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脱物質主義とは?モノを持たない暮らしのメリット

公開日: 更新日:2024.01.09
脱物質主義とは?モノを持たない暮らしのメリット

物質主義とは、物質的な所有物や消費が幸せの源と考える思想です。

これは21世紀の都市生活者の多くが経験している状況で、新しいものを手に入れることで一時的な満足感を得ます。しかし、物質主義はしばしば精神的な満足や社会的な価値と対立するとされ、生活のバランスに影響を与えることや大量生産・大量消費社会を生み出す原因として問題視されるようになってきました。

私たちの心・体・地球全体にどう及ぼすのか?物を最小限におさえるミニマリストとは?を見ていきましょう。

脱物質主義とは?第一歩としてのミニマリスト生活

シンプルな部屋

物質主義を超えたミニマリストへの道程

 

ミニマリストとしての生活を実践することで、物質的な所有から自由になり、本当の価値を見つけることができます。

ミニマリストは所有物を最小限にし、それにより人生の目的や価値をより明確に見ることができます。

このプロセスは単に物を減らすだけでなく、自分自身と何が重要であるかについて深く考える機会を提供します。

ミニマリスト生活のメリット

物質主義の社会では、新しいものを買い、それを管理し、そして最終的にはそれを捨てるというサイクルに多くの時間と労力が割かれます。

しかし、2018年の研究によれば、ミニマリストの人々はそのような消費のサイクルから解放され、平均で週に5時間以上もの時間を節約しています。

この時間は、自己啓発、家族との関係、または趣味など、他の重要な側面に充てられます。

ミニマリストと社会

ミニマリストの生活は新たな価値観を社会に提唱します。

物質的な所有物よりも経験や人間関係を重視することで、我々はより充実した人生を生きることができます。

ハーバード大学の75年にわたる幸福に関する長期研究では、最も幸せな人々は最も裕福な人々ではなく、最も良好な人間関係を持っている人々であることが明らかにされました。

ミニマリストの生活はこの理論を具現化し、所有よりも関係性を優先することで、より幸せで意味のある生活を促進します。

 

脱物質主義とメンタルヘルスへの影響

開放感を味わっている人

物質主義とストレス

物質主義は、ストレスと深い関わりがあることが研究から明らかになっています。

2017年の心理学的研究によると、物質的なものへの執着が強い人ほどストレスレベルが高く、全般的な生活満足度が低いことが示されました。

物を追い求める行為は一時的な喜びをもたらしますが、その後の満足感の消失が新たなストレスを引き起こし、結果的にメンタルヘルスを脅かす悪循環を生むのです。

脱物質主義と心の健康

ある研究によれば、物質的な所有にこだわらない生活スタイルを採用した人々は、メンタルヘルスが改善し、全体的な幸福感が向上したと報告されています。

脱物質主義は、物質への依存から自由になり、より深い人間関係や内面的な価値への関心を育むことを奨励します。

物質主義を超えた幸せの追求

社会全体が物質主義から脱却すると、それはメンタルヘルスの向上をもたらす可能性があります。

具体的には、物質的なものへの依存から解放されることで、人々は自己成長や他者との深い関係性など、物質的な所有では得られない幸せを追求するようになります。

これが、社会全体のメンタルヘルス向上と持続可能な幸せを生む一歩となるでしょう。

 

脱物質主義と環境

美しい自然

物質主義と環境負荷

物質主義の生活スタイルが地球環境に及ぼす影響は甚大です。

生産から廃棄までのライフサイクルにおいて、物質的な商品は大量のエネルギーや資源を消費し、環境負荷を増大させます。

たとえば、ウェブエコロジーカウンシルの2019年報告によると、電子製品の生産と廃棄が年間5000万トンの電子廃棄物を生み出し、これは世界の家庭ゴミ量の一割に相当します。

脱物質主義がもたらす持続可能性

一方、脱物質主義は持続可能な社会の実現につながる可能性があります。

所有を最小限に抑えることで、自然資源の消費を削減し、環境負荷を低減することが可能です。

また、持続可能な消費パターンを採用することで、物質的な需要の抑制につながり、結果的に排出される廃棄物量を減少させることができます。

物質主義からの脱却と環境問題

私たちが持続可能な社会に向けて進むためには、物質主義からの脱却が不可欠です。

持続可能な開発目標(SDGs)の目標12には、「持続可能な消費および生産形態を確保する」という目標が掲げられており、それは物質主義から脱却し、物への依存を減らし、持続可能な生活スタイルを選択することを必要としています。

 

脱物質主義の事例

仲間

物質主義を見直す著名人

多くの海外の著名人が物質主義の生活スタイルを見直し、ミニマルな生活を実践しています。

アメリカのビジネスマンであるティム・フェリスは彼の著書「4時間ワークウィーク」で、物質的な所有を最小限に抑えることで得られる時間的・精神的な自由を語っています。

この考え方は、彼の人生を豊かにすると同時に、多くの人々に新たな価値観を提供しています。

物質主義を越えたライフスタイル

また、スウェーデン出身のアーティストであるペトラは、物質主義を超越したライフスタイルを通じて社会へ影響を与えています。

彼女は自身のアートワークにおいて、物質的な所有よりも経験や人間関係の価値を強調しています。

彼女の生活スタイルと作品は、物質的な成功を追求する社会の価値観に疑問を投げかけ、多くの人々に新たな視点を提供しています。

社会に影響を与える脱物質主義の先駆者たち

著名人たちが物質主義を見直すことで、その生活スタイルや価値観が社会全体に広がる可能性があります。

ビジネスウーマンであり作家でもある近藤麻理恵は、持ち物を最小限にすることで心地よい空間を作り出す「こんまりメソッド」を提唱しています。

彼女の考え方は全世界に広まり、物質主義を見直すきっかけを提供し、脱物質主義の普及に大きく貢献しています。

 

