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【着るSDGs】着物スタイルで楽しむ個性と持続可能な未来

公開日: 更新日:2024.02.21
着物スタイルで楽しむ個性

かつて特別な日の装いだった着物は、今、時代を超えて新たな輝きを放っています。

伝統美を受け継ぎ、現代の感性を織り交ぜた着物は、個性と地球環境に優しいファッションとして注目を集めています。

着物を纏うことは、日本の歴史と文化を肌で感じるだけでなく、SDGsへの貢献にもつながっているのです。


着物の魅力を再発見!歴史と文化を知る

着物と歴史

着物の歴史とその進化

着物には、千年以上の歴史があります。その長い歴史の中で、日本の生活文化とともに成長し、変化してきました
もともとは中国から伝わった衣服が、日本の気候や生活様式に合わせて独自の発展を遂げ、現在に至るまで多くの形を経てきたのです。

平安時代になると、貴族社会の発展とともに、着物はより華やかで美しいものへと進化していきます。十二単と呼ばれる衣装は、その代表的な例です。また、この時代には、染色技術や織物技術も進歩し、様々な種類の着物が作られるようになりました。

鎌倉時代以降、武士階級が台頭すると、着物はより機能的なものへと変化していきます。武家社会では、動きやすく、実用的な着物が求められました。また、この時代には、男性も着物を着用するようになり、男女の着物の形が大きく異なってきました。

江戸時代になると、庶民の間でも着物が広く着用されるようになります。町人文化の発展とともに、様々な柄や素材の着物が作られるようになりました。また、この時代には、着物の着付けや作法も確立されました。

明治時代以降、西洋化の影響を受け、着物は一時衰退しました。しかし、着物は特別な日やフォーマルな場面で着用される衣服として受け継がれてきました。

さらに近年では、伝統文化への関心の高まりとともに、着物が再び注目されています。現代では、伝統的な着物の形だけでなく、現代的なデザインを取り入れた着物も作られてており、より幅広い層に親しまれています。


日本文化と着物の関係性

着物は、日本の伝統文化を象徴するものです。着物はただの衣服ではなく、日本人の美意識や価値観、季節感を表現する手段として深く根付いています。

着物は、日本の自然や四季を表現するものです。例えば、桜や紅葉などの花柄や、雪景色などの風景柄は、日本の美しい自然を表現しています。また、着物は、日本の伝統的な色である赤、白、青、緑などの色を用いて作られています。これらの色は、日本の自然や文化に根ざしたものです。

着物は、日本の宗教や信仰にも関係しています。例えば、神社仏閣を訪れる際には、着物着用が推奨される場合があります。また、神道や仏教などの儀式では、着物が着用されます。

着物は、日本の伝統的な芸能にも関係しています。歌舞伎や能などの舞台では、着物が着用されます。また、茶道や華道などの伝統文化では、着物が着用されることがあります。

さらに着物は、成人式や結婚式など、人生の節目節目を彩る衣装としても重要な役割を担っています。

着物一つひとつに込められた職人の技術や思い、そしてそれを選び、着こなす人のセンスが、豊かな文化を生み出してきました。


着物デザインの伝統と革新

着物は、伝統的なデザインと革新的なデザインが融合したものです

伝統的な着物デザインは、長い歴史の中で培われてきたものです。例えば、花柄や幾何学模様などの柄は、古くから着物に用いられてきました。また、着物の色使いも、伝統的なルールに基づいています。

近年では、伝統的なデザインに現代的な要素を取り入れた着物も作られています。例えば、ポップな色使いや柄の着物や、洋服のようなデザインの着物などが人気を集めています。
現代の着物デザイナーたちは、伝統的な染めや織りの技法に現代的な感覚を融合させ、より幅広い世代に受け入れられる着物を生み出しています。

また、着付けの簡易化やカジュアルな着こなしが可能な新しいスタイルの提案も、着物の魅力をより身近なものにしています。

これらの努力により、着物は伝統文化の象徴でありながら、現代のファッションシーンでも新鮮な魅力を放ち続けています。


お手入れ方法と保管方法

着物の保管に桐のタンス

着物の正しい手入れ方法

着物は、繊細な衣服です。長く美しく着るためには、正しい手入れ方法を知っておくことが大切です。

【着用後のお手入れ】
着物を脱いだ後は、すぐにハンガーに掛けて風通しの良い場所で陰干しします。直射日光や蛍光灯の光は、色褪せの原因となるので避けてください。
特に襟元や袖口などの汚れやすい部分は、ブラシで優しく払うか、軽く湿らせた布で拭き取って、汚れを落とします。

