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漬物で健康習慣!知識とレシピで食品ロス削減も

公開日: 更新日:2024.02.02
漬物で健康習慣!知識とレシピで食品ロス削減も

せっかく買った野菜を使いきれずに捨ててしまうこと、ありませんか?

実は、余った野菜は漬物にすることで、おいしく保存することができるんです

漬物の歴史や種類、栄養価、保存方法など、漬物の基礎知識から、家庭で簡単にできる漬物レシピまで、幅広くご紹介します。

健康的な毎日の食卓と特別なおもてなしの両方に漬物の魅力を取り入れてみませんか?


漬物の基本

ぬか漬け

漬物の歴史

漬物は、野菜を保存するために生まれた食文化です。

日本では、縄文時代から塩漬けやぬか漬けなどの漬物が作られていたことが分かっています。当時は、冷蔵庫や冷凍庫がない時代でしたので、野菜を長期保存するために、塩やぬかを使って発酵させることで保存性を高めていました。

平安時代には既に、野菜を塩や酢で保存する技術が発展していました。江戸時代に入ると、醤油や砂糖などの調味料が普及し、ぬか漬けや醤油漬けなど、多様な漬物が生まれ、現在に至るまで、日本人の食卓を彩り続けています。

これらの伝統的な漬物は、野菜の保存技術としてだけでなく、日本の四季を感じる食品としても重要な役割を果たしてきました。

現代では、冷蔵庫や冷凍庫などの保存技術が発達したため、野菜を保存する手段は多様化しています。
しかし、漬物は保存食としての役割だけでなく、独特の風味や食感が楽しめ、健康にも良いことから、今なお多くの人に愛されています。

漬物の種類と栄養価

漬物は、大きく分けて「発酵漬物」と「非発酵漬物」の2種類があります。

発酵漬物は、乳酸菌や酵母などの微生物によって発酵させる漬物です。ぬか漬け、塩漬け、醤油漬け、 квашеная капуста(ザワークラウト)などが代表的な発酵漬物です。
発酵漬物は、発酵によって乳酸やビタミンなどの栄養素が増え、腸内環境を整える効果や免疫力を高める効果などが期待できます。

非発酵漬物は、発酵させずに作られる漬物です。酢漬け、ピクルス、浅漬けなどが代表的な非発酵漬物です。
非発酵漬物は、野菜の本来の風味や食感を活かした漬物が多いです。また、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。

発酵漬物と非発酵漬物の主な違いは、以下の3点です。

保存性:発酵漬物は、発酵によって酸やアルコールが産生されるため、非発酵漬物よりも保存性が優れています。
栄養価:発酵漬物は、発酵によって乳酸やビタミンなどの栄養素が増えます。非発酵漬物は、野菜の本来の栄養素がそのまま残されています。
味と食感:発酵漬物は、発酵によって酸味や旨味が加わります。非発酵漬物は、野菜の本来の味や食感が活かされています。

このように漬物の種類によって、保存性、栄養価、味と食感などが異なるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。

例えば、
腸内環境を整えたい場合は、ぬか漬けなどの発酵漬物
野菜の鮮度と栄養を保持したい場合は、浅漬けなどの非発酵漬物
長期保存したい場合は、塩漬けなどの発酵漬物
がおすすめです。


正しい漬物の保存法

漬物は保存方法によって、おいしさ、保存期間が変わってきます。

発酵漬物

発酵漬物の保存方法は、その品質と風味を保持するために重要です。

一般的に、発酵漬物は冷蔵保存が基本です。冷蔵庫で保存することにより、適度な発酵状態を維持し、不要なカビの発生を防ぎます。
特に、ぬか漬けなどの乳酸発酵を利用した漬物は、適度な温度管理が重要です。温度が高すぎると発酵が進みすぎ、酸味が強くなる恐れがあります。

発酵漬物の保存期間は、その種類と保存条件によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月間保存することが可能です。
例えば、ぬか漬けの場合、適切な冷蔵保存を行えば、数ヶ月間は品質を保つことができます。ただし、長期間保存する場合には、定期的なぬかの混ぜ返しや補充、漬け液の管理が必要です。

重要な点は、発酵漬物は生きている食品であり、発酵過程で味や風味が変化することです。
このため、保存中は定期的に味の変化を確認し、必要に応じて味の調整を行うことが推奨されます。また、カビの発生や異臭がある場合は、品質が落ちている可能性が高いので、その部分を取り除くか、場合によっては全て廃棄する必要があります。

