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【着るSDGs】古着の賢い処分法!エコな選択で地球に優しく

公開日: 更新日:2024.10.28
箱入りの衣料品

毎年大量に捨てられる洋服が、実は地球環境に大きな影響を与えていることをご存知ですか?

しかし、古着の「賢い処分法」を知ることで、私たち一人一人が環境保護に貢献できるのです。古着を捨てる代わりに、古着回収に出すことで、資源の循環を促し、地球環境の保全に貢献することができます。また、古着を新たな価値へと生まれ変わらせることで、サステナブルな社会の実現にもつながります。

古着のライフサイクルアセスメント(LCA)、適切な捨て方、そして古着回収を通じて地球に優しい生活を送る方法について詳しく解説します。さらに、古着回収のメリットや、回収業者の選び方など、具体的なポイントもご紹介。

地球を守る小さな一歩を、今すぐ踏み出しませんか


古着の適切な処分方法

スマホでTシャツの写真を撮っている

洋服のLCA

皆さんは、ご自身が普段着ている洋服が、一体どのようにして作られ、そしてどのように処分されているか、考えたことはありますか?

洋服は、私たちの生活に欠かせない存在ですが、その裏側には、資源の栽培から製造、流通、そして廃棄に至るまで、多くの環境負荷が伴っています。この一連のプロセスを「ライフサイクルアセスメント(LCA)」と言います。LCAとは、製品のライフサイクル全体を通して環境への影響を評価する手法です。

洋服のLCAでは、原材料の栽培・調達から製造、輸送、使用、そして廃棄までの各段階で、温室効果ガスの排出量や水資源の消費量、廃棄物量などが評価されます。

洋服の製造には、大量の水やエネルギーが必要であり、また、化学物質の使用による環境汚染も懸念されています。さらに、廃棄された洋服は、埋め立てられることでメタンガスを発生させたり、焼却されることで大気汚染の原因となったりします。
例えば、世界自然保護基金(WWF)によると、Tシャツ一枚を作るためのコットンの生産には、約2,700リットルの水が必要とされています。これは500mlのペットボトルに換算すると、5400本分になります。
このようなデータから、私たちが日常的に着用している衣類がどれほど環境に影響を与えているかを知ることができます。


古着の捨て方と注意点

古着の処分方法は、大きく分けて「燃やす」「埋める」「リサイクル」の3つに分けられます。

燃やす】
ごみ焼却場で燃やされる方法です。この方法では、ダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があり、環境への負荷が大きいと言えます。
埋める】
ごみ埋め立て場に埋められる方法です。この方法では、土地の有効活用が難しく、また、メタンガスが発生する原因となります。
リサイクル】
古着を原料として新たな製品に生まれ変わらせる方法です。リサイクルには、繊維を原料とした新しい洋服を作るアップサイクリングや、古着を原料とした断熱材や自動車部品を作るダウンサイクリングなどがあります。

古着を捨てる際は、自治体の分別ルールに従い、適切な方法で処分することが大切です。

しかし、古着を捨てる前には、その衣類が再利用可能かどうかを見極めることも大切です。
状態が良ければリサイクルショップへの持ち込みやオンラインでの売却が可能です。ただし、破れがある場合や汚れがひどい場合は、リサイクルも困難になります。このような衣類は専門の回収ボックスに投入し、資源として再活用される道を選ぶことが環境に優しい選択と言えるでしょう。

不要になった衣類の適切な処理方法を選ぶことは、ごみの量を減らすことにもつながります。


地球にやさしい処分方法=古着回収

古着回収は、使われなくなった衣類を新しいリソースとして活用する方法です
日本国内で年間約100万トンの衣類廃棄があるとされていますが、これらの多くが焼却処分されてしまいます。古着回収を利用することで、これらの衣類が再利用される可能性が広がります。

衣料品としての再利用:古着を洗浄・修理して、再び衣料品として販売されることがあります。
繊維製品の原料:古着を細かく裁断して、新しい繊維製品の原料として利用されます。
工業製品の原料:古着を原料として、断熱材や自動車部品などが作られます。

古着回収は、古着をリサイクルするための第一歩です。古着回収ボックスやリサイクルショップを利用することで、手軽に古着を処分し、環境保護に貢献することができます。私たちの小さな行動が、地球環境の保護につながるのです。


