先日、ご縁があって大阪市にあるセレッソ大阪のスタジアムを訪れる機会がありました。
地域密着型クラブとして知られるセレッソ大阪は、ホームタウンである大阪南部を中心に、SDGs活動に力を入れています。食品ロス削減を目指すロスゼロも大阪市に拠点を置いており、私たちが一緒に何かできる可能性を考えながら、セレッソ大阪の取り組みをまとめてみました。
スポーツと社会貢献がどのように結びつき、スタジアムを拠点に広がる「輪」が地域にどのような影響を与えるのか。セレッソ大阪の取り組みをまとめ、スポーツと社会貢献について、その魅力と可能性を考えてみたいと思います。
セレッソ大阪とSDGs

セレッソ大阪とは
セレッソ大阪は、大阪市を拠点とするプロサッカークラブで、Jリーグに所属しています。1993年のJリーグ発足前からの歴史を持ち、地域密着型クラブとして成長を遂げてきました。
クラブ名の「セレッソ」は、スペイン語で「桜」を意味し、大阪市の市花である桜にちなんでいます。ホームスタジアムは大阪市東住吉区の長居公園内にある「ヨドコウ桜スタジアム」で、試合には多くのファンが訪れ、地域社会との結びつきを深めています。
セレッソ大阪は、スポーツを通じた社会貢献活動にも力を入れており、特にSDGs達成を目指す取り組みが注目されています。食品ロス削減や環境保護をテーマにしたプロジェクトを展開し、ホームでの試合開催時にはフードドライブやリサイクル活動を行っています。
これらの活動は、地域住民やファンとの協力を基盤とし、スポーツの力で社会に良い影響を与えることを目指しています。クラブの活動は、スポーツの枠を超えた価値を創出する先進的なモデルとなっています。
セレッソ大阪のSDGs活動
セレッソ大阪は
「スポーツを通じて、地域の人々と夢、希望、感動を共有したい」
「スポーツを核としたさまざまな活動により、活力や魅力に満ちたまちづくりに貢献し地域の人々を笑顔にしたい」
とのホームタウン活動方針の元、サッカークラブとしての活動を超えて、地域社会や環境に貢献する取り組みを積極的に行っています。
SDGs(持続可能な開発目標)を意識したプロジェクトにも力を入れており、試合運営を通じて食品ロス削減や資源のリサイクルに取り組んでいます。
例えば、2024年には、使用済みのペットボトルを回収し、新しいペットボトルに生まれ変わらせる"水平リサイクル"の取り組み「Bottle to Bottleプロジェクト」を開始しました。また、試合開催時にはスタジアム内でフードドライブを実施し、余った食品を必要な人々に届ける活動を展開しています。
このような取り組みは、地域住民や支援団体との協力によって支えられています。また、クラブがSDGsへの取り組みをアピールすることで、ファンや市民が同じ目標に共感しやすくなり、社会全体の意識向上にもつながっています。
スタジアムから広がる輪
セレッソ大阪のスタジアムは、サッカー観戦の場であると同時に、環境問題への意識を広げる場にもなっています。
試合の日には、食品ロス削減を目的とした販売ブースやリサイクルの取り組みが行われ、多くの来場者がその場で参加できる仕組みが整えられています。例えば、未販売の飲食物を近隣のフードバンクへ寄付する活動は、試合後の習慣として定着しつつあります。
これらの活動は、ファンだけでなく、地域住民や企業の参加を促し、SDGsの重要性を広く伝える機会となっています。また、スタジアム周辺の緑化活動や、地元の小学生を対象とした環境教育プログラムなども実施されており、スタジアムから地域全体へとSDGsの輪が広がっています。
このようにスタジアムで行われる活動がきっかけとなり、ファンの中には自分たちの日常生活にもエコ意識を取り入れる人が増えているそうです。スタジアムを訪れた人々の意識を変える取り組みは、小さな変化の積み重ねが大きな輪となる可能性を示しています。
ファンと作るサステナブル
セレッソ大阪の活動が成功している背景には、ファンの協力が欠かせません。
クラブは、ファンと共に取り組むプロジェクトを積極的に企画しており、環境保護や食品ロス削減に向けたキャンペーンを実施しています。例えば、ファンが環境に配慮したグッズの開発に参加したり、試合観戦時のゴミの分別を徹底したりするなど、ファン一人ひとりがSDGs達成のために貢献できるような仕組み作りが進められています。
また、サポーターズクラブ会員によるボランティア活動や、ファンが主体となって企画するイベントなど、ファンがクラブの活動に積極的に参加できる仕組みが整っています。
不要になった食品を持ち寄るフードドライブに参加するファンの数は年々増加しています。さらに、SNSやイベントを通じて環境意識を高める活動も行われ、クラブとファンが一体となって社会に良い影響を与えています。
こうした取り組みは、単に試合を楽しむだけでなく、「自分たちが社会に何かを還元している」という充実感をファンに提供しています。クラブとファンが共に目指す未来は、よりサステナブルで温かい社会です。
スポーツ×食品ロス削減

