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フラワーロスとは? 廃棄を防ぐ取り組みも紹介

公開日: 更新日:2023.12.22
フラワーロスとは? 廃棄を防ぐ取り組みも紹介

 

こんにちは、サステナブルライターの山下です。

今回は、フラワーロスについて、お話したいと思います。

 

「フラワーロス」とは、出荷されて販売されるまでに、何らかの理由で廃棄されてしまう花のこと。

 

花農家さんが大切に育てた花が、本来の役目を果たさないまま捨てられてしまっているというのです。

 

美しい花が無駄になっているという現実を知るだけで心が痛みますね。

 

今回は、なぜフラワーロスが起こるのか、どれくらいの量のフラワーロスが発生しているのか、わかりやすくご紹介します。

 

「フラワーロス(ロスフラワー)」とは何か?

ドライフラワー

 

そもそも「フラワーロス」とは、生産元から出荷され、店舗で販売されるまでの間に、さまざまな理由で廃棄されてしまう花のことを意味します。

 

捨てられてしまう理由にはいろいろなものがありますが、例えば、品質やサイズが規格外であったり、出荷中に傷んでしまったり、花屋さんで売れ残ってしまったりといったことが考えられます

 

このように廃棄される花のことを「フラワーロス」や「ロスフラワー」と呼びます。

 

食品と同じように、花もすぐに傷んでしまう“なまもの”

そのため、流通や販売の過程でこうしたロスが発生しているのです。

 

しかも、近年はコロナ禍によって多くのイベントが中止や縮小を余儀なくされました

 

たくさんのお花を使う結婚式でもゲストの数を減らして開催するなど、以前ほど多くのお花を飾らないようなスタイルに変化してきました。

 

また、母の日や父の日、入学式や卒業式など直接お祝いに集まることも減り、必然的にお花を送ることも減ってしまったように感じられます。

 

その結果、生産されたお花の出荷先が見つからず、仕方なく花農家さんが廃棄するという、勿体無いことが起こってしまっているのです。

 

廃棄される量は、国内生産量の約3割とも言われます。

 

農林水産省によると、2020年度のお花の国内生産量は約32.5億本とされていますので、約10億本ものお花が廃棄されているといえるでしょう。

 

切り花の需給構造グラフ

出典)農林水産省 令和4年2月「花きの現状について

 

 

フラワーロスを防ぐ取り組み

ジョーロにいれられた花

 

このようにフラワーロスが大量に発生してしまっている現状では、誰もハッピーになりません。

 

そこで、お花をもっと生活に取り入れようと、国をはじめさまざまな団体などが始めた新たな取り組みがあります。

そのうちのいくつかをご紹介します。

 

・農林水産省「花いっぱいプロジェクト」

農林水産省は2020年から、花を楽しむ機会を増やすために花いっぱいプロジェクト」を開始しました

 

WEBサイトでは、花や緑の飾り方や暮らしへの取り入れ方などを紹介しています。

 

例えば、職場で過ごす時間が長い人に向けては「Flower Biz」といって、月曜日にオフィスに花を飾り、リフレッシュした気持ちで仕事をスタートするアクションなどを推奨しています。

 

(参考:花いっぱいプロジェクト:農林水産省

 

 

・長崎国際大学

「花のキャンパスライフ!ロスフラワー活用と

街の花屋応援活動」

長崎県佐世保市の長崎国際大学 薬学部では、2021年10月から2022年2月まで薬学部のロビーにフラワーアレンジメントを飾り続けるという取り組みを行いました

 

これは、SDGs(持続可能な開発目標)とコロナ禍で落ち込んだ花の需要をなんとかしたいという思いで始めたものだといいます。

 

ロビーに飾るお花は街の花屋さんから調達したとのことですので、地元の経済にも大きく貢献したのではないでしょうか。

 

(参考:長崎国際大学【薬学科】SDGs推進・花のキャンパスライフ!ロスフラワー活用と街の花屋応援活動

 

 

・自宅にお花が届く! 定期便サービスも登場

咲いている花

 

さらに、お店にお花を買いに行かなくても、自宅にお花が届く定期便のサービスも続々と登場しています。

 

中には、月々数百円から始められるようなサービスもあり、手軽にお花のある暮らしを楽しむことができるようになりました。

 

こうしたサービスの中には、生産者からお花を直送することで、新鮮なお花を長く楽しめるようにしているものもあるようです。

 

また、こうしたサービスのいいところは、

自分では選ばないようなお花が届くところにもあるのではないでしょうか。

 

お花屋さんに行っても、どのお花を買おうか迷ってしまったり、いつも同じお花ばかり買ってしまったりするという方にも

おすすめしたいサービスだと言えるでしょう。

 

自宅の近くにお花屋さんがない方や、忙しくて花を買う時間がないという方にとっても使いやすいサービスとなっています。

 

・お花にはストレスを緩和する効果がある

花を活けている人

 

実は、お花を鑑賞すると心と体のストレスが緩和されると証明した実験があります

つまり、お花の「癒し効果」が実証されたのです。

 

農業や食品に関する国内最大の研究機関である農業・食品産業技術総合研究機構によると、花を見ることで、ストレスによって上昇した圧やホルモン値が下がったと報告されています。

 

(参考:農業・食品産業技術総合研究機構 プレスリリース (研究成果) 花の観賞は心身のストレスを緩和する

 

・お花を取り入れて心豊かな暮らしを

観葉植物に水をあげている女性

 

このように、私たちの気づかないところでお花にもフラワーロスという勿体無いことが起きていることがわかりました。

 

それだけでなく、コロナ禍などによってお花の消費そのものが減り、花農家さんをはじめ、花屋さんなど多くの方が困っている現状もあります。

 

私たちにできることは、できる範囲で暮らしにお花を取り入れ、お花を楽しむことではないでしょうか

 

お花を飾ることで、家で過ごす時間もより穏やかでリフレッシュできるものになるかもしれません。

 

 

 

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この記事を書いた人

サステナブルライター 山下

電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。