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いざという時のために、食の備えのススメ

公開日: 更新日:2024.09.04
非常食

日本は地震大国。いつどこで大きな地震が起きるかわかりません。
備えあれば憂いなしという言葉があるように、日頃から災害に備えておくことはとても大切です。特に、食料の備えは、災害時における私たちの生活を支える重要な要素の一つです。

このブログでは、食品ロスを減らしながら、いざという時に役立つ食の備えについてご紹介します。
備蓄食品の選び方や保存方法、非常用持ち出し袋の中身、災害時の食料確保の仕方など、具体的な情報を分かりやすく解説します。

高齢者や子ども、ペットなど、災害に弱い人への配慮も忘れずに、皆で力を合わせて、少しでも安心して暮らせる社会を目指しましょう。
災害からの復興には時間がかかることもありますが、日頃の備えが、私たちを困難な状況から救出してくれるはずです


日常での食料備蓄のポイント

食料棚をチェックする女性

備蓄食品の選び方

災害時、何が起こるか分からないからこそ、家庭での食料備蓄は非常に重要であり、備蓄食品選びは慎重に行いたいものです。

まず、長期保存が可能な食品を選びましょう。缶詰やレトルト食品、乾燥麺などが代表的です。これらの食品は、常温で長期間保存できるため、いざという時でも安心です。
また、栄養バランスにも気を配り、主食、主菜、副菜が揃うようにしましょう。例えば、ご飯やパンといった主食だけでなく、缶詰や乾燥させた魚や肉、野菜などを用意することで、栄養バランスの取れた食事を確保できます。
さらに、家族の好みやアレルギーを考慮することも忘れないでください。

緊急時には心のケアも重要ですから、好きなスナックやお菓子を少し含めるのも良いでしょう。


ローテーションの重要性(ローリングストック法)

備蓄食品はただ買い置きしておくだけではなく、いざという時に食べられるよう、定期的なローテーションが必要です。

ローリングストック法とは、「使うものから買い、古いものから使う」という循環型の備蓄方法です。

賞味期限が近づいた食品は普段の食事で消費し、新しいものを補充することがポイントです。これにより、食品が無駄になるのを防ぎつつ、常に新鮮な備蓄を維持できます。また、ローテーションを行うことで、食品ロスを減らすだけでなく、実際に食べてみて、好みの味や食べやすい食品を見つけることができます。

災害用備蓄として、最低でも年に一度はチェックを行うことをおすすめします。


保存方法の工夫

食料の保存方法にも工夫が求められます。

高温多湿や直射日光を避けるために、涼しく乾燥した場所、取り出しやすい場所に保管することが基本です。
また、食品を防水容器や密封できるプラスチック容器に入れると、湿気や虫害から守ることができます。

冷蔵庫のスペースに余裕がある場合は、冷蔵保存できる食品も備蓄しておくと、食事の幅が広がります。ただし、冷蔵庫の電源が切れてしまう可能性も考慮し、常温保存できる食品をメインに備蓄することが基本です。

保管場所では、重い物は下に、軽い物は上に置くことで、取り出しやすく整理もしやすくなります。備蓄場所を整理しておくことで、いざという時に素早く必要な物資を取り出せるようにしておきましょう。


非常用持ち出し袋の食品

非常持ち出し袋の中身

非常食の種類と選定

非常用持ち出し袋の中身は、いざという時にすぐに食べられるものが理想です。選ぶ際は、高カロリーで消化が良く、かさばらない、長期保存が可能な食品が理想的です。

【缶詰】
さまざまな種類があり、栄養も豊富です。温めずに食べられるものや、お湯で温めて食べられるものなど、種類も豊富です。

【レトルト食品】
温めるだけで食べられるため、手軽です。ご飯やカレー、スープなど、さまざまな種類があります。

【乾燥食品】
非常食用のパンやご飯、スープなどがあります。軽量で長期保存が可能ですが、水を加えて調理する必要があるものもあります。

【エネルギーバーなど】
高カロリーなもの、栄養バランスに配慮したもの、食物繊維豊富なものなど、さまざまなものがあり、コンパクトなため、持ち運びに便利です。

また、アレルギーや特定の健康条件に合わせて、適切な食品を選ぶことも重要です。

これらは、非常用持ち出し袋に入れておくことで、災害発生時にすぐに取り出して食べることができます。
3日分を目安に、一人あたり約2,000キロカロリーを確保できるよう、計画的に準備することが大切です。