セレッソ大阪のフードドライブ活動
セレッソ大阪では、スタジアムを訪れるファンとともに、食品ロス削減を目的としたフードドライブ活動を行っています。フードドライブとは、家庭で余ってしまった食品を、必要としている人へ寄付する活動です。
セレッソ大阪では、ホームゲーム開催日などに、スタジアム内にフードドライブブースを設置し、ファンや来場者から食品を集めています。集まった食品は、地域の福祉団体などに寄贈され、食料支援に活用されています。2024シーズンには、ホームゲームで実施したフードドライブで、合計706点(136,862g)の食品が集まり、多くの人の役に立つことができました。
この活動は、誰でも手軽に参加できる仕組みで、多くのファンから支持を集めています。地域の課題解決に貢献できる喜びを共有しながら、食品ロス削減の意識を高めています。
セレッソ大阪のこの取り組みは、スポーツの力を活かした新たな地域貢献の形として注目されています。
スタジアムでの食品リサイクルの実践
セレッソ大阪のホームスタジアムでは、食品リサイクルにも力を入れています。
試合会場で出る食品廃棄物を減らすため、売店でのメニューの見直しや、食べ残しを減らすための啓発活動を行っています。また、試合開催日には、売れ残った飲食品を廃棄するのではなく、飼料化や堆肥化に回す取り組みを実施しており、これらの飼料や堆肥は地域の緑化活動に役立てられています。
さらに、リサイクルに関する情報をファンに発信するイベントやワークショップも行われ、参加者は自宅でも活用できるアイデアを学べると好評です。このように、スタジアムを訪れる人々が食品リサイクルの重要性を理解し、行動につなげられる仕組みが整えられています。
ゴールは食料問題解決
セレッソ大阪が取り組む食品ロス削減活動の先に見据えるのは、地域だけでなく世界全体の食料問題の解決です。クラブは、スポーツの力で食料問題解決に貢献したいと考えています。
現在、世界では約9億人が飢餓に苦しむ一方で、年間13億トンの食品が廃棄されていると言われています。
セレッソ大阪は、スポーツを通じてこの矛盾を解消するための意識改革を進めています。特に、試合やイベントを通じてファンや地域住民に食品ロス問題の深刻さを伝え、一人ひとりができることを考えて行動するきっかけを提供し、その輪を広げる活動が注目されています。
また、セレッソ大阪は、他のスポーツ団体や企業と連携し、食品ロス削減に関する情報発信や啓発活動にも積極的に取り組んでいます。 サッカーの「ゴール」のように、目標を明確に設定して取り組むことで、食品ロス削減や支援の輪が少しずつ広がりを見せています。
スポーツを通じた持続可能な未来づくりは、セレッソ大阪が目指す新しい社会貢献の形です。
スポーツ×社会貢献

セレッソが拓く未来
セレッソ大阪は、地域密着型のスポーツチームとしての枠を超え、持続可能な社会の実現に向けたリーダー的存在として進化を続けています。
食品ロス削減や環境保護といった活動を通じて、地域住民とともにサステナブルな未来を築く努力を重ねています。フードドライブや食品リサイクルだけでなく、地域の小中学校を訪問して行う教育プログラムや、障がい者スポーツの支援など、多岐にわたる社会貢献活動を展開しています。
また、セレッソ大阪の影響力は国内にとどまりません。海外でのサッカークリニックや発展途上国へのサッカー用具の寄贈を通じて、国際的な課題にも積極的に取り組んでいます。これらの活動は、異文化理解を促進し、スポーツを通じて世界の平和に寄与する力を示しています。
セレッソ大阪の取り組みは、スポーツの枠を超え、社会全体に新しい価値をもたらしています。他のスポーツチームや企業にとっても良いモデルとなり、社会変革の手本となる存在です。スポーツの力を信じ、地域や世界をより良くするための第一歩を踏み出すセレッソ大阪の挑戦は、これからも続いていくでしょう。
セレッソ大阪の活動は、私たちに、スポーツの持つ可能性を改めて気づかせてくれます。スポーツは、人々に感動や喜びを与えるだけでなく、社会をより良くするための力を持っています。セレッソ大阪の取り組みは、そのことを私たちに教えてくれます。
スポーツで世界を変える
スポーツは、国や文化の違いを超えて人々をつなげ、社会を変える力があります。プロスポーツはもちろん、地域のアマチュアスポーツでも、共通の目標に向かって取り組む姿は多くの人に感動や影響を与えます。
近年、スポーツは単なる娯楽や競技を超え、社会課題の解決に向けた取り組みの場として注目されています。
たとえば、国際的な大会では、参加国が環境負荷を抑える取り組みを進め、カーボンニュートラルなイベントを実現する動きがあります。また、地域のスポーツクラブでは、食品ロス削減や福祉支援といった社会貢献活動が積極的に行われています。
これらは参加者だけでなく、観客や地域住民も巻き込み、「自分たちが社会を良くする一員」という意識を生み出しています。
さらに、スポーツは教育の場としても力を発揮します。若者にチームワークやフェアプレーの精神を教え、次世代に持続可能な社会を築く価値観を育むのです。
このように、スポーツには人々を鼓舞し、社会を変革する大きな可能性が秘められています。プロとアマチュアを問わず、スポーツを通じて未来をより良いものにしていくことが求められています。
セレッソ大阪の取り組みを通して、スポーツが社会に与える影響力の大きさを改めて感じました。
スタジアムは単なる試合が行われる場所ではなく、地域の人々が集い、共に未来を築くためのプラットフォームとなり得るのです。
セレッソ大阪の挑戦は、私たち一人ひとりに、スポーツの力で社会をより良くできるという希望を与えてくれます。これからも、セレッソ大阪をはじめとするさまざまなスポーツ団体が、SDGsの達成に向けて、より一層活躍してくれることを期待したいですね。
ロスゼロとは?
- フードロス削減、楽しい挑戦にしよう!
- 通販サイト「ロスゼロ」では、様々な理由で行先を失くした「フードロス予備軍」を、その背景やつくり手の想いと共に、たのしく届けています。