モノを持たない生活の始め方

いるものといらないものを分ける

モノを持たない生活へのステップ

物質主義からの脱却は、物事を新たな視点で見つめ直すことから始まります。

モノを持たない生活を始める最初のステップは、持ち物の整理と断捨離です。

日本人の平均的な持ち物の数は、約3万個と言われています。

その中には本当に必要な物だけでなく、使っていない物や不要な物が多く含まれています。

これらを減らすことで、身の回りがスッキリし、心地良い空間を手に入れることができます。

社会との新たな関係性

脱物質主義の生活を始めることで、社会との新たな関係性を築くことも可能です。

物質主義的な価値観が強い社会において、物を持たない生活は新たな視点をもたらします。

消費社会の中で、物に囚われることなく自分らしく生きることができれば、人々の価値観や生活スタイルに新たな選択肢を提示することができます。

社会から孤立せずに物質主義を見直す方法

物質主義からの脱却は、社会から孤立することなく進めることができます。

物を持たない生活は、他人とのコミュニケーションや社会参加を制限するものではありません。

むしろ、物質的な所有に囚われることなく、自分自身や他人との関係性、社会との繋がりを深く考える機会を与えてくれます。

物質主義を見直し、本当に大切なものを見つめ直すことで、より豊かな人間関係を築くことが可能となります。

 

脱物質主義と節約

貯金している

財政的ストレスとの闘い

物質主義的な生活は、経済的な負担となることが多いです。

最新のテクノロジー製品、ファッションアイテム、車など、常に最新のものを求めることで、経済的なストレスが増大します。

実際、日本では5人に1人が「生活費が足りない」と感じているという調査結果が出ています。

これは物質主義が引き起こす財政的なストレスの一例です。

脱物質主義がもたらす経済的自由

脱物質主義は、節約を実現し、経済的な自由を手に入れる一つの方法と言えます。

物を持たない生活は、不必要な消費を減らすだけでなく、節約する機会を増やします。

これにより、借金を返済したり、貯蓄を増やしたり、自己投資をする余裕が生まれます。脱物質主義は、経済的な自由への一歩となるでしょう。

物質主義から脱却することの財政的な利点

物質主義から脱却することは、多くの財政的な利点があります。

アメリカの統計によれば、平均的な家庭が不要な消費を止めるだけで年間約$1,800(約20万円)節約できると言われています。

物質主義から脱却することは、確かに経済的な利益をもたらします。

 

デジタルノマドと脱物質主義

海辺でパソコンで仕事をする人

デジタルノマドの新しい働き方

デジタルノマドとは、場所にとらわれずに仕事をする人々のことを指します。

彼らは物質的な拘束から自由であり、これは物質主義と労働観が結びつくポイントです。

実際、2021年の調査によれば、デジタルノマドの人口は全世界で約700万人にのぼるとされています。

デジタルノマドにおける脱物質主義の実践

デジタルノマドの生活スタイルは、物質主義からの脱却と深く関わっています。

物質主義から解放されることで、自分自身の時間や場所を選んで働く自由が生まれます。

これにより、人々は仕事とプライベートのバランスを保ちながら、より満足度の高い生活を送ることができます。

デジタルノマドの成功

物質主義からの解放は、デジタルノマドにとっての成功の秘訣の一つと言えます。

所有物にとらわれず、自由な生活を送ることで、彼らは生活のクオリティを高めることができます。

物質的な価値観にとらわれずに生きることで、彼らは自分らしい生活を実現し、それが成功へとつながっています。

 

脱物質主義の誤解と真実

にっこりマークを手に持っている

脱物質主義の誤解と真実

物質主義は物質的な所有物が幸せに直結するという考え方で、これに反する脱物質主義は、物質を必要最小限にし、その他の価値観により重きを置く思考です。

しかし、脱物質主義は全ての物質を否定するわけではありません。

必要なものを選び、それ以外は手放すことで、心の豊かさや自由を追求します。

社会における脱物質主義の誤解とその克服

社会の中で脱物質主義が誤解される原因の一つは、これを貧困や不便さと結びつける誤った認識です。

しかし、本来の脱物質主義は、必要なものを厳選し、その他を手放すことで、物質的なものだけでなく精神的な満足感も追求するものです。

社会全体がこの真実を理解することで、脱物質主義の価値を共有することが可能になります。

脱物質主義の真実

物質主義が主流の現代社会において、脱物質主義を実践することは確かに挑戦となるでしょう。

しかし、物質的なものに囚われない生活を実践することで得られるメリットは大きいです。

それは、自分自身が何を大切にし、何が本当に必要なのかを再認識する機会を与えてくれます。

この挑戦を通じて、物質主義に依存しない、自分らしい生活スタイルを築き上げることが可能となります。

 

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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。