こんにちは、代表の文美月です。
前号では、未利用のまま廃棄される運命である
チョコレートの原材料を使って製品化した、ロスゼロのオリジナル・チョコレートについて書きました。
製菓材料や、ドライフルーツ、ナッツなど、「賞味期限は十分にあるものの、余っている」もので作り、付加価値をつけて生まれ変わらせたチョコレートです。
「食べる理由がある」という意味を込めてRe:You(りゆう)と名付けたブランド。
今回は周囲からの反応について述べたいと思います。
Re:You は、まだ世にないコンセプトのもの。
ゼロから創り出すとなるとお手本もありません。
検討すべき点が山積していました。
コンセプトが一番響く層(すなわちターゲット)はどこなのか、から始まり、
世界のどの産地のチョコを使うか、シンプルな板チョコにするのか具材を乗せて華やかなデザインにするのか、チョコレートの型をどうするか、過剰包装や環境負担を避けつつ高級感を出せる箱を作るにはどうするか、ロスゼロの思いを箱のどこに記載するか、そして、どうやってRe:Youを知っていただくかなど。
Re:Youという名前を決めるまでにも100以上の候補が必要でした。
それでも、私たちが何らかの判断をしなければならない場合は最短で行いました。
ゆっくり考えようと後ろに伸ばしても、いいものは生まれません。
ベンチャー企業にスピード感も実行力もないとなると、小回りが利くはずの良さが残らなくなってしまいます。
とはいえ、ロスゼロのチョコレート開発は決して一社で成し遂げられたものではありません。
形になる前の段階から多くの人や企業がプロジェクトのコンセプトに共感し、チームに加わってくれました。
最初に、余った原材料や半製品を持つ企業がロスゼロのアイデアに賛同してくれました。
「ロスゼロさんの発想は、わたしたちの業界ではありえなかったもの。ぜひ協力したい」と。
元々、アフリカのカカオ農家を支援する・雇用を生む・トレーサビリティを確立させるなど、チョコレートの輸入の在り方をしっかり追求している企業であり、「余ったものが廃棄される現状を踏まえて今後どうしていくかを社内で検討していたところです。我々も最大限協力したい」と。
そこからご縁が多方面につながり、コロナ禍で進みにくい部分もありましたが、私たちは食品作りのリアルな世界をどんどん学んでいきました。
他にも、ロスゼロのような小さなスタートアップに伴奏しZoom会議でアドバイスを何度もしてくれた大企業をはじめ、素敵な写真を撮ってくれたカメラマン、撮影スタジオを快く使わせてくれた経営者、箱のデザインに協力してくれたクリエイター・・・。
みなさんと一緒にアイデアを絞って生まれたのがRe:Youです。
「ロスゼロを手伝いたい」と仰ってくださり、とても嬉しく思いました。
いろんな立場の人や企業が「世の中をよくしたい」と考えています。
その一つとして「ロスゼロとのプロジェクトを支えること」を選択してくれたのだと思います。
これは大変ありがたいことです。
特筆すべきことは、大学生も多数加わってくれたことです。
元々食品ロスや環境問題に関心がありロスゼロでインターンをしてくれている学生に加え、私が某大学で食ビジネスを教えていたことを機に、参加してくれた学生も。
インスタグラムなどSNSでの発信は、彼らのほうが圧倒的に得意。
自主的な広報活動を進めてくれました。
コロナ禍でアルバイトもインターンも自由にできない状況の中、学生は「新しいものを社会人と一緒に、世の中に生み出す楽しさ」をワクワク楽しんでくれています。
3月から4月にかけてロスゼロでは関東関西あわせて3つの百貨店でのコラボイベントが続くのですが、これにも全国から20名の大学生がチームとして参加。
事前にZoomで勉強会も開催しました。
お客様に声をかけたり、食品ロスのわけを説明するのはいい経験になっているようです。
彼らのいきいきしている姿を見ると嬉しさが溢れます。
多くの人や企業がロスゼロの取り組みに共感してくれたおかげで、上質なチョコレートを低価格で販売することが実現しました。
さらには、ロスゼロが流通に乗せずにダイレクトにお客様に届ける形態で販売していることも、流通コストをカットできている大きな理由の一つです。
こうして生まれたRe:You。
幸いにも販売が大変好調で、発売直後すぐに増産となりました。
メディアからの注目度も高く、大変ありがたく思っています。
世の中には、
「もったいないもの」
「もったいない原材料」がたくさん溢れています。
ロスゼロはこれからも、サステナブルな食品を作り、
日本に根付かせていくために精進していきたいと思います。