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食品ロスの優等生「真っ赤なトマト」で酷暑を乗り切りましょう

公開日: 更新日:2025.08.20
お皿にのったトマトとカットトマト


毎日うだるような暑さが続きますね。こんな時こそ、食卓でひときわ輝く赤い宝石、トマトの出番です!
「え、トマトが食品ロスと関係あるの?」と思われた方もいるかもしれません。
実は、トマトは家庭で無駄なく使い切りやすく、規格外品も有効活用しやすい、まさに食品ロス削減の優等生なんです。

トマトが食品ロスを減らす秘密から、家庭菜園でエコ生活を始めるヒント、そして酷暑を乗り切るためのトマトの栄養と簡単レシピまで、トマトの魅力をたっぷりご紹介します。
さあ、真っ赤なトマトの力で、今年の夏を元気に乗り切りましょう!


トマトは何故、食品ロスの優等生なのか

鍋のトマトソースをお玉ですくっている

家庭でできる廃棄を減らすトマトの保存術

スーパーで買ってきたトマト、冷蔵庫に入れたままうっかり傷ませてしまった経験はありませんか? トマトは熟すとすぐに傷みやすい野菜ですが、ちょっとした保存の工夫で無駄なく食べ切ることができます。

まず、常温保存の場合はヘタを下にして置くと、お尻の部分から水分が抜けるのを防ぎ、長持ちします。直射日光を避け、風通しの良い場所が最適です。

また、冷蔵庫に入れる場合は、乾燥を防ぐために新聞紙やキッチンペーパーで一つずつ包んでポリ袋に入れ、ヘタを下にして置くのがおすすめです。こうすることで、約1週間ほど鮮度を保てます。
完熟トマトは冷蔵庫に入れると味が落ちると言われますが、冷蔵する場合はヘタを取ってキッチンペーパーで包み、乾燥を防ぐだけでも持ちが変わります。

さらに長期保存したい場合は、生のまま冷凍保存が便利です。丸ごとでもカットしてからでもOK。ヘタを取り除き、洗って水気を拭き取ってから冷凍用保存袋に入れれば、約1ヶ月は保存可能です。煮込み料理などにすぐ活用できます。

ちょっとしたひと手間で、大切なトマトを無駄なく使い切りましょう。


規格外トマトの活用法

形が不揃いだったり色むらがあるだけで、味は変わらない「規格外トマト」。実は市場に出回る前に廃棄されるトマトの一因になっています。

規格外トマトはお店ではあまり見かけませんが、味は通常のトマトと全く変わりません。むしろ、完熟している分、おいしさがぎゅっと詰まっていることも少なくありません。最近では、農家さんから直接お得に購入できるサービスや直売所も増えてきました。

家庭で規格外トマトを手に入れたら、ジュースやジャム、パウダーなどに加工するのがおすすめです。少し熟しすぎたトマトは逆に甘みが増していて、ソースやピューレにすれば旨味がぎゅっと詰まった一品になります。

こうした小さな工夫をすることで、生産現場の廃棄も家庭での廃棄も減らせるのがトマトの魅力です。


トマトの加工品

トマトの魅力は、生のままだけでなくトマト缶やトマトジュース、ドライトマトなどの加工品としても無駄なく活かされているところです

日本では年間およそ6万トンものトマト缶が消費されていますが、保存性が高くいつでも使えるので食品ロス削減に役立つ優秀な存在です。
例えばトマト缶を使えば、旬を過ぎた時期でもリコピンやカリウムといった栄養を効率よく摂れますし、開封後に余った分も冷凍しておけば、パスタソースやスープに再利用できます。規格外のトマトも多くが加工品として新たに活かされているので、私たちが選んで買うだけで廃棄削減に貢献できるのです。

使い切れずに傷んでしまう生トマトを減らすためにも、加工品を上手に取り入れるのは賢い選択です。実際、家庭での食品ロスは年間約244万トンにも上ると言われており(農林水産省「食品ロス量の推計」令和3年度)、その中には手付かずのまま廃棄される生鮮食品も多く含まれます。

