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環境負荷を減らし、おいしさをプラス! 人にも地球にもやさしい食品アップサイクル

公開日: 更新日:2024.08.16
環境負荷を減らし、おいしさをプラス! 人にも地球にもやさしい食品アップサイクル

古着を新しいファッションアイテムに生まれ変わらせる「アップサイクル」は、今やファッション界で注目を集める手法です。
実は日々の料理で余ったり、見た目が完璧でないために選ばれなかった食材も、「アップサイクル」によって新たな価値を生み出す鍵となり得るのです。

そんな「食品アップサイクル」に焦点を当て、捨てられがちな食材をどのように活用し、新たな商品や美味しい料理に生まれ変わらせるかを探ります。


捨てられる食材を宝に変える!食品アップサイクルの仕組み

規格外野菜たち

廃棄食材の価値を高める

令和4年度の食品ロス量(推計値)は472万トン(前年度比▲51万トン)、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は236万トン(前年度比▲43万トン)、家庭から発生する家庭系食品ロス量は236万トン(前年度比▲8万トン)となりました。これは、年間一人当たり約38kgもの食品が捨てられていることを意味します。

こうした状況の中で、注目されているのが「食品アップサイクル」です。食品アップサイクルとは、本来廃棄されてしまう食品を、新たな価値のある製品へと生まれ変わらせる取り組みです。

アップサイクルすることで、食材そのものが持つ潜在的な価値を再発見することができます。例えば、規格外の野菜を使用したスープの製造や、果物の皮から作られるジャムなど、廃棄されがちな部分でも十分に活用可能です。

これにより、食材の全体的な使用効率が向上し、廃棄される量が減少します。

この取り組みは、環境保護だけでなく、経済的にもメリットがあり、地域農家の支援にもつながるため、持続可能な食文化の形成を推進します。


アップサイクル製品の開発過程

食品アップサイクルのプロセスは、単に食材を再利用するだけではありません。新たな製品を開発するためには、廃棄食材の特性を理解し、安全性の高い製品を作るための知識、クリエイティブなアイデアと技術が必要です。

【アップサイクルのステップ】
廃棄食材の選定:規格外野菜や果物、パンの耳、コーヒーかすなど、さまざまな廃棄食材を収集します。
原料の洗浄・加工:収集した食材を洗浄し、必要に応じて加工します。
製品の開発:アップサイクル製品のアイデアを考案し、試作品を開発します。
品質管理:製品が安全で高品質であることを確認するための検査を行います。
販売:アップサイクル製品を販売します。

開発過程では、まず、どの食材が廃棄されているかを特定し、それらをどのように再利用できるかを検討します。次に、製品の試作を行い、味や安全性、保存性を徹底的にテストします。

成功事例として、ビール醸造過程で出る大麦のかすを活用したベーカリー製品、コーヒーかすをアップサイクルしたコスメ製品などがあります。
これらの製品は市場で好評を博し、新たな消費層を開拓しています。


食品ロス削減への貢献

食品アップサイクルは、世界で生産される食品の約1/3が廃棄されるという現状を改善するための重要な取り組みです。
廃棄される食材を再利用し、新たな製品として生まれ変わらせることで、栄養や価値を保ちつつ、食品ロスを減らすことができます。

具体的な削減量を算出することは難しい状況ですが、さまざまな調査や試算によると、食品アップサイクルが食品ロス削減に大きな効果をもたらす可能性が高いことは明らかです。

アップサイクル製品を選ぶことは、持続可能な消費を促進し、地球環境への影響も減らすことにつながります。また、地域の農林水産業を活性化させる効果も期待できます。

私たち一人ひとりがアップサイクル製品を意識して選ぶことで、地球規模での食品ロス問題の解決に貢献することができるのです。


食品アップサイクルと環境

水

環境負荷の低減

食品アップサイクルは、従来の食品製造と比べて環境負荷を低減できる技術として注目されています。

エネルギー消費量の削減

アップサイクル製品は、従来の製品よりも少ないエネルギーで製造が可能です。

【原材料の再利用】
アップサイクル製品は、規格外野菜や余剰パンなど、本来捨てられてしまう食品を原料としているため、従来の製品に比べて原材料の輸送や保管にかかるエネルギーを削減することができます。
例えば、規格外野菜をジュースに加工する場合、従来のジュースの原料となる果物は、遠くの産地から輸送される場合が多いですが、アップサイクル製品の場合は、地元で生産された規格外野菜を使用することが多いため、輸送距離が短くなり、エネルギー消費量を削減できます。

