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サステナブルな選択!SSAP認証を取得した大豆って何?

公開日: 更新日:2025.11.01
大豆畑と手の平いっぱいの大豆


スーパーマーケットで大豆製品を選ぶ時、あなたはどんなことに注目しますか?
価格?それとも、国産か外国産か?
実は、大豆の生産背景にも注目することで、よりサステナブルな消費につながるかもしれません

11月1日はサステナブルU.S.ソイの日

日本で使われている大豆の大部分はアメリカからの輸入品ですが、その中でも「SSAP認証」を取得した大豆は、環境に配慮した持続可能な生産方法で作られています
SSAP認証とは一体どんなものなのか、一緒に探究してみましょう。


SSAP認証とは?

いっぱいの大豆にMADEinUSAの文字


SSAP認証の定義と目的

SSAP認証とは、アメリカ大豆輸出協会(USSEC)が定めた、アメリカ産大豆が環境に配慮した持続可能な方法で生産されていることを保証する認証制度です。SSAPとは「Sustainable Soy Assurance Protocol」の略で、日本語では「持続可能な大豆保証プロトコル」と訳されます。
これにより、米国産大豆が環境保全を意識した農法で生産されていることが認証されます。具体的には、土壌の保全や水資源の管理、そして生物多様性の保護などが基準に含まれています。

この認証制度の目的は、世界中で高まっているサステナブルな大豆への需要に応え、アメリカ産大豆の信頼性を高めることです。
SSAP認証は、大豆の生産者がこれらの基準を守りながらも、効率的で経済的に持続可能な方法で生産を行っていることを証明しています。この認証制度により、消費者や企業が安心して製品を選ぶことができ、持続可能な農業の推進にも貢献しています。


SSAP認証の対象となる大豆

SSAP認証の対象となるのは、アメリカ国内で生産された大豆です。アメリカは世界最大の非遺伝子組み換え大豆の輸出国であり、SSAP認証は、その非遺伝子組み換え大豆の品質とサステナビリティを保証するものです。

認証を受けるためには、大豆生産者は厳しい基準を満たす必要があります。例えば、土壌の保全、水資源の効率的な利用、化学物質の使用量の削減、生物多様性の保全、労働者の安全と健康の確保などが挙げられます。

日本市場向けに輸出される大豆製品は、納豆や豆腐、味噌、しょうゆといった日本の食文化に深く根ざした食品に使われています。SSAP認証を取得した大豆は、農薬や肥料の使用が管理され、持続可能な農業を実践している農家によって生産されています。こうした大豆は、栄養価が高く、安定した品質を保つための厳しい管理体制がなされています。

大豆の生産から輸出までの一連のプロセスで、環境への負荷を最小限に抑える努力がなされており、その結果、世界中の消費者に安心して利用される大豆製品が供給されています。


サステナビリティと認証プロトコル

サステナビリティとは、持続可能性を意味し、環境、社会、経済のバランスを保ちながら、将来の世代のために資源を維持していくことです。SSAP認証の大きな特徴は、サステナビリティに焦点を当てたプロトコルに基づいていることです。

例えば、SSAP認証を取得した農家は、土壌の保全や水の使用量の最適化など、環境への負担を最小限に抑える手法を実践しています。また、輪作や最適な肥料の使用により、土壌の質を保ちながら効率的な生産を続けることが求められています。このような取り組みは、国際的なSDGs(持続可能な開発目標)とも連携しており、持続可能な大豆生産を支える世界的な基準となっています。

SSAP認証は、アメリカ国内だけでなく、輸出市場においても大きな影響を与えています。特に、日本の食品メーカーや消費者にとっては、環境に配慮した大豆を選択することが可能となり、サステナブルな社会の実現に貢献しています。この認証プロトコルには、具体的な基準が定められ、第三者機関による厳格な監査が行われるため、消費者は信頼性の高い製品を手に取ることができます。

SSAP認証は、環境への配慮や持続可能な農業を推進するための重要な制度として、消費者と生産者双方にメリットをもたらし、持続可能な未来を支えているのです。


SSAP認証と他の認証の違い

certifiedの印と陰影


SSAP認証と他の大豆認証との比較

SSAP認証は、アメリカ国内で生産される大豆に対する持続可能な認証制度ですが、世界には他にもいくつかの大豆認証制度が存在します。

RTRS(責任ある大豆ラウンドテーブル)認証:欧州で広く知られており、環境保護だけでなく、社会的な公正さにも重点を置いており、労働者の権利なども考慮に入れています。
ノンGMOプロジェクト認証:非遺伝子組み換え大豆を認証。遺伝子組み換え技術が使用されていないことを証明することに重点を置いています。
有機JAS認証:有機栽培大豆を認証。化学肥料や農薬の使用を制限し、自然の力を最大限に活かした栽培方法であることを保証します。

SSAPは主に環境保全や効率的な生産にフォーカスしているため、農業の実務的な側面をより強調しています。また、SSAPは、米国の大豆輸出量の約70%をカバーしているため、他の認証と比較してその規模が非常に大きいのも特徴です。
こうした点から、SSAP認証は他の認証制度とは異なる強みを持っています。

SSAP認証と他の認証制度は、それぞれが異なる目的を持っており、相補的な関係にあると言えるでしょう。


SSAP認証と日本の認証制度との連携

日本でも、大豆の品質や安全性に関するさまざまな認証制度が整備されています。SSAP認証と日本の認証制度は、環境保護や持続可能な生産を目指すという点で共通していますが、その基準や手法に違いがあります

