毎年10月16日は国連が定めた「世界食料デー」です。
また、日本では10月30日を「食品ロス消滅の日」とし、10月を食品ロス問題や飢餓問題について考えてみんなで行動する一カ月「食品ロス削減月間」としています。
食品ロスの現状と課題
食品ロスの現状
食品ロスは、生産された食品が最終的に消費されずに廃棄されることを指します。この問題は、世界中で増加の一途をたどっています。
FAO(国連食糧農業機関)によると、世界の食品生産量の約1/3が廃棄されるというデータがあります。これは、約13億トンの食品が毎年ロスとして捨てられていることを意味し、地球上の人々が1年間で食べる食品の量の1/3にも相当します。
環境省の調査によると、日本での令和3年度の食品ロス量は、家庭系244万トン、事業系279万トンの合計523万トンと推計されています。家庭系食品ロス量は、前年度より3万トン減少し、事業系食品ロス量は前年度より1万トン増加しました。
飢餓問題が続く中、こんなにも多くの食べ物が無駄になっていることは、驚きですよね。
食品ロス削減への取り組み
食品ロスを削減するためには、消費者、生産者、小売業者、行政など、様々なステークホルダーの協力が必要です。
消費者は、買い過ぎや食べ残しを減らすことで、食品ロス削減に貢献できます。
生産者は、収穫量や出荷量の調整、食品のロス率の改善などにより、食品ロス削減に取り組んでいます。
小売業者は、賞味期限や消費期限を明確に表示したり、食品ロスを削減した商品を販売したりすることで、食品ロス削減に取り組んでいます。
行政は、食品ロス削減の啓発や、食品ロス削減の法律や制度の整備などにより、食品ロス削減に取り組んでいます。
各国や企業、そして私たち一人一人が、食品ロス削減の取り組みを進めることが、これからの持続可能な社会を築くための鍵となります。
どうして10月は食品ロス削減月間?
10月1日は食品ロスの削減の推進に関する法律の施行日
10月は食品ロス削減月間というのは、「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称 食品ロス削減推進法)によって定められたものです。この法律は、令和元年5月31日に公布され、同年10月1日に施行されました。
「食品ロス削減推進法」では、国や地方公共団体、事業者、消費者などが連携して食品ロスを削減する取組を推進しています。
10月16日は「世界食料デー」
世界食料デーは、10月16日に国連が定めた記念日です。1945年に創設された国連食糧農業機関(FAO)の設立を記念して、1979年に制定されました。飢餓や栄養不足に苦しむ人々の状況を知らせ、食糧問題への理解と協力を求める日として設定されています。世界食料デーは、世界の食料問題や飢餓問題への意識を高め、食料の大切さや食料の安定的な供給の重要性を訴えることを目的として、世界各国で様々なイベントやキャンペーンが実施されます。
食品ロス削減月間の目的
10月は「食品ロス削減月間」として、各省庁や自治体が食品ロスの削減に向けた取組を集中的に啓発しています。 また、10月30日は「食品ロス削減の日」として、特に消費者が自分自身や家庭でできることから食品ロス削減に取り組むことを呼びかけています。
食品ロス削減月間の目的は、食品ロスの問題に対する一般の意識を高め、具体的な行動へと移行させることにあります。食品ロスは、環境的、経済的、社会的な損失を引き起こす大きな問題となっています。
この期間中には、様々なキャンペーンやイベントが開催され、食品ロスの具体的な削減方法や成功事例の共有が行われます。これにより、より多くの人々や組織が食品ロス削減の取り組みに参加するきっかけとなり、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。
日本の食品ロス関連イベント
めざせ!食品ロス・ゼロ|[消費者庁]食品ロス削減月間
消費者庁 では、民間企業や自治体と連携し、
#食品ロス削減月間 #ぜんぶたべたよ
のハッシュタグを使ってSNSで食品ロス削減に関することを発信しています。
【画像元】めざせ!食品ロス・ゼロ|[消費者庁]食品ロス削減月間
ごちそうさまチャレンジ
ごちそうさまチャレンジとは、国連世界食糧計画(WFP)が主催する、食品ロス削減に関するキャンペーンです。このキャンペーンでは、食べ残しや見切り品などの食品ロス削減につながる行動を「#ごちそうさまチャレンジ」と「#ゼロハンガー」のハッシュタグをつけてSNSに投稿すると、協賛企業や団体が途上国の子どもたちに学校給食を寄付します。1投稿につき120円(学校給食4人分)が寄付されます。
このキャンペーンは、2022年9月29日から10月31日まで実施されています2。参加方法は簡単で、ごちそうさまポーズや完食したお皿、見切り品レシピなどの写真や文字をSNSに投稿するだけです。
おにぎりアクション2023