【加工工程の簡素化】
アップサイクル製品は、廃棄される食品をそのまま利用したり、簡単な加工で済ませたりすることが多いため、従来の製品に比べて加工工程が簡素化されています。その結果、製造過程におけるエネルギー消費量を削減することができます。
例えば、パンの耳をビールに加工する場合、パンの耳を粉砕してビールの原料に混ぜるだけで済むため、従来のビール製造に比べて工程が少なく、エネルギー消費量を削減できます。

【副産物の有効活用】
アップサイクル製品の製造過程では、従来の製品では捨てられてしまう副産物を有効活用することができます。その結果、エネルギーを無駄なく利用することができます。
例えば、コーヒーかすを肥料に加工する場合、コーヒーかすに含まれる栄養素を肥料として利用することで、化学肥料の使用量を減らし、エネルギー消費量を削減できます。


水資源の節約

アップサイクル製品は、従来の製品よりも少ない水での製造が可能です。例えば、パンの耳をビールに加工する場合、従来のビール製造に比べて約50%の水を節約することができます。

廃棄される食品をアップサイクルすることで、水資源の無駄な消費を抑えることができる理由は、主に以下の3つが挙げられます。

【農業段階での削減】
アップサイクルにより、食品加工過程で生じる副産物を活用することで、新たな作物の栽培に必要な水を節約できます。また、廃棄される食品を再利用することで、新しい食材の生産に伴う水消費を減らす効果があります。
これにより、農業における水の使用効率が向上し、限られた水資源の保全に寄与することが期待されます。

【洗浄・殺菌工程の削減】
アップサイクル製品は、規格外野菜や余剰パンなど、本来捨てられてしまう食品を原料としているため、従来の製品に比べて洗浄や殺菌などの工程を省略することができます。その結果、水資源の消費量を削減できます。
例えば、規格外野菜をスープに加工する場合、従来のスープの原料となる野菜は、洗浄や殺菌などの工程を経てから加工されますが、アップサイクル製品の場合は、規格外野菜をそのまま使用することが多いため、これらの工程を省略できます。

【加工工程の簡素化】
アップサイクル製品は、廃棄される食品をそのまま利用したり、簡単な加工で済ませたりすることが多いため、従来の製品に比べて加工工程が簡素化されています。その結果、水を使用する工程を減らすことができます。
例えば、パンの耳をクラッカーに加工する場合、パンの耳を粉砕して生地を作り、焼くだけで済むため、従来のクラッカー製造に比べて工程が少なく、水を使用する工程を減らすことができます。


CO2排出量の削減

食品ロスや規格外品が廃棄されると、焼却や埋め立て処分によって温室効果ガスであるCO2が排出されます。食品アップサイクルは、これらの廃棄物を新たな商品に生まれ変わらせることで、CO2排出量を削減することができます。

【原材料の輸送・保管におけるCO2排出量削減】
食品アップサイクルは、新たな食材を栽培・収穫・輸送する必要がないため、原材料調達段階におけるCO2排出量を大幅に削減することができます。
従来の食品製造では、石油や石炭などの化石燃料を燃焼させて得られるエネルギーを使って、食材を栽培、収穫、輸送します。一方、食品アップサイクル製品は、すでに存在する廃棄食品や規格外品を活用するため、これらのエネルギーを必要としません。
例えば、規格外野菜をアップサイクルしてスープに加工する場合、新たな野菜を栽培する必要がないため、農業での水やり、肥料の使用、収穫や輸送に伴うエネルギー消費が抑えられます。

【製造工程におけるCO2排出量削減】
食品アップサイクル製品の製造工程では、従来の食品製造と比べてエネルギー消費量が少ない場合があります。
従来の食品製造では、食材を加工したり、パッケージを作ったりする際に、多くのエネルギーを必要とします。一方、食品アップサイクル製品は、廃棄食品や規格外品を再利用するため、加工やパッケージングに必要なエネルギーが少なくなります。
例えば、廃棄パンをアップサイクルしてラスクに加工する場合、新たな小麦粉を製粉する必要がないため、製粉や輸送に伴うエネルギー消費が抑えられます。