飲料水の備え

災害時には安全な飲料水の確保が生存に直結します。非常用持ち出し袋には、少なくとも人一人あたり1日3リットルの水を3日分、合計9リットルを目安に準備することが推奨されています。また、家庭に保存する分としては、7日分が理想的です。

水の保存方法としては、ペットボトルの水だけでなく、水筒や特殊な保存袋に入れる方法もあります。また、携帯用浄水器や水を浄化する化学タブレットも携帯すると良いでしょう。

さらに経口補水液も用意しておくと、脱水症状を防ぐことができ、安心です。


災害弱者・ペットへの備え

災害時には高齢者、障害を持つ人、小さな子供、ペットなどの災害弱者への配慮も不可欠です。

それぞれのニーズに合わせて特別な食料や医薬品、必要な器具を持ち出し袋に準備します。たとえば、高齢者にはやわらかい食品、子供には粉ミルクやおむつ、ペットにはペットフードや携帯用水飲み器を用意することが大切です。
これらを事前にリストアップしておくことで、いざという時に迅速に行動できます。


地震後の食料確保

食料配布

食料入手の安全対策

大規模な地震の後、食料の入手は非常に困難になることがあります。

安全に食料を確保するためには、地域の指示に従って行動することが重要です。地震発生後は、破損した建物やインフラから離れ、最新の情報をこまめに確認し、安全な食料の入手方法や場所について把握するようにしましょう。

また、自宅での備蓄が尽きた場合に備えて、非常時に役立つ地図やアプリを用意しておくとよいでしょう。食料を入手する際には、長期保存可能な水や食品を優先して確保し、食品の安全が保証されていることを確認してください。


災害時の食料分配

災害時には、食料の不足が起こる可能性があります。災害後の食料分配は、公正かつ効率的に行うことが大切です。

地域の防災計画には、どのように食料を分配するかの詳細が含まれています。一般的に、避難所や救援物資の配布ポイントが設けられ、地震の影響を受けた人々に対して、食料や水が提供されます。

分配は、優先順位を設けて行われることが多く、特に高齢者や小さな子供、病人が先に支援を受けるように配慮されるべきです。地域住民は、情報を共有し合い、協力して物資を分配することが求められます。


食中毒防止

災害時は、衛生環境が悪化しやすく、食中毒が発生しやすい状況になります。
食中毒を防ぐためには、食品を安全な温度で保存し、使用する前に十分に加熱することが重要です。

生ものは避ける:特に肉や魚は、中心部までしっかり加熱しましょう。
清潔な水を使い、手をよく洗う:調理の前後には必ず手を洗い、清潔な食器を使いましょう。
食品は冷蔵保存する:腐りやすい食品は、保冷剤などを活用して冷蔵保存しましょう。
賞味期限切れの食品は食べない:賞味期限切れの食品は、たとえ見た目が良くても食べないようにしましょう。

食中毒を防ぐことで、健康状態を維持し、災害からの回復を早めることができます。

また、非常用持ち出し袋には、携帯用の消毒液やウェットティッシュを含め、衛生用品を確保しておくことが推奨されています。


市町村の役割

備蓄倉庫

災害発生前の備え

市町村は、災害発生時の住民の食料供給を確保するため、食料の備蓄計画を策定し、保管施設を準備・管理します。

【食料備蓄計画の策定】
災害の種類や規模、住民数などを考慮し、必要な食料の種類や量、保管場所などを定めた計画を策定します。また、ローテーションシステムを導入し、賞味期限が切れないよう定期的に在庫のチェックと更新を行うことが重要です。

【備蓄品の確保】
計画に基づき、非常食や飲料水を備蓄します。耐震性の倉庫やクーラー設備を備えた保存庫が含まれ、長期保存可能な食品や水のストックを常に一定量確保しておく必要があります。また、地域の特性に応じて、特殊な食料(アレルギー対応など)も用意しておくことが望ましいです。

【住民への情報提供】
災害発生時の食料の確保方法や調理方法、避難所での食事について、パンフレットやウェブサイトなどで分かりやすく情報を提供します。


災害発生時の対応

災害が発生した場合、市町村は、地域内外の食料供給者と連携し、災害時に迅速に食料を確保できる体制を整える必要があります。

【食料の調達】
災害によって食料の供給が途絶えた場合、外部から食料を調達する必要があります。
契約農家や食品メーカー、卸売市場といった様々な業者と事前に協定を結び、緊急時には優先的に食料を供給してもらえるようにしておくことが望ましいです。これにより、災害直後の食料不足を最小限に抑えることが可能になります。