加工品を上手に活用して、無理なく食品ロスを減らしましょう。


トマト栽培で始めるエコ生活

ミニトマトを栽培している

ミニトマト栽培のコツ

ベランダや庭で、真っ赤なミニトマトを育ててみませんか?「家庭菜園は難しそう…」と思うかもしれませんが、ミニトマトは比較的育てやすく、初心者さんにもおすすめです。ベランダや小さな庭でもプランターひとつで手軽に始められるのが魅力です。

まず、苗を選ぶ時は、茎が太く、葉の色が濃いものを選びましょう。

栽培のコツは日当たりと水やりのバランスを保つことです。日当たりが良く、風通しの良い場所を好むので、1日に6時間以上の直射日光があたる場所が理想です。鉢植えの場合は午前中に日の当たる場所が最適です。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。特に夏場は水切れに注意が必要です。
肥料は、植え付け時に元肥を与え、その後は定期的に追肥をすると実付きが良くなります。

そして、おいしいミニトマトをたくさん収穫するための大切なコツが「脇芽かき」です。葉の付け根から出てくる小さな芽は、放っておくと栄養が分散して実がつきにくくなるので、見つけたら早めに摘み取りましょう。

たったこれだけの工夫で、甘くてみずみずしいミニトマトが収穫できます。1株で100個近く収穫できることも珍しくなく、スーパーで買うよりお得感を味わえます。

育てる楽しさと収穫の達成感を感じながら、自然と旬の野菜を無駄なく味わう習慣が身につくのも嬉しいポイントです。


育てて実感、家庭菜園で食品ロス削減

家庭菜園を始めると、野菜を大切に食べきろうという意識が自然と高まります

スーパーで野菜を買うと、どうしても使いきれずに傷ませてしまったり、食べ残してしまったりすることがありますよね。でも、自分で育てた野菜は、必要な時に必要な分だけ収穫できるので、無駄なく使い切ることができます。しかも、採れたての新鮮な野菜は、味も栄養も抜群です。旬の時期に大量に採れても、自家製トマトソースやジャム、ドライトマトなどに加工すれば、長期保存も可能です。

また、自分で手をかけて育てたトマトは、多少形が悪くても味わい深く、無駄に捨てようという気持ちになりにくいものです。子どもたちと一緒に育てれば、食べ物の大切さや、自然の恵みに感謝する気持ちも育めるでしょう。

家庭での小さな取り組みが、身近なところから食品ロス削減につながると実感できるのが、菜園の良さです


トマト栽培の嬉しいメリット

トマトの栽培は、食品ロス削減だけでなく、私たちの暮らしにたくさんの嬉しいメリットをもたらしてくれます。

トマトを育てる楽しさは、収穫するだけではありません。まず、毎日の水やりや生育観察など育てる過程で太陽の光や風を感じる時間は、忙しい日常のちょっとした癒しになります。緑に触れ、土をいじる時間は、日頃のストレスを忘れさせてくれるでしょう。また、太陽の光を浴びながら作業することで、ビタミンDの生成も促進され、健康的な生活にも繋がります。

そして、なんといっても自分で育てた野菜を食べる喜びは格別です。収穫の喜びは、達成感や満足感を与えてくれますし、採れたての新鮮なトマトの味は、一度知ったら忘れられません。トマトはリコピンやカリウムなどの栄養が豊富で、収穫したてをすぐに食べられるのは家庭菜園ならではの贅沢です。お子さんの野菜嫌い克服のきっかけになることもあり、親子のコミュニケーションにも一役買います。

さらに、家庭菜園は食費の節約にもなります。特に夏場はトマトの消費量が増えるので、家庭で無農薬でたっぷり収穫できるのも大きなメリットです。しかも自分で育てれば家計にも優しいですね。もし大量に収穫できれば、ご近所や友人と分け合って、交流のきっかけにすることもできます。


