オランダ留学中の山口です。
私は先日、風車村として有名な「ザーンセ・スカンス」に行ってきました。
オランダといえば、風車を思い浮かべる方も多いと思います。今回は、そんなオランダの風車について皆さんにご紹介します。
オランダのエネルギー事情
オランダの風力発電
「風車」と聞くと、まず風力発電をイメージするかもしれません。風力発電は「再生可能エネルギー」として注目されています。
オランダにも多くの風力発電所があり、国内で発電される電力の半分以上が、風力を含む再生可能エネルギーによるものです。
さらに近年は、陸上風力発電だけではなく、洋上風力発電にも力を入れており、北海に位置する地理的な条件を生かして、強くて安定した風力を利用しています。
そんなオランダの風車の歴史は長く、人々にとって風車は、単なるエネルギー源以上の役割を果たしてきました。
オランダといえば「風車」の理由
なぜオランダでは風車がこれほど重宝されてきたのでしょうか。
オランダは風が強いから?それだけではありません。主な理由は、風車を利用した「水管理」です。
オランダは低地が多いため、干拓地を作り上げてできた土地が多くあります。しかし、干拓地では洪水が頻発し、人々を悩ませてきました。
そこで、この問題を解決するために活躍したのが当初は製粉用に使われていた「風車」です。
オランダの人々は製粉用の風車を改良し、干拓地に溢れた水を排出するための風車を作ったのです。
このようにして、オランダでは水管理の用途で風車がどんどん拡大していき、やがて生活の一部となりました。
さらに、風車は脱穀や油搾りなど様々な用途にも利用され、オランダの産業発展にも大きく貢献しました。
こうした伝統が今でも残る数少ない地域が「ザーンセ・スカンス」です。
ザーンセ・スカンス
アムステルダムからほど近い場所に位置する「ザーンセ・スカンス」には、昔ながらの風車が立ち並び、のどかな雰囲気が漂っています。
風車の周りには、可愛らしい家屋と田園地帯が広がり、まるで絵本の世界のような美しい風景を見ることができます。
(可愛らしい伝統家屋)
(風車の周りに広がる田園風景)
ザーン地方の歴史
ザーンセ・スカンスが位置するザーン地方は世界で最も古い産業地域のひとつと言われています。
全盛期には約1000基もの風車が存在しましたが、産業革命とともに減少し続け、1920年代にはわずか50基ほどになりました。
1925年には「風車協会」が設立され、風車の保存活動が始まりました。
現在、ザーンセ・スカンスでは、13基の風車が稼働しており、脱穀や木材加工など、それぞれ異なる機能を持っています。内部を見学できる風車もあり、実際に動いている様子を見ることができます。
ペイントミル「De Kat」
私は「De Kat」という、絵の具などの染料を製造している風車を見学しました。「De Kat」とはオランダ語で「猫」を意味します。
De Katは、1646年に油を製造する風車として建設されました。1782年には火災に見舞われましたが、すぐに修復されました。その後、1904年まで使用され、1906年の修復後に染料工場に生まれ変わり、今も現役で稼働しています。
(De Katの内部)
風車内部の様子だけではなく、外に出て風車を間近で見ることもできました。
この日は特に風が強かったため、近くで見る風車は迫力満点。羽根の動きが一層ダイナミックに感じられました。
風車の上からの「ザーンセ・スカンス」の景色もとても綺麗でした。
(近くで見るとより迫力満点の風車)
風車だけじゃない!ザーンセ・スカンスの魅力
ザーンセ・スカンスを訪れて、私が最初に印象に残ったのは「香り」です。
近くにカカオ工場があり、風車が見えるか見えないかのタイミングで、ふわっとチョコレートの香りが漂い始め、幸せな気持ちになりました。
風車のそばにあるチョコレート専門店では、自分でホットチョコレートを作ることができます。
さらに、チーズ専門店や木靴工房もあり、ここではオランダの伝統的な技術に触れることができるのも魅力です。
(さまざまな種類のチーズが並ぶチーズ専門店)
(木靴工房)
かつてはオランダ全土で数多くの風車が稼働していましたが、時代の流れとともに、その多くが取り壊されてしまいました。
そうした中で、昔ながらの知恵や伝統を受け継ぎ、今もなお役割を果たしつつ、私たちに美しい姿を見せてくれる「ザーンセ・スカンス風車村」。
この風車村には、風車の歴史を未来へと守り伝えたいと願う人々の想いが込められています。
オランダを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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- はじめまして。都内の大学に通う山口と申します。現在は、1年間のギャップイヤーを取得して、オランダでワーキングホリデーをしています。今回のブログでは、私の自己紹介を踏まえて、オランダへの留学を決意した理由とオランダ生活の一部をお届けします。
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