秋になると食べたくなるのが、ホクホクとした甘くて美味しい「かぼちゃ」。
煮物はもちろん、ポタージュスープ、ホクホクのサラダ、熱々のグラタンから甘いお菓子まで、さまざまな料理で大活躍してくれる頼もしい野菜です。
一方で、調理するときに困るのが、その硬さ。「包丁がなかなか入らなくて怖い」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、電子レンジで少し加熱してから切る方法がよく知られていますが、「丸ごと温めて全部使い切れなかったらどうすればいいの?」「残りの保存方法は?」と迷ってしまうこともありますよね。
そこで硬いかぼちゃを安全に切るためのコツと、丸ごと・カット後・レンジ加熱後、それぞれの状態に合わせた保存方法をご紹介します。ちょっとした工夫を取り入れて、かぼちゃを最後までおいしく食べ切りましょう。
かぼちゃはなぜこんなに硬い?

実は夏に収穫される野菜
かぼちゃというと、ほくほくとした煮物や温かいスープなど、秋冬に食べる野菜というイメージがあるかもしれません。しかし、実は国内産のかぼちゃが収穫されるピークは夏から秋にかけてです。収穫してすぐに食べるだけでなく、一定期間貯蔵することで、秋から冬にかけても楽しめる野菜です。
収穫後、一定期間貯蔵してから出荷されるかぼちゃもあります。時間をかけてじっくり寝かせることで水分が抜け、でんぷんが糖分に変わって甘みが増すとともに、日持ちのする「美味しいかぼちゃ」へと変化していきます。
かぼちゃは、丸ごとの状態であれば比較的保存しやすい野菜です。一方、しっかりとした皮に覆われているため、調理するときには切りにくさを感じることがあります。
特に大きなかぼちゃは包丁を入れるのにも力が必要です。「硬いのは新鮮だから」と無理に切ろうとせず、安全に扱うことを第一に考えましょう。
無理に包丁を入れないで
硬いかぼちゃを切るときに避けたいのが、力任せに包丁を押し込むことです。途中で包丁が抜けなくなったり、かぼちゃが動いて刃が滑ったりすると、思わぬけがにつながることがあります。
まずは、まな板が動かないように安定させ、かぼちゃも転がらない状態にしてから切り始めましょう。包丁が入りにくいと感じたら、無理に力を加えず、一度止めることも大切です。
また、「丸ごとのかぼちゃを切るのは怖い」という場合は、スーパーなどで1/2や1/4にカットされたものを選ぶ方法もあります。どうしても「自分で切るのが不安…」「力が入らない」と感じる場合は、お店で販売されているカット済みのかぼちゃを選ぶのも立派な選択肢です。
料理は安全にできることが何より大切。自分が扱いやすい大きさを選ぶことも、かぼちゃを無理なく楽しむためのひとつの方法です。
レンジで切りやすくしよう
硬くて包丁が入りにくいかぼちゃは、電子レンジで少し温めると切りやすくなります。ここで大切なのは、完全に火を通すのではなく、「あくまで包丁がすんなり入る固さにする」こと。加熱しすぎると果肉が柔らかくなって切るときに崩れたり、熱くなったかぼちゃや蒸気でやけどをしたりするおそれがあります。
【下ごしらえ】
かぼちゃを軽く水洗いします。水気を絞った濡れキッチンペーパーで包み、その上からラップでふんわり包みます。電子レンジに入れ、様子を見ながら少しずつ温めます。
【電子レンジ(600W)での加熱目安】
かぼちゃの大きさや重さ、もともとの硬さ、電子レンジの機種によって温まり方は異なります。以下は、火を通すためではなく「包丁を入れやすくする」ための加熱時間の目安です。短めの時間から試すのがおすすめです。
〇1/4個(約300~400g程度):約2分〜2分30秒
〇1/2個(約600~800g程度):約3分〜5分
〇丸ごと1個(約1.2~1.5kg程度):約6分〜10分
まずは1/4個なら「2分程度」からスタートし、包丁の先を軽く刺してみて入り具合を確認します。硬さが残る場合は、10秒〜30秒ずつ追加で加熱して調整するのが一番確実です。丸ごとの場合は、途中で上下を返し、硬さを確認しながら少しずつ追加加熱しましょう。
【切るときの安全ポイント】
温めたあとは、かぼちゃ自体も蒸気も大変熱くなっています。やけどに注意しながら取り出しましょう。
切るときは、平らで安定している面(切り口)を下にして置くと、まな板の上で滑らず安全に包丁を入れることができます。また、固いヘタの部分を避けて包丁を入れ、安定した状態で少しずつ切り進めましょう。
ところで、丸ごと1個をレンジで温めて半分しか使わなかった場合、残った分もすでに「加熱済みのかぼちゃ」になっています。そのため、残りを「生のかぼちゃ」とまったく同じように保存するのはおすすめできません。
では、残ったかぼちゃはどう保存すればいいのでしょうか?
状態で変わるかぼちゃの保存