日本には、農林水産省が推進する「有機JAS認証」や「特別栽培農産物認証」などがありますが、これらは主に国内での生産に焦点を当てています。一方、SSAP認証はアメリカで生産された大豆を対象とし、輸出国としての信頼性を高めることを目的としています。
SSAP認証は、これらの日本の認証制度と連携することで、より一層信頼性の高い大豆の供給に貢献することが期待されています。

すでにSSAP認証を受けた大豆が日本市場でも広く流通しています。日本の企業がこの認証を活用することで、安心してサステナブルな大豆を調達できる仕組みが整っています。
こうした連携により、日本の消費者も環境に配慮した製品を選びやすくなっているのです。


SSAP認証のメリット

畑に実った大豆


消費者と企業への信頼性向上

SSAP認証は、消費者や企業にとって信頼性を高める重要な要素です

まず、認証を受けた大豆は、環境保全に配慮して生産されたものであるため、エシカルな消費を意識する消費者にとって安心感があります。近年、消費者の間では、環境問題や社会問題に対する関心が高まっており、サステナブルな製品を選ぶことは、自分自身の価値観を反映する行動として捉えられています。

企業にとっても、SSAP認証は大きなメリットとなります。SSAP認証を取得することで、自社の製品が環境に配慮していることを消費者にアピールでき、ブランドイメージの向上につながります。特に、日本では、食品の安全性や品質に対する消費者の関心が高いため、SSAP認証を取得した製品は、市場での競争力を強化する要素となります。
また、サプライチェーン全体の透明性を高め、リスク管理を強化することも可能です。さらに、一部の市場では、サステナブルな製品に対するプレミアム価格が設定される場合もあり、収益性の向上にも貢献する可能性があります。
企業がこの認証を導入することで、持続可能な未来に貢献する姿勢をアピールできるのです。


サステナブルな大豆生産の利点

SSAP認証を受けた大豆生産は、単に品質を保証するだけでなく、長期的に持続可能な方法で栽培が行われ、環境保全に貢献することが大きな利点です。

農家は、土壌の健康を維持し、水や肥料の使用を最小限に抑えながら、安定した収穫を実現しています。これにより、短期的な利益を追求するだけでなく、環境への影響を軽減し、将来的な農業資源の枯渇を防ぐことができます
また、サステナブルな大豆生産は、生物多様性の保全にも貢献します。大豆畑周辺の生態系を保護し、生物多様性を維持することで、生態系のバランスを保ち、地域の環境を守ることができます。
さらに、このような持続可能な大豆生産は、国際市場での需要にも応え、特に環境意識が高まる現代において、サプライチェーン全体の価値を高める効果があります。

こうした持続可能な農業は、世界的な食糧供給の安定にも寄与しています。


SSAP認証の活用事例

大豆といろいろな大豆製品


日本食品メーカーの活用例

日本の食品メーカーは、環境意識が高まる消費者ニーズに応え、SSAP認証を積極的に活用しています。特に、納豆、豆腐、味噌などの大豆製品を生産する大手企業が、SSAP認証を取得したアメリカ産大豆を使用しています。これにより、サステナブルな生産方法をアピールし、消費者に対して環境に優しい商品を提供しています。

SSAP認証のマークを表示することで、消費者は製品の品質と環境配慮を認識し、信頼を寄せるようになります。さらに、サプライチェーンの透明性が確保され、企業はブランドイメージの向上にもつなげています。環境配慮型の商品が注目される日本市場において、SSAP認証は、食品メーカーにとって重要な要素となっています。


SSAP認証を取得した大豆製品

SSAP認証を取得した大豆は、さまざまな製品に活用されています。

日本では、納豆や豆腐、味噌など、日常的に消費される大豆製品がその代表例です。これらの製品は、環境に配慮した方法で生産された大豆を使っているため、消費者にとって安心して選べる選択肢となっています。
また、最近では、大豆を原料とした植物性食品や代替肉製品にもSSAP認証大豆が使われています。健康志向やサステナブルなライフスタイルを意識する人々が増える中で、SSAP認証を取得した大豆製品はそのニーズに応える形で市場に広がっています。これにより、消費者はエコで安全な食品を手軽に取り入れることができるのです。

また、大豆製品の多様化は、食の楽しみを広げるだけでなく、食料問題の解決にも貢献することが期待されています


世界市場でのSSAP認証の影響

SSAP認証は、アメリカ国内や日本だけでなく、世界市場でも大きな影響を与えています。

アメリカは大豆の輸出大国であり、SSAP認証を取得した大豆は、環境保護や持続可能な農業に対する国際的な基準を満たしていることが保証されています。日本をはじめ、欧州やアジアの市場でも、この認証を受けた大豆の需要が高まっています。特に、サステナビリティに対する関心が強い地域では、SSAP認証は大きなアドバンテージとなり、国際的な競争力を強化する役割を果たしています。

SSAP認証を取得した大豆製品は、欧米のスーパーマーケットやレストランで販売されるようになり、世界中の消費者に日本の食文化を届ける役割を果たしています。また、SSAP認証は、国際的なサステナビリティ基準の構築にも貢献しており、世界の食料システムの改善に向けて重要な役割を果たしています。



SSAP認証は、単なる認証制度ではなく、私たちの食と環境を結ぶ架け橋です。SSAP認証された大豆製品を選ぶことは、地球にも自分にも優しい選択と言えるでしょう。

この機会に、あなたも大豆の生産について、そして食の選択が持つ力について、もっと深く考えてみませんか?



参考:アメリカ大豆輸出協会






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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。