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男性の育休取得率UPで、目指せ夫婦の輝く未来

公開日: 更新日:2024.02.21
男性の育休取得率UPで、目指せ夫婦の輝く未来

近年、パパも育児に参加することが大切と言われています。育児休暇は、パパが子どもとじっくり向き合う貴重な機会です。

しかし、日本のパパの育児休暇取得率は約17%と、まだまだ低いのが現状です。取得期間や給与の問題などが課題となっているのです。

このブログでは、パパの育児休暇取得に関する現状と課題、もっとパパが育児に参加できるような取り組みを分かりやすく解説します。


男性の育児休暇、取得割合の現状と国際比較

育児をする海外の男性


男性の育児休暇取得率の現状

日本における男性の育児休暇取得率は、2000年代初頭から徐々に増加しているものの、その伸びは緩やかです。厚生労働省が発表する「平成22年度雇用均等基本調査報告」によると、2010年度の男性の育児休暇取得率は約2.63%でした。2023年は約17%と右肩上がりに大きく伸びを見せていますが、依然として国際的に見ると低い水準に留まっています。


【男性の育児休暇取得率の移り変わり】

2010年 2015年 2016年 2020年 2021年 2023年 2025年
目標
2.63% 3.16% 3.2% 7.48% 13.97% 17% 50%

国によって違う?休暇期間と給与

国際的に育児休暇取得率を比較すると、期間と給与において大きな差異が見られます。スウェーデン、ノルウェー、アイスランドなどでは、長期間の育児休暇が提供され、給与も一定程度保障されています。これに比べて、アメリカ、インド、中国などでは期間が短く、無給の場合もあります。

日本は育児休暇は長期間提供されるものの、給与保障(給付率)の面で課題があります。

この差異は、男性の育児休暇取得率にも影響を与えており、政府や企業は期間と給与の改善を通じて取得率の増加を図っています。


男性の育児休暇を義務化している国

スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、フィンランド、ドイツなどでは育児休暇の義務化が行われ、男性も積極的に取得する傾向が強化されています。義務化により、男性が育児休暇を取得することが法的に保障され、取得率が増加しています。男性も積極的に育児休暇を取得する文化が醸成され、女性だけでなく男性も家庭と仕事の両立がしやすくなりました。

義務化による取得率の増加は、ジェンダー平等を推進し、女性の社会進出を後押ししています。日本でも厚生労働省などの政府機関が積極的な義務化政策を実施しており、男性の育児休暇取得が奨励されています。


なぜ男性の育児休暇取得率は向上しない?

育児をする男性


給与減少のデメリット

男性の育児休暇取得が増加するにつれ、給与の減少が社会的課題として浮上しています。多くの男性は給与の減少を懸念し、育児休暇を取得しづらい状況があります。
政府はこのデメリットに対処するために、「育児・介護休業法」などを導入し、取得率の向上を促進しています。給与補償制度の導入により、男性も育児休暇を取得しやすくなり、ジェンダー平等の実現に向けた一歩と言えます。

育児休業給付金の支給により、育休取得者の手取り収入が約80%保証され、企業にとっても助成金が多数用意されており、育休取得を通じて会社への利益貢献につながると大きな期待がが寄せられています。


取得率公表の義務化

2023年度の日本における男性の育児休業取得率は、過去最高の約17%に達したことが報告されています。これは、政府が男性の育児休業の取得を後押しする政策を強化している結果です。

また政府は、少子化対策として、男性、女性ともに仕事と家事育児を分担する「共働き・共育て」を定着させることを目指してきました
政府は2025年度には男性の育児休業取得率を50%に引き上げる目標を掲げています​。

この取り組みの一環として、2023年4月から従業員が1,000人を超える企業では、男性労働者の育児休業取得率などの公表が必要となります。この義務化は、透明性を高めることで企業内の育児休業の取得を促進し、社会全体での理解と支持を広げることを目的としています​。


厚生労働省の取り組み

男性の育児休暇取得には、社会的な偏見やステレオタイプの課題も存在します。こうした社会的な偏見を克服するために、厚生労働省では様々な啓発キャンペーンやジェンダー教育を実施しており、男性の育児参加を奨励しています。


イクメンプロジェクト

イクメン・プロジェクトとは

「イクメンプロジェクト」とは、育児に積極的に参加する父親、いわゆる「イクメン」を応援し、増やすことを目的にした取り組みです。

日本では長らく、育児は母親中心という文化が根強くありました。しかし、男性も育児に参加することで家庭内の役割分担が平等になり、女性の社会進出を支援することができます。また、子育てを通じて父親自身が子どもとの絆を深める機会も増えます。