かぼちゃは「切る前」か「切った後」か、さらに「レンジで加熱したか」によって保存の仕方が変わります。状態に合わせた工夫で、美味しさをギュッと閉じ込めましょう。
丸ごと・未加熱なら
まだ切っておらず、電子レンジにもかけていない丸ごとのかぼちゃは、比較的保存しやすい状態です。
新聞紙(ペーパー)で包む:かぼちゃは余分な水分や湿気に弱いため、直に空気に触れさせず湿気を吸収・保温してくれる新聞紙やキッチンペーパーで包みます。
風通しのよい冷暗所で保存:直射日光が当たらない、風通しのよい涼しい場所(10〜15℃前後が理想)に置きましょう。残暑が厳しい時期などは、傷みが出ていないか時々チェックすると安心です。
ただし、「秋だから常温で大丈夫」とは限りません。近年は秋になっても気温の高い日が続くことがあります。室温が高い場合は保存場所を見直し、ときどき皮の変色や柔らかくなっている部分がないか確認しましょう。
丸ごとだからと安心して長期間置いたままにせず、状態を見ながらおいしいうちに使うことが大切です。
生のカットかぼちゃなら
お店でカットして売られているものや、ご自宅で包丁で切っただけの未加熱のかぼちゃは、丸ごとの状態よりも傷みやすくなります。
種とワタを取り除く:一番傷みやすいのは、水分を多く含む中心の「種とワタ」の部分です。購入したらスプーンなどで綺麗に取り除きましょう。
ラップで密閉して冷蔵:切り口の水分をキッチンペーパーなどで拭き、空気に触れて乾燥しないよう、ラップでしっかり密閉して冷蔵室で保存し、早めに使い切ります。
数日以内に使う予定がない場合は、冷凍保存も便利です。使いやすい大きさに切ってから冷凍しておけば、次の調理もスムーズ。
「大きなかぼちゃを買うと余らせそう」という場合も、購入したときに使う分と保存する分に分けておくと、使い忘れを防ぎやすくなります。
レンチンしたかぼちゃなら
今回の重要なポイントがこちらです!
「切りやすくするために少しだけレンジで温めたかぼちゃ」の保存方法です。完全に火が通っていなくても、加熱していないかぼちゃとは分けて考えましょう。
一度レンジで加熱することで、果肉がやわらかくなり、包丁が入りやすくなっています。そのため、次に料理で使うときは、カットするために再度レンジで加熱する必要はありません。そのまま包丁で切り、鍋やフライパンなどで料理に合わせてしっかり加熱しましょう。
【保存前の3ステップ】
種とワタを取り除く:スプーンで中心部分をきれいにくり抜きます。
水気をしっかり拭き取る:レンジ加熱の際に出た蒸気や水滴を、キッチンペーパーでしっかり拭き取ります。
ラップでピタッと密閉:粗熱が取れたら、空気に触れないようラップでぴったり包みます。
冷蔵保存(目安:2〜3日):一度熱が入っているため、生のカットかぼちゃよりも早めに使い切るのが安心です。
冷凍保存(目安:1〜2か月):使いやすい「一口大」や「角切り」、あるいは「潰してマッシュ状」にしてラップに包み、ジッパー付き保存袋へ。解凍せずにそのまま煮物やスープに投入できるため、毎日の時短調理にとても役立ちます!
つまり、「丸ごとレンチンして半分だけ使う」のも大丈夫。ただし、残りは加熱後のものとして保存するのがポイントです。これを知っておけば、「残りをどうしよう」と心配せず、電子レンジを上手に活用できます。
かぼちゃを丸ごと食べ切ろう

煮物だけじゃもったいない
大きなかぼちゃを買うと、「全部使い切れるかな」と心配になることもありますよね。実はかぼちゃは煮物だけでなく、スープやサラダ、グラタン、カレーなど幅広い料理に使えます。残った量に合わせて料理を変えると、無理なく使い切りやすくなります。
例えば「残った量」に合わせて、こんなアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか。
1日目:定番の「煮物」や「ほっこりそぼろ煮」で素材の味を堪能
少し余ったら:ひとくち大に切って「お味噌汁」や「野菜具だくさんスープ」へ
少量が手元に残ったら:マヨネーズと和えて「ホクホクサラダ」、または「グラタン」や「カレー」のトッピングに
つぶしてアレンジ:加熱してマッシュ状(潰した状態)にしておけば、クリーミーな「ポタージュ」やサクサクの「かぼちゃコロッケ」に大変身!
冷蔵庫に残った量を見てから献立を決めるのも、食材を上手に使い切るコツ。「あと少し」を別の一品に変えて、最後までおいしく楽しみましょう。
皮もおいしく食べられる
かぼちゃの鮮やかな緑色の皮、厚くむいて捨ててしまっていませんか?
かぼちゃは、果肉だけでなく皮も基本的に食べることができます。煮物などでは皮を残したまま調理すると、緑色が加わって料理の彩りにもなります。加熱すると皮もやわらかくなるため、必ずしもすべて取り除く必要はありません。
もちろん、皮の硬さが気になる料理では部分的にむいたり、固い部分やヘタの周りだけを削ぎ落とす必要はありますが、必要以上に厚く皮をむかない工夫こそが、美味しく食べ切りながら「食品ロスを減らす」大切な第一歩につながります。
料理や食べる人に合わせて調整しましょう。
「硬くて切るのが怖い」「大きいと使い切れそうにない」と、丸ごとのかぼちゃを敬遠していた方もいるかもしれません。そんなときは、電子レンジで少しだけ温める、残った分は状態に合わせて保存するなど、ちょっとした工夫を取り入れてみましょう。
特に覚えておきたいのは、切りやすくするためにレンジで軽く温めた場合も、残りは加熱後のかぼちゃとして扱うこと。使う分だけ切ったら、残りは早めに冷蔵するか、使いやすい大きさにして冷凍しておくと安心です。
煮物だけでなく、スープやサラダ、カレーなどにも活用しながら、秋のおいしいかぼちゃを最後まで楽しんでみませんか。
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