大盛況!「サーキュラーエコノミー研究所」

2025年9月23日から29日までの7日間、大阪・関西万博において経済産業省主催の「サーキュラーエコノミー研究所」が開催されました。
63社、37団体、58,723人。
これだけの人々が参加し、持続可能な未来に向けた新たな一歩が踏み出されました。
この「サーキュラーエコノミー研究所」では、企業・団体・来場者が一体となり、資源循環型社会の実現に向けたアイデアや取り組みを共有。展示やワークショップ、トークセッションを通じて、日常生活の中でできる「まあるい経済」の実践方法が紹介されました。
特に注目を集めたのは、製品の再利用や修理を促進するサービス、地域資源を活用した循環型ビジネスモデル、そして若者による革新的なアイデアの発表。来場者の多くが「自分にもできることがある」と実感し、行動への意欲を高める場となりました。
この7日間は、単なる展示ではなく、未来の暮らしを共に考え、創るための「実験場」として、多くの気づきとつながりを生み出しました。今後もこの成果をもとに、全国各地で循環型社会の実現に向けた取り組みが広がっていくことが期待されます。
サーキュラーエコノミードット東京
【大阪・関西万博】ひとり一人の「かう」「つかう」「わける」「まわす」で未来をよくする循環を育むサーキュラーエコノミー研究所とは?
「まあるい経済」って?

これまでの経済は、資源を「取って、使って、捨てる」という直線的な流れが中心でした。しかし、これでは環境に大きな負担がかかります。
サーキュラー・エコノミー、別名「まあるい経済」は、あらゆるモノをできる限りごみとして出さず、長く使い続けたり、修理したり、資源としてよみがえらせたりして、ぐるぐると循環させる新しい経済のあり方です。
そして、この循環を支えるのが、私たち消費者の日々の選択、すなわち「循環型消費行動」です。これは「買う」「使う」「分ける」「回す」という4つのシンプルなアクションで成り立っています。
経済産業省
まあるい経済って、どんな暮らし? 4つのアクションで始めるサーキュラーエコノミー
食品ロス削減にどう関係する?
この4つのアクションそれぞれに“食品ロスを減らす”視点を当てることができます。
企業ができる4つのアクション

【買う】
必要な分だけを仕入れ、過剰在庫を抱えないようにする。販売予測や需要データを活用し、余剰を防ぐことが「もったいない」を生まない第一歩です。余った食材が廃棄される“不要な買い”を減らすことが、企業にも環境にもやさしい仕組みづくりにつながります。
【使う】
仕入れた食材をできるだけ長く、効果的に使う工夫を。例えば、規格外品を使ったメニュー開発や、食材を使い切る「残量ゼロ」レシピなど。小さな工夫の積み重ねが、食品ロス削減の大きな成果へとつながります。
【分ける】
使い終わった食品の容器や包装、調理過程で出る残さ・副産物などを、「廃棄物」ではなく「資源」として分けることが大切です。この一手間が、再利用や再資源化の可能性を広げ、循環の輪を支える大きな力になります。
【回す】
まだ価値のある副産物や廃棄予定品を、エネルギー化・飼料化・アップサイクルや再加工などに“回す”ことで、モノの命を延ばすことができます。企業として「捨てない設計」を意識することで、持続可能な社会への貢献がより現実的になります。
私たちができる4つのアクション

