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【食品ロス優等生野菜】赤い宝石「ビーツ」を余さず使い切る!

公開日: 更新日:2026.05.03
丸ごとのビーツとカット面

赤い宝石のように鮮やかな「ビーツ」。

スーパーで見かけても、「どう使えばいいのかわからない」と、手に取るのをためらったことはありませんか。

実際、ビーツは日本ではまだ「知られていないから選ばれにくい野菜」の代表格といえます。色が強すぎて扱いにくそう、というイメージも敬遠される理由の一つでしょう。

しかし、実はビーツこそ、忙しい現代人の味方であり、「保存性が高く、栄養価に優れ、おまけに捨てるところがほとんどない」という食品ロスの観点からも極めて優秀な野菜なのです。

「見慣れない野菜=難しい」という思い込みを、少しだけ手放してみませんか。
ビーツを“最後まで使い切る”視点で、やさしく、そして実用的にご紹介していきます。


ビーツってどんな野菜?

ダイスカットしたビーツと輪切りにしたビーツ

インパクト大、でも中身はやさしい

ビーツといえば、まず目を引くのがその鮮やかな赤色。切った瞬間に広がる深いルビー色は、まるで“食べる宝石”のようです。
これはポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用がある「ベタシアニン」という天然の色素によるものです。

しかし、見た目のインパクトとは裏腹に、ビーツはとても身近でやさしい野菜なのです。
その見た目から、味も個性的に感じられがちですが、実際はほうれん草の根元のような「土の香り」と、ほのかな甘みが特徴です。

ビーツはテンサイ(砂糖の原料)と同じヒユ科の仲間。そのため、加熱することで糖度が増し、驚くほど甘くホクホクとした食感に変化します。


「食べる輸血」と呼ばれる栄養価

ビーツが世界中で愛される理由は、その圧倒的な栄養価の高さにあります。「食べる輸血」と呼ばれることがあり、特に注目されているのが、鉄分や葉酸、カリウムといった栄養素です。

鉄分・葉酸: 造血を助ける成分が豊富で、貧血気味の方に心強い味方であり、体づくりを支える重要な役割を担っています。
カリウム: 体内の余分な塩分の排出をサポートし、日々のコンディションを整えます。
一酸化窒素(NO): 血行を促すとされ、健康・美容意識の高い層からも注目を集めています。

ビーツに含まれる栄養素は、日々の食生活に取り入れることで、無理なく体を整える手助けをしてくれます。特別な食材というよりも、「日常に少し取り入れたい一品」として活用できるのが魅力です。


ビーツはなぜ「食品ロス優等生」なのか

葉っぱのついたビーツが複数おいてある

「捨てるところがない」めずらしい野菜

ビーツの大きな魅力は、根・葉・茎のすべてを食べられることです。一般的な野菜は、どうしても皮や葉を捨ててしまいがちですが、ビーツはむしろ“全部が主役”。文字通り「捨てるところがない」のです。

根(実):ホクホクとした食感のメインディッシュ。
:ほうれん草のように柔らかく、おひたしや炒め物に最適。
:スイスチャードや小松菜に近い、しっかりとしたシャキシャキ食感が特徴。葉とは違う食感が楽しめます。

多くの野菜では捨てられてしまう皮の付近や葉っぱにこそ、ビーツ特有の栄養と旨みが凝縮されています。「丸ごと食べる」ことは、単にゴミを減らすだけでなく、ビーツが持つ自然の恵みを100%体に取り入れることでもあるのです。


栄養も旨みも「外側」に詰まっている

ビーツの鮮やかな赤色の正体は、ポリフェノールの一種である「ベタシアニン」と呼ばれる天然の色素です。
この強力な抗酸化作用を持つ成分は、皮の近くや外側の部分に多く含まれており、実は旨みや栄養も“外側”に詰まっています。 そのため、皮を厚くむいてしまうと、本来おいしく食べられる部分まで捨ててしまうことに。

何気ないひと手間が、知らないうちに食品ロスにつながっていることも少なくありません。


はじめてでも簡単!ビーツの下ごしらえ

ビーツの葉っぱをみじん切りにする手元

良いビーツの見分け方

まずは、鮮度のよいビーツを選ぶことが大切です。ポイントは「皮の張り」と「重さ」。表面にハリがあり、持ったときにずっしりと重みを感じるものを選びましょう。

形が歪だったり、表面に多少の傷や凹凸があっても、中身の美味しさや栄養価は変わりません。これらはビーツが土の中で力強く育った証でもあります。見た目の整い方よりも、触れたときの硬さや重みを優先して選んでみてください。

葉付きの場合は、葉がみずみずしく、しおれていないものが新鮮な証拠です。


買ったらすぐに「葉」と「根」を分ける

ビーツは、購入後すぐのひと手間で鮮度の持ちが大きく変わります。

葉と根がついたままだと、葉に水分や栄養が取られてしまい、根の鮮度が落ちやすくなります。
買ってきたら、まず葉と根を切り分けて保存するのが長持ちのコツです。これだけで、長持ちの度合いがぐんと変わります。


皮つきのまま加熱するのが基本

ビーツは、皮をむかずにそのまま加熱するのがおすすめです。
丸ごと茹でる、またはアルミホイルに包んでオーブンで焼くだけで、甘みがぐっと引き出されます。また、色素の流出を最小限に抑えることができます。

