入ってしまうと動きたくなくなることがある。
乾燥:使用中は乾燥が進む可能性があるので、加湿器等で対策が必要。
限定的な暖房範囲:こたつの上部や遠くは暖まらない。
体の一部が暑く、一部が寒い:足元は暖かいが、背中など上半身は寒く感じることがある。
メンテナンス:こたつ布団は定期的に洗濯や干すことが必要。


SDGsと冬のエネルギー消費

こたつとエアコン

SDGsと冬の暖房の取り組み

SDGs(持続可能な開発目標)は、17の目標と169のターゲットからなる、2030年までの国際的なアジェンダです。特に、13の「気候変動対策」は、私たちの日常生活とも深く関わっています。

冬の暖房は、電気やガスを多く消費するため、CO2排出量の増加を招きます。実際、日本の家庭のエネルギー消費の約30%が暖房に使われていると言われており、これが気候変動の原因となる温室効果ガスの増加を招く大きな要因となっています。

しかし、効率の良い暖房方法や器具、例えばこたつを採用することで、エネルギー消費とCO2排出の削減が可能です。


エアコンとこたつの消費電力

エアコンは高性能化が進み、エネルギー効率は向上していますが、その性能をフルに活かすためには、部屋全体を暖める必要があります。
これに比べ、こたつは局所的に人々を暖めるため、消費電力が大幅に少なくなります。

エアコンが1時間に消費するエネルギーは、約300W〜800Wの間で変動することが多いのに対し、こたつは通常100W〜600W程度です。電気代に換算すると、エアコンが1時間あたり約30円かかるのに対して、こたつは約10円となります。

このように、こたつを使用することで、エネルギーと経済の両面で効率的な選択となります。


省エネ家電としてのこたつ

温度調整

省エネ運転のお手入れ方法

こたつは、日本の伝統的な家電として、冬の生活を温かく快適にしてくれます。そのこたつを省エネで効率よく運転するためには定期的なお手入れが必要です。

まず、こたつの布団ですが、使用する度にホコリや髪の毛などが付着します。これらの不純物は、こたつの熱を阻害し、暖房効果を下げてしまいます。ですので、こたつの布団は、少なくとも週に1回は掃除機で吸い取り、月に1回は外に干して天日で殺菌と乾燥を行うことが推奨されます。

次に、ヒーター部分です。長い間使用していると、ヒーターの表面にホコリや汚れが付着します。これは、熱伝導を阻害するだけでなく、火災のリスクも増加させる可能性があります。ヒーター部分は、電源を切った状態で、乾いた布や掃除機で定期的に清掃してください。また、年に一度は詳しくチェックし、部品の劣化や異常がないかを確認することも大切です。

最後に、こたつの足やフレーム部分も、汚れやホコリが溜まりやすいので、定期的に拭き掃除を行うと良いでしょう。これにより、こたつの性能を維持し、快適で安全な使用を続けることができます。


こたつのワット数と運転強度の選び方

こたつは、日本の冬に欠かせない暖房器具ですが、どれくらいのワット数や運転強度を選べば良いのか迷われる方も多いのではないでしょうか。

こたつのヒーターには、多くのワット数のバリエーションがあります。ワット数とは、消費する電力の量を示すもので、一般的にワット数が高ければ高いほど、より強く暖めることができます。
たとえば、300Wのヒーターは、500Wのヒーターに比べて控えめな暖かさとなります。しかし、ワット数が高くなればなるほど、消費する電気の量も増えてしまいます。具体的には、電気料金単価を27円として計算した場合、300Wのヒーターで1時間運転すると、おおよそ8.1円、500Wのヒーターだと13.5円程度の電気代がかかります。

また、多くのこたつには、運転強度を調整する機能が付いており、適切な強度での使用は、快適な室温を保ちつつ、電気代も節約できる鍵となります。例えば、昼間の短時間の使用や小さな部屋では、ワット数を低めに設定し、夜や大きな部屋での使用では高めに設定するなど、状況に合わせて調整することが重要です。

最終的には、お部屋の大きさや使用する時間、希望する暖かさなどを考慮しつつ、最も適切なワット数と運転強度を選んで、省エネと快適さを両立させましょう


こたつ活用の環境貢献度

こたつに入る女の子

こたつ文化の衰退

2023年10月現在、こたつの普及率は全国平均で24.27%です。これは、2002年の調査結果である64.3%から大幅に減少したものであり、こたつ離れが進んでいることがわかります

こたつ離れの理由としては、以下のようなものが挙げられます。
エアコンの普及
高齢化による単身世帯の増加
若者のライフスタイルの変化

エアコンの普及により、部屋全体を暖められる暖房器具が手軽に手に入るようになりました。また、高齢化による単身世帯の増加により、こたつを置くスペースがないことや、こたつを囲んで家族や親戚で団らんする機会が減少したことも、こたつ離れの原因と考えられます。

さらに、若者のライフスタイルの変化も、こたつ離れに影響を与えていると考えられます。若者は、家で過ごす時間よりも、外で過ごす時間や、一人で過ごす時間が多くなっています。そのため、こたつを囲んで団らんするという習慣が薄れてきているのです。
ただし、こたつは、足元を直接暖められるため、省エネ効果が高く、寒い冬に快適に過ごせる暖房器具です。こたつ離れが進む一方で、こたつを愛用する人も依然として多くいます。


こたつの環境への影響

日本の伝統的な生活文化は、長い歴史を通じて、自然との共生を基本として形成されてきました。こたつもその一例です。そのシンプルな構造と機能が、環境への負荷を最小限に抑えつつ、人々に快適な生活をもたらす素晴らしい代表例と言えます。

その最大の特長は、限られた範囲、特に使用者の足元や膝元を重点的に暖めることにあります。これは、エネルギーの効率的な使用を意味します。一方、エアコンやファンヒーターのような暖房器具は、部屋全体の空気を循環させながら温めるため、比較的多くのエネルギーを消費する傾向があります。

環境問題として最も注目されているのが、二酸化炭素の排出量です。エネルギー消費が多ければ多いほど、それだけ多くのCO2が排出されます。こたつの場合、その消費エネルギーが少ないため、CO2の排出も相対的に少なくなります。具体的な数字で考えると、エアコンが1時間に約0.5kgのCO2を排出するのに対し、こたつは約0.15kgと、大幅に少ないのです。

さらに、こたつを使用する際には、布団や毛布で体を覆うことで、体感温度を上げる効果も期待できます。このため、実際の室温を高くせずとも、暖かさを感じることができ、さらなるエネルギーの節約につながります。 これらの理由から、こたつはエコロジー的な選択として、環境への影響を考慮した暖房方法として、再評価されるべき存在と言えるでしょう。



こたつは、単に冬の寒さを和らげるアイテム以上の価値を持つ日本の伝統的な家電です。そのシンプルな仕組みが環境への負担を減少させ、私たちが持続可能な未来への一歩を踏み出す助けとなります。
日常生活の中で、意識的な選択をすることで、大きな変化をもたらす力があることを再認識しましょう。

今冬、足元を暖めながら、地球の未来も思いやる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。



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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。