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【2024年最新】令和4年度の食品ロス量(推計値)が発表されました

公開日: 更新日:2024.10.31
食品ロス削減のイメージ

令和4年度の食品ロス推定値の内訳と詳細解析

食品ロス推計値の詳細

令和6年6月21日、農林水産省より「令和4年度食品ロス量(推計値)」が発表されました。


 

令和4年度食品ロス量

日本全国での食品ロスは、令和4年度において472万トン(前年度比で51万トンの減少)となり、これは推計開始以来最少の数値です。
この減少は、事業系と家庭系の両方での努力の結果です。

令和4年度、事業系からは236万トン(前年度比で43万トンの減少)、家庭系からは236万トン(前年度比で8万トンの減少)のロスが報告されています。

農林水産省は、令和元年7月に公表した「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)の基本方針において、食品関連事業者から発生する事業系食品ロスを2000年度比で2030年度までに半減させる目標を設定しています。
事業系食品ロスは、令和4年度、(547万トン→273万トン)にするという目標が達成されました。


食品ロス量の減少理由

食品ロス量の減少には、どのような要因が考えられるでしょうか?

【新型コロナウイルス感染症の影響】
○パンデミック中、多くの飲食店が営業を縮小または一時閉店したため、外食による食品ロスが減少しました。
○多くの人が自宅で食事をするようになり、家庭での食品管理が改善され、食品ロスが減少しました。
○食品サービス業界では、テイクアウトやデリバリーの普及が進んだことで、食品の在庫管理がより効率化されました。

【食品ロス削減に向けた意識の高まり】
○消費者の食品ロスに対する意識が高まり、家庭での食品管理や消費の工夫が進みました。
○食品供給チェーンが見直され、効率的な流通と在庫管理が進み食品ロスが削減しました。
○食品関連事業者が食品ロス削減に向けた取り組みを強化し、効率的な在庫管理や販売戦略を導入しました。

【政府による支援策】
政府は、食品ロス削減計画の策定・公表義務化や、食品ロス削減支援事業の拡充など、さまざまな支援策を実施しています。
食品リサイクル法の基本方針に基づく目標設定や啓発活動が行われたことも影響しています。

 

発生要因の内訳

事業系食品ロス

現状:目標達成

令和4年の推計値では、事業系食品ロスは236万トンであり、2030年度までに2000年度比で半減(547万トン→273万トン)するという目標を達成しました
食品ロス削減計画の策定・公表義務化や、フードバンク・テイクアウトの推進などの効果が現れ、前年度比43万トン減少したと考えられます。

その内訳は、食品製造業117万トン(50%)、食品卸売業10万トン(4%)、食品小売業49万トン(21%)となっており、製造・流通・調理の過程で発生する規格外品、返品、売れ残りなどが食品ロスとなっています。
また全体の1/4、60万トン(25%)を占める外食産業における食品ロスは、作り過ぎ、食べ残しなどが原因です。

事業系食品ロスは全体としては減少傾向にあるものの、食品卸売業、食品小売業、外食産業での減少率が20%を超えているにもかかわらず、食品製造業での減少率は7%以下であり、一層の対策が求められます。

 

農林水産省食品ロス量の推移

残る課題

目標を達成したからと言って、油断は禁物です。事業系食品ロスに関して、依然として課題は残されています。

【食品ロス削減計画の不十分さ】
一部の事業者において、食品ロス削減計画の内容が不十分だったり、策定自体が行われていないケースもあります。

【変動する市場需要への対応】
消費者の嗜好や市場の動向が急速に変化する中、製造業者は予測が困難な場合があります。その結果、生産量の過不足が発生し、食品ロスに繋がることがあります。

【賞味期限と消費期限の厳格性】
食品安全規制における賞味期限や消費期限の厳格な規定が、食品が消費されずに廃棄される一因となっています。これらの期限が消費者に誤解を招くことがあり、まだ安全に食べられる食品が捨てられることもあります。

【コストとのバランス】
食品ロス削減技術の導入やプロセス改善にはコストが伴います。特に中小企業にとって、初期投資が大きな負担となることがあります。


家庭系食品ロスの推移

令和4年の推計値では、家庭系食品ロスは236万トンであり、前年比8万トンの減少となりました。これは2030年の目標216万トンの約109%です
食品ロスの減少は、家庭での調理機会の増加や、食品ロス削減に関する情報への意識向上などが影響したものと考えられます。

