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【2月2日は世界湿地デー】地球環境を支える湿地について知ってください!

公開日: 更新日:2024.02.02
2月2日は世界湿地デー

2月2日は『世界湿地デー』
この日は、私たちの地球環境に欠かせない湿地の価値と重要性を改めて考える機会です。

湿地は、生物多様性の宝庫であり、水循環の調整や気候変動の緩和に不可欠な役割を果たしています。
しかし、さまざまな要因により、世界中の湿地は減少の危機に瀕しているのです。


湿地とは?

湿地の多様な役割


湿地の定義と分類

湿地とは、水と陸が混ざり合った場所のことで、水の深さが1m未満の陸域を一般的に指します。湿地は、水面積が1k㎡以上のものを「大湿地」、1k㎡未満のものを「小湿地」として分類されます。

湿地は、その形態や水の由来、植物の種類などによって、さまざまな種類に分類されます。代表的な湿地としては、以下のようなものが挙げられます。

池沼:河川や湖の周囲に形成される湿地
河川湿地:河川沿いに形成される湿地
湖沼:河川や地下水などが集まり形成される湿地
干潟:海岸に形成される湿地
草原湿地:草地が湿地化した湿地
森林湿地:森林が湿地化した湿地

これらの湿地は、地表近くの水分によって形成され、一年の大部分を水没または湿潤状態で過ごします。たとえば、沼地は水が常に存在し、水生植物が豊富なのに対し、干潟は潮の満ち引きによって水位が変わる場所です。

湿地は地球上のさまざまな場所に存在し、その特性によって多様な形で存在しているのです。


湿地の多様な役割

湿地はただの水辺の土地以上の重要な役割を果たしています。

最も注目されるのは、水質の浄化機能です。湿地の植物や土壌は、水中の汚染物質を自然に取り除き、清浄な水を供給する役割を担っています。

さらに、湿地は生物多様性の宝庫であり、多くの種の生息地として重要です。特に渡り鳥や絶滅危惧種にとって、湿地は必要不可欠な生息地であることが多いです。

また、洪水の際の自然な水の貯蓄庫としても機能し、地域の洪水被害を軽減する効果があります。

こうした多様な役割を果たす湿地は、環境保全において欠かせない存在です。


湿地の生態系と重要性

湿地の生態系は、その複雑さと繊細さで知られています。水と陸の両方の特性を持つ湿地は、多種多様な生物にとって理想的な環境を提供します。

ここには水生植物、昆虫、魚類、両生類、さらには鳥類や哺乳類まで、多くの生物が共存しています。これらの生物は、食物連鎖の中で互いに影響を与え合いながら、豊かな生態系を形成しています。

湿地の代表的な動植物としては、以下のようなものが挙げられます。
動物:コイ、フナ、ヘビ、カエル、アヒル、カモ、タヌキ、サル、シカ、クマなど
植物:スゲ、ヨシ、ガマ、ハス、アマモ、マツ、コナラ、スギなど

さらに、湿地は地球の気候調節にも貢献しています。湿地の植物は二酸化炭素を吸収し、酸素を放出することで、地球温暖化の緩和に一役買っています。

このように、湿地の生態系は地球環境にとって重要な役割を果たしており、その保全は地球全体の未来に直結しているのです。


湿地の地球環境への貢献

湿地の水循環への貢献


湿地の水循環への貢献

湿地は地球の水循環において重要な役割を担っています。


水源の確保と洪水の防止

湿地は雨水や川の水を一時的に蓄え、ゆっくりと周辺の土地や水系に放出します。このプロセスは、洪水の防止や旱魴(かんばつ)時の水源としての役割を果たし、周辺環境の水の安定供給に寄与しています。
例えば、日本の関東平野では、湿地が水源の約3割を占めています。また、アメリカのミシシッピー川流域では、湿地の減少により、洪水のリスクが高まっていることが指摘されています。

