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食器を変えるだけで、世界が変わる・・・かも?

公開日: 更新日:2024.12.04
おしゃれな食器とカトラリー

使い捨て食器は便利だけど、やっぱり環境に悪いよね…」そう感じている方も多いのではないでしょうか。

このブログでは、使い捨て食器が環境に及ぼす影響、再利用や堆肥化が可能な製品、さらには食べられる食器まで、日常からイベント、さらに災害時の食器選びに至るまで、その選択がいかに重要かを掘り下げていきます。

あなたの食器選びが未来を変える第一歩になるかもしれません


食器の素材

いろいろな食器

陶器・磁器・ガラス・金属

食器の伝統的な素材としては、陶器、磁器、ガラス、金属などが挙げられます。

これらの伝統的な食器素材は、耐久性と再利用性が高く、熱に強く、衛生的であるという特徴があり、繰り返し長く使えるという点で、環境にやさしい選択です。

陶器や磁器は自然素材から作られ、適切に扱えば何世代にもわたって使用可能です。ガラスも同様にリサイクルが可能で、化学的に安定しているため食品の安全性が高いです。金属製の食器は非常に耐久性があり、何度もリサイクルすることができます。

しかしこれらの素材は、製造過程で高温が必要となるため、エネルギー消費が大きいという側面があり、また資源採掘が環境への影響を与えるという点を考慮する必要があります。


プラスチック・シリコン・メラミン

近年注目されている素材としては、プラスチック、シリコン、メラミンなどが挙げられます。

これらの素材の食器は軽くて割れにくく、デザインも豊富なため、特に子供用やアウトドア用として人気です。
しかし、これらの素材は石油由来であることが多く、製造過程で多くの二酸化炭素を排出するため、環境負荷が高いという問題があります。

特に使い捨てプラスチックは、自然分解されにくいため、環境汚染の大きな原因となっており、リサイクル率も低いのが現状です。
シリコンは耐熱性が高く再利用可能である一方で、リサイクルプロセスが複雑であり、普及が進んでいるとは言い難いです。


バイオマス・天然素材・環境配慮型

環境への配慮が高まる中、最近注目されているのが、バイオマスプラスチックや竹、木材などの天然素材、リサイクルプラスチックなどの環境配慮型素材を使用した食器です。
これらは植物由来の原料を使用したり、再生可能な資源から作られ、使用後の環境への影響が少ないという利点があります。

特にバイオマスプラスチックは、植物由来の材料を使用しているため、石油ベースのプラスチックよりもCO2排出量を削減できます。また、これらの素材は分解性があるものが多く、適切に処理すれば土に戻るため、サステナブルな消費の一助となります。


コンポスタブル・エディブル

最新の食器素材として開発がすすめられているのが、コンポスタブル食器とエディブル食器です。

【コンポスタブル食器】
コンポスタブルとは、堆肥化できるという意味で、自然界の微生物によって分解され、土に還る性質を持つ食器のことです。植物由来の原料で作られており、使用後に適切な環境で処理すれば、数ヶ月から数年で土に還り、新しい命を育む肥料となります。
従来のプラスチック製食器と比べて、コンポスタブル食器は環境負荷が非常に低く、地球環境への貢献が期待できます。また、原料となる植物の種類によって、さまざまな特徴を持つ食器が開発されており、私たちのライフスタイルに合わせて選ぶことができます。例えば、トウモロコシ澱粉から作られた食器は、耐水性に優れ、汁物にも対応できます。

【エディブル食器】
エディブル食器とは食べられる食器のことです。食べられる食器の主な原料は、小麦粉や海藻など、食用可能なものです。これらの原料を加工して、皿やコップ、フォークなどの形に成形します。食べ終わった後には、食器ごといただくことができるため、洗い物の手間が省け、ゴミも出ません
食べられる食器の製造技術は、日々進化しており、従来の食器と同じような強度や耐熱性を備え、さまざまな種類の食品に対応できる食器が開発されています。また、さまざまな色や形、模様の食器が開発されており、イベントやパーティーなど、特別なシーンでの利用も期待されています。


日常生活の食器

いろいろな器を使った和食

多種多様な食器

私たちの食卓には、さまざまな種類の食器が並んでいます。それぞれに特徴があり、用途もさまざまです。

これらは日常的に繰り返し使用されることが多く、耐久性と機能性が求められます。素材によっては、特定の料理やシーンに合わせて選ばれることもあり、使い分けることで食生活を豊かにしています。
しかし、多様な食器が存在する一方で、その保管や管理にはスペースが必要であり、不用意に多くの種類を持つことが環境負荷の増加につながる可能性もあります。


永久に使える?