汚れが付着した場合は、すぐにシミ抜きを行います。シミの種類によって、適切なシミ抜き方法が異なります。水溶性のシミは、水で濡らした布で叩き出すようにします。油性のシミは、専用のシミ抜き剤を使用します。シミができてしまった場合は、早めに専門のクリーニングに出すことが大切です。
自宅での水洗いは、素材や染料によっては色落ちや形崩れの原因となるため、避けるべきです。

【シーズンオフのお手入れ】
シーズンオフに着物をしまう前に、必ずクリーニングに出しましょう。クリーニングでは、汗や汚れを落とし、カビや虫食いを防ぎます。
また、数年に一度しか着ない礼装は、着たらクリーニングに出してから保管しましょう。


長持ちさせる保管のコツ

着物は、適切な方法で保管することで、長持ちさせることができます。

【着物のたたみ方】
着物は、正しい方法で畳むことで、型崩れを防ぐことができます。着物の種類によって畳み方が異なりますが、「本ただみ」というたたみ方が基本です。
本だたみにした着物を、1枚ずつ「たとう紙」に包みます。

【保管場所】
着物は湿気の少ない、暗所で保管します。直射日光が当たる場所や、高温多湿の部屋で保管しないように気をつけましょう。

【温度と湿度】
着物は温度15~25℃、湿度50~60%の環境で保管します。

【収納方法】
着物は、桐箱などの通気性の良い箱に保管します。箱の中に防虫剤を入れておくと、虫食いを防ぐことができます。
乾燥剤、防虫剤を併用しても問題はありませんが、何種類も使用せず、1種類に絞って使用するようにしましょう。
防虫剤・乾燥剤は、きものや帯に直接ふれないようにタンスや衣裳箱の四隅に入れでください。

また着物を積み重ねすぎると、しわや型崩れの原因になるため、5枚以上は重ねないようにしましょう。

【保管中の注意】
数ヶ月に一度は着物を取り出して風通しをすることで、虫食いやカビの予防にも繋がります。
湿気対策としては、空気が乾燥している12月~2月ごろまでの、3、4日晴天が続いた風のない日に「虫干し」をすると効果的です。
そのような場所も時間も無い、という方は押入れやたんすの引き出し、衣装箱のふたを開けたりして、新鮮な空気を常に入れ替えましょう。


SDGsへの貢献:着物活用の新しい形

着物リサイクル

着物リサイクルでSDGs達成へ

近年、SDGsへの関心の高まりとともに、着物リサイクルが注目されています。古くなった着物や使用しなくなった着物をリサイクルすることは、環境問題や社会問題の解決に貢献できる、持続可能なファッションとして期待されています。

日本では、年間約100万枚の着物が廃棄されています。着物リサイクルは、これらの着物を新たな資源として活用することで、廃棄物削減に貢献できます。

また、着物リサイクルは、伝統的な文化や技術を守りながら、新しい価値を生み出すことも可能です。着物をリサイクルすることによって、環境保護だけでなく、経済的な持続可能性にも貢献し、地域社会の活性化にもつながります。

さらに着物リサイクルは、新たな経済活動を生み出すことができます。着物リサイクル市場は近年拡大しており、2025年には100億円規模に達すると予測されています。

これらのプロセスは、SDGsの「責任ある消費と生産」や「産業と技術革新の基盤をつくる」などの目標達成に寄与します。


アップサイクル着物の可能性

不要になった着物を解いて、新たな衣服や小物などに作り替えるアップサイクルも注目されています。

アップサイクルは、単に古いものを再利用する以上の価値を生み出します。例えば、古い着物から作られるバッグやアクセサリー、現代的な衣服などは、伝統的な美しさを保ちながらも、新しいスタイルや用途を提供します。

【特徴】
アップサイクル着物は、世界に一つだけのオリジナル作品です。着物の生地や柄を生かしたデザインで、個性的なアイテムを作ることができます。

【種類】
アップサイクル着物には、様々な種類があります。例えば、着物生地を使った洋服や小物、着物の柄を生かしたインテリアなどがあります。

【購入方法】
アップサイクル着物は、着物専門のクリーニング店や呉服店、オンラインショップなどで購入することができます。

アップサイクルされた着物製品は、持続可能なファッションの選択肢を広げ、伝統文化を次世代に伝える新しい方法として注目されています
アップサイクルは環境への負担を減らすだけでなく、文化的価値の再発見にも繋がります。


持続可能な着物:職人技術による修復

着物は、長年着用していると、破れたり、シミが付着したりすることがあります。そのような場合は、着物専門の職人に修復を依頼することができます。修復された着物は、これまで同様、長く愛用することができます。

