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【10月は食品ロス削減月間】最新データから見る日本の現状と私たちができること

公開日: 更新日:2026.10.11
テーブルの上に食品ロスのレポートがある

10月は「食品ロス削減月間」です。「食品ロス」という言葉を、ニュースやスーパー、飲食店などで目にする機会も増え、私たちの暮らしに身近な社会課題として広く知られるようになりました。

では現在、日本ではどれくらいの食品が、まだ食べられるにもかかわらず捨てられているのでしょうか。

2026年6月、農林水産省と環境省から、2024年度(令和6年度)の食品ロス量の推計値が公表されました。それによると、日本の食品ロス量は年間約461万トンとなっています。

食品ロスは少しずつ減少している一方で、今なお多くの食品が廃棄されています。食品ロス削減月間をきっかけに、最新データから日本の現在地を知り、私たちにできる身近なアクションについて考えてみませんか。

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出典:農林水産省・環境省「令和6年度食品ロス量推計値」


食品ロス削減月間とは

食品ロス削減月間の案内とイメージ

毎年10月は、国が定める「食品ロス削減月間」です。さらに、10月30日は「食品ロス削減の日」として指定されています。
これらは2019年に施行された「食品ロス削減推進法(正式名称:食品ロスの削減の推進に関する法律)」に基づいて設けられたもので、社会全体で食品ロス削減への理解と関心を深めるための重要な期間となっています。

食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品のこと。家庭での食べ残しや買いすぎだけでなく、食品メーカーで発生する規格外品、小売店での売れ残り、飲食店での食べ残しなど、さまざまな場面で発生しています。

食品ロス削減月間には、消費者庁・農林水産省・環境省をはじめ、地方自治体や企業、各種団体などが連携し、食品ロス削減に向けた情報発信や啓発活動を行っています。
単に「もったいない」という道徳的な視点だけでなく、持続可能な社会を築くための具体的な取り組みとして、国を挙げた推進が行われているのです。

食品ロスは、事業者だけ、消費者だけで解決できる問題ではありません。10月は、作る人、売る人、買う人、食べる人、それぞれが食品との向き合い方を改めて考える機会でもあります。

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出典:消費者庁「食品ロス削減月間」/農林水産省「食品ロスの削減の推進に関する法律」


最新データで見る「日本の食品ロス」の現在地

日本の食卓と食料データ可視化イメージ

日本の食品ロスは461万トン

農林水産省および環境省が2026年6月に公表した最新の推計値によると、日本国内で発生した年間食品ロス量は約461万トンに上ります。
この数字を身近な規模に換算すると、国民一人ひとりが毎日おにぎり約1個分(約101g)の食べ物を捨てている計算になります。国全体の1日あたりの廃棄量で見ると、大型トラック(10t車)で約1,260台分にも相当する膨大な量です。

一見すると衝撃的な数字ですが、日本の食品ロスは長期的には減少傾向にあります。
社会全体の取り組みや一人ひとりの意識の変化が、確かな成果として現れ始めています。しかしまだ461万トンという大きな食品ロスが残されていることも、私たちが向き合うべき現在地です。


事業系と家庭系

461万トンという食品ロスの内訳を見ると、事業者から発生する「事業系食品ロス」と、各家庭から発生する「家庭系食品ロス」がほぼ半々を占めていることが分かります。

食品ロスの内訳円グラフ

事業系食品ロス(約237万トン)
食品製造業や卸売・小売り、外食産業などから発生します。規格外品や返品、納品期限切れ、店舗での売れ残り、飲食店での食べ残しなどが主な要因です。

家庭系食品ロス(約224万トン)
手つかずのまま捨てる「直接廃棄」が約96万トン、食卓での「食べ残し」が約93万トン、野菜の皮を厚くむきすぎるなどの「過剰除去」が約35万トンです。

事業者側のサプライチェーン改革はもちろん不可欠ですが、発生量の約半分が家庭から出ている点からも、私たち個人の日々の心がけが解決の大きな鍵を握っていることが伝わります。

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出典:環境省「食品ロスポータルサイト」/農林水産省・環境省「令和6年度食品ロス量推計値」


食品ロスは減っている?