【廃棄物処理に伴うCO2排出量削減】
食品アップサイクルは、食品廃棄物処理に伴うCO2排出量を削減することができます。
食品廃棄物は、焼却処分または埋め立て処分されますが、どちらもCO2排出量を増加させる要因となります。焼却処分では、食品廃棄物を燃焼させてエネルギーを取り出す際に、CO2が排出されます。埋め立て処分では、食品廃棄物が分解される過程で、メタンガスが発生し、メタンガスもCO2と同様に温室効果ガスとして地球温暖化に影響を与えます。
一方、食品アップサイクルは、食品廃棄物を新たな食品に生まれ変わらせることで、焼却や埋め立て処分によるCO2排出量を削減することができます。

また、アップサイクル製品の製造過程では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用することで、化石燃料の使用量をさらに減らすことができます。


進化する環境負荷低減技術

食品アップサイクルにおいて、環境負荷を低減する技術は日々進化しています。

【省エネルギー冷凍技術】
従来の冷凍技術は、多くのエネルギーを消費するため、環境負荷が高いという課題がありました。省エネルギー冷凍技術は、冷凍効率を向上させ、エネルギー消費量を削減する技術です。
この技術では、自然冷媒の利用、高効率の冷却システムと断熱材の改良や真空断熱技術の導入により、電力消費を低減しながら食品を長期間新鮮に保つことが可能です。これにより、食品の品質を維持しつつ、CO2排出量を減らします。

【資源効率型包装技術】
食品包装は、食品ロス発生の一因となるだけでなく、廃棄物処理に伴う環境負荷も増加させます。資源効率型包装技術は、包装材料の使用量を削減し、廃棄物処理に伴う環境負荷を低減する技術です。
バイオマス素材・リサイクル可能な素材の開発や、必要最低限の包装材のみを使用することで、包装材料の使用量を削減します。

【バイオガス生成技術】
食品廃棄物は、有機物であるため、メタンガスなどのバイオガスを生成することができます。バイオガスは、エネルギー源として利用することができ、化石燃料の使用量を削減することができます。
バイオガス生成技術は、食品廃棄物を有効活用し、環境負荷を低減する技術で、メタン発酵、ガス化処理、バイオ燃料製造などの技術があります。

これらの技術は、食品アップサイクル製品の製造過程における環境負荷をさらに低減し、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されています。

また、AIやIoTなどの技術を活用することで、食品ロスや規格外品の発生量を予測し、効率的なアップサイクルを可能にする取り組みも進められています。


アップサイクルの社会的貢献

食品アップサイクルは、環境負荷の低減だけでなく、社会的な貢献も大きいです。

【食品ロス削減】
食品アップサイクルは、食品ロス削減に大きく貢献します。
アップサイクルは、廃棄されるはずだった食品ロスや規格外品を新たな商品として活用するため、廃棄量を直接的に削減することができます。規格外野菜や果物をジュースやジャムに加工したり、パンくずをラスクに加工したり、様々な方法で食品ロスを価値ある商品へと生まれ変わらせることができます。
規格外品や賞味期限間近の食品は、販売機会を逃し、廃棄されるリスクが高くなります。アップサイクルは、こうした潜在的な食品ロスを事前に食い止める効果も期待できます。
規格外品を加工することで販売ルートを拡大したり、賞味期限間近の食品をアップサイクルスイーツに加工したり、食品ロス発生前の段階で対策を講じることができます。

【雇用機会の創出】
食品アップサイクルは、従来の食品加工とは異なる専門知識や技術を必要とする場合があります。そのため、アップサイクル製品の企画・開発、製造、販売、マーケティングなど、様々な職種で活躍できる人材の育成が期待できます。
また、食品アップサイクルは、地域で発生する食品ロスを活用することで、地域経済の活性化にも貢献することができます。地域で生産された食材をアップサイクル製品として加工・販売することで、地域の農家や食品加工業者を支援し、新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。