酷暑を乗り切るトマトの魅力

トマトとグラスに入ったトマトジュース

酷暑に効く赤い力 リコピン

今年の夏も、厳しい暑さが予想されています。そんな酷暑を乗り切る強い味方になるのが、真っ赤なトマトです。

夏の強い日差しにさらされる私たちの体を内側から守ってくれるのが、トマトの鮮やかな赤色の元となっている赤い色素「リコピン」です。このリコピンこそが、夏の健康をサポートしてくれる鍵なのです。

リコピンは、非常に強い抗酸化作用を持つことで知られています。夏の強い日差しを浴びると、私たちの体は活性酸素が増えやすくなりますが、リコピンはその活性酸素を除去し、細胞の老化や損傷を防ぐ働きがあると言われています。

実際にトマト100gあたりに含まれるリコピンは約3mgと言われています。効率よくリコピンを摂取するには、トマトを生で食べるだけでなく、加熱調理するのがおすすめです。油と一緒に摂ると吸収率がアップするので、オリーブオイルを使ったトマトソースなどは理想的な食べ方です。

また、紫外線による肌ダメージを軽減する効果も期待できるので、暑さで疲れやすい夏にこそ、スープやソースにして無理なく取り入れることで、ダメージをケアできます。

赤い色に秘められたパワーを、美味しくいただきたいですね。


食べる日傘 トマトの栄養

トマトは「食べる日傘」とも呼ばれるほど、夏に嬉しい栄養素が豊富に含まれており、暑さに負けない体作りを助けてくれる野菜です。

トマトにはリコピンだけでなく、汗とともに失われがちなカリウムも豊富です。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、むくみの解消や血圧の調整に役立つミネラルで、体の余分な熱を外へ逃がす働きがあります。熱中症対策にも非常に重要な栄養素です。

さらに、ビタミンCもたっぷり含まれています。ビタミンCには、紫外線によるダメージから肌を守り、コラーゲンの生成を助ける働きがあるため、夏バテ予防やお肌の健康にも一役買ってくれます。
食物繊維も含まれているので、夏に滞りがちな腸の働きを整える効果も期待できます。

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、トマト100gあたりカリウムは210mg、ビタミンCは15mgも含まれています。手軽にこれらの栄養素を補給できるトマトは、まさに夏の食卓に欠かせない存在です。

今年の酷暑は、手軽なトマトを味方につけて乗り切りたいものですね。

おいしく補給、トマトの力

酷暑の夏は、食欲が落ちて栄養が偏りがちになることもあります。そんな時でも、トマトならおいしく、そして手軽に体に必要な力を補給できます。

トマトの魅力は、生で食べるだけでなく、さまざまな形に加工されてもその栄養とおいしさを楽しめることです。一口にトマトと言っても、その形や加工方法によって、手軽さや栄養の摂り方はさまざまです。

例えば、ミニトマトは大玉よりリコピンが多めで、お弁当やおやつ代わりにも便利です。トマト缶ピューレは加熱加工されている分、リコピンの吸収率が高いのが特徴です。特にトマト缶は、旬の時期に収穫されたものが加工されるため、年間を通じて安定した品質と栄養を保っています。
ケチャップトマトソースもリコピンが凝縮されていて、パスタや炒め物にひとさじ加えるだけで栄養アップになります。トマトジュースは、水分と栄養を同時に補給できるため、食欲がない時や熱中症対策にもおすすめです。また手軽に飲めるだけでなく、リコピンも効率よく摂取できます。

形を変えても無駄なくおいしく補給できるのが、トマトの大きな力です。

トマトの加工品等の比較表

このように、生鮮品から加工品まで、それぞれの特性を理解して使い分けることで、トマトの持つ多様な栄養成分を、おいしく、賢く体に取り入れることができます
ぜひ日々の食卓に、さまざまな形でトマトの力を活用してみてください。


暑さに負けないトマト料理

カプレーゼ

火を使わない簡単レシピ

真夏のキッチンは火を使うだけで汗だくになってしまいますが、トマトは火を通さなくても美味しく食べられる万能野菜です。

たとえば刻んだトマトにオリーブオイルと塩をかけるだけの即席マリネは、調理時間5分ほどでさっぱりした一皿になります。ミニトマトを半分に切ってモッツァレラと和えるカプレーゼもおすすめです。火を使わないだけでなく、リコピンなどの抗酸化成分を効率よく摂れるのも嬉しいポイントです。特にリコピンは脂溶性なので、オイルをかけて一緒に食べると吸収率がぐっと高まります。

簡単で体にも優しい、暑い日にぴったりの味方です。


☆もずく酢トマト☆
さっぱり&ネバネバの意外な組み合わせがクセになる!