食器は、一度購入すれば永久に使えるものでしょうか?
実は、食器も経年劣化や破損によって寿命を迎えます

「永久に使える食器」とは、質の高い素材で作られ、適切に手入れを行うことで長期間にわたり使用できる食器のことです。
例えば、高品質の陶器やガラス、金属製の食器は、世代を超えて使い続けることが可能です。これらは初期投資は高くなるものの、長期的に見れば経済的であり、資源の無駄遣いを減らすことにもつながります。

ただし、破損やデザインの陳腐化が問題となる場合もあるため、選択には注意が必要です。ライフスタイルの変化や新しい食器への買い替えなど、さまざまな理由で食器は入れ替わります。


処分の仕方

食器の処分方法は、その素材によって大きく異なります

陶器や磁器は一般的にリサイクルが困難でです。ガラス食器はリサイクルが可能ですが、色や種類によって分別が必要です。金属製の食器はスクラップとして再利用できる場合が多く、リサイクルにより資源の再活用が期待できます。プラスチック製の食器は、リサイクル可能なものもあります。

多くの食器は一般ごみとして処分されるのが現状であり、それぞれの自治体のルールを確認することが重要です。正しい分別と処理が環境保護へとつながります。


イベント、アウトドア、テイクアウト等での食器

紙やプラスチックの使い捨て食器など

さまざまな利用シーンと衛生状態

イベントやアウトドア活動、テイクアウトで使用される食器は、その便利さと衛生面が重要視されます。

イベントでは大量に食器を使用するため、使い捨てのプラスチック食器が一般的ですが、これが大量の廃棄物を生む原因となります。近年では環境への配慮から、繰り返し使える食器や植物由来の食器が注目されています。

アウトドアでは持ち運びやすく、再利用可能な軽量食器が好まれます。テイクアウトでは、食品の安全を保つための密閉性や保温性が求められるため、機能的な一次使用プラスチックが多用されていますが、これに代わる環境に優しい選択肢が模索されています。


コストパフォーマンス

イベント、アウトドア、テイクアウトなど、場所を選ばず利用される使い捨て食器は、その手軽さから非常に人気があります。
特にプラスチック製は、安価で大量生産が可能という点が大きな魅力です。しかし、コストパフォーマンスという観点から見ると、必ずしも安上がりとは限りません。

使い捨て食器は大量購入が必要なため、初期費用がかかります。また、プラスチック製食器は、リサイクルが難しく、廃棄費用がかかります。
一方で、再利用可能な食器は初期投資は高くなりますが、その耐久性から繰り返し使用することでコストを回収することが可能です。
また、レンタルサービスを利用することで、イベントごとに新たな食器を購入する必要がなく、経済的なメリットとともに環境への負担を減らすことができます。

このように、コストパフォーマンスを最大化するには、単一イベントのコストだけでなく、長期的な視点での総合的なコストを考慮する必要があります。


環境への影響

イベントやアウトドア活動、テイクアウトの際に使用される食器は、その使い方や処理方法によって環境への影響が大きく異なります

使い捨て食器、特にプラスチック製のものは、使用後に大量の廃棄物を生み出し、分解されにくいことから環境汚染の一因となっています。
環境問題への意識の高まりを受け、近年では、植物由来の素材やリサイクルプラスチックを使用した食器、また、繰り返し使える食器の利用が推奨されています。