【開発途上国への支援】
開発途上国では、食料ロスや規格外品の問題が深刻化しています。アップサイクルは、これらのロスを有効活用することで、新たな産業を生み出し、経済発展に貢献することができます。
また、アップサイクル製品の製造や販売に関わる人材の雇用創出は、開発途上国の経済発展に直接的につながります。特に、女性や若者など、従来の雇用機会にアクセスしにくい人々にとって、アップサイクルは新たな収入源となり、生活向上に貢献することができます。


食品アップサイクルの課題

コストが上がる

原材料の安定供給

食品アップサイクル事業を成功させるには、原材料となる廃棄予定の食品の安定供給が重要です。しかし、これが一つの大きな課題となっています。

【供給量の変動】
食品アップサイクルの原材料となる食品ロスや規格外品は、発生量や品質が一定ではなく、季節や天候、消費動向などの影響を受けやすいという特徴があります。そのため、アップサイクル製品を安定的に供給するためには、原材料の安定供給を確保することが重要です。

【品質のばらつき】
食品ロスや規格外品は、品質にばらつきがある場合が多く、アップサイクル製品の品質管理が難しくなります。品質の低い原材料を使用すると、最終製品の品質が低下したり、消費者の満足度が低下したりする可能性があります。

【衛生面の管理】
食品ロスや規格外品は、傷みや腐敗などのリスクが高く、衛生面の管理が重要になります。衛生管理が不十分な場合、食中毒などのリスクが発生する可能性があります。

多くのアップサイクル事業者は、これらの課題を克服するために、さまざまな取り組みを行っています。
安定的な供給体制の構築:食品ロスや規格外品の発生量を予測し、計画的に収集・保管する体制を構築する必要があります。
品質管理体制の強化:原材料の品質を検査し、選別する体制を強化する必要があります。
衛生管理体制の強化:原材料の衛生管理を徹底し、食中毒などのリスクを防止する必要があります。
技術開発:食品ロスや規格外品の品質を向上させる技術を開発する必要があります。
情報共有:食品ロスや規格外品の発生状況や品質に関する情報を共有する仕組みを構築する必要があります。

食品アップサイクルの原材料の安定供給確保には、行政、企業、消費者、研究機関など、さまざまな関係者が連携して取り組むことが重要です。


コストと技術開発

食品アップサイクルにおける技術開発とコスト管理は、事業の持続可能性を左右する重要な要素です。

コスト

食品アップサイクル製品は、従来の製品と比べてコストが高くなる傾向があります。これは、以下のような理由が挙げられます。
原材料調達コスト:食品ロスや規格外品は、品質や発生量にばらつきがあるため、安定的に調達することが難しく、コストが高くなります。
選別・加工コスト:食品ロスや規格外品は、品質に応じて選別・加工する必要があり、人件費や設備投資などのコストがかかります。
研究開発コスト:食品アップサイクル技術は、まだ発展途上にあり、研究開発に多くのコストがかかります。

これらのコストを削減するためには、以下のような取り組みが重要です。
原材料の安定調達:食品ロスや規格外品の発生量を予測し、計画的に収集・保管する体制を構築することで、調達コストを削減することができます。
効率的な選別・加工技術の開発:食品ロスや規格外品を効率的に選別・加工できる技術を開発することで、人件費や設備投資などのコストを削減することができます。
低コストなアップサイクル技術の開発:化学薬品や特殊な設備を使わずに、低コストでアップサイクルできる技術を開発する必要があります。


技術開発

食品アップサイクルには、以下のような技術開発が必要です。

品質向上技術:食品ロスや規格外品の品質を向上させる技術が必要です。具体的には、傷みや腐敗を抑制する技術、栄養価を向上させる技術、味や食感を改善する技術などが開発されています。
加工技術:食品ロスや規格外品を様々な製品に加工できる技術が必要です。具体的には、ジュースやジャムなどの加工食品、パンやクッキーなどの菓子類、衣類や雑貨などの非食品など、様々な製品への加工技術が開発されています。
安全性評価技術:食品アップサイクル製品の安全性評価技術が必要です。具体的には、食品ロスや規格外品に含まれる有害物質の分析技術、アップサイクル製品の品質管理技術などが開発されています。

【技術開発の重要性】
これらの技術開発を進めることで、食品アップサイクル製品のコストを削減し、品質を向上させることが可能になります。
また、安全性評価技術の開発は、消費者の安全を守り、食品アップサイクルの普及に貢献します。