食品ロス量の推移 推移と目標レベル

「毎年たくさんの食品が捨てられている」というニュースばかりに目を奪われがちですが、過去の推計値と経年比較してみると、日本の食品ロスは長期的に見て着実に削減が進んでいます。
実際、国連環境計画(UNEP)は2025年、日本がSDGs目標12.3に関連する食品廃棄物半減・食品ロス削減の目標を前倒しで達成した国の一つとして紹介しています。

日本の食品ロス量は、2015年度(平成27年度)の約646万トンから、2024年度(令和6年度)には約461万トンとなり、9年間で約185万トン減少しました。事業者による商慣習の見直しや売り切りの工夫、家庭での食品ロスへの意識の高まりなど、さまざまな取り組みが積み重なった結果と考えられます。

また、日本は2030年度までの食品ロス削減目標について、事業系・家庭系ともに「2000年度比で半減」を掲げてきました。事業系食品ロスは2022年度に目標を達成し、家庭系食品ロスも2024年度に半減目標まであと少しというところまで来ています。これを受け、事業系では新たに2030年度までに2000年度比60%削減という目標が設定されました。

削減が進んでいることは大きな前進です。しかし、現在も年間約461万トンの食品ロスが発生しています。「減ったから終わり」ではなく、これまでの成果を自信としつつ、「なぜまだこれほどのロスが生じているのか」を問い直し、さらなる削減へと一歩進めることが求められています。

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出典:農林水産省『食品ロス削減をめぐる状況』、農林水産省・環境省「令和6年度食品ロス量推計値」、農林水産省「食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢」


なぜ食品ロスを減らす必要があるの?

農場から焼却までの食の流れ

食品を捨てるということは、単に「食べ物がもったいない」という問題にとどまりません。私たちが普段口にする食品は、農作物の栽培や畜産から始まり、加工、包装、トラックや船による輸送、店頭での販売に至るまで、すべての工程で多くの資源とコスト、エネルギーが費やされています。

「作る → 運ぶ → 店頭や冷蔵庫で保管する → ごみとして焼却廃棄する」という一連のプロセスの各段階で、温室効果ガスが排出されています。そのため、食品ロスを減らすことは、ごみ処理費用や焼却エネルギーの削減を通じて、地球温暖化防止や脱炭素社会の実現、ひいては循環型社会の構築に直結する重要な環境課題です。

さらに、経済的な側面も見逃せません。環境省の推計では、2024年度の食品ロスによる経済損失は年間約3.8兆円、温室効果ガス排出量は約978万トン-CO₂にのぼります。国民1人あたりでは、年間約3万1,000円の経済損失に相当します。食品ロスを減らすことは、ごみ処理や焼却に伴う環境負荷を抑えるだけでなく、限りある資源を大切に使うことにもつながります。

そして家庭では、買い過ぎた食材を食べずに捨ててしまうことは、そのまま家計の負担(食費の無駄)となります。必要な分だけ購入し、買った食品をきちんと食べ切ることが家計の負担軽減にもつながります。

自然の恵みや生産者の手間に感謝する日本の「もったいない」精神を大切にしながら、環境・経済の両面において持続可能な未来をつくることが、食品ロス削減に取り組む大きな意義です。

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出典:環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)の公表について」


今日からできる!身近な食品ロス削減アクション

野菜売り場でお買い物する女性の手元周辺

家庭から減らせる食品ロス

家庭から出る食品ロスは、毎日のちょっとした工夫で減らすことができます。まず意識したいのが、「買いすぎない・作りすぎない・食べ切る」こと。そのためには「買い物前の準備」と「正しい保存・使い切り」がポイントです。
買い物へ出かける前に、まずは冷蔵庫や食品庫の中身を確認する習慣をつけましょう。メモを取ったりスマホで写真を撮ったりしてから出かけることで、ダブり買いや過剰なまとめ買いを防ぐことができます。

調理や保存の面では、食材をできるだけ無駄なく使うことを意識してみましょう。野菜の皮や茎なども、種類によってはスープのだしにしたり、細かく刻んで料理に加えたりと活用できます。余った料理やすぐに使わない食材は、早めに冷凍するのも一つの方法です。

また、「消費期限」は安全に食べられる期限、「賞味期限」はおいしく食べられる期限です。
期限の違いを正しく理解し、期限が近いものから優先して使うようにしましょう。また賞味期限を過ぎたからとすぐに捨てるのではなく、食品の特性や保存状態も確認しながら判断することが、食品を最後まで大切にすることにつながります。

