最近、よく耳にするようになった
「ベジタリアン」「ヴィーガン」といった言葉。
なんとなく、肉や魚を食べない人のことを指すと思っている人も多いでしょう。
しかし、実際のところベジタリアンとヴィーガンがどのように違うのか、
詳しく知っている人は少ないかもしれません。
そこで今回は、ベジタリアンとヴィーガンの違いについて
わかりやすく説明します。
ベジタリアンとは
そもそもベジタリアンとは、日本語では「菜食主義者」といい、
肉や魚は食べず、主に野菜を中心とした食生活を送る人々のことを指します。
肉食は、栄養学的観点からはタンパク質や鉄分などの重要な栄養源であり、
ベジタリアンの方々の栄養を心配する人もいますが、
現在では代替食品などもあり、必ずしも肉食が必要とは言い切れません。
ベジタリアンになる背景は人によってさまざまです。
健康上の理由や美容のため、
環境への配慮などから野菜中心の食事を取る人もいます。
ベジタリアンといえば、海外のセレブを思い浮かべる人もいるでしょう。
ですが近年は、国内でも野菜を中心とした食生活に
シフトする人も増えてきました。
そのため、レストランやスーパーマーケットなどでも、
大豆を肉のように加工した代替肉(プラント・ベースド・ミート)や、
オーツミルクやアーモンドミルクといった
植物性代替ミルクの取り扱いも増えてきているようです。
ベジタリアンには大きく4種類
ベジタリアンという言葉はよく知られていますが、
実は、ベジタリアンにもいくつかの種類があることをご存知ですか?
ここでは4種類を紹介します。
・ペスコ・ベジタリアン(ペスカタリアン)
ペスコ・ベジタリアン(ペスカタリアン)とは、
植物性食品と魚・卵・乳製品を食べる人のことを指します。
肉は口にしませんが、タンパク源として
魚・卵・乳製品などは口にすることがあります。
「ペスコ」とは、イタリア語で魚を意味する
「ペスカ」に由来しているとのことです。
・ラクト・オボ・ベジタリアン
肉や魚は口にしませんが、
卵や乳製品、植物性食品を食べる人のことです。
日本語では「乳卵菜食」ということもあります。
・ラクト・ベジタリアン
植物性食品と乳製品を食べる人のことです。
日本語では「乳菜食」といいます。
・ヴィーガン
肉や魚だけでなく、卵や乳製品も口にしない
完全菜食主義者のことを指します。
タンパク源としては大豆やナッツ類、
キヌアなどのスーパーフードを食べることが多いようです。
最近増えている「フレキシタリアン」
近年は、基本的には植物性食品を食べるものの、
ときには肉や魚、卵、乳製品を口にする「フレキシタリアン」が増えています。
フレキシタリアンの語源は、
柔軟なという意味の形容詞「フレキシブル」とベジタリアンの造語です。
「セミ・ベジタリアン」などと呼ぶこともあります。
肉や魚を食べる頻度は人によって異なり、厳格なルールはありません。
「ベジタリアンやヴィーガンに興味はあるものの、
いきなり食生活を切り替えるのには抵抗がある」という人にも
フレキシタリアンには挑戦しやすいのではないでしょうか。
週1日だけの「ミートフリーデー」
より取り組みやすいのものとして、
週1日だけ肉や魚を食べない日にする「ミートフリーデー」があります。
例えば、月曜日には肉や魚を食べない「ミートフリーマンデー」にすると、
週末の暴飲暴食をリセットでき、胃腸を休めることができるでしょう。
また、週末の金曜日を「ミートフリーフライデー」にして、
ヘルシーに過ごすことで1週間の疲れを癒すことができるかもしれません。
このように近年、ベジタリアンやヴィーガンに関連する言葉や考え方が
新しく増えつつあります。
ベジタリアンやヴィーガンが注目される背景
では、なぜベジタリアンやヴィーガンといった
言葉が注目されているのでしょうか?
また、食生活を野菜中心にシフトすることには、
どのような意味があるのでしょうか。
こうした背景には、健康上や美容などの理由もありますが、
食肉の生産が地球環境に大きな影響を与えているという現状があります。
例えば、牛を育てる場合には、まず、広大な土地が必要です。
それに加えて、エサや飲み水も欠かせません。
1キログラムの牛肉を得るのに必要なエサは、
約20キログラムだとされています。
牛肉のエサとして、海外では大豆が利用されることが多く、
大豆を育てるために森林を切り開いたり、焼畑を行ったりする地域もあります。
このように、牛肉を得るためには多くの資源が使われています。
こうした背景から、
肉を口にしないことで環境への負荷を減らそうと考える人が増えているのです。
大豆を原料とした代替肉や、タンパク源として昆虫を食べる昆虫食に
関心が集まっている原因の一つには、このような理由もあります。
代替肉については、こちらの記事で詳しく説明しています。
(参考:ロスゼロ 『あの“謎肉”も大豆?! 「代替肉」とは何かを知ろう』)
また、昆虫食に興味があるという人は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
(参考:ロスゼロ『「昆虫食」が環境にやさしいって本当? 虫を食すメリット・デメリットとは』)
多様化する「食」の考え方
ベジタリアンやヴィーガンに象徴されるように、
「食」に対する考え方が多様化しているといえます。
「食」は単純に衣食住の一つであるだけでなく、
自分の考え方を表現する一つの方法として
捉える人も増えてきたのではないでしょうか。
なぜベジタリアンやヴィーガンといった選択をする人がいるのかという
背景にまで思いを馳せ、いろいろな考え方を尊重する気持ちを持ちたいですね。
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