アップサイクルプロセスで高品質な製品を生産するためには、特定の技術が必要となりますが、これが高コストにつながることがあります。例えば、廃棄される食材から安全で健康的な製品を作り出すためには、厳しい品質管理と処理技術が求められ、これには初期投資が必要です。
さらに、効率的な生産ラインを確立するための研究開発費用も無視できません。これらのコストを抑えつつ、継続的に投資を行うことが、事業の拡大と持続性には欠かせない課題となっています。


消費者の理解と法規制

消費者の理解不足

食品アップサイクルを広く普及させるには、消費者の理解と支持が不可欠です。

アップサイクル食品が「廃棄されるはずの食材から作られている」という点が、一部の消費者にとっては抵抗感を覚える可能性があります。アップサイクル製品は、見た目が劣悪であったり、安全性が不安視されたりするケースもあり、購入を躊躇する消費者も多いようです。

市場調査によると、消費者の約50%が「アップサイクル食品を積極的に選ぶ意向は低い」と回答しています。
この誤解を解消するためには、アップサイクル食品が安全であり、かつ品質が保証されていることを広く伝えることが重要です。
教育プログラムやマーケティング戦略を通じて、アップサイクル食品のポジティブな側面を強調し、消費者の信頼を得ることが求められます。


法規制

食品アップサイクル製品の製造・販売には、食品衛生法食品表示法などの法規制が適用されます。しかし、アップサイクル製品は通常の食品とは異なる性質を持つため、法規制の面では、アップサイクル食品に適用される法律や基準が未整備な場合が多いです。

食品安全に関する既存の法律がアップサイクル食品の特性を十分にカバーしていないことが問題となります。
例えば、使用が許可されている食材かどうか、どのような衛生管理が必要かなど、明確なガイドラインが設けられていないため、製造業者は生産にあたって多くの不確実性に直面します。

これを解決するためには、アップサイクル食品専用の法律や基準を設け、製造から流通、販売までのプロセスを明確に規定することが必要です。


法的な枠組みの明確化と、その適切な情報提供が、消費者信頼の構築には欠かせません。


家庭でもできる!食品アップサイクルの実践方法

いろんな野菜のピクルス

余剰食品の活用法

家庭で簡単にできるアップサイクルの一つが、余剰食品の活用です。

例えば、日ごろから使い切れずに余ってしまう野菜や果物を、ピクルスやジャムに変えることで、食材を無駄にせずに済みます。また、パンの耳を乾燥させてパン粉にする、または煮物やスープの具として使うこともできます。

これらの方法は、食品ロスを減らすだけでなく、新たな味わいを楽しむこともできるため、家庭料理の幅が広がります。
環境に優しい生活を目指す上で、これらの小さな取り組みが大きな影響を与えることを忘れないでください。


除去食材のアップサイクル

通常、食材の一部である皮や種などは捨てられがちですが、これらを有効活用する方法もあります。

例えば、野菜の皮はスープのだしとして使用することができます。人参、じゃがいも、玉ねぎの皮などを洗って乾燥させ、小さく切ってストックしておくと便利です。これらを煮出すことで、自然な風味と栄養をスープに加えることができます。また、乾燥させたものを粉砕して野菜パウダーにして、デザートやスイーツづくりに利用したりすることができます。

果物の種や皮からは、ジャムやピクルスを作ることができます。リンゴの皮や種は、シナモンと一緒に煮ることで美味しいリンゴジャムを作れます。また、柑橘類の皮は砂糖漬けにして、デザートの飾りやお菓子作りの材料として再利用できます。

魚の骨やアラは、出汁をとったり、魚醤を作ったりすることができます。また乾燥させて粉砕し、魚粉として活用することもできます。

コーヒーのかすは、園芸にも利用できます。土壌の改良材として使うことで、土の酸度を調整し、植物の成長を助けることができます。また、冷蔵庫内の消臭剤としても活用可能です。