 

環境省家庭系食品ロス量

家庭系食品ロスの内訳では、食べ残しが約100万トン(43%)、直接廃棄が約102万トン(43%)、過剰除去が約33万トン(14%)です。
過剰除去とは、野菜や果物の皮や芯などを必要以上に切り、食べられる部分が捨てられていることです。また直接廃棄とは、賞味期限切れや傷などの理由で、まだ食べられるのに廃棄してしまうことです。

家庭系食品ロスは、私たち一人ひとりが意識して取り組むことで、削減することができるのです

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【私たちにできること】
必要な量の食材を購入する
献立を立ててから買い物をする、必要な量だけ購入するなど、計画的な買い物をすることが大切です。
賞味期限を確認する
購入した食材の賞味期限を確認し、期限内に食べるように心がけましょう。
食べ残さない
作り過ぎないように注意し、食べ残が出ないように工夫しましょう。
保存方法を見直す
食材を適切な方法で保存することで、賞味期限を延ばすことができます。
食品ロス削減レシピを活用する
食品ロスが出やすい食材を使ったレシピを活用することで、食材を無駄なく使い切ることができます。
フードシェアリングを利用する
食べきれない食材をフードシェアリングサービスに寄付することで、困っている人に役立てることができます。


食品ロス削減に向けた取り組み

 

FIGHT FOOD LOSS

 

食品ロス削減に向けて、政府、事業者、地域など、さまざまな立場で取り組みがすすめられています。

【政府の取り組み】
法律・政策の制定:日本政府は「食品ロス削減推進法」を制定し、食品ロス削減のための法的枠組みを整備しました。これにより、全国的な取り組みが強化されています。
目標設定:2030年までに2000年度比で食品ロスを半減するという目標を設定し、これを達成するための方策を国内外に展開しています。
公的補助:食品ロス削減に取り組む事業者に対して、助成金や融資を提供しています。
公共キャンペーンの実施:「食品ロス削減月間」の設定や、啓発活動を通じて、消費者への意識向上を図っています。

【事業者の取り組み】
在庫管理の最適化:AI技術を利用した在庫管理システムの導入により、過剰在庫による食品ロスを削減しています。
副産物の有効活用:食品製造過程で発生する副産物を、新たな商品開発や動物飼料として再利用することで、廃棄を減らしています。
消費期限の見直し:賞味期限や消費期限の見直しを行い、無駄な廃棄を減らすための情報提供を積極的に行っています。
値下げ&シェア:スーパーマーケットなどで賞味期限が近い食品を割引価格で販売したり、フードシェアリングアプリを利用して余剰食品を消費者に提供するなどにより、廃棄を減らしています。

【地域・NPOの取り組み】
フードバンクの活用:食品を必要とする団体に対し、食品を再配布するフードバンク活動が活発に行われています。
地域協力プロジェクト:地域のスーパーマーケットや飲食店が連携し、食品の余剰を地域内で有効活用する取り組みが進んでいます。
イベントの開催:地域レベルでの食品ロス削減をテーマにしたイベントやワークショップを定期的に開催し、住民の意識向上を図っています。

【教育機関での取り組み】
教育プログラムの導入:小中学校や高校で食品ロスに関する教育プログラムを導入し、若い世代に食品の大切さを教えています。
研究プロジェクトの推進:大学や研究機関では、食品ロス削減に関連する技術や方法についての研究が行われており、その成果が社会実装されています。
学生主導のイニシアティブ:学生が主導するプロジェクトやクラブ活動を通じて、キャンパス内外での食品ロス削減活動が展開されています。



農林水産省が発表した令和4年度の食品ロス推計値は、前年度比減少となり、朗報と言えるでしょう。
しかし、まだ道半ばです。

食品ロス削減は、環境、社会、経済にとって持続可能な未来を実現するために不可欠な課題です
今後も政府、企業、個人が連携し、一人ひとりが食品ロス削減への意識を持ち、行動することが重要です。





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この記事を書いた人

前川

ウエブ担当の前川です。
子供の野球観戦のため、年中日焼けと戦っています。昔から大好きだった書道を最近また始めました。今は「相田みつを」さんのように、絵のような素敵な文字をプレゼントできるようになりたいと、修行中です。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。