生分解性材料や再生可能な資源から作られた食器は、環境に優しい選択肢として注目されており、使用後の環境への影響を大幅に減らすことができます。さらに、食べられる食器は廃棄物を一切生じさせないため、環境保護において理想的な選択と言えるでしょう。
これらの食器を選択することで、イベントのサステナビリティが向上し、参加者に対しても環境意識を高めるメッセージを発信することが可能です。

したがって、食器選びは単なる機能性の追求だけでなく、地球環境への影響を最小限に抑えるための重要な決定となります。


災害時の食器

プラスチック容器のお弁当

備える(保管方法、賞味期限など)

災害時には、普段通りの生活を送ることが難しくなり、食器の入手も困難になることがあります。そのため、災害に備えて、食器を準備しておくことが重要です。災害時の食器は、避難所生活において、食事の時間を少しでも快適にするための大切なアイテムです。

災害時の食器の準備には、保管方法が重要です。食器が耐久性に富み、長期間保存が可能である必要があります。
例えば、使い捨ての食器は軽くて保管スペースを取らないため便利ですが、分解可能な素材など、環境に優しい材質を選ぶことが求められます。また、食べられる食器の場合、賞味期限が設定されており、定期的な在庫確認と更新、適切な環境での保管が必要になります。

このような準備を怠ると、災害発生時に食器が不足したり、使用できなくなる可能性があります。


安全性・衛生問題

災害時の食器の選択は、その安全性と衛生面が非常に重要です

使い捨て食器はその便利さから多くの災害支援現場で採用されますが、食品安全規格に適合しているかどうか確認する必要があります。 また、食べられる食器は、賞味期限と保管方法に特に注意を払い、劣化や汚染がないか厳しく管理する必要があります。
これらの食器が汚染されると、食中毒のリスクを高めることになりかねません。

災害時にはしばしば水不足が発生するため、食器を洗うための水を節約する必要があります。
この点で、食べられる食器や使い捨て食器は有効で、洗浄の必要がなく衛生的な使い方が可能です。しかし、使い捨て食器の場合は環境への影響も考慮に入れる必要があります。理想的には、生分解性や環境に優しい材料から作られた使い捨て食器を選ぶべきです。


ごみの処理

災害時には通常のゴミ処理システムが機能しないことが多いため、食器の廃棄方法も考慮する必要があります。

生分解性や分解可能な食器は、環境に配慮した処理が可能であり、廃棄物の量を減らすことができます。また、食べられる食器を使用することで、ゴミ自体を削減し、後片付けの手間を省くことが可能です。

災害後の復旧作業を考えると、これらの食器が有効です。


食器の未来を考える

かじりかけのコップと飾りのついた食べられるスプーン

日常生活の食器

日常生活において、私たちはさまざまな材質とデザインの食器を使用しますが、それぞれの選択が地球環境にどのような影響を与えるかを意識することが重要です。

持続可能な素材から作られた食器や調理器具としても使える多機能な食器を選ぶことで、一般家庭からの環境負荷を減らすことが可能です。また、食器を長く使うことで、廃棄物の削減と資源の有効活用が促進されます。


イベント等での食器

イベントやパーティーでは、使い捨て食器の利便性が求められがちですが、これらの場面でも環境に優しい選択肢を模索することが大切です。

バイオマスや生分解性素材、または再利用可能な食器のレンタルサービスなどを利用することで、イベントが持続可能なものに変わります。また、食べられる食器の利用は、ごみ処理の必要がなく、参加者に新しい食の楽しみを提供することができます。

エコフレンドリーな食器の使用により、参加者の環境への意識も育まれます


災害時の食器

災害時においては、食器の備えが生活の質を大きく左右します。

食べられる食器や分解可能な食器は、非常時のゴミ問題を解決するとともに、持続可能な選択として機能します。特に食べられる食器は、非常食の栄養価をアップさせる役割も担うことができます。
これらの食器は、非常食と同様に災害用キットに含めることで、緊急時の準備としても重要な役割を果たすことができます。



食器の素材や選び方一つで、私たちの生活は大きく変わる可能性を秘めています。

私たちが持続可能な選択を心がけることで、環境に負担をかけず、次世代にも美しい地球を残すことができるのです。





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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています♪

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。