このような取り組みは、日々の料理の中で創造的なアイデアを生み出し、家庭での食品ロスを減らす手助けとなります。


アップサイクルレシピ

家庭での食品アップサイクルを実践するためのレシピは、シンプルでありながらも創造的なものが多いです。

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☆ブロッコリーの芯のピクルス☆
ブロッコリーの茎は捨てがちですが、実はとても栄養が豊富です。ピクルスにすると美味しく再利用できます。

【材料】
ブロッコリーの芯 1本分(中心部を薄切りにする)
水 1カップ
酢 1カップ(りんご酢や白ワイン酢がおすすめ)
砂糖 大さじ2
塩 小さじ1
にんにく 1片(薄切り)
黒こしょう 数粒
レッドペッパーフレーク 少々(お好みで)

【作り方】
ブロッコリーの芯をよく洗い、皮をむいた後、薄切りにします。
中火にかけた鍋に水、酢、砂糖、塩を入れ、砂糖と塩が溶けるまでかき混ぜながら加熱します。
液体が沸騰したら、火を止めて薄切りにしたにんにく、黒こしょう、レッドペッパーフレークを加えます。
ブロッコリーの芯を熱いピクルス液に漬け、完全に冷めるまで待ちます。
冷めたら、ピクルス液ごと密封可能な容器に移し、冷蔵庫で一晩以上寝かせて味をなじませます。

このブロッコリーの芯のピクルスは、冷蔵庫で約2週間保存可能です。サラダのトッピングや、おつまみ、サンドイッチの具材としても大変美味しくいただけます。ブロッコリーの甘みとピクルス液の酸味が絶妙にマッチし、新しい味わいを楽しむことができます。

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☆大根の皮のきんぴら☆
【材料】
大根の皮 200g(大根1本分くらい)
にんじん 1/2本(オプション)
ごま油 大さじ1
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ1
一味唐辛子 少々(お好みで)
白ごま 少々(仕上げ用)

【作り方】
大根の皮をよく洗い、細長い千切りにします。にんじんも同様に細切りにします。
フライパンにごま油を中火で熱し、大根の皮とにんじんを炒めます。
野菜がしんなりとしてきたら、醤油、みりん、砂糖を加えます。
全体がよく絡まるまで炒め続け、味がなじんだら火から下ろします。
仕上げに一味唐辛子を振り、白ごまを散らして完成です。

このレシピでは、大根の皮のシャキシャキとした食感と、甘辛い味付けが楽しめます。ご飯のおかずにはもちろん、お弁当の一品としてもおすすめです。一味唐辛子を加えることで、ピリッとした辛味がアクセントになり、食欲をそそります。

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☆熟したバナナのパンケーキ☆
【材料(2人分)】
熟したバナナ 2本
卵 2個
小麦粉 100g
ベーキングパウダー 小さじ1
砂糖 大さじ1(お好みで調整)
ミルク 50ml
バター 適量(焼く用)
メープルシロップ や ハチミツ(トッピング用)

【作り方】
バナナは皮を剥き、フォークでよく潰してペースト状にします。
大きなボウルに卵を割り入れ、よく泡立てます。
潰したバナナ、小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖を加え、混ぜ合わせます。
ミルクを少しずつ加えながら、滑らかな生地になるまで混ぜます。
フライパンを中火で熱し、溶かしたバターをひきます。
生地を適量フライパンに流し入れ、表面に泡が出てきたら裏返し、両面をきれいに焼きます。
焼き上がったパンケーキをお皿に盛り、メープルシロップやハチミツをかけて完成です。

このバナナパンケーキは、黒く熟したバナナの甘みが際立ち、外は少しカリッと中はふんわりとした食感が楽しめます。メープルシロップやフルーツ、ナッツをトッピングすることで、さらに色鮮やかで美味しいデザートになります。

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家庭で簡単に始められるアップサイクルレシピを取り入れることで、これまで捨ててしまっていた食材を無駄なく活用することができ、食費節約にもつながります。さらに、食品ロス削減にも貢献できるだけでなく、地球環境にも優しいという嬉しい効果も。


食品アップサイクルは、個人だけでなく、企業や自治体にとっても大きな可能性を秘めています。アップサイクル製品の開発や普及を通じて、資源循環型社会の実現に貢献することができます

人にも地球にも優しい食品アップサイクルを、ぜひあなたの生活に取り入れてみてください。あなたの小さな行動が、未来を変える大きな力となるのです。







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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。