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出典:消費者庁「食品ロス削減ガイドブック」


事業系ロス削減の応援アクション

事業者から発生する食品ロスも、私たちの「選び方」や「食べ方」で削減を後押しすることができます。

たとえば、購入してすぐに食べる予定であれば、棚の手前にある賞味期限・消費期限が近い商品を選ぶ「てまえどり」もその一つ。店舗での売れ残りによる廃棄を減らす大きな力になります。
外食では、食べ切れる量を注文し、おいしく残さずいただくことも大切です。量が多そうなときには、小盛りメニューを選んだり、注文時に量を調整できるか確認したりする方法もあります。

また、製造過程で生じる規格外品や、季節商品の余剰、パッケージ変更などを理由に、品質には全く問題がないのに通常の販路では販売が難しくなった食品を選ぶことも、私たちにできるアクションです。「まだ食べられる食品を、おいしく食べ切る」ことで事業系食品ロスの削減を応援できます。

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出典:農林水産省「食品ロス削減に向けた取組」/消費者庁「食品ロス削減ガイドブック」


『次の誰かへ』つなぐ選択肢

支援食糧の受け渡しをする人の手元周辺

フードドライブ・フードバンク

家庭で食べ切れそうにない食品があるときは、捨てる前に「次の誰かへつなぐ」という選択肢もあります。その代表例が「フードドライブ」や「フードバンク」の取り組みです。

フードドライブとは、お歳暮・お中元の贈答品や買い過ぎてしまった缶詰・レトルト食品など、家庭で余っている未開封かつ賞味期限内の食品を、学校や職場、スーパー、自治体の施設などに持ち寄る活動です。
一方、フードバンクは、家庭や企業などから寄付された、まだ安全に食べられる食品を集め、福祉施設やこども食堂、食品を必要としている世帯などへ無償で提供する活動・団体を指します。フードドライブで集められた食品が、フードバンクを通じて届けられることもあります。

最近では、自治体の施設だけでなく、スーパーなどにフードドライブの回収拠点が設けられるケースもあります。手元にある未利用食品を回収ボックスへ届けるだけの簡単な行動で、食品ロス削減と地域社会への貢献を同時に果たすことができます。

「いただいたけれど食べる機会がない」「買い置きしたものの使い切れそうにない」といった食品も、必要とする人のもとでは大切な食料になります。
ただし、受け付けられる食品の種類や賞味期限、未開封であることなど、回収先によって条件は異なります。寄付する前には、お住まいの自治体や近隣の回収拠点のルールを確認しましょう。

家庭の余剰食品を「捨てる」から「つなぐ」へ変えることも、食品ロス削減につながります。

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出典:農林水産省「フードバンク」/消費者庁「食品寄附等に関する取組」


フードシェアリングサービス・アプリ

まだ食べられるのに、さまざまな理由で行き先を失いそうな食品を、必要とする人につなぐ「フードシェアリング」も広がっています。

たとえば、パン店や飲食店などで売り切ることが難しい食品と消費者をつなぐサービスや、賞味期限が近づいた商品、季節商品の余剰、パッケージ変更などによって通常の販路では販売が難しくなった食品をECサイトで販売するサービスなど、その仕組みはさまざまです。

消費者にとっても、こうしたサービスを利用することで、普段の買い物をしながら食品ロス削減に参加できます。大切なのは、「食品ロス削減のために必要以上に買う」のではなく、自分が必要なもの、きちんと食べ切れるものを選ぶこと。

捨てられるかもしれなかった食品を「食べたい人」「必要としている人」へつなぐことが、新しい食品ロス削減の選択肢になっています。

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出典:消費者庁「食品ロス削減ガイドブック」/農林水産省「食品ロス削減に向けた取組」



日本の食品ロスは着実に減少しているものの、現在も年間約461万トンが発生しています。大きな数字に思えますが、その背景には私たち一人ひとりの冷蔵庫や日々の買い物、そして事業者の販売現場など、身近な場所での積み重ねが存在しています。

だからこそ、「すべてを完璧に使い切ろう」と気負う必要はありません。「買い物前に一度冷蔵庫を見る」「今日食べるものは棚の手前から取る」といった日常の工夫に加え、味や品質に問題がないのに様々な理由で販売機会を失った食品(レスキュー品)を選んでみるのも素晴らしいアクションです。

こうした小さな選択の積み重ねこそが、社会全体の食品ロスを減らす大きな力になります。10月の食品ロス削減月間をきっかけに、まずは今日できる一歩から、無理なく暮らしに取り入れてみませんか。



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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています♪

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。