古着回収の基本とメリット

キープ、破棄、寄付に分類された衣類

古着の新たな価値

古着が持つ新たな価値について考えるとき、単に古いものとしての捨てられ方だけではなく、リユースやアップサイクルを通じてどのように再活用されるかが鍵を握ります。

リセール:状態の良い古着は、リサイクルショップやフリマアプリを通じて、再び誰かに着用してもらうことができます。
アップサイクル:古着を解体し、デザインを加えて新たな洋服や小物に生まれ変わらせることです。
ダウンサイクリング:古着を細かく裁断し、断熱材や自動車部品などの工業製品の原料として利用します。

古着をリサイクルすることで、新品の洋服を作るために必要な資源やエネルギーを大幅に削減することができます。例えば、綿の栽培には大量の水が必要ですが、古着をリサイクルすれば、その水資源の消費を抑えることができるのです。

また、デザイナーたちは古着を素材として新しいファッションアイテムを生み出すことで、一つひとつの衣類に新しい命を吹き込んでいます。古着をアートの一部として再解釈する動きもあり、文化的価値も見直されつつあります。

これらの取り組みから、古着が新しい形で社会に受け入れられる道を探ることが重要です。


古着回収のメリット

古着回収は、私たち一人ひとりが簡単に取り組める環境保護活動の一つです。また、環境への負担を減らすだけでなく、社会的な利益ももたらします。衣類を捨てる代わりに回収することで、年間何百トンもの廃棄物を削減できるのです。古着は単なる「古くなった服」ではなく、「新しい資源」なのです

地球環境への貢献:古着の廃棄による環境負荷を軽減し、地球温暖化防止に貢献できます。
資源の有効活用:古着をリサイクルすることで、新たな資源を生み出し、廃棄物の量を減らすことができます。
経済的なメリット:古着の販売による収益は、発展途上国の支援や地域社会の活性化に役立てられることがあります。
新たな産業の創出:古着リサイクル産業の活性化は、雇用創出にもつながります。

具体的には、リサイクルされた衣類は、新しい衣類の生産に必要な水やエネルギーの消費を削減します。さらに、古着回収によって生み出された雇用機会は、地域経済に寄与するとともに、社会的弱者への支援にもつながっています。

こうした循環型社会の実現に寄与する点が古着回収の大きなメリットです。


古着回収のポイント

クローゼットの洋服をチェックする女性

回収業者と回収方法の選び方

古着回収の方法には、大きく分けて自宅での回収と、持ち込み回収があります。
どちらの方法を選ぶかは、ご自身のライフスタイルや、回収したい古着の量によって異なります。

【自宅での回収】
忙しい方や、大量の古着を処分したい方におすすめです。ただし、回収ボックスの設置場所や、宅配便の送料など、事前に確認しておく必要があります。
【持ち込み回収】
時間に余裕がある方や、古着の状態を詳しく確認してもらいたい方におすすめです。古着によっては、買取してもらえる可能性もあります。

古着回収を成功させるには、信頼できる回収業者を選ぶことが重要です。
業者選びの際には、その業者がどのような基準で衣類を選定し、どこに送るのかを確認しましょう。一部の業者では家から直接集荷してくれるサービスを提供している一方で、設置された回収ボックスに自ら持ち込む必要がある場合もあります。
利便性だけでなく、その業者の社会的な評価や実績も調べることが望ましいです。

また、地域によっては自治体が指定する業者を利用することが条件となる場合もあります。

回収可能な衣類の種類:どんな種類の衣類を回収しているか確認しましょう。
回収方法:自宅まで回収に来てくれるか、持ち込みが必要か確認しましょう。
費用:費用がかかる場合、事前に確認しましょう。
環境への取り組み:環境に配慮した活動を行っている業者を選びましょう。


回収できないもの

古着回収では、すべての衣類が対象となるわけではありません。一般的に、回収できないものとして以下が挙げられます。

汚れた衣類:汚れがひどい衣類は、衛生上の問題から回収できない場合があります。
破損した衣類:大きな穴が開いているものや、ボタンが全て取れてしまっているものは、回収できない場合があります。
特殊な素材の衣類:革製品や毛皮製品など、特殊な素材で作られた衣類は、回収できない場合があります。

一般的に、強い汚れや破れがある衣類、特殊な素材でできているもの、安全衛生上の問題がある衣類(下着など)は回収対象外とされることが多いです。また、電子機器が縫い込まれているスマート衣類など、特別な処理が必要なアイテムも排除されることがあります。

