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【日本の伝統行事:七五三】伝統行事をエコに楽しむ方法

公開日: 更新日:2024.11.11
【日本の伝統行事:七五三】伝統行事をエコに楽しむ方法

七五三は、子どもの成長を祝う日本の伝統行事であり、毎年11月15日に多くの家庭でお祝いされています。晴れやかな着物姿の子どもたちが、家族連れで神社を訪れ、写真を撮る光景や、千歳飴を手にする姿は心温まるものです。

この伝統的な行事を、現代の視点でサステナブルに楽しむ方法を一緒に考えてみませんか?
七五三の歴史や由来、エコなアイデア、そして千歳飴の楽しみ方についてご紹介します。


七五三の歴史と由来

753の風船を持つ家族

七五三の起源と神社の関係

七五三の起源は、平安時代にまでさかのぼります。当時の貴族の子どもたちは、3歳、5歳、7歳になると髪を伸ばし始め、それぞれ「髪置きの儀」「袴着の儀」「帯解きの儀」といった儀式を行っていました。
これらの節目は、子どもが無事に成長した証として神様に感謝し、さらに健康と長寿を祈願する重要な行事となりました。

神社は、この成長の祈願において中心的な役割を果たしており、神の子である子どもたちが神様のご加護を受けるために、家族全員でお参りをする風習が根付いていきました。


伝統行事としての七五三の変化

七五三は、時代とともにさまざまな変化を遂げてきました。江戸時代に入ると、庶民の間にも広がり、衣装も豪華になり、儀式の形式も整っていきました。

戦後、核家族化が進み、地域社会のつながりが希薄になる中で、七五三は、家族の絆を深める大切な行事として位置づけられるようになりました。また、高度経済成長期には、経済的な余裕が生まれるにつれて、七五三の祝い方はより豪華になり、写真館での記念撮影や、高価な着物を着せることが一般的になりました。

さらに、七五三を祝う日が11月15日と定められたのも江戸時代といわれています。その理由は諸説あります。収穫祭や陰陽道、徳川家光の子の健康祈願など、さまざまな要素が絡み合い、現在の七五三の形態になったと考えられています。

また、数え年の考え方から、現在では満年齢でお祝いすることが多くなりました。

こうして長い歴史を経てきた七五三は、現代では地域や家族ごとに違いが見られる一方、伝統を大切に守り続けられています。


七五三が現代に受け継がれる理由

現代においても、七五三は多くの人々に親しまれている伝統行事です。その理由は、以下の点が挙げられます。

子どもの成長を祝う:七五三は、子どもの成長を家族みんなで祝い、健やかな成長を願う大切な機会です。
家族の絆を深める:七五三を通して、家族が一緒に過ごし、思い出を作ることで、家族の絆を深めることができます。
日本の伝統文化に触れる:七五三は、日本の伝統文化を子どもたちに伝える良い機会です。着物や神社など、日本の文化に触れることで、子どもたちは日本の歴史や文化への理解を深めることができます。
地域社会とのつながり:七五三は、地域社会とのつながりを育む機会でもあります。近所の神社にお参りすることで、地域の人々と交流し、地域の一員としての意識を高めることができます。

七五三は単なる儀式ではなく、子どもたちが成長する過程で、社会とのつながりを意識する特別な機会となっており、今でも多くの家庭で愛され、続けられています。


SDGsな七五三

帯と小物

サステナブルな七五三のカタチ

近年、環境問題への関心が高まり、私たちの生活の中に「SDGs」という言葉が定着してきました。七五三も例外ではなく、よりサステナブルな形で祝い方を考える動きが広がっています。

例えば、着物選び一つとっても、昔ながらの着物を大切に着回し、次の世代へ受け継いでいくという考え方が注目されています。また、地域で活動する呉服屋さんに相談し、自分だけのオリジナルの着物を作るという選択肢もあります。これにより、大量生産された安価な製品ではなく、質の高いものを長く大切に着るという、サステナブルな消費につながります。

地元の神社でのシンプルなお祝いは、移動による二酸化炭素の排出を抑えることに繋がります。
また、写真撮影についても、自然光を最大限に活用したり、デジタルデータのみで済ませるなど、環境負荷を低減する工夫が可能です。
さらに、地域で育まれた食材を使用したお祝いの食事を選ぶことも、フードマイレージを減らし、地元経済をサポートする一環となります。

こうした小さな取り組みが、SDGsの目標達成にも寄与します。

レンタル・お下がり着物でエコに

七五三の衣装として多くの家庭が着物を選びますが、七五三の着物は、一生に一度しか着ないという人も多く、高価なものを購入することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