【食料の配布】
災害発生時、市町村は迅速に食料の配布を行うことが求められます。配布計画には、避難所への食料配送ルートの設定や、非常時用の移動販売車を用いた配送方法などが含まれるべきです。
また、災害によって自宅に孤立した住民への食料の供給も重要です。さらに高齢者や障がい者など、自力での食料確保が困難な市民への配慮も重要であり、個別に配送サービスを行うなどの対策を講じる必要があります。

【食料に関する相談窓口の設置】
食料に関する住民からの相談に対応するため、専用の相談窓口を設置します。


復旧期の食料支援

復旧作業が始まる段階での市町村の役割は、災害直後の緊急対応から、より長期的な食料安全保障へと移行します。

【食料供給の正常化】
壊れたインフラの修復や、食料供給チェーンの再構築により、食料供給の正常化を目指します。また、ローカルな農業生産者や食品製造業者と連携し、食料生産の再開を促進することが求められます。

【食料支援の継続】
避難所や仮設住宅に住む市民に対して、継続的な食料支援を行うことも重要です。これには、食料の配布だけでなく、栄養バランスや食生活の質の維持にも配慮する必要があります。
さらに、災害復旧に関わるボランティアや作業員に対する食料の提供も行い、復旧作業の効率化を支えます。


地域コミュニティの役割

温かい食品の配布

災害発生前の備え

地域コミュニティは、災害発生前に備えを行うことで、住民同士が助け合い、災害に強い地域づくりを進めることができます。

【防災計画の策定・防災訓練の実施】
地域の特性や防災に関する知識を活かして、地域防災計画を策定し、地域住民を対象とした防災訓練を定期的に実施することにより、災害時の行動や協力体制を確立します。

【食料備蓄の共同化】
共同で使用する防災倉庫を設置することも有効です。地域の公民館や地区センターに備蓄品を保管し、住民がアクセスできるようにしておくことで、個々人の備蓄に加えて共有リソースとして機能させることが可能です。


災害発生時の対応

災害が発生した場合、地域コミュニティは、住民同士で協力し合い、地域内の資源を活用して自助努力を行うことが重要です。

【食料確保】
地域住民は互いに協力し、共同備蓄がない場合でも、私有の食料を共有したり、地元の農産物を活用して食料を確保するなどの取り組みを行います。

【食料配布】
地域コミュニティにおける食料の配布は、住民同士の協力が必要不可欠です。
災害時には地域のボランティアが中心となり、食料の配布計画を実行します。特に孤立した高齢者や障がい者の家庭への配達は、地域住民の協力により行われることが多いです。

【情報の伝達】
市町村の食料配布に関する情報を地域住民に迅速に伝達し、調整役としての機能を果たす必要もあります。


災害後の復旧期

災害後、地域コミュニティは、住民同士で協力し合い、地域の復旧を支援します。

【食料確保】
コミュニティは、地域内の食料資源を再活用し、共同で食料確保の取り組みを進めることが重要です。地域の農家や小規模生産者からの直接購入を通じて、地域経済の復興を支援しつつ、安定した食料供給を確保します。

【食料配布】
復旧作業により日常生活がまだ不安定な住民に対して、食料の共有や配布活動を行うことで、コミュニティ内の連携を強化します。

【情報と将来への備え】
地域コミュニティは、復旧作業に必要な情報の共有や調整を担い、住民間での支援体制を構築します。
また、災害からの学びを活かし、将来的な災害への備えとして、食料保管や確保の方法を見直し、改善することもコミュニティに求められる役割です。



災害はいつ起こるかわかりません。しかし、日頃から備えておくことで、心のゆとりが生まれます

ご家族やご友人と一緒に防災意識を高めてみませんか?小さなことから始めれば、大きな安心につながります。








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この記事を書いた人

前川

ウエブ担当の前川です。
子供の野球観戦のため、年中日焼けと戦っています。昔から大好きだった書道を最近また始めました。今は「相田みつを」さんのように、絵のような素敵な文字をプレゼントできるようになりたいと、修行中です。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。