雨が続き、ジメジメとした日が続く梅雨の季節。洗濯物が乾かなかったり、外出が億劫になったりと、少し憂鬱な気分になりがちですが、実はこの時期、私たちの「キッチン」でも見逃せない問題が起きています。
そうです、梅雨は、1年の中でも特に食品が傷みやすい季節なのです。
湿度と気温が高くなることで、野菜やご飯、お惣菜などは一気に傷みやすくなります。「まだ食べられると思っていたのに…」という経験が増えるのも、この季節ならではです。
また、雨の日が続くことでまとめ買いが増えたり、食欲が落ちたりすることも、実は食品ロスにつながる原因のひとつです。
ですが、少し保存方法を見直したり、買い方や使い方を工夫したりするだけで、食品ロスはぐっと減らせます。それは、家計の節約や毎日の時短にもつながる、暮らしにやさしい工夫でもあります。
梅雨時に食品ロスが増える理由とは?

なぜ、梅雨になると食品ロスが増えてしまうのでしょうか。
その理由は、梅雨特有の「環境」と「油断」にあります。
高温多湿で食品が傷みやすくなる
梅雨の時期は、細菌が繁殖しやすい「温度」と「湿度」が揃います。
特に傷みやすいのが、葉物野菜や果物、ごはん、パン、お惣菜など。
「昨日まで大丈夫だったのに…」というスピードで、カビや酸味、ニオイが発生することも少なくありません。
また湿気が多いことで、パンの表面や果物、調味料の口などにもカビが発生しやすくなります。
普段と同じ感覚で保存していると、気づかないうちに食べ頃を逃してしまいやすくなるのです。
「あとで食べよう」が危険になりやすい
梅雨は、常温放置による傷みも起こりやすい季節です。
「お腹がいっぱいだから、あとで食べよう」と食卓に放置したその数時間が、梅雨時には特に注意が必要になります。
料理を食卓に出したままにしたり、買ってきた食材を少し置いておいたり、ほんの少しの常温放置が、目に見えない菌の増殖を招きます。普段なら問題ない時間でも、梅雨時は傷みにつながることがあります。
また、作り置きおかずも保存期間が短くなりやすいため、「数日持つだろう」が通用しにくい時期でもあります。
冷蔵庫の詰め込みすぎ・管理不足
雨が続くと買い物回数を減らそうとして、ついまとめ買いをして、冷蔵庫をパンパンにしていませんか?
すると冷蔵庫の奥にあるものが見えなくなり、「気づいた時には賞味期限切れ」というロスを招きます。
さらに何があるか把握できず、「同じものをまた買ってしまった」という状態になりやすくなります。
まず見直したい!梅雨時の保存ルール

「とりあえず冷蔵」ではなく適切保存を知る
なんでも冷蔵庫に入れれば安心、と思いがちですが、食材によって「居心地の良い場所」は異なります。
冷蔵・冷凍の使い分け:葉物野菜は乾燥を防いで冷蔵へ。一方で、使い切れない肉や魚は、迷わずすぐに「冷凍」へ回すのが鉄則です。
常温保存が向く野菜も:ジャガイモや玉ねぎは風通しの良い冷暗所が理想ですが、梅雨時は湿気が溜まりやすいため、新聞紙で包んで野菜室へ避難させるなど、季節に合わせた柔軟な対応が必要です。
何でも冷蔵庫に入れるのではなく、食品ごとの適切な保存方法を知ることが、鮮度を長持ちさせるポイントです。
冷凍保存を味方につける
梅雨時は、「使い切れないかもしれない」と感じた時点で早めに冷凍するのがおすすめです。
ごはん、小分けにした肉、パンはもちろん、実は「きのこ」も冷凍することで旨みがアップする食材です。また「新鮮なうちに冷凍」することで、解凍後もおいしく食べ切ることができます。
“余ってから冷凍”ではなく、“余りそうだから先に冷凍”という意識に変えるだけでも、食品ロスは大きく減らせます。
開封日を書く習慣をつける
調味料やタレ、作り置きおかずは、「いつ開けたかわからない」という不安が、まだ食べられるものをゴミ箱へ送ってしまいます。
そんな時に便利なのが、マスキングテープなどを使った日付管理。
冷蔵庫のドアにマスキングテープとペンを常備し、タレや調味料、作り置きの容器に「開封日」や「作った日」をペタッと貼るだけ。これだけで、不安が解消され、使い忘れを劇的に防げます。
冷蔵庫は“7割収納”が理想
冷蔵庫に物を詰め込みすぎると、冷気がうまく循環しないため、冷えムラが起こりやすく、また庫内の温度が上がりやすくなります。
実は、冷蔵庫は7割程度の収納が理想的といわれています。
適度な余白があることで中が見やすくなり、「早く使いたい食材」にも気づきやすくなります。さらに冷気の循環が良くなることで、電気代の節約(省エネ)にも繋がります。
買いすぎ・作りすぎを防ぐコツ

