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3Rの「リデュース」とは? リユース、リサイクルとの違いって?

公開日: 更新日:2023.09.07
3Rの「リデュース」とは? リユース、リサイクルとの違いって?

家庭でできる環境にやさしい取り組み「リデュース」をご存知ですか?

 

リデュースとは、ごみを減らすための取り組みを指します。

 

家庭のごみに関係する取り組みには、

ほかに「リユース」「リサイクル」もあります。

 

今回は、このリデュースというキーワードについて解説し、

リユース・リサイクルとの違いや具体例などについても紹介します。

 

 

リデュースとは?

  ゴミを分類している人

 

リデュースとは、ごみを減らすことやごみの減量につながる取り組みを意味します。

 

例えば、買い物の際にマイバックを持参し、レジ袋を使わないようにすることや、

ペットボトル飲料を買わずに水筒を持ち歩くことなども

リデュースの取り組みの一つです。

 

こうした取り組みによって、使い捨てのレジ袋やペットボトルなどのごみが

発生するのを防ぐことができます。

 

リデュースが重視される背景には、エネルギーや環境の問題があります。

 

どういうことか、レジ袋を例に挙げて説明しましょう。

 

レジ袋が私たちのもとに届くまでには、

たくさんのエネルギーが使われています。

 

レジ袋の素材に使われるポリプロピレンは、もとをたどれば石油です。

 

それに加えて、石油を生成するためのエネルギーや、レジ袋を輸送するエネルギー、

使い終えたレジ袋を処分するのにもエネルギーが使われます。

 

日本では、年間305億枚のレジ袋が使われているとされ、

これらのレジ袋の原料調達から廃棄までの“一生”に必要なエネルギーは、

合計で原油42万キロリットル相当だと言われています。

 

このようにレジ袋には大量のエネルギーが使われていますが、

リデュースに取り組むことでレジ袋の使用を控えれば、

こうしたエネルギーを節約できると考えられているのです。

 

また、使い終えたレジ袋がきちんと処分されずポイ捨てされた場合には、

最終的に海にたどり着き、海洋ごみとなる可能性もあります。

 

レジ袋などのプラスチックごみは、自然界で分解されるのに膨大な時間を要します。

 

そのため、海中を漂い続け、海の生き物が誤って食べるなどして

海洋生態系に悪影響を及ぼすことが指摘されているのです。

 

こうしたエネルギーや環境へのインパクトを抑えるために、

リデュースという取り組みが必要とされています。

 

(参考:経済産業省『なっトク、知ットク3R』)

 

 

リユース・リサイクルとの違いは?

  リユース・リサイクルとの違い

 

続いて、リデュースとよく似た言葉である

リユース、リサイクルについて説明します。

 

リユースとは、使用済みのモノを捨てるのではなくそのまま再利用することです。

 

フリーマーケットなどで使わなくなったものを必要としている人に売ったり、

再利用可能な容器を繰り返し使ったりすることなどが挙げられます。

 

その一方で、リサイクルとは、

不要になったものを捨てずに資源として再利用することです。

 

リユースと似ていますが、一度資源に戻すことに大きな違いがあります。

 

例えば、アルミ缶のリサイクルでは、

回収したアルミ缶に熱を加えて溶かし、再び成形してアルミ缶を作ります。

 

このように、そのまま再利用することをリユース、

いったん資源に戻してもう一度製品化することをリサイクルといいます。

 

リデュースがごみを減らす取り組みであるのに対し、

リユースとリサイクルは、そもそもごみとして捨てないアクションだと言えるでしょう。

 

 

3R=リデュース・リユース・リサイクル

  リデュース・リユース・リサイクル

 

リデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)の頭文字をとって

この3つを「3R」と呼びます。

 

また、レジ袋や不要なスプーン、フォークなどのプラスチック製品、

過剰包装を断る「リフューズ(Refuse)」を加えて「4R」と呼ぶこともあります。

 

より良い環境を長く保ち続けるには、

こうした取り組みのどれか1つを実施するのではなく、

すべてをできるだけ長く継続していくことが大切です。

 

 

リデュース・リユース・リサイクルの具体例

  ゴミの分別イラスト

 

では、実際にリデュース・リユース・リサイクルには

どのような事例があるか紹介していきます。

 

 

リデュースの具体例

 

まず、リデュースとしては、マイバッグや水筒を持ち歩くことのほかにも、

シャンプーや洗剤などの詰め替えをする、簡易包装の商品を選ぶ、

使用頻度の少ないものはレンタルや

サブスクリプションサービスなどを利用すること

などが挙げられます。

 

特に、最近はさまざまなサブスクリプションサービスが登場しています。

 

衣類や車、家電製品など、これまでになかったようなサービスもあり、

気軽に利用することができるようになっています。

 

また、今持っているものを大切にして、

長く使うこともリデュースにつながります。

 

古いものを修理やお手入れをしながら使い続けていくのは大切なことだと

考える文化も、近年、再び注目されているようです。

 

 

リユースの具体例

 

次に、リユースの具体例としては、

着ることがなくなった衣服などを

フリーマーケットで売ることなどが挙げられます。

 

オンラインのフリーマーケットで服やバッグを売ったり買ったりしたことがある

という人も多いのではないでしょうか。

 

また、使い古しのバスタオルをバスマットとして使うことなども、

立派なリユースの一つです。

 

 

リサイクルの具体例

 

最後に、リサイクルの事例としては、

アルミ缶のほか、ペットボトルや牛乳パック、

肉や魚のトレーなどの再資源化などが

挙げられます。

 

こうした資源ごみの分別をしっかり行うことや、

リサイクルされた素材でできた製品を選ぶことも大切です。

 

 

毎日の暮らしに3Rを無理なく取り入れよう

  光をもつ手

 

地球にある資源は、無限ではありません。

 

中でも、生活の中に溶け込んでいるプラスチックの原料である石油は、

将来的に枯渇することが指摘されています。

 

紙の原料である森林資源も、際限なく使い続けることはできません。

 

資源は限りあるものであることを知れば、

おのずと3Rの重要性を理解することができます。

 

マイバッグや水筒を使うことや、買い物の際に簡易包装やリサイクル素材を選ぶことは、

少し面倒に思ったり、ハードルを感じたりすることがあるかもしれません。

 

ですが、少しずつ生活に取り入れることで、

「リサイクル素材でできた商品って、こんなにたくさんあったんだ」

「マイバッグや水筒を使っている人、結構多いんだな」

といった気づきにつながるでしょう。

 

買い物の際だけでなく、おうちの中のモノを大切にすることも3Rにつながります。

 

無理なく取り組める3Rのアクションを探し、習慣にしていくことで、

きっと心豊かで環境にやさしい暮らしを送ることができるようになるでしょう。

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この記事を書いた人

サステナブルライター 山下

電力会社やベンチャー企業でエネルギー関連のビジネスに従事したのち、2019年にサステナブルライターとして独立しました。「家庭の省エネエキスパート」資格を持ち、自治体において気候変動や地球温暖化に関するセミナーを実施した経験もあります。環境問題をもっともっと身近に感じてもらえるよう、わかりやすい記事を心がけています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。