漬物を取り出す際には、清潔な器具を使用し、漬け液に汚れや異物が入らないよう注意することが肝要です。

保存環境や管理方法に注意し、定期的なチェックを行うことで発酵漬物の品質を長期間維持することができます。

非発酵漬物

非発酵漬物の保存方法と期間は、その種類や作り方によって異なりますが、一般的な保存のポイントはいくつかあります。
まず、非発酵漬物は冷蔵庫で保存するのが基本です。冷蔵庫での保存により、野菜の鮮度を保ちつつ、微生物の活動を抑制することができます。

浅漬けや酢漬けなどの非発酵漬物は、比較的短期間で消費することが望ましいです。
これらの漬物は、数日から1週間程度が最適な消費期限とされています。時間が経つにつれて風味が落ちるため、作ったら早めに食べきることが重要です。

保存容器は密封性の高いものを使用し、空気に触れる面積を少なくすることで鮮度を保つことができます。また、漬け液に浸かっている部分と空気に触れる部分に色の違いや変質が見られた場合は、品質が落ちている可能性があります。

非発酵漬物は、その新鮮さが特徴であり、保存期間が短いことを理解しておくことが大切です。
適切な保存方法を守りつつ、作ったらできるだけ早く楽しみましょう。


簡単!手作り漬物

漬物の瓶づめ

家庭でつくる漬物

基本的な道具と材料

【道具】

保存容器:ガラス瓶、プラスチック容器など
重石:漬物石、ペットボトルなど
計量カップ、計量スプーン
菜箸
包丁

【材料】
野菜:大根、きゅうり、白菜、なすなど

砂糖

醤油
昆布
唐辛子

これらの道具と材料があれば、さまざまな種類のお漬物を作ることができます。

漬物づくりのポイント

いろいろな漬物を作る際の共通ポイントです。これらの基本的なポイントを押さえることで、さまざまな種類の漬物作りに成功しやすくなります。

【野菜の下処理】
漬物を作る前に、野菜はよく洗い、水気をしっかり拭き取ります。また、必要に応じて塩もみをして、水分やえぐみを取り除きます。

【塩加減】
塩加減は、漬物の味を決める重要なポイントです。野菜の種類や大きさによって、適切な塩加減が異なります。最初は薄めに塩をして、様子を見ながら調整してください。

【漬け時間】
漬け時間は、野菜の種類や漬物の種類によって異なります。短時間で漬かる浅漬けから、数日かけて漬けるものまで、様々です。好みの漬かり具合になるように、漬け時間を調整してください。

【保存方法】
漬物は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存します。保存期間は、漬物の種類によって異なりますが、早めに食べるようにしてください。

【衛生管理】
漬物を作る際は、清潔な手や道具を使うことが大切です。また、容器は煮沸消毒してから使うようにしてください。


忙しい時にも助かる!時短漬物テクニック

時短で漬物を作るコツは、野菜の下処理と調味料の工夫にあります。

【下処理】
野菜は薄切りにすることで、味が染みやすくなり、漬け時間を短縮できます。

【電子レンジを使う】
大根や人参などの根菜類は、電子レンジで加熱してから漬えると、短時間で漬かります。

【めんつゆを使う】
めんつゆを使うと、調味料を調合する手間が省けます。

【市販の漬物のもとを使う】
市販の漬物のもとを使えば、簡単に本格的な漬物を作ることができます。

これらの工夫により、忙しい日でも手軽に新鮮な漬物を楽しむことが可能になります。


野菜別!漬物作りに役立つ豆知識

野菜ごとに最適な漬物づくりのポイントがあります。

【大根】
大根は、皮に栄養が豊富なので、皮ごと漬けるのがおすすめです。薄切りにすると味が染みやすくなります。

【きゅうり】
きゅうりは、塩もみしてから漬けると、水分が抜けてシャキシャキとした食感が楽しめます。

【白菜・キャベツ】
白菜は、芯の部分を取り除いてから漬けると、味が均一に染み込みます。
芯の部分は細切りにして漬物にすると、歯ごたえが楽しめます。

【なす】
なすは、アク抜きしてから漬えると、色鮮やかに仕上がります。

【古くなった野菜】
しんなりした野菜は、水気をしっかり絞ってから漬物にすると、美味しく仕上がります。
傷んだ部分は、取り除いてから使用しましょう。

これらの野菜ごとの特性を活かすことで、より美味しい漬物を作ることができます。


野菜ごとの漬物アイデア

漬物

定番野菜の絶品レシピ

漬物の定番野菜もちょっと目先を変えると、新鮮な味が楽しめます。

【きゅうりと梅干しのおかか漬け】
きゅうりを薄切りにして、塩もみしておきます。梅干しを叩いて、醤油、みりん、かつお節と混ぜ合わせます。水気を絞ったきゅうりと混ぜ合わせ、冷蔵庫で漬けます。

