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ゼロエミッションとは?実現可能なの?

公開日: 更新日:2024.01.05
ゼロエミッションとは?実現可能なの?

ゼロエミッションという言葉が日常に浸透しつつありますが、実際には何を意味するのでしょうか?実現可能なのでしょうか?

未来の持続可能な社会を築くための重要なステップとして、ゼロエミッションについての理解を深め、その背後にある戦略と取り組みを探ります。


ゼロエミッションの意味

ゼロエミッション

ゼロエミッションとネットゼロ

ゼロエミッションとは、特定の排出物、特に温室効果ガスなどの排出をゼロにする目標です。一方、ネットゼロとは、排出した温室効果ガスを吸収する活動を通じて、排出量と吸収量が釣り合う状態を指します。
つまり、ゼロエミッションは完全に排出を止めること、ネットゼロは排出と吸収のバランスを取ることを目指します。
これらの目標は、気候変動対策の中心的な概念となっており、環境への配慮を進める上で重要な役割を果たしています。

ネットゼロと脱炭素の関係

ネットゼロとは、排出される温室効果ガスと吸収・削減される温室効果ガスの量がゼロになる状態を指します。脱炭素とは、石炭や石油などの化石燃料の使用を減らし、温室効果ガスの排出を極力なくすことです。
両者は密接に関連しており、2030年までに欧州連合が55%の削減目標を掲げるなど、具体的な数字として国際的にも取り組みが進められています。ネットゼロの実現は、脱炭素社会の形成が不可欠であり、再生可能エネルギーの活用やエネルギーの効率化などが求められます。

温室効果ガスの排出削減

温室効果ガスの排出削減は、地球温暖化対策の核心です。
主な温室効果ガスである二酸化炭素の2019年の排出量は、世界全体で約330億トンでした。この排出の大半が化石燃料の燃焼によるものです。排出削減の努力として、太陽光発電や風力発電の導入、エコカーへの移行、エネルギーの効率化などが進められています。
国際的な合意であるパリ協定に基づき、各国が自国の目標を設定し、実施しています。

持続可能性と環境問題への対応

ゼロエミッションの取り組みは、持続可能な社会の構築に向けた重要な一歩です。
現代社会のエネルギー消費は、化石燃料に大きく依存しており、その結果としての環境問題が増大しています。持続可能性の視点からは、環境への負荷を最小限に抑え、未来の世代への影響を考慮する必要があります。
SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」などに位置付けられ、2030年までの国際的な共通目標としても位置づけられているこの課題への取り組みは、私たちの未来に向けた重要なステップとなります。

ゼロエミッション社会への取り組み

co2削減

エネルギーの革新: 再生可能エネルギーの推進

再生可能エネルギーの推進は、ゼロエミッション社会実現の鍵です。太陽光、風力、地熱などのエネルギーは、化石燃料に比べて温室効果ガスの排出が少ないため、環境への負荷を減らします。
2020年時点での再生可能エネルギーの全体の電力供給比率は約29%。政府の補助金、税制の優遇、技術開発の推進が各国で進行中で、持続可能なエネルギー供給が現実的になっています。

消費の最適化: エネルギー効率と省エネ戦略

エネルギー効率の向上と省エネ戦略は、ゼロエミッションに必要な取り組みです。建物の断熱性能の強化、エネルギー消費効率の高い家電製品の普及、工業プロセスの効率化などが進められています。
欧州連合では、2030年までにエネルギー消費を32.5%削減する目標が設定されており、エネルギーコストの削減と温暖化への対策として重要です。

国際的連携: パリ協定とグリーンニューディール

各国は地球温暖化の進行を抑制するため、国際的に協力し、ゼロエミッションを目指しています。
パリ協定は地球の気温上昇を2度以内に抑える目標を掲げ、各国が自主的に温室効果ガス削減目標を設定しています。また、グリーンニューディールは、欧州連合が推進する大規模な投資計画で、環境保護と経済成長の調和を図り、世界中での注目が集まっています。

ゼロエミッションの経済的影響

いろんなエネルギー

企業のカーボンニュートラル戦略

企業におけるカーボンニュートラルへの取り組みは、今日の経済状況で一層重要となっています。多くの企業が、自社の製品やサービスのライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を削減する方針を定めています。
例えば、アップル社は2030年までに全供給チェーンでのネットゼロを達成すると発表しており、これに向けた具体的な行動計画を公開しています。企業のカーボンニュートラル戦略は、持続可能な経済成長と企業の社会的責任を高めるための鍵であり、今後のビジネス戦略において欠かせない要素となっています。

エネルギーの効率化と減量

エネルギーの効率化は、ゼロエミッションの目標に向けた重要なステップです。エネルギー消費を抑制することで、温室効果ガスの排出を減らし、経済的な節約も達成できます。
日本政府は、エネルギーの効率化を促進するため、2030年までにエネルギー効率を35%向上させる目標を設定しています。これにより、CO2排出量の26%削減が期待されています。
エネルギーの効率化と減量は、経済全体の持続可能性とコスト削減を同時に促進し、ゼロエミッション社会の実現への道を開くものです。