具体的な取り組み

・イクメン宣言やイクメンサポーター宣言などのオンライン参加型のキャンペーンを展開する。
・イクメンやイクボス(育児休業を取得した部下を支える上司)の体験談やベストプラクティスを紹介するメディアコンテンツを作成・公開する。
・企業や地域のイクメン推進事例を表彰するイクメン・イクボス・イク企業アワードを実施する。
・企業や個人に対して、育児休業制度や育児休業給付の改善、育児期を通じた柔軟な働き方の推進などの情報を提供する。
・経営者や人事労務担当者、若年層などを対象としたセミナーや研修を開催する。


イクメンプロジェクトは、育児を通じた男女平等の実現と、家庭内での役割分担の平等化を目指しています。父親が育児に積極的に関わることで、子どもの成長にも良い影響を与え、家族全体の幸福感を高めることが期待されています。

この取り組みは、単に育児休業の取得率を上げることだけでなく、社会全体の意識改革にも繋がる重要なステップです。


その他の取組み

メディアを活用した情報発信

テレビCMやラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどのメディアを通じて、育児休業制度の利点や育児参加の重要性を広く伝えます。これには、実際に育休を取得した父親の体験談を紹介することも含まれ、育児参加のポジティブなイメージを社会に広めることを目的としています。


企業向けガイドラインの提供

企業が育児休業取得を促進するためのガイドラインを提供し、職場での理解と支援体制の構築を促します。これには、育児休業取得後の職場復帰支援やキャリア形成支援の方法も含まれます。


イクメンアンバサダーの活用

育児休業を取得した経験のある著名人や一般の父親を「イクメンアンバサダー」として任命し、その体験談やメッセージを通じて、育児休業の取得を推奨します。彼らの声が、他の父親たちに育児参加のきっかけを提供することが期待されています。


SNSやウェブサイトを活用した啓発活動

SNSや専用のウェブサイトを通じて、最新の育児休業制度の情報や、育児に関する様々なコンテンツを提供します。これには、Q&A形式での疑問解消や、育児休業取得を検討している父親向けのアドバイスなどが含まれます。


地方自治体との連携

中央政府だけでなく、地方自治体と連携して地域ごとに合った啓発活動を展開します。地域のイベントやセミナーを通じて、育児休業取得のメリットや方法についての情報を提供します。


育児休暇取得率を向上させるためには?企業における支援体制強化

育休取得中


企業における育児支援体制を強化するためには、従業員が仕事と家庭生活のバランスを取りやすくするさまざまな施策が考えられます。以下に、具体的な支援体制の例を挙げます。


育児休暇制度の充実

育児休暇の取得を奨励

特に男性従業員に対しても積極的に休暇を取得させる文化を作ります。休暇取得後の職場復帰支援も含め、社内規定を見直し、制度利用のハードルを下げます。


育児休暇中の給付金の増額

法定の給付金に加え、会社独自の給付金を支給することで、経済的な負担を軽減します。


柔軟な勤務体制の導入

テレワークやリモートワークの推進

場所を選ばずに仕事ができるようにすることで、子育て中の従業員の負担を軽減します。


フレックスタイム制度の導入

出退勤時間を柔軟に設定できる制度を導入し、従業員が子育てや家庭の事情に合わせて働きやすい環境を提供します。


育児支援施策の拡充

社内保育施設の設置

社内または社外に保育施設を設置し、小さな子どもを持つ従業員が安心して働けるようにします。


子育て支援金の提供

子どもの数や年齢に応じて、教育資金や子育て支援金を支給する制度を設けます。


教育と意識改革

育児参加に関する研修の実施

育児参加の重要性や方法についての研修を実施し、従業員の意識改革を促進します。


ロールモデルの提示

経営層や管理職が育児休暇を取得するなど、育児参加のロールモデルを示すことで、社内の風土を変えていきます。


ダイバーシティ推進の取り組み

男性の育児休暇取得が増加し、女性の社会進出が促進されることで、企業は多様な人材を活用し、競争力を高める可能性が広がっています。ダイバーシティ推進の取り組みは、企業の持続可能な成長と社会的責任を両立させる一環として、今後も進化していくことでしょう。


これらの支援体制は、従業員が仕事と育児の両立をしやすくするだけでなく、働きやすい職場環境を作ることで企業の生産性向上や従業員の満足度向上にも繋がります。また、優秀な人材の確保と育成、そして長期的な人材の定着にも効果的です。



男性が育児休暇を取ることがもっと普通になれば、男性も女性も仕事と家庭のバランスを取りやすくなり、家族の絆を深める機会も増えるでしょう。
子どもたちも幸せな環境で育ち、夫婦が互いを支え合いながら輝く未来を実現できます。

家族全員が笑顔でいられるような、温かい社会を目指していきましょう。






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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。