そこでおすすめなのが、着物レンタルや、お下がり着物です。
着物のレンタルサービスを利用すれば、さまざまなデザインの着物の中から、自分の好みや予算に合わせて選ぶことができます。また、クリーニングや保管の手間も省けるため、非常に便利です。さらに新しい衣装を生産する際に発生する資源やエネルギーの消費を減らすことができます。

また、お下がりの着物を活用することで、新しい着物を作るために必要な資源やエネルギーを削減することができ、思い出を共有しながらサステナブルな選択をすることができます。さらに、成長に合わせて使える工夫もあり、家計にも優しい方法です。


千歳飴の意味

手作り千歳飴袋を見せる親娘

長寿を願う千歳飴の縁起

七五三のお祝いといえば、欠かせないのが千歳飴です。紅白の細長い飴は、見た目も美しく、子どもたちの目を引きますが、この千歳飴には、深い意味が込められています。

「千歳」という言葉には、「千年」という意味があり、長寿を象徴しています。千歳飴のその細長い形状には「千年にわたる長寿を願う」という縁起が込められています。また、紅白の包み紙は、古くから日本で縁起の良い色とされており、魔除けの意味も持っていることから、子どもの健康と幸運を祈る意味が込められています。

千歳飴が七五三の象徴として広まったのは江戸時代のことです。浅草の飴売りが「千年飴」という名前でこの飴を売り出したのが始まりと言われています。当時は、子どもの死亡率が高かったため、親たちは子どもが健やかに成長し、長生きすることを切に願っていたのです。
細長い飴の形状が子どもの健やかな成長を象徴し、未来に向けての長い道のりを表現しています。また、飴は固くて長持ちすることから、子どもの強さやたくましさも象徴しています。

このように、七五三で贈られる千歳飴は、家族が子どもの成長を願いながら、子ども自身が未来へと一歩ずつ進んでいく象徴的な存在となっています。
千歳飴はその願いを形にした贈り物として受け継がれてきました


千歳飴の進化

千歳飴は、七五三の伝統行事で子どもの健康と長寿を願うシンボルとして親しまれていますが、時代とともにその形や意味合いにも変化が見られます。

【伝統的な千歳飴】
材料:砂糖と水飴を主原料とし、紅白のシンプルな色合いが特徴的でした。
製法:手作業でねり上げ、棒状に伸ばして作られていました。
意味:長寿や健康を願う気持ちが込められ、その形状から「細く長く生きられますように」との願いが込められていました。

【現代の千歳飴】
素材の多様化:従来の砂糖に加え、果物や野菜の果汁、ハーブなどを加えた風味豊かな千歳飴が登場しています。また、体に優しい自然素材や有機栽培の素材を使用した商品や、砂糖の代わりに低カロリーの甘味料を使用したり、アレルギー対応の商品も増えており、現代の消費者ニーズに対応した製品が次々と生まれています。
製法の近代化:大量生産が可能になり、より均一な品質の千歳飴が作られるようになりました。また、機械化が進んだことで、さまざまな形状やデザインの千歳飴が作れるようになりました。
デザインの多様化:昔ながらの紅白のシンプルなデザインだけでなく、キャラクターや風景などが描かれた可愛らしいデザインの千歳飴も人気です。また、個包装されたり、ギフトボックスに入った商品も増えています。

【家庭で千歳飴】
キット、レシピの普及:簡単に作れるキットや詳細なレシピがインターネットで手に入るようになり、自宅でも手軽に千歳飴を作ることができるようになりました。
安心安全:材料の安全性や品質を確保することができるので、市販のものと違い、添加物や保存料などを気にせず、お子様にも安心して食べさせられます。
オリジナルの味:好みの甘さやフレーバー、色合いを自由にカスタマイズできるため、世界に一つだけの千歳飴を作れます。
手作り体験:家族や友人と一緒に作ることで、楽しい思い出を作ることができます。手作りの過程を楽しむことも、大きな魅力の一つです。

千歳飴は、伝統を守りつつ、現代のニーズに合わせて進化を続けています。
素材や製法、デザインの多様化により、より美味しく、楽しく、そしてサステナブルな千歳飴が誕生しています。今後も、千歳飴は人々の願いを込めて、さまざまな形で発展していくことでしょう。


千歳飴を食品ロスにしない方法

スプーンに入った砕かれたピンクの飴

七五三後の千歳飴の保存

七五三のお祝いでいただいた千歳飴、食べきれないという経験はありませんか?せっかくいただいた千歳飴ですから、できるだけ長く美味しく頂きたいですよね。

千歳飴は高温多湿を避ければ、比較的長期間保存できます。しかし保存状態が悪いと風味が損なわれるため、開封後は早めに消費するのが理想的です。特に、飴がベタついたり、変色した場合は、食べる前に確認しましょう。
湿気てしまった場合は、電子レンジで少しだけ温めると、再び硬くなることがあります。