【材料(2人分)】
トマト…1個(角切り)
もずく酢(味付き)…1パック
しょうが(すりおろし)…少々
白ごま…少々

作り方】
1.トマトを角切りにする。
2.ボウルにもずく酢、しょうが、白ごまを入れて混ぜる。
3.トマトを加えて軽く和える。冷蔵庫で10分ほど冷やすと味がなじんで美味!


ひんやり冷製料理

暑い日には、ひんやり冷たいトマト料理で体の内側からクールダウンするのがおすすめです。

冷製トマトスープの「ガスパチョ」は、スペインの夏の定番料理として知られていて、ビタミンやミネラルをまるごといただけるトマトスープです。旬のトマトにきゅうりやピーマンを加え、ミキサーで攪拌するだけなので手軽です。冷蔵庫で1〜2時間冷やしてからいただけば、口に広がる酸味と香りで汗も引きます。

暑さで食欲が落ちる時期こそ、胃に負担をかけずに栄養を取れる冷製料理は大人の味方です。日本でも真夏日は全国で年間約50日を超えると言われる時代だからこそ、上手に取り入れたいですね。


☆トマトの冷たいおでん風☆
お酒のアテや作り置きの一品に。

【材料(2人分】
トマト(中)2個(湯むき)
だし汁 300ml
塩 少々
みりん 小さじ1
おろししょうが 少々

【作り方】
1.トマトを湯むきしておきます。
2.だし汁に塩とみりんを入れてひと煮立ちさせ、粗熱を取ります。
3.湯むきしたトマトをだしに浸し、冷蔵庫でしっかり冷やします。
4.食べるときにおろししょうがを添えて。


しっかり栄養補給レシピ

夏の疲れを引きずらないためには、しっかり栄養を補給できるトマトレシピが頼りになります。

例えば、トマトと鶏肉の煮込みは、鶏肉のタンパク質とトマトの栄養が一度に摂れる優れたメニューです。鶏肉をトマト缶と一緒に煮込むだけで、深い味わいの煮込み料理が完成します。
また、トマトと卵のふわふわ炒めもおすすめです。トマトの酸味と卵の優しい味が絶妙にマッチし、ご飯が進む一品になります。卵は良質なタンパク質を含み、トマトのリコピンは油と一緒に摂ることで吸収率がアップするため、栄養面でも相乗効果が期待できます。


☆トマトとツナの炊き込みご飯☆
リコピン・たんぱく質・炭水化物が一度に摂れ、夏バテ対策にもぴったり!

【材料(米2合分)】
米…2合
トマト…1個(丸ごと)
ツナ缶(オイル漬け)…1缶
コンソメ…小さじ1
塩…少々

【作り方】
1.米を研ぎ、炊飯器に水とコンソメ、塩を入れる。
2.トマトを丸ごと中央に置き、ツナを周囲にのせて炊飯。
3.炊き上がったらトマトを崩して全体を混ぜる。



農林水産省の調査では、日本人の野菜摂取量は1日平均280gと目標の350gに届いていないそうです。

だからこそ、日々のレシピに手軽で栄養豊富なトマトを加えて、美味しく楽しく、無理なく栄養を満たしていきましょう!
今年の夏は、トマトの恵みを存分に味わって、心身ともに健やかにお過ごしくださいね。





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この記事を書いた人

村上

サステナブルライターとして、SDGsや生活の知恵を発信しています。育児をしながら、子どもと一緒に地球に優しい生活を目指し中。趣味は料理と美術館巡り。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。