こんにちは!高校生インターンの三枝です。
今回は、生ゴミや一部の紙ゴミを使用して堆肥をつくる、「コンポスト」についてお届けいたします。
コンポストとは?
そもそも「コンポスト」とは何を指すのでしょうか。
コンポストは元々は食品廃棄物や落ち葉などの有機物が分解されてできた、栄養を多く含む堆肥のことです。
しかし、最近では、堆肥そのものだけではなく、その堆肥を作る容器(コンポスト化容器)のこと、または堆肥を作る過程をも「コンポスト」と言うことも多いようです。
コンポストのメリット
では、なぜコンポストを行うことは良いのでしょうか。
まず、家庭菜園を行っている方や庭のお手入れを行っている方にとっては、栄養をたくさん含む堆肥を家で自作することができるというメリットがあります。
また、生ゴミを家庭でリサイクルすると言うことなので、焼却・埋め立てられる生ゴミの減量へもつながります。
ちなみに、2017年に日本の一般家庭で発生した食品廃棄物のうちの9割以上は再利用されることなく、焼却・埋め立てられています。
現在、政府により食品リサイクルが推進されており、2018年には食品製造業で発生した食品廃棄物の9割以上が再生利用されたのに比べて、一般家庭で発生した食品廃棄物、つまり家庭系廃棄物の再生利用はあまりされていないことがわかります。
出典:農林水産省:平成29年度食品廃棄物等の年間発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率
生ゴミを焼却するにはもちろんエネルギーが必要であり、焼却は二酸化炭素の排出を伴う場合が多いので、自宅でコンポストを行い食品廃棄物を減らすことは、環境へのメリットももたらすのです。
だからこそ、日本の多くの自治体は、コンポスト化容器を始めとした様々な生ゴミ処理器をあっせんしています。
海外でのコンポストの実施状況
では、ここからは海外でのコンポストの実施状況についてお届けいたします。
海外では家庭で発生した廃棄物をコンポスト化し、再生利用することが多いに普及している国も少なくありません。
消費者が直接食材や農産物を生産者から購入することのできるファーマーズマーケットでも、コンポストにするためにそれぞれの家庭で発生した生ゴミを回収する場所などが多数設置されていたりもします。
また、自治体が自らコンポスト事業を活発に推進している場合もあります。
その例が、ニューヨーク州のうちの5つの行政区を含む、ニューヨーク市です。
ニューヨーク市では、市中に数多く設置されている、「食品廃棄物ドロップオフサイト」にて、住民のそれぞれの家庭内で発生した食品廃棄物を回収し、コンポスト化する取り組みが行われています。
(現在は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために行われておりません。)
住民は肉製品や油分の多い食品意外の食品廃棄物はそこへ持ち込むことができ、つくられた堆肥はニューヨーク市の美化のために活用されるそうです。
このように、大規模な団体が率先して家庭で発生した食品廃棄物の再生利用を行うことで、焼却されたり埋め立てられてしまう食品廃棄物の減量の他、住民など、そのコミュニティメンバーの食品廃棄物への意識を高められるのだと感じます。
現在私が通っている学校では、学校の食堂で発生した食品廃棄物は可燃ごみとともに回収へ出しているとのことでした。
学校など、多くの食品廃棄物や食品ロスが発生する場所でも、コンポストを行うことができたら良いな、と思わされました。
コンポストは、家庭で誰もが実践できることでもあるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
合わせて読みたい
- 世界のリサイクル率ランキング!日本のゴミの量は多い?
- 日本は、世界的にも高度なリサイクル技術を持ち、多くの市民がリサイクルに積極的に取り組んでいることで知られています。しかし、日本のリサイクル率が世界で何位かご存知でしょうか?