湿地は、地球上の淡水の約3分の1を貯蔵していると推定されています。また、年間約1,000億トンの土砂を流出から防いでいると考えられています。


水質浄化

湿地の植物や微生物は、水中の汚染物質を吸収・分解する機能があり、水質浄化に貢献しています。湿地は年間約1億トンの農業排水や工業排水などの汚染物質を吸収していると推定されています。

このように、湿地は水循環システムの中で、自然のフィルターとして働いているのです。


生物多様性の保全拠点

湿地は、世界中の多くの生物種にとって重要な生息地であり、生物多様性の保全に不可欠な役割を果たしています。

湿地には、水生生物、陸生生物、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類など、多様な生物が生息しています。湿地は、地球上の生物種の約4分の1の生息地となっています。
例えば、日本の湿地には、約2,000種の植物、約1,000種の動物が生息しています。

また、湿地は、生物の移動や繁殖の重要な拠点にもなっています。特に、渡り鳥や水生生物、希少な植物種など、特定の環境に依存する生物にとって湿地は欠かせない存在です。
例えば、シベリアから日本に渡る渡り鳥は、沿岸の湿地を休息や繁殖の場所として利用しています。

湿地はこれらの生物に食物、避難所、繁殖地を提供し、種の存続に寄与しています。国際自然保護連合(IUCN)によれば、湿地は地球上の生物種のうち、約40%が一生のうちの何らかの時期を過ごす場所となっています。

このように、湿地の保全は生物多様性を守る上で極めて重要なのです。


湿地による気候調整効果

【二酸化炭素の吸収】
湿地は地球の気候調整においても重要な役割を果たします。湿地の植物は大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を放出することで、地球温暖化の緩和に貢献しています。
湿地は、年間約120億トンの二酸化炭素を吸収していると推定されています。これは、森林の約10分の1に相当する量です。
湿地が減少すると、二酸化炭素の吸収量が減少し、地球温暖化の進行につながります。

【気候変動の緩和】
湿地は太陽の熱を吸収し、水分の蒸発を通じて周囲の気温を下げる働きをします。この効果は、特に都市部のヒートアイランド現象の緩和に役立っています。
国際的な研究によると、湿地は地球上の炭素の30%を貯蔵しており、これは熱帯雨林よりも多い量です。

このように、湿地は気候変動への対策においても、重要な自然資源としての役割を担っているのです。


湿地の減少とその原因

湿地減少の原因


湿地は、地球上の陸地面積の約6%を占めていますが、近年、世界中で湿地の減少が問題視されています。


湿地減少の自然的原因

湿地の自然的な減少原因には、気候変動や自然災害などがあります。

地球温暖化による気温の上昇は、湿地の水分蒸発を促進し、乾燥化を引き起こすことがあります。また、長期的な干ばつや洪水などの極端な気象現象も、湿地の環境を変え、その面積を減少させる原因となっています。

こうした自然環境の変化は、湿地の生態系に影響を及ぼし、その保全に課題をもたらしているのです。

しかし、自然的原因による湿地の減少は、全体の約10%程度にとどまっています。


湿地減少の人為的原因

湿地の減少の原因の約90%以上が、人為的原因です

人為的原因としては、開発による埋め立てや、農業や工業活動によって湿地から水が引かれたり、汚染されたりすることがあります。これに加え、湿地の植物や動物を過剰に採取することも、湿地を減少させる原因となっています。

この背景には、都市化や農地開発、産業活動の拡大などがあります。
都市化により、湿地がコンクリートで覆われ、自然の状態が失われています。また、農地や工業地帯への転用により、湿地が埋め立てられるケースも多く見られます。さらに、ダムや排水システムの建設など、水管理のための人間の介入も、湿地の減少を加速させています。

また、農業や工業による化学物質の流出は、湿地の水質を悪化させ、生態系に悪影響を及ぼしています。
たとえば、農薬や肥料の使用による栄養過多は、湿地の植物や動物に害を及ぼし、生態系のバランスを崩します。