保存場所としては、涼しく乾燥した場所で、直射日光が当たらない冷暗所が最適です。保存する際には乾燥剤を一緒に入れて密閉容器に入れるとよいでしょう。
冷蔵庫で保存する場合には、必ず密閉容器に入れてください。冷凍庫での保存も可能ですが、解凍時に糖分が結晶化し、食感が変わってしまう可能性があります。


千歳飴のカット方法

長ーい千歳飴。そのまま食べたいけれど、持て余してしまったり、長いまま残ってしまったり。そんな時はカットしたり、砕いたり。少し小さくして保存すると便利です。
千歳飴は、食べやすい大きさに砕いたり切ったりしても縁起が悪いものではありません。

しかし、千歳飴は非常に硬いため、包丁で切ろうとすると刃が欠ける可能性があります。また、割れた際に切り口が鋭利になり、ケガをする恐れがあります。

カットしたり、砕いたりする際に飴が飛び散るのを防ぐため、飴をラップや布で軽く包んでからカットしたり、砕く際には袋に入れるのがおすすめです。

【電子レンジで温める】
千歳飴を数秒ずつ電子レンジで温め、少し柔らかくなったところで切るのがおすすめです。
温めすぎると溶けてしまうため、様子を見ながら加熱してください。

【キッチンバサミを使う】
キッチンバサミは、包丁と比べて刃が細かく、千歳飴を切るのに適しています。
千歳飴を数センチの長さにカットしてから、キッチンバサミで細かく切ると切りやすいです。

【ポリ袋に入れて叩く】
ポリ袋に千歳飴を入れ、麺棒やハンマーで叩くと、簡単に細かく砕くことができます。
割れた破片が飛び散らないよう、ポリ袋を二重にするのがおすすめです。

【包丁の背で割る】
包丁の刃を傷つけたくない場合は、包丁の背で千歳飴を割る方法もおすすめです。
こちらも、ポリ袋に入れて割ると、飛び散りを防げます。


子どもが喜ぶ千歳飴のアレンジ方法

千歳飴はそのまま食べるだけではなく、少し工夫することで子どもたちも喜ぶアレンジが可能です。

千歳飴トッピング:ヨーグルトやアイスクリームに千歳飴を細かく砕いて混ぜたり、トッピングしたりすると、甘酸っぱい美味しいデザートになります。
千歳飴スムージー: ミキサーに千歳飴、牛乳、フルーツなどを加えて、スムージーを作ると、栄養満点のドリンクになります。
千歳飴ドリンク:千歳飴を溶かして、ミルクやホットミルク、乳酸菌飲料などに加えると、ほんのり甘いドリンクになります。
千歳飴クッキー: 千歳飴を細かく砕いて、クッキー生地に混ぜ込むと、風味豊かなクッキーになります。

これらのアレンジレシピは、お子様の好きなフルーツやナッツなどを加えて、自分好みの味にアレンジすることもできます。


千歳飴の新しい食べ方

千歳飴を新しい方法で楽しむこともできます。

千歳飴大学芋:さつまいもを揚げ焼きにして、細かく砕いた千歳飴を絡めるだけで、美味しい大学芋になります。
千歳飴トースト:トーストにバターを塗って、その上に千歳飴を乗せて焼くと、甘い香りのトーストになります。
千歳飴カラメルソース:千歳飴を溶かしてカラメル風のソースを作り、パンケーキやワッフルにかけると、特別なデザートになります。
千歳飴ジャム:千歳飴をフルーツと一緒に煮詰めてジャムにすることで、保存期間を延ばしながら風味豊かな一品を作り出すことができます。

千歳飴は創意工夫次第で幅広く活用できます。



時代は変わっても、子どもたちの健やかな成長を願う気持ちは変わりません。

エコな選択肢を取り入れることで、次世代に美しい文化を引き継ぐことができるのです。
これからも、家族の絆を深めつつ、環境にも配慮した七五三を楽しんでいきましょう。



【千歳飴を食べるときは注意しましょう】

○ 硬くて細長いので、口に入れて動くと転倒して喉を刺す危険性があるため、歩きながら食べるのはやめましょう。特に幼い子どもは注意が必要です。
○お子さまがそのまま食べる時は、必ず座って大人がそばで見守るなどの注意が必要です。
○喉につかえるリスクがあるため、一口サイズに折っていても注意しましょう。





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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。