「おにぎりアクション2023 - おにぎりで世界を変える」とは、特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalが主催する、食の不均衡に取り組むキャンペーンです。このキャンペーンでは、おにぎりの写真をSNSや特設サイトに投稿すると、協賛企業がアフリカやアジアの子どもたちに給食を寄付します。1枚の写真投稿につき給食5食分に相当する100円が寄付されます。
おにぎりアクションは、2015年から毎年10月16日の「世界食料デー」を記念して開催されています。2023年の開催期間は10月4日から11月17日までです。参加方法は簡単で、おにぎりの写真に「#OnigiriAction」のハッシュタグをつけてSNSに投稿するか、応募フォームから写真をアップロードするだけです。また、日産セレナやセブン-イレブンのおにぎりと一緒に写真を投稿すると、給食10食分に相当する200円が寄付されます。
【画像元】おにぎりアクション2023 - おにぎりで世界を変える
「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテスト
「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテストは、消費者庁が主催する食品ロス削減に関する川柳のコンテストです。
このコンテストでは、食品ロス削減に関する川柳を募集し、審査委員によって優秀な作品を選びます。受賞作品には、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)賞や消費者庁長官賞などが授与されます。また、受賞作品は消費者庁のウェブサイトやチラシなどで紹介され、食品ロス削減の普及啓発に活用されます。
令和5年度のコンテストは、2023年10月1日から10月31日まで応募を受け付けています。
【画像元】令和5年度「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテスト
オリジナル米粉料理レシピ募集
全国米粉普及協会主催するオリジナル米粉料理レシピの募集は、農水省「米・米粉消費拡大プロジェクト」に賛同して行われるキャンペーンです。
このキャンペーンでは、米粉を使ったオリジナルの料理やお菓子のレシピと調理動画を募集し、優秀な作品に「米粉料理人」の称号と賞品を授与します。
オリジナル米粉料理レシピを発信して、国内で自給可能な食料であるお米・米粉の消費拡大を目指しましょう!
(募集期間:随時募集中)
世界での関連イベント
World Food Day 2023, ‘’Water is life, water is food. Leave no one behind’’
世界食糧農業機関(FAO)は毎年、世界食料デーに合わせてテーマを設定し、そのテーマに沿った啓発キャンペーンを行います。
2023年のテーマは、「水は命の源、水は食の源、誰一人取り残さない」です。このテーマは、人口増加や都市化、経済発展、気候変動などによって危機に瀕している水資源の重要性に焦点を当てています。水は生命や食べ物を生み出す源であり、全ての人々が水を確保できるようにすることが持続可能な開発のために必要です。
【画像元】 World Food Day 2023, ‘’Water is life, water is food. Leave no one behind’’
「Save Food」イニシアティブ
FAOと国際連合環境計画(UNEP)が共同で推進するこのイニシアティブは、食品ロスと食品廃棄物の問題に焦点を当てたグローバルなキャンペーンです。様々なイベントや教育プログラムを通じて、食品ロスの削減を促しています。
フードバンク
世界中に存在するフードバンクは、食品ロスの削減と飢餓問題の対策を同時に取り組むための組織です。彼らは、過剰生産されたり、販売期限が近づいた食品を収集し、必要とする人々に配布する活動を行っています。
各国の地方イベント
世界中の多くの国や都市で、地元の組織やNGOが食品ロスや食糧問題に関するイベントやワークショップを開催しています。これらの活動は、地域社会のニーズや文化に合わせて様々な形で行われています。
ヨーロッパでは「Zero Waste Festival」が開催され、食品の無駄を減らす方法や再利用技術を学べるワークショップが行われます。また、アフリカや南アメリカの国々では、地元の食材を使った料理教室や農業者と消費者をつなぐマーケットが開催されることも。
食品ロスは私たちの生活や地球に大きく影響しています。
食品ロス削減月間はこの問題に目を向け、行動を変える契機となる期間です。
世界各地でのイベントやネット上の取り組みを通じて、私たち一人ひとりが小さな行動を起こすことで、大きな変化を生むことができます。
この機会に、食品ロスを減らす一歩を踏み出し、地球と経済を救う手助けをしましょう!
消費者庁:オンラインコミュニティ~「おいしく食べきる」を考えよう!フォーラム with 消費者庁 ~
農林水産省:みんなで食べる幸せを