回収を依頼する前に、各回収業者の指定する条件を確認し、適切な処理を心がけましょう。


回収に出す前にチェック

古着を回収に出す前には、いくつかのチェックポイントがあります。

洗濯:衣類は清潔に洗濯されているか、乾燥は十分にされているかを確認してください。汚れや湿気が残っていると、他の衣類に悪影響を与える可能性があります。
ポケットの中身:ポケットの中身を確認し、忘れ物がないようにしましょう。また、ポケットの中に物が残っていると、回収を拒否される場合があります。
ボタンやファスナー:ボタンが外れていたり、ファスナーが壊れている場合や、破れている箇所があれば、事前に修理しておきましょう。

これらの準備を行うことで、古着が有効に再利用される確率を高めることができます。


古着回収における自治体と企業の取り組み

古着回収ボックスに袋を入れる女性

古着回収は、環境問題への意識の高まりとともに、自治体と企業の双方で積極的に取り組まれるようになりました。両者の連携により、より効率的で効果的な古着回収システムが構築され、循環型社会の実現に貢献しています。


自治体と企業の協力

自治体と企業は、それぞれが持つ強みを活かして連携することで、より効果的な古着回収を進めています。

【情報発信】
自治体は、住民への情報発信を積極的に行い、古着回収の重要性や方法を周知します。一方、企業は、自社のノウハウやネットワークを活用し、より広範囲に情報を発信します。
【回収システムの構築】
自治体は、市民がアクセスしやすい場所への回収ボックスの設置場所の確保や収集ルートの整備など、回収システムの基盤を構築します。企業は、回収された古着の選別、リサイクル、販売などのノウハウを提供し、システムの効率化を図ります。
【地域住民の意識向上】
学校や地域センターなどで自治体と企業が共同で、ワークショップやイベントを開催しています。これにより、古着のリサイクルの重要性について学ぶ機会が提供され、子どもたちや地域住民の環境意識向上が図られます。


自治体のプロジェクト

自治体では、さまざまな古着回収プロジェクトが実施されています。

【地域住民向けの回収ボックス設置】
公共施設や公園などに回収ボックスを設置し、住民が気軽に古着を捨てることができるようにします。
【小中学校との連携】
学校で古着回収を行い、子どもたちにリサイクルの大切さを教えます。
【地域イベントとの連携】
地域のイベントと連携し、古着回収ブースを設置することで、多くの人々に参加を促します。
【NPO法人との連携】
地域のNPO法人と連携し、回収された古着を海外への寄付やリサイクルに活用します。
【クリーニング業者との連携】
一部の自治体では、地元のクリーニング業者と協力して古着の回収と再利用を行うプロジェクトを実施しています。クリーニングされた衣類は、必要としている地域社会や福祉施設に寄付されます。


企業の取り組み事例

企業も、自社の事業と連携したさまざまな古着回収に取り組んでいます。

【ファッションリテーラーによる回収プログラム】
大手ファッションチェーンが店舗内に古着回収ボックスを設置し、回収した衣類をリサイクル製品に再加工するプログラムを実施。一部では、回収した衣類を持参した顧客に対して割引クーポンを提供するなどのインセンティブを設けています。
【アパレルメーカー】
回収した古着を原料として新しい衣類の生産に利用する企業も増えています。これにより、環境負荷の低減と資源の循環利用が進んでいます。
【小売業】
自社店舗で回収ボックスを設置したり、古着買取サービスを提供したりしています。
【リサイクル業者】
古着の選別、リサイクル、販売を一貫して行うことで、循環型経済の構築に貢献しています。
【IT企業】
アプリを活用した古着回収サービスを提供したり、データ分析により、より効率的な回収システムを構築したりしています。


今後の展望

古着回収は、今後もさらに発展していくことが期待されます。

【テクノロジーの活用】
IoTやAIなどの技術を活用することで、より効率的でスマートな回収システムが構築されるでしょう。
【サプライチェーン全体の最適化】
繊維産業全体のサプライチェーンを見直し、より持続可能な生産・消費システムを構築することが求められます。
【国際的な連携】
各国の取り組みを連携させ、グローバルな視点での古着リサイクルを推進していく必要があります。

古着回収は、自治体と企業の連携により、より効果的に進めることができます。両者の協力を通じて、資源の循環型社会の実現に貢献し、持続可能な未来を築いていくことが期待されます。



古着回収は、私たち一人ひとりができる簡単な行動ですが、地球環境を守るために非常に重要な役割を果たしています。

着なくなった服はただ捨てるのではなく、古着回収ボックスやリサイクルショップを活用しましょう。また、古着の購入を通じて新しい服の生産量を減らすことができます。
この機会に、あなたも古着の賢い処分を心がけ、サステナブルな生活を始めませんか?







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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています♪

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。