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コンビニやその他小売店の食品ロスへの取り組み

公開日: 更新日:2023.09.04
コンビニやその他小売店の食品ロスへの取り組み

我々の生活には欠かせない食品。

しかし、その一方で大量の食品が日々廃棄され、社会問題となっています。

食品業界でも、特にコンビニエンスストアなどでは、社会的責任として食品ロス削減に力を入れています。

この記事では、現在の食品廃棄問題、海外での対策、そして企業の取り組みについて見ていきましょう。

 

事業系廃棄食品の現状:無駄にされている食品

日本の食品ロス量

食品ロスの現状:日本の廃棄食品トン数

令和3年度の食品ロス量は523万トン(前年度比+1万トン)、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は279万トンで、コンビニエンスストアも大きな割合を占めています。これらの数字を見ると、食品の供給過剰や消費の歪みが社会問題として深刻さを増していることが伺えます。

もったいない:大量の食材が捨てられる理由

食品が大量に廃棄される理由は主に二つあります。一つ目は消費者の選好です。商品の鮮度や見た目、消費期限が近い商品は選ばれにくくなるため、これらは最終的に廃棄されます。二つ目は、生鮮食品の消費期限管理の厳格さ。これらを過ぎた商品は法律上、販売できないため廃棄せざるを得ないのです。

法律的な観点から見る廃棄食品問題

野菜

日本の法律:消費期限以降の食品販売と罰則

食品衛生法では、消費期限が過ぎた食品の販売は禁止されています。このため、消費期限が迫った商品は急速に値引きが進み、それでも売れ残ったものは法律により廃棄せざるを得ません。これに違反した場合、最高で2年以下の懲役や300万円以下の罰金が科せられるとされています。

規格外食品の取扱い:法律の制約と問題点

規格外の食品、つまりパッケージに傷がついていたり、形が不揃いなどの理由で正規の価格で販売できない食品も、消費者の見た目に関する嗜好や食品の安全性への配慮から、一般の販売ルートではなかなか消費されません。これらも法的には廃棄対象となり、無駄になってしまう食品の一部を占めています。

海外での食品廃棄問題と対策

食品を捨てている

世界の食品ロス:問題の規模と課題

食品廃棄は世界的な問題であり、FAOによると、食品生産全体のうち約1/3がロスとして捨てられています。特に先進国では消費段階でのロスが多く、例えばアメリカでは年間約4000万トンの食品が廃棄され、これは日本の約6倍に相当します。一方で、発展途上国では農作物の生産や保存、輸送段階でのロスが大きな問題となっています。

海外の成功事例:食品ロス削減の取り組み

海外ではさまざまな取り組みが行われています。例えば、フランスでは2016年より、大規模スーパーに未販売の食品を廃棄させず、食品銀行などに寄付する法律が施行されました。また、オーストラリアでは"OzHarvest"という組織が飲食店から余った食材を回収し、需要のある場所へ届ける活動を行っています。

SDGsと食品廃棄:国際社会の目指す方向性

食品ロス削減は、持続可能な開発目標(SDGs)の一つでもあります。具体的にはターゲット12.3に「2030年までに小売及び消費者レベルの世界の食料廃棄量を半分に減らす」と明記されています。この目標達成に向けた動きとして、FAOなどの国際組織や各国政府、企業、市民団体などが、各自の立場から食品ロス削減の取り組みを行っています。

コンビニの食品ロス削減の取り組み:企業の社会的責任

コンビニ

企業が負うべき責任:社会貢献と食品ロス削減

食品ロスは社会的、環境的課題となっています。そのため、企業も社会的責任を果たすべく食品ロス削減に取り組む必要があります。コンビニエンスストアは食品供給の一翼を担う企業として、その影響力を活かし、食品ロスの削減による社会貢献が求められています。

価格設定と食品廃棄:割引販売の活用

コンビニエンスストアは、消費期限が迫った商品を割引価格で提供することで、食品ロスの削減に貢献しています。価格設定や割引販売は、消費者の購買意欲を刺激し、無駄な廃棄を防ぐ有効な手段です。さらに消費者が低価格で購入する機会も増え、経済的負担の軽減にもつながります。

コンビニ各社の取り組みの結果

日本のコンビニエンスストア各社は、社会的責任として食品ロス削減に向けた取り組みを行っています。その結果、一部の企業では食品廃棄量を年間10%以上削減する成果を出しています。また、一部では食品廃棄問題を解決するための新たな取り組み、例えば食品ロスを減らすための特別な商品開発や、消費者への啓発活動も行われています。

廃棄食品を活用する方法:フードバンクとコミュニティキッチン

食品を集めている

食品廃棄物の再利用:フードバンクとの連携

フードバンクとは、廃棄予定の食品を収集し、それを必要とする人々に配布する組織です。日本でも、多くのコンビニがフードバンクと連携し、廃棄される前の食品を提供しています。しかし、まだまだフードバンクの知名度は低く、全ての廃棄食品が活用されているわけではありません。そのため、各店舗や個人が食品バンクへの寄付を考えることで、さらなる食品ロス削減が期待されます。

無料で提供:コミュニティキッチンの活動

コミュニティキッチンは、地域社会が食事を共有する場所として、食品ロス削減に一役買っています。これらのキッチンでは、廃棄予定の食材を提供し、調理することで一部の食品ロスを防いでいます。例えば、賞味期限が迫った食材を使用して、地域の人々が一緒に料理を作り、食事を共有することが行われています。

アプリを利用した直接寄贈:ユーザー間での食料共有

近年では、食品ロス削減を目指したスマートフォンのアプリも登場しています。これらのアプリでは、ユーザーが自宅の余った食材や調理済みの食事を投稿し、必要な人がそれを引き取ることができます。これにより、個々の消費者が食品ロス削減に直接貢献することが可能になります。また、食材の引き取りは、コンビニやスーパーの食品廃棄問題だけでなく、家庭内の食品ロス削減にも繋がります。

コンビニとフードシェアリング:次世代の可能性

アプリで買い物をしている

フードシェアリングアプリと連携:個人向け食材の提供

フードシェアリングアプリの登場により、コンビニエンスストアが廃棄対象の食品を個人に提供する新たな道が開かれました。例えば、消費期限が迫った商品を値引き価格でアプリユーザーに販売するなど、一般の消費者が廃棄食品を利用できる環境が整備されつつあります。これにより、食品ロス削減に大きく寄与しています。

価格削減と社会貢献:店舗と消費者の新たな関係

値引き価格での販売は、消費者にとっても大きなメリットがあります。コンビニの高品質な商品を低価格で購入できるだけでなく、食品ロス削減に貢献するという社会的な意義も持ちます。これはコンビニエンスストアと消費者との新たな関係を築き、社会的な課題解決につながる一助となります。

次世代の食品消費:フードシェアリングの可能性と課題

フードシェアリングは食品ロス削減だけでなく、地域コミュニティの結束や食文化の共有といった多大な可能性を秘めています。しかし一方で、食品安全や個人情報保護など、解決すべき課題も存在します。これらの課題を克服することで、フードシェアリングは次世代の食品消費文化を大いに刷新する可能性を持っています。

 

主な参考資料

農林水産省:日本の食品ロスの現状(令和3年度)

FAO:要約版 世界の食料安全保障と栄養の現状 2022年報告

 

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この記事を書いた人

村上

サステナブルライターとして、SDGsや生活の知恵を発信しています。育児をしながら、子どもと一緒に地球に優しい生活を目指し中。趣味は料理と美術館巡り。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。