フードドライブとは、食品の寄付を促す一時的なキャンペーンやイベントのことです。スーパーマーケットの余剰品や家庭で余った食品などを寄付し、それを必要とする人々に届ける仕組みです。
一方で、フードバンクは食品の寄付、保管、そして配布を常に行う専門の団体や施設です。
フードドライブによって、短期間で集まった食品をフードバンクが管理し、最終的には需要のある場所に届けます。
誰でも参加できるフードドライブ。しかし、参加してみたいが、どこで開催されているのかわからない方も多いのでは?
今回は大阪のフードドライブの活動や参加方法について紹介します。
フードドライブの意義と食品ロスの現状
フードドライブとは?
フードドライブとは、余剰になった食品を集めて食事に困っている人々に寄付する活動のことを指します。
具体的には、フードドライブの主催者や参加者が、家庭や企業、店舗などから未使用の食品を集め、それを必要とする人々や団体に配布します。
フードドライブは、社会の「食品ロス」問題と「食事へのアクセス」問題を同時に解決する方法として世界中で行われています。
食品ロス問題とは、製造や流通、消費の過程で無駄に捨てられる食品のことを指します。
一方、食事へのアクセス問題は、貧困や災害などにより適切な食事を得られない人々がいる状況を指します。
フードドライブでは、食品の寄付は特定の場所に集められ、その後、フードバンクと呼ばれる非営利団体によって、必要としている家庭や個人、または福祉施設などに配布されます。
寄付される食品は、賞味期限が間近のものや過剰在庫となったものなど、消費者まで届かない可能性のあるものが主です。
フードドライブが環境へ与えるポジティブな影響
食品の生産から廃棄までに大量のエネルギーとリソースが使われます。
食品ロスを削減することは、これらのリソースの無駄遣いを防ぐだけでなく、CO2排出量の削減にも繋がります。
フードドライブを通じて食品を再利用することで、年間で約300万トンのCO2排出量が削減されると推定されています。
大阪市の食品ロス状況とフードドライブの役割
大阪市も食品ロスの削減に取り組んでいますが、未だに多くの食品が廃棄されています。
しかし、フードドライブの存在がこの問題を少しでも軽減し、食品の適切な再利用を実現しています。
大阪市内のフードドライブでは年間約1,000トンの食品が新たな利用者へと届けられています。
大阪市で参加できるフードドライブ活動
大阪エリアのフードドライブ実施スケジュール
大阪市内では数多くの団体がフードドライブを行っています。
下記の大阪市のHPからフードドライブを実施している施設を確認することができます。
大阪市 フードドライブを実施している施設等(現在24区、75施設で実施)
おおさかパルコープのフードドライブの取り組み
(※パルコープHPより抜粋)
「おおさかパルコープ」は、ご家庭で余っている食品を持ち寄り、パルコープ子ども食堂フードバンク、またはフードバンク関西を通じて、それを必要としている地域の子ども食堂や福祉団体、施設に寄付します。
パルコープのHPでは、大阪府内のパルコープのフードドライブ情報を確認することができます。
大阪府内の各地に点在しているので、お近くの施設を探してみてください。
また、郵送でも食品の寄附を受け付けているそうなので、遠方にお住まいの方でもフードドライブに参加することができます。
ファミリーマートが行うフードドライブの事例
(※ファミリーマートHPより抜粋)
ファミリーマートでは全国のフードドライブ実施店舗で食品寄附を受け付けており、2021年4月~2023年2月に集まった食品は92.2トンにものぼるそうです。
大阪府内でも81店舗がフードドライブを実施しているので、是非ご確認ください。
大阪の企業や店舗が行うフードドライブ
大阪市内の企業や店舗もフードドライブの重要性を認識し、積極的に活動に参加しています。
「無印良品 グランフロント大阪」には、フードドライブ回収場所があります。
(※無印良品HPより抜粋 現在9月のリニューアルオープンに伴い、一時閉店中)
また、関西を中心に展開するスーパーマーケット「KOHYO」でもフードドライブを実施しています。
(※KOHYOのHPより抜粋)
おおさか食品ロス削減パートナーシップ制度
食品ロス削減に積極的に取り組むとともに、消費者に対して効果的な啓発を実施する事業者をパートナーシップ事業者として決定し、連携した取組みを実施しております。
適切な食品寄付のポイント - 寄付できる食品とできない食品
寄付可能な食品と注意事項 - 賞味期限や保存状態
フードドライブへの寄付には、食品の種類と状態が重要です。
新鮮な食材や調理済みの食品は保管や運搬が難しいため、基本的に寄付できません。
また、アルコール製品や開封済みの食品、保存が適切でなかった食品は、フードドライブへの寄付を避けるべきです。
冷蔵や冷凍が必要な食品も通常、寄付対象外となります。
これらは衛生的な問題や法的な制約があるため、フードバンクでは受け入れが難しいです。
寄付に適した食品:缶詰、乾麺、レトルト食品など
寄付が望ましいのは、高額な食品や特殊な食材よりも、広く一般的な食事に使える基本的な食品です。開封していないパッケージ食品で、賞味期限が数ヶ月以上残っているものです。
具体的には、缶詰、乾麺、レトルト食品などが該当します。
これらは温度変化に強く、衛生的に保存できます。
また、炊飯器やレンジがなくても食べられる食品は、食事の選択肢が限られる事情を抱える人々にとって特に貴重です。
フードドライブに参加してみよう!
フードドライブは、社会の「食品ロス」問題と「食事へのアクセス」問題を同時に解決する方法です。
大阪市でも多くのフードドライブ活動が行われており、それぞれが地域に密着した形で食品の無駄を減らし、必要とする人々に食品を届けています。
次にあなたが食品を捨てる前に、フードドライブに参加することを考えてみてはいかがでしょうか。
あなたの行動が、食品ロスの削減と飢餓の解消に大きく寄与します。
過去に開催された活動
阿倍野区役所でフードドライブが実施されるそうです。
・阿倍野区役所で食品ロス削減の取組「フードドライブ」を行います。
開催日時:令和5年8月27日(日曜日)午前10時から午前11時30分まで
開催場所:阿倍野区役所(阿倍野区文の里1-1-40)1階 ロビー
(大阪市のHPより抜粋)
合わせて読みたい
- 食品ロス削減はSDGsの何番のゴールに貢献するの?
- 食品ロス削減とSDGsの具体的な関連性を考えるとき、まず最初に思い浮かぶのはゴール2「飢餓をゼロに」です。