「まとめ買い」がロスを生みやすい
梅雨の時期は、「しばらく買い物に行けないかもしれない」という不安や、「雨の日は外に出たくない」という気持ちから、晴れた日に必要以上にまとめ買いをしてしまいがちです。
しかし、予定変更で外食になったり、メニューを変更したくなったり、思ったより食欲がわかなかったりして、結果的にまとめ買いした食材を余らせてしまうこともあります。
“使い切れる量かどうか”を意識して買うことが、食品ロス防止の第一歩です。
買い物前に「冷蔵庫チェック」
買い物前に冷蔵庫や野菜室を確認するだけでも、重複買いはかなり防げます。
すでにあるものを買ってしまわないだけで、余計な出費もゴミも減らせます。特に野菜室は見落としやすく、「同じ野菜がふたつあった」ということも起こりがちです。
スマホで庫内写真を撮っておくのもおすすめです。
作り置きは“作りすぎない”も大切
忙しい日の味方になる作り置きですが、梅雨時は傷みやすさにも注意が必要です。どんなに気をつけていても、開閉の多い家庭用冷蔵庫では温度変化が起こります。
たくさん作るより、「2〜3日で食べ切れる量」を意識すると安心です。無理なく食べ切れる量にすることで、結果的に食品ロスも減らせます。
「使い切りレシピ」を持っておく
半端に余った食材を活用できる定番レシピがあると、食材を最後まで使いやすくなります。
例えば、「半端野菜のスープ」「残りごはんの炒飯」「野菜たっぷり味噌汁」「漬け込みアレンジ」などは、冷蔵庫整理にもぴったりで、食品ロス削減の強い味方です。
「余りもの」ではなく、「使い切るための一品」と考えると、料理もぐっと前向きになります。
見落としがちな“梅雨特有”の食品ロス

「保存」や「買い物」に気をつけていても、梅雨には意外な落とし穴が潜んでいます。
生鮮食品が傷みやすくなる
梅雨は、葉物野菜や果物の傷みが特に早くなります。
スーパーで買ってきたばかりの食材でも油断は禁物です。買ってきたまま袋に入れっぱなしにしていると、湿気がこもり腐敗の原因になることも。
特にレタスや小松菜などの葉物野菜、イチゴやさくらんぼといった果物は、湿気によって一晩で傷みが進むこともあります。水気を拭き取ったり、保存袋を変えたりするだけでも鮮度維持につながります。
また、普段ならキッチンに出しておけるバナナや根菜類も、梅雨時はカビが生えやすいもの。少しでも「怪しい」と感じる前に、早めに冷蔵庫へ避難させるか、加熱調理してしまいましょう。
お菓子・乾物の湿気問題
意外と見落としがちなのが、お菓子や乾物の湿気です。使いかけの調味料や、開封後のお菓子が「いつの間にかダメになっていた」というのも梅雨によくあるロスです。
海苔やせんべい、小麦粉などは、湿気を吸うことで風味が落ちたり、品質が変化したりします。開封後はしっかり密閉し、できるだけ早めに食べ切ることを意識しましょう。
また、輪ゴムやクリップだけでなく、パッキンのついた密閉容器やジッパー付き袋に入れ、乾燥剤(シリカゲル)を一緒に入れておくと安心です。
食欲低下で食品が余りやすい
梅雨は蒸し暑さから食欲が落ちやすく、作った料理が余ってしまうこともあります。
そんな時は、揚げ物や重たいメニューから、冷たい麺類やお酢・梅干しを使ったさっぱりとしたメニューへ切り替えましょう。また、大葉、生姜、みょうがなどの薬味を添えるだけで、食欲が進み、余りものを出さずに済みます。
「食べ切れる工夫」をすることで、無理なく食品ロスを減らせます。
梅雨は、私たち人間にとっても、食材にとっても、少し工夫が必要な季節です。だからこそ、“少し早めに冷凍する”“冷蔵庫を見直す”といった小さな工夫が、食品ロス削減につながります。
完璧を目指さなくても、「捨てる前に気づける」だけで十分。家庭での小さな行動の積み重ねは、食品ロス削減だけでなく、CO2削減や環境負荷の軽減といった大きな社会貢献にもつながっています。
ゆっくりと流れる梅雨の時間を味方にしながら、食材も気持ちもすこし丁寧に。そんな季節の過ごし方を楽しんでみてはどうでしょうか。
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