環境負荷と経済成長のバランス

ゼロエミッションの取り組みと経済成長とのバランスは、今後の社会にとって重要な課題です。過去には、経済成長と環境負荷の増加が相関していた時代もありましたが、最近ではこのパラダイムが変化しています。
多くの先進国では、経済成長を維持しつつ、CO2排出量を減少させる取り組みが進められています。例として、ドイツは2000年から2019年の間にGDPを増加させつつ、CO2排出量を22%削減しました。
このような動きは、環境と経済が相反するものでなく、相互に強化しうるものであるという新しい理解へと導いています。

ゼロエミッションの技術動向

太陽光発電

クリーンエネルギーの研究

クリーンエネルギーは、ゼロエミッションを実現するための最前線での研究テーマです。
近年、水素エネルギーの研究が特に注目されており、水素の製造、貯蔵、輸送の技術が進化しています。2020年には、世界中で水素エネルギーへの投資が約150億ドルに達しています。これらの研究は、水素を化石燃料に依存せず、効率的に生成する手法の開発に焦点を当てています。
クリーンエネルギーの技術が進展することで、将来的には持続可能なエネルギー供給の確保と、温暖化ガス排出の大幅な削減が見込まれます。

電気自動車とエコカーの開発

交通部門は温室効果ガスの大きな排出源であり、そこでのエミッション削減が急務です。
電気自動車(EV)やハイブリッド車の開発は、これに対する重要な解決策となっています。2022年時点で、EVの世界販売台数は約550万台に上り、年々増加しています。最新のバッテリー技術、充電インフラの整備、エコカーに対する補助金などが進展する中で、近い将来、内燃機関車のシェアを上回るとの予測もあるほどです。
これらの技術革新が進展することで、交通の脱炭素化が加速します。

地熱発電と太陽光発電の進化

地熱発電と太陽光発電は、ゼロエミッションのエネルギー源として、急速に成長しています。
地熱発電では、新しい掘削技術や効率的なタービン技術の開発が進められています。2020年の報告によれば、地熱発電の世界総容量は約15GWに達しています。一方、太陽光発電のコスト低減も目覚ましく、多くの国で普及が進んでいます。2021年時点で、太陽光発電の世界累計設備容量は700GWを超えています。
これらの再生可能エネルギー源の進化は、エネルギー供給の多様化と、化石燃料からの脱却を可能にする重要なステップです。

持続可能な未来への道: ゼロエミッション戦略

電動自動車

企業におけるゼロエミッション戦略

企業におけるゼロエミッション戦略は、環境責任を果たすための重要な取り組みで、三つの主要な側面があります。
第一に、排出量の計測と削減は、企業が温室効果ガスを把握し、削減目標を設定する基盤となります。透明性と信頼性の強化もこの段階で重要です。
第二に、サステナブルなリサイクル政策は、製品のライフサイクル全体での環境影響を最小限に抑え、自然資源の効率的な利用を促進します。
最後に、バイオマス発電の活用は、化石燃料の使用を減らし、クリーンエネルギーの供給を安定化させる手段となります。
これらの戦略は、企業が持続可能な未来に向けて進化するための鍵です。

地域社会での取り組み例

地域社会での持続可能な取り組みは、環境保護と社会の発展を同時に促進します。
土壌は、食糧の供給源であると同時に、炭素の貯蔵庫としての役割も果たしています。土壌保全とコンポスト活用は、土壌の肥沃性を高めるだけでなく、食品廃棄物をリサイクルすることにより、化石燃料の消費量が減少し、CO2排出も削減されるなど、地域社会全体の持続可能性に貢献しています。
風力発電は、エネルギー自給自足とエミッション削減の道を開きます。さらに、植林と森林保全の取り組みは、地域の気候変動対策として、また、土壌侵食防止や水源の保護など多岐にわたる効果をもたらしています。
これらの取り組みは、地域全体のエコロジーとエコノミーのバランスを強化する重要なステップです。

個人ができるゼロエミッション支援

個人ができるゼロエミッション支援は多岐にわたります。
電気自動車の普及促進は、国や地域の支援で進展が見られ、化石燃料の消費削減に貢献します。また、小規模水力発電と蓄電池の活用は、オーストリアなどで一般家庭でも可能で、エネルギーの自給自足を促進します。さらに、カーボンフットプリントの減少は、公共交通の利用や地元産食材の選び方など、日常生活の選択で実現可能です。
これらの取り組みは、個人一人ひとりが環境保護に参加する具体的な方法を示しています。


ゼロエミッションの実現は遠い未来の夢ではなく、現在進行形の現実です。企業、地域、個人が一丸となって取り組むことで、持続可能な未来は確実に近づいています。

私たち一人ひとりの行動が大きな変革を生み出す力となることを忘れず、日々の選択に意識を向けることが求められます。ゼロエミッションは未来への架け橋であり、その先に広がる豊かな世界への一歩となるのです。

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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。