【買う(本当に必要なものを、必要な分だけ)】
元の意味:新品だけでなく、レンタルや中古品、必要な分だけを選ぶこと。
食品ロス対策:スーパーやコンビニでの買い物の際、「本当にこの食材は使い切れるかな?」と立ち止まって考えることが第一歩です。衝動買いを避け、期限内に食べ切れる量だけを購入する計画的な行動が、最も効果的な「循環」のスタートです。
【使う(長く大切に使い続ける)】
元の意味:壊れたら直す(リペア)、手を加えて新しくする(リメイク)など、モノに愛着を持って長く使うこと。
食品ロス対策:これは「食材を最後まで使い切る工夫」に当たります。例えば、野菜の皮やヘタをだしに使ったり、余った野菜で常備菜を作ったりすることは、お気に入りの洋服をリメイクして長く使うことと同じです。すぐに「捨てる」のではなく、「どうすれば美味しく食べきれるか」というひと手間が、循環を支えます。
【分ける(捨てればごみ、分ければ資源)】
元の意味:正しい分別ルールでモノを資源として次のステップへ繋げること。
食品ロス対策:食べきれずに残ってしまった部分(生ゴミなど)を、自治体のルールに従って正しく分別することが非常に重要です。正しく分けられなかった食品は、資源化の道が閉ざされ、燃やされたり埋め立てられたりしてしまいます。例えば、水をよく切ったり、異物を取り除いたりする「ひと手間」が、次のステップへの鍵となります。
【回す(新しい命を吹き込むリサイクル)】
元の意味:分別された資源を、新しい商品へと生まれ変わらせること(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル)。
食品ロス対策:私たちが正しく分けた生ゴミは、その後堆肥(肥料)や飼料(家畜のエサ)などに生まれ変わり、また新たな食品を生み出す力となります。これは「資源を捨てる」のではなく「地球に返す」という、非常に美しい循環のゴールです。
「まあるい経済」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は「モノや食べ物との付き合い方を丁寧に見直す」ということです。
私たちが食品ロス削減のために日々行っている「必要な分だけ買う」「使い切る」「しっかり分別する」という小さな行動一つひとつが、地球全体の大きな循環の輪を力強く回しているのです。
この4つのアクションを意識して、私たち一人ひとりが食品ロスを減らす「循環の担い手」になっていきましょう!
ロスゼロの取り組み

ロスゼロは、「買う・使う・分ける・回す」という4つのアクションを、日常の業務そのものに組み込みながら、食品ロス削減と資源循環の両立を目指しています。
【買う:必要な分だけ、正しく買う】
ロスゼロは、メーカーで行き場を失った在庫や規格外品を“必要な分だけ”買い取り、消費者に届けています。
「3分の1ルール」による販売期限切れや、パッケージ変更による在庫など、味には問題がないのに廃棄されてしまう商品を救うことで、“無駄な仕入れ”ではなく“価値ある買い取り”を実現しています。
これは、事業者として「余らせない買い方」の実践でもあります。
【使う:すべてを活かして使い切る】
ロスゼロでは、メーカーや消費者双方が「使い切る」ことを意識できる仕組みを展開しています。
たとえば、在庫食品を定期的に届ける**「ロスゼロ不定期便」**では、届いた食品を“おいしく食べきる”工夫を紹介し、家庭での食品ロス削減を促進。
また、企業や学校などへの講演・ワークショップを通して、“使い切ることが循環を生む”という意識づくりにも力を入れています。
【分ける:資源として分ける・つなげる】
商品の梱包には、再利用可能な段ボールや緩衝材を積極的に使用。
また、社内ではリユース・リサイクルのルールを徹底し、資源を“捨てる”ではなく“分ける”ことを基本としています。
さらに、自治体や教育機関、企業との連携によって、まだ使える食品を「分ける」形で社会に循環させるネットワークも構築しています(例:東大阪市との包括連携協定)。
【回す:新たな価値に生まれ変わらせる】
ロスゼロの象徴的な取り組みが、“食品を次の価値へ回す”アップサイクルです。
「Re:YOU(リユー)」シリーズでは、製造過程で出る副産物や端材を新たな菓子や食品に再生。
さらに、廃棄素材から作ったアップサイクルTシャツなど、食品にとどまらない“循環デザイン”にも挑戦しています。
「捨てずに次へつなぐ」ことを、プロダクトを通して体現しているのです。
私たちは、“もったいない”を新しい価値に変える企業として、これからもサーキュラーエコノミーの実践者であり続けます。
私たちの日常の買い物が、社会を動かす力になることを実感していただければ幸いです。






