暑い夏にツルツルと喉ごしが良い「ひやむぎ」。そうめんとは少し違う、太くてコシのある食感が魅力ですよね。
小麦粉、塩、水、たった3つのシンプルな材料で作られるひやむぎ。その歴史は古く、日本人の食文化に深く根付いています。
実は、ひやむぎは一年を通して楽しめる食材なのです。ひやむぎはさまざまなアレンジが可能で、どんな食卓にも彩りを加えます。
今回は、ひやむぎの基本から、意外な食べ方まで幅広くご紹介します。
ひやむぎとは
ひやむぎの特徴
ひやむぎは夏の風物詩として多くの家庭で楽しまれていますが、その特徴は何でしょうか。
小麦粉を練って作られる麺は幅広く、少し平たい形状をしており、そうめんよりも太く、うどんよりは細いのが一般的です。この形状から生まれる「コシ」のある食感が特徴で、噛みごたえがありながらものど越しが良いため、食べ応えがあると同時にさっぱりとした味わいを楽しむことができます。
また、ひやむぎは素早く茹で上がるため、忙しい日の食事にも最適です。夏に冷たくして食べることが多いですが、冬には温かいつゆで「 にゅうめん」のようにして食べることもできます。
ひやむぎの歴史を紐解く
ひやむぎの歴史は、室町時代に食べられていた「切麦(きりむぎ)」に由来しているとされています。もともと、切麦を冷やして食べる方法を「ひやむぎ」、熱々の状態で食べる物を「あつむぎ」と言われていました。
ひやむぎは江戸時代にはすでに庶民の食卓に上っていたと言われています。当時、庶民の間で手軽に食べられる乾麺として広まり、特に夏の暑い時期に消化が良く、熱中症対策にもなるとして、夏の暑さを乗り切るための貴重な食べ物として、人々に親しまれていました。
ひやむぎが全国に広まったのは、明治時代以降、製麺技術の発展と交通網の整備が進んだおかげです。特に、乾麺は生麺に比べて保存性に優れており、交通網が発達したことで、産地から全国へひやむぎが容易に運べるようになり、地域を超えて広く食べられるようになったといわれています。
ひやむぎの栄養価に注目
ひやむぎはその栄養価の高さも見逃せません。
小麦粉を原料とするひやむぎは、炭水化物が豊富で、エネルギー源として体を支えてくれます。また、たんぱく質やビタミンB群が豊富に含まれており、これらは体のエネルギー代謝を助ける重要な栄養素です。特にビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きを助け、疲労回復や新陳代謝の促進に効果があります。また、ミネラルもバランス良く含まれており、骨の健康や神経機能の維持にも役立ちます。
また、ひやむぎは低カロリーでありながら満足感を得やすいため、ダイエット中の方にもおすすめです。食物繊維も豊富で、消化を助ける効果も期待できます。
ひやむぎとそうめんの違い
太さで見分ける
ひやむぎとそうめん、どちらも夏の風物詩として親しまれており、その原材料も同じです。では、何が違うのでしょうか。
ひやむぎとそうめんを見分ける一番のポイントは、その太さです。
一般的に、ひやむぎはそうめんよりも太いと言われています。日本農林規格(JAS)では、乾麺のひやむぎは直径1.3mm以上1.7mm未満、そうめんは直径1.3mm未満と定められています。
しかし、手打ちの麺に関しては、この基準は必ずしも当てはまりません。
スーパーなどで販売されている乾麺の場合、パッケージに記載されている情報を確認することで、ひやむぎとそうめんを区別することができます。
食感と味わいの比較
太さが異なることで、両者の食感にも差が出てきます。
ひやむぎの方が食べ応えがあり、コシのある食感を楽しむことができる一方で、そうめんは滑らかで喉越しの良さが魅力的です。
また、ひやむぎとそうめんは、食感だけでなく味わいにおいても違いがあります。
ひやむぎはその太さからくるもちもちとした食感が特徴で、より味わい深く、濃厚なつゆや具材との相性が良いとされています。一方、そうめんは非常に細く、さっぱりとした味わいが好まれ、暑い夏の日にさらりと食べられるのが一般的です。また、そうめんはその細さから、つゆや味付けをデリケートに感じ取ることができ、繊細な味の変化を楽しむことが可能です。
ひやむぎとそうめんは、見た目も食感も似ていますが、それぞれの麺の特徴を理解し、その日の気分や食事のシーンによって好みの麺を選ぶがおすすめです。
ひやむぎの美味しい食べ方
基本の茹で方
ひやむぎを美味しく食べるためには、まず適切な茹で方をマスターすることが重要です。茹で方一つで、麺の食感や風味が大きく変わってきます。
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※ひやむぎの乾麺の一人前量は、商品によって多少異なりますが、一般的に100gが目安とされています。商品によっては、1束の量が異なる場合があるので、購入する際は必ずパッケージの表示を確認しましょう。
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ひやむぎは、たっぷりのお湯で茹でるのが基本です。
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩を少し加えます。塩を加えることで、麺に味が付きやすく、コシが強くなります。沸騰したお湯にひやむぎを入れ、パッケージに記載されている時間通りに茹でます。
茹で始めは強火で沸騰させ、その後は中火にして麺がくっつかないように時々かき混ぜます。
茹で上がったら、すぐに冷水でよく洗い、ぬめりを取ります。冷水で洗うことで、麺が引き締まり、コシが生まれます。氷水で冷やすと、さらに美味しくいただけます。
茹でたひやむぎは、麺同士がくっつかないように水気を切ることがポイントです。これにより、ひやむぎ特有のしっかりとした食感とコシを保つことができます。
茹でないひやむぎアレンジ
ひやむぎは茹でて冷やすだけでなく、乾麺の場合は茹でない状態でのアレンジレシピも楽しめます。
たとえば、乾麺のひやむぎを細かく砕いて、サラダのトッピングとして加えると、サクサクとした食感が楽しめ、食べ応えが増します。また、細かく砕いたひやむぎはスープやシチューの具材としても使え、煮込むことで麺が柔らかくなり、異なる食感を楽しむことができます。 さらに乾麺のひやむぎを牛乳に浸して、リゾットのようにアレンジするのもおすすめです。チーズやハーブを加えて、洋風の一品に仕上げることもできます。
砕いたひやむぎは、パスタのようにさまざまな料理に活用できるのです。茹でないひやむぎは、調理時間が短縮できるだけでなく、食感も変わって楽しめます。
一年中楽しめるひやむぎ
ひやむぎは、夏の食べ物というイメージが強いですが、一年を通してさまざまな形で楽しむことができます。
冬場には、ひやむぎを使った温かい鍋物やにゅうめんがおすすめです。熱々の汁に、コシのあるひやむぎがよく合います。具材に季節の野菜や鶏肉を加えれば、寒い日にぴったりの栄養満点の一品になります。
また、ひやむぎを炒め物にするのもおすすめです。茹でたひやむぎは、炒め物にすると、パスタのようにソースがよく絡みます。野菜や肉と一緒に炒めて、ボリューム満点の一品に仕上げましょう。
茹でたひやむぎは、マカロニやパスタ、お米の代わりとしても楽しめます。ひやむぎは、アレンジ次第で一年を通して楽しめる、万能な食材なのです。
ひやむぎの魅力、伝わりましたでしょうか?
夏の定番食品というイメージが強いひやむぎですが、一年中、どんなシーンでも活躍する万能食材です。
そんなひやむぎを活用して、毎日の食卓に新しい風を吹き込んでみてはいかがでしょうか。
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