さらに、レジャーや観光のための過度な湿地利用も、生態系にストレスを与える原因となっています。

これらの活動は、湿地の自然な生態系を破壊し、その機能を低下させてしまうのです。


湿地の減少による悪影響

湿地の減少は、私たちの生活環境にも深刻な影響を及ぼしています。

【水循環の乱れ】
湿地は、雨水や河川の水を貯め込み、水源の確保や洪水の防止に役立っています。しかし、湿地が減少すると、水源の減少や洪水のリスクが高まります。
例えば、日本の関東平野では、湿地が水源の約3割を占めています。湿地が減少すると、水不足が発生し、農業や工業への影響が懸念されます。また、洪水の際には、洪水の被害が拡大する可能性があります。

【生物多様性の喪失】
湿地は、さまざまな生物が生息する貴重な生息地です。湿地が減少すると、生物多様性が失われ、地球環境のバランスが崩れます。
例えば、日本の湿地には、約2,000種の植物、約1,000種の動物が生息しています。湿地が減少すると、これらの生物が絶滅する危険性があります。

【気候変動の進行】
湿地は、二酸化炭素を吸収して貯蔵する機能があります。湿地が減少すると、二酸化炭素の吸収量が減少し、地球温暖化の進行につながります。
例えば、湿地は、年間約120億トンの二酸化炭素を吸収していると推定されています。湿地が減少すると、この二酸化炭素の吸収量が減少し、地球温暖化を加速させることになります。

湿地を保全することは、私たちの生活環境を守り、地球環境を健全に保つためにも重要です


保全の取り組み

市民参加の清掃保護活動


ラムサール条約の役割

ラムサール条約は、湿地の保全と合理的な利用を目的とした国際条約です。1971年にイランのラムサールで採択され、多くの国が参加しています。

ラムサール条約の役割は、以下のとおりです。
湿地の重要性に関する認識の向上
湿地の保全と持続可能な利用に関する国際協力の推進
湿地のリスト化(ラムサール条約登録地)による保全の強化

ラムサール条約登録地は、2023年7月現在、世界193カ国で2,474ヶ所、面積は2億2,300万ヘクタールに達しています。日本では、釧路湿原や八郎潟、瀬戸内海沿岸域など、26ヶ所が登録されています。

この条約は、特に生物多様性の保護と持続可能な利用を重視しており、湿地を「国際的に重要な湿地」として登録し、保護しています。登録された湿地は、その特有の生態系や稀少な生物種を守るため、国際的な支援や協力を受けることができます。

ラムサール条約により、多くの湿地が破壊から守られ、生物多様性の保全に貢献しているのです


国内外の保全プロジェクト

ラムサール条約のほかにも、世界各地で湿地の保全を目的としたさまざまなプロジェクトが実施されています。

【国内のプロジェクト】
日本では、環境省が「湿地保全計画」を策定し、湿地の保全と持続可能な利用を推進しています。また、民間団体や地方自治体も、さまざまな保全プロジェクトに取り組んでいます。

【海外のプロジェクト】
海外では、国際的なNGOや国際機関が、湿地の保全プロジェクトを実施しています。例えば、WWF(世界自然保護基金)は、世界各地の湿地の保全と持続可能な利用を推進するプロジェクトを実施しています。

これらのプロジェクトは、地域の環境に合わせた多様なアプローチで湿地を保護しています。たとえば、湿地の再生プロジェクトでは、過去に開発や排水で失われた湿地を元の状態に戻す取り組みが行われています。

また、湿地に関する調査や研究を通じて、その価値や機能を理解し、適切な保護策を立てることも重要です。

これらのプロジェクトには、政府機関、非政府組織(NGO)、地域コミュニティなど、さまざまな団体が参加しています。


市民参加の保護活動

湿地の保全には、市民一人ひとりの参加も欠かせません。多くの地域で、市民が主体となって湿地の清掃活動や自然観察会、環境教育プログラムなどを実施しています。

これらの活動は、湿地の重要性を広めるとともに、地域コミュニティの絆を深める効果もあります。また、市民が湿地の現状を理解し、その保護のために声を上げることは、政策決定者にも大きな影響を与えます。