加熱後は、手でこするだけで皮がスルッとむけるため、無理に包丁で厚くむく必要はありません。結果的に、おいしく食べられる部分をしっかり残すことにもつながります。


手やまな板の「赤染まり」を防ぐちょっとしたコツ

ビーツを扱うときに気になるのが、鮮やかな赤色による色移り。そう「手が真っ赤になる」問題です。
しかし、ちょっとした工夫で、調理のストレスをぐっと減らすことができます

・手袋を使う
・手に少量の酢やオイルをなじませておく
・まな板に牛乳パックやクッキングシートを敷く

こうした工夫を取り入れることで、後片付けもぐっと楽になります。


少し手間に感じる下ごしらえも、まとめて行っておくことで、その後の調理がぐっとラクになります。特にビーツは加熱しておくことで、サラダやスープにすぐ使える便利な食材に変わります。

最初のひと手間が、「使い切れる食材」に変わる大きなポイント。無理なく続けられる工夫として、ぜひ取り入れてみてください。


使いやすくなる!ビーツの保存とストック術

ダイスカットと丸ごとのビーツが蓋の空いた保存ビンに入っている

根は茹で置き・蒸し置きが賢い選択

ビーツの根は非常に保存性が高く、丸ごとの状態なら冷蔵庫で2〜3週間ほど日持ちします。しかし、調理のたびに下ごしらえをするのは少し手間に感じることも。

より日常的に使いこなすなら「すぐに使える状態」にしておくのがおすすめです。購入後にまとめて加熱しておけば、すぐに使える“作り置き食材”になります。

冷蔵保存
茹でたり蒸したりした後に皮を剥き、密閉容器に入れておけば冷蔵で4〜5日保存可能です。スライスしてサラダに、角切りにして和え物にと、パッと一品作れます。

冷凍保存
下処理後に使いやすい形(スライスや角切り)にカットし、重ならないようにラップに包んで冷凍バッグへ。
使うときは自然解凍か、そのまま加熱調理でOK。凍ったままスープやスムージーに入れられるので、忙しい朝の栄養補給に最適です。


葉と茎は“スピード勝負”で使い切る

一方で、葉や茎はとても傷みやすいため、できれば2〜3日以内に使い切るのが理想です。ほうれん草と同じような感覚で扱うとイメージしやすいでしょう。

冷蔵方法
根元を切り落とし、洗って水気をしっかり拭き取ります。濡らしたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫へ立てて保存します。乾燥を防ぐことで、鮮度を少し長く保つことができます。

冷凍保存
食べやすい大きさに切って硬めに茹で、しっかり水気を絞って小分け冷凍しておきましょう。凍ったままお味噌汁の具やナムルに使えます。

食材を無駄なく使い切るためには、「使いやすい状態にしておく」ことが大切です。ビーツのように保存性のある食材こそ、最初にひと手間かけることで、日々の調理がぐっとスムーズになります。

また一度に下処理しておくことで、「気づいたら傷んでいた」という食品ロスを防ぐことにもつながります。


まずはこれ!ビーツのシンプルな食べ方

ビーツのピクルス

皮は剥かずに「丸ごと加熱」で甘みを引き出す

ビーツは、シンプルに丸ごと加熱するだけで驚くほどおいしくなります
よく洗ってアルミホイルに包み、オーブンやトースターでじっくり焼くか、鍋でそのまま茹でるだけ。じっくり熱を通すことで甘みが凝縮され、ほくほくとした食感に仕上がります。

焼き上がった後は驚くほど簡単に手で皮が剥けます。無理にむく必要はありません。
そのままカットしてサラダに加えたり、スープにしたり、ピクルスにするのもおすすめです。

まずは“素材の味”を楽しむところから始めてみてください。


皮まで活かして、もう一品

むいた皮も、実はしっかりおいしく食べられます。

細切りにしてきんぴら風に炒めたり、野菜くずと一緒に煮出して「ベジブロス」にすれば、旨みたっぷりのだしに。

ほんの少しの意識で、「捨てていた部分」が立派な一品に変わります。


葉と茎は「ごちそうふりかけ」に

「これまでは捨てていた」という方も多い葉と茎。実はここが一番美味しいという声もあるほどです。

細かく刻んで、ごま油とジャコ(または鰹節)でカリッとするまで炒め、醤油とみりんで味付けしてみてください。シャキシャキとした食感とビーツの風味が、ご飯の進む「最高級のふりかけ」に変わります。

ナムルや味噌汁の具としても使いやすく、毎日の食卓に取り入れやすいのも魅力です。
スムージーに加えて、手軽に栄養補給するのもおすすめです。


茹で汁まで楽しむ「色の魔法」

ビーツの魅力は、あの美しい赤色にもあります。茹でたときの汁も捨てずに活用してみましょう。

ピンクのご飯
茹で汁を炊飯の水に少し加えるだけで、食卓が華やぐ綺麗なピンク色のご飯が炊き上がります。
余り野菜の浅漬け
また、薄くスライスしたビーツを浅漬けにしたり、余り野菜と一緒に漬けるだけで、鮮やかな副菜が完成します。大根やキュウリなど、一緒に漬けた野菜全体も可愛らしいピンク色に染まり、お弁当の彩りにも重宝します。



「赤い宝石」ビーツを丸ごと使い切る暮らし
それは、自分自身の体に良質な栄養を取り入れると同時に、家庭から出るゴミを減らし、食材の命を大切にするという心地よい循環の始まりです。

ぜひ、次の買い物で見かけたら、その鮮やかな赤色を手に取ってみてください。あなたの食卓が、もっと自由に、もっと彩り豊かになるはずです。




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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。