【白菜とリンゴの甘酢漬け】
白菜を食べやすい大きさに切ります。リンゴは皮をむいて薄切りにします。酢、砂糖、塩、水、生姜を混ぜ合わせ、白菜とリンゴを加えて混ぜ合わせます。

【カレー風味の大根漬け】
水、酢、塩、砂糖、カレー粉を混ぜた調味液にスライスした大根をいれ、冷蔵庫で1~2日漬けます。スパイシーで刺激的な味わいが楽しめます。

これらのレシピは、日常的な食材を活かしながら、手軽においしい漬物を楽しむことができます。


余り野菜を活用したレシピ

冷蔵庫の中で余ってしまった野菜を活用した漬物レシピは、食品ロス削減にも役立ちます。

【野菜の酢漬け】
きゅうり、人参、ナスなど、さまざまな野菜に使えるレシピです。 酢、水、砂糖、塩を鍋に入れて沸騰させ、沸騰したら火を止めて冷ましておきます。野菜はスライス、または細切りにして、瓶に入れ、冷めた酢の液体を注ぎます。冷蔵庫で一晩漬けることで、おいしい酢漬けができます。
砂糖の量を増やすと、甘酢漬けになります。

【塩もみキャベツの漬物】
キャベツ(しんなりしたものもOK)を細かく切り、ボウルに入れて塩を加えてよくもみ込みます。常温(夏は冷蔵庫)で30分ほど置いてから、水分を絞り、トウガラシやゴマを混ぜて完成です。
冷蔵庫で約3~5日程度は新鮮な状態を保つことができますが、長期保存を目的としたものではないので、比較的早めに食べましょう。

【茄子の浅漬け】
なすはよく洗い、ヘタを取り、格子状に切り込みを入れて、塩を揉みこみます。水分が出てきたら洗い流して、水気を絞り、砂糖、酢、水を入れて混ぜた容器に茄子を漬けます。
冷蔵庫で30分~1時間ほど漬けたら完成です。日持ちはしないので、すぐに食べてくださいね。


皮?種?食品ロス削減レシピ

通常は捨てがちな野菜の皮や種も、工夫次第でおいしい漬物に変わります。

【大根の葉の漬物】
大根の葉をよく洗い、水気を切って粗く刻みます。醤油、砂糖を熱し、砂糖が溶けたら冷ましておきます。刻んだ大根の葉と塩昆布を冷ました醤油駅に入れ、よく混ぜ合わせます。ごま油とゴマを加えると風味が増します。漬け込んだ大根の葉を冷蔵庫で数時間から一晩漬けこみます。よく混ぜてから盛り付けてくださいね。

【スイカの皮の漬物】
酢、水、砂糖を加熱し、砂糖が溶けたら、冷まします。スイカの皮を一口サイズぐらいにカットします。塩をまぶし、30分程度置いて、水分を引き出します。水で洗い流し、水分をしっかり取り除き、酢液に漬けます。唐辛子を加えるとピリッとした辛みが加わります。よく混ぜ合わせて、冷蔵庫で一晩から数日間漬け込みます。
キュウリやニンジンを一緒に漬け込むと、色と食感のバリエーションが楽しめます。

【かぼちゃの種の醤油漬け】
かぼちゃの種をよく洗って、乾燥させ、フライパンで軽く炒ります。醤油、みりん、砂糖を混ざ合わせ、弱火で温めます。温めた調味液を種に絡めて、冷めたら冷蔵庫で一晩漬けてください。
少し噛み応えのある、甘辛い風味の漬物になります。