市民一人ひとりが湿地の価値を認識し、積極的に保全活動に参加することが、湿地を未来に残すために不可欠なのです


湿地の未来

湿地保全のメッセージを発信


湿地保全の課題

湿地の保全には、さまざまな課題があります。

一つの大きな課題は、都市開発や農業拡大による湿地の埋め立てによる破壊です。これにより、湿地が減少し、湿地の生態系が損なわれ、生物多様性が脅かされています。
また、気候変動の影響による海面上昇や干ばつなども、湿地の生態系に悪影響を与えています。

これらの課題に対処するには、地球規模での協力と、地域ごとの具体的な対策が必要です。政策立案者、研究者、地域住民が一丸となって、湿地保全に取り組む必要があるのです。


持続可能な湿地利用法

持続可能な湿地利用法は、湿地の保全と人間の活動の調和を目指します。湿地の自然環境を維持しつつ、人々の生活や経済に貢献する方法です。

ここで重要なのは、湿地の生態系に最小限の影響を与える活動を選ぶことです。
エコツーリズムは、この取り組みの良い例です。湿地の自然を活かしつつ、訪問者に教育的価値を提供し、地域経済にも貢献します。

さらに、農業や漁業なども、湿地の生態系を考慮した方法で行われるべきです。例えば、湿地周辺での農薬や化学肥料の使用を抑え、湿地の水質を守ることが重要です。

湿地の自然環境を守るためには、開発や汚染を抑制し、湿地の生態系を破壊する活動を避ける必要があります。また、湿地で生息する生物や、湿地から得られる資源を持続可能な方法で利用することも大切です。
これには、湿地の資源を過剰に採取しない、生態系に配慮した利用法を選ぶなどの配慮が含まれます。

このように、湿地の持続可能な利用は、その自然の美しさと機能を未来にも維持するために不可欠です。
湿地を保護し、それを通じて地球環境を守るためには、人間の活動と自然環境のバランスを見つけることが鍵となります。


環境教育と意識の向上

湿地の未来を守るためには、環境教育と意識の向上が欠かせません。特に、若い世代への教育は長期的な湿地保全の鍵となります。
学校や地域コミュニティでの環境教育プログラムを通じて、湿地の役割や重要性、湿地の生態系やその保全についての知識と理解を深めることが重要です。

また、メディアやソーシャルメディアを活用し、湿地保全のメッセージを広く発信することも有効です。情報の共有や意識の喚起は、より多くの人々を環境保護活動に巻き込むための重要な手段となります。

私たち一人ひとりも、湿地の保全に積極的に参加することが求められます。
湿地を訪れる際は、自然環境を守る行動を心がけ、ゴミを捨てずに持ち帰ることが重要です。さらに、湿地保全に関するイベントや講座への参加を通じて、自分自身の理解を深めることもできます。そして、湿地保全の情報をSNSなどで積極的に発信し、周囲の人々にもその重要性を伝えることが、持続可能な湿地利用法の確立につながります。

このように、湿地の保全には、教育の促進、意識の向上、そして私たち一人ひとりの行動が欠かせません。湿地の未来を守るためには、これらの取り組みが不可欠なのです。



湿地は、私たちの生活や地球環境にとって、欠かせない存在です。しかし、近年、湿地の減少が急速に進んでいます。

湿地を保全するためには、私たち一人ひとりの理解と行動が大切です。
湿地を保全することは、私たちの未来を守ることにつながります。

地球環境の未来は、私たちの日々の選択と行動にかかっているのです。



環境省:保全上重要な湿地

環境省:ラムサール条約と条約湿地





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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。