【主な修復方法】
裂けの修復:糸で縫い合わせて修復します。
シミ抜き:専用の溶剤を使用してシミを落とします。
色修正:色褪せた部分を染め直します。
金箔貼り:剥がれた金箔を貼り直します。

【職人の選び方】
着物の修復は、経験豊富な職人に依頼することが大切です。着物専門のクリーニング店や呉服店に相談すると、信頼できる職人を紹介してもらえます。

着物の修復は、熟練の職人がその着物の素材や染料、織りの特性を見極めながら修復作業を行います。
例えば、絹の着物にできた小さな穴は、特殊な技術で目立たなく修復することが可能です。また、古い着物の色褪せやシミを生地の状態を見極めつつ、可能な限り元の状態に近づけるように手入れをします。

職人の技術による修復は、着物を長く大切に使う上で欠かせない要素であり、修復を通じて着物の価値を高め、次世代にも受け継いでいくことができます。


日常で着物を楽しむ方法

日常の着物

日常での着物コーディネートを楽しむ

日常で着物を楽しむには、シーンに合わせた着物選びが重要です。着物を選ぶ際には洋服同様、TPOや季節を考慮する必要があります。

着物選び

【TPO】
フォーマルな場:留袖、振袖、訪問着、付下げ、色無地
カジュアルな場:小紋、紬、浴衣

【素材】
夏:絽、紗、麻
冬:綸子、縮緬、ウール

【色・柄】
着物は季節によって色や柄を選びます。
季節のお花やモチーフの描かれた着物、季節を先取りした色合いの着物を選ぶとおしゃれです。


帯選び

帯は、着物のコーディネートのポイントとなるものです。着物の格、色や柄に合った帯を選ぶことが大切です。

【TPO 】
フォーマルな場:格式高い帯結び(丸帯、袋帯)v カジュアルな場:カジュアルな帯結び(名古屋帯、半幅帯)

【文様】
正倉院文様・有職文様・御所解文様・吉祥文様と呼ばれる柄は、文様自体に意味があるため、格が高いとされています。

【素材】
帯の素材は、正絹、麻、木綿、ウールです。
正絹が一番格が高いとされてます。


小物

小物も、着物のコーディネートを彩る重要な要素です。
帯締め、帯留め、重ね衿、バッグ、草履など、着物に合った小物を選びましょう。

帯や帯締め、帯揚げを変えるだけで、同じ着物でも異なる印象を与えることができます
普段使いの着物では、足元には草履ではなく、スニーカーやブーツを合わせることもあり、より気軽に着物を楽しむことができます。


着物と洋服のミックスコーデ

着物をより身近なファッションアイテムとして取り入れる方法の一つとして、近年、着物と洋服をミックスさせたコーディネートが人気を集めています。着物と洋服を組み合わせることで、新しい着こなしを楽しむことができます。

ミックスコーデは、着物の色や柄と洋服のバランスを合わせたり、素材感を合わせたり、小物でアクセントを加えます。
例えば、着物を羽織物のように使ったり、洋服の上に帯を巻いてアクセントをつけたりすることで、日常的な装いにトラディショナルなエッセンスを加えることができます。

このようなミックスコーデは、特に若い世代に人気があり、新たなファッションの楽しみ方として注目されています。
着物の素材や柄を活かしつつ、洋服と組み合わせることで、自分だけのオリジナルスタイルを創り出すことができます。


着物レンタルで手軽に楽しむ方法

特に着物初心者や気軽に着物を楽しみたい人におすすめなのが、着物レンタルです。

【着物レンタルのプラン】
○着物と帯のみのレンタル
○着付け込みのレンタル
○ヘアメイク込みのレンタル


【着物レンタルのメリット】
○自分の着物を持っていない人でも、気軽に着物を楽しむことができる
○さまざまな種類の着物から選ぶことができる
○着付けやヘアメイクを頼むことができる
○お手入れ、保管の必要がない

このサービスを利用することで、手持ちの着物がなくても、また着付けが自分でできなくても、気軽に着物を着ることができます。
観光地での一日レンタルから、特別なイベント用の高級着物まで、用途に応じてさまざまな種類の着物を楽しむことが可能です。

着物レンタルは、着物文化を気軽に楽しみたい人たちに新たな選択肢を提供しています。



着物を通じて、伝統と革新が融合する持続可能なライフスタイルを追求することは、文化の継承だけでなく、SDGs達成にも貢献します。

リサイクルやアップサイクルを活用し、着物を通して、日本の美意識を味わい、個性と地球環境に優しいファッションを楽しみましょう。




 



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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。