漬物を使ったアレンジレシピ

漬物レシピ

毎日の食卓に。漬物を活用した副菜レシピ

漬物はそのままでも美味しいですが、少しの工夫で日常の副菜に変身します。

【きゅうりの漬物のサラダ】
浅漬け、ぬか漬け、キムチなど、お好みのきゅうりの漬物を用意し、細かく切って、ツナや豆腐と和えると、簡単サラダになります。使用する漬物の種類だけではなく、切り方、豆腐の種類、ツナ缶の種類などによって、さっぱりとした味わいから、コクや辛味、酸味など、いろいろな味と食感が楽しめます。
ドレッシングは必要ありませんが、使いたい場合はゴマ油やマヨネーズなども合います。

【大根の漬物の炒め物】
大根の漬物、豚バラ肉、ちくわを食べやすい大きさに切り、ごま油で炒め、醤油、みりん、砂糖を加えて炒め合わせるだけの簡単レシピです。
しっかりとした歯ごたえと甘みがあるたくあんが最適ですが、べったら漬けや千枚漬けでも、ご飯にピッタリのおかずになります。

【白菜の漬物と卵の炒め物】
白菜の漬物は、よく水気を切って、食べやすい大きさに切り、ごま油で炒めます。よく溶きほぐした卵を加えて、ふんわりと炒め、醤油を加えて味を調えれば完成です。
豚バラ肉やニンジンなどを加えると、彩とボリュームがアップします。


おもてなしにもピッタリ!漬物を使った彩りレシピ

漬物を使った彩り豊かなレシピは、おもてなしの席にもぴったりです。

【冷菜プレート】
お好みの漬物と野菜を、彩よく盛り付けるだけで、おもてなしにピッタリの華やかなプレートになります。
漬物は食べる直前に盛り付けると、味が薄まらずにおいしくいただけます。またドレッシングやソースを添えると、味に変化が楽しめます。

【浅漬けサラダ】
レタスを敷き、その上に浅漬け、トマト、きゅうり、ハム、チーズを盛り付けるだけ。
浅漬けは食べやすい大きさにカットした、白菜、大根、キュウリなど、どんなお野菜でも楽しめます。

【漬物のピザ】
ピザ生地にトマトソースとチーズを塗り、いろいろな種類の漬物をトッピングして焼くだけの、簡単おもてなし料理です。手軽に作れて、見た目の華やかなピザです。
ハムやチキン、バジルなどを追加すると、豪華になります。


お酒のおつまみにも!漬物を使った大人レシピ

漬物はお酒のおつまみにも最適で、大人の時間をより豊かに彩ります。

【漬物のカナッペ】
スライスしたバゲットやクラッカーにクリームチーズまたはフレッシュチーズを塗り、水気を切って細かくカットした漬物をチーズの上にのせるだけで、簡単におつまみになります。
スモークサーモンやハムを追加すると、豪華になります。

【漬物のディップ】
柔らかく練ったクリームチーズ、マヨネーズ、ヨーグルト、塩コショウをよく混ぜ合わせ、細かく刻んで水気を絞った漬物を加えて、さらに混ぜ合わせます。セロリ、キュウリ、人参などの野菜をつけて食べると、大人のおつまみになります。
漬物の種類を変えると、いろいろな味のディップを楽しめます。ハーブやスパイスを加えたり、ナッツやドライフルーツを加えたりすると、食感や味わいがアップします。

【漬物のナムル】
きゅうり、大根、レンコンなど、好みの野菜を食べやすい大きさに切って、塩もみをします。野菜によっては下茹でをし、水気を切っておきます。食べやすい大きさに切った浅漬けの水気を絞り、ごま油、白ごまと野菜を混ぜ合わせます。
塩こぶや鰹節を加えても美味しいです。

まとめ

漬物の色どり生春巻き漬物は、野菜をおいしく保存できるだけでなく、健康や環境にも良い影響を与える、まさに一石二鳥の食材です。

漬物作りは、難しく考えず、気軽に挑戦してみてください。きっと、あなただけのオリジナル漬物ができあがるはずです。写真はスタッフが作った漬物の生春巻き。色どりが豊かになるので、おもてなしとしても大好評だったそうです。

漬物の新たな魅力の発見が、皆さんのキッチンに新しい風を吹き込むきっかけになれば幸いです。






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この記事を書いた人

中山

地球を愛する料理研究家であり、SDGsと食品ロスに情熱を傾けるライターです。食品ロス削減を通じて、環境保護と健康的な食生活の